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◆('A`)兄妹は夏休みに冒険するようです ―第一章「八月一日」―

('A`)兄妹は夏休みに冒険するようです インデックスページへ

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 13:52:49.82 ID:b2sm7NsE0
―第一章「八月一日」―

(;'A`)「クー! すごいぞ!」

居間へ駆け込んだ。
早く、伝えたかった。

川 ゚ -゚)「ん、兄さん? 休んでくるんじゃなかったのか?」

(;'A`)「とにかくすごいんだ! 来てくれ!」

その手を引っ張る。
あんなに躊躇していたのが嘘のように、その手は軽く柔らかかった。

廊下を駆け抜ける。
それはまるで、ずっと一緒だった昔に戻ったかのようで。

足を留める。
薄暗い物置も、いまでは宝物庫のように見えた。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 13:54:53.18 ID:b2sm7NsE0
川;゚ -゚)「どうしたんだこんなに慌てて。黒い悪魔でも出たのか」

(;'A`)「これだよこれ!」

川;゚ -゚)「鏡か? 危ないからしまっておくんじゃなかったのか?」

('A`)「ああ、でも違うんだ。向こうを見てみれば、分かる」

怪訝そうな顔をするクーを前へ押し出す。

川 ゚ -゚)「向こう?」

(;'A`)「ああ、顔だけでいい」

そっと顔を近づけるクー。
その顔が鏡を突き抜ける。

数秒の後、手足をじたばたさせる。
俺はクーの頭を引き抜いた。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 13:56:05.91 ID:j4Dwz8vA0
季節感に期待支援


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:00:53.89 ID:b2sm7NsE0
川*゚ -゚)「兄さん! あれは何だ?!」

(*'A`)「すごいだろ! 見たこともない所だ!」

川*゚ -゚)「ああ、すごく――」

(*'A`)「わくわくする!」

二人してはしゃぎあう。
二人一緒、探検と称して近所を闊歩していた日々。
二度と戻らないはずのその日々が。
この鏡の向こうにはあったのだ。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:01:58.81 ID:b2sm7NsE0
川 ゚ -゚)「兄さん! 缶詰は?!」

('A`)「上の棚にあるはずだ! リュックサックは用意したか?」

川 ゚ -゚)「ああ、万全だ!」

物資を集める俺とクー。
まるで遠足の準備みたいだ。
胸がどきどきして落ち着かない。

慌ただしく屋敷内を駆けまわる。
しばらくして、その足音がうってかわって静まり返る。
俺達はまた、鏡の前に立っていた。



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:03:40.87 ID:b2sm7NsE0
(*'A`)「いいな、クー?」

問いかける。
でも答えなんて、分かり切っていた。

川*゚ -゚)「ああ、行こう!」

言うが早いか、鏡へ飛び込む。
ためらいなんて、微塵もない。

今年の夏休みは、絶対! 最高に! 楽しいぞ!
そんな、小学生みたいな高揚感だけが俺たちに残っていた。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:05:09.43 ID:b2sm7NsE0
川*゚ -゚)「おおぅ!」

さんさんと照らす太陽。
はるか海の向こうの水平線。

(*'A`)「やっぱすげえ…」

誰の足跡もついていない砂浜。
ふと逆を見ると、先の見えない鬱蒼とした森。

日本、いや世界中探したってこんなところがあるものか。
なぜか、そう確信していた。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:07:04.34 ID:b2sm7NsE0
('A`)「鏡はこっちにもあるのか…」

頭をくぐらせて覗きこむと、見慣れた物置が目に入る。

川*゚ -゚)「帰り道の心配なんて、その時でいいさ」

(*'A`)「だな! あーちくしょう、どこに行くか迷うな」

川*゚ -゚)「夏休みだ、時間はたっぷりあるぞ」

そんな中、こちらへゆっくりと降りてくる鳥が見えた。
いや、あれは――



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:09:21.38 ID:b2sm7NsE0
(;'A`)「――人?」

川 ゚ -゚)「こっちだと空飛ぶ人間までいるんだな…」

大真面目に言うクー。
でもそれすらも本当のように感じた。

(;'A`)「…なんか俺達の方を睨んでないか…?」

川 ゚ -゚)「兄さんのことだ。下からスカートの中を覗き込んだりしたんだろう」

(;'A`)「ばっ、してねえよ!」

白だった。



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:10:44.79 ID:b2sm7NsE0
二人で大騒ぎしていると、空を飛んでいた人がこちらへ歩いてきた。
美しい金髪、蒼い瞳を持つ女性。
日本人ではないことは確かだった。

ξ゚⊿゚)ξ「あなた達、何?」

しかしその言葉は日本語。
それもたどたどしくなく、流暢なそれ。

川;゚ -゚)「あいむじゃぱにーず、ふーあむあーい?」

冷静にパニくるクー。
ここは俺が答えるしかないのだろう。

(;'A`)「えーっと、旅行者です」

無難な答え。
嘘ではないし、リュックを背負っている俺達はそう見えるはずだろう。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:12:08.04 ID:b2sm7NsE0
ξ゚⊿゚)ξ「嘘よ。だってここ、立ち入り禁止で結界だって張ってあるもの」

しかし返ってきたのはとげとげしい言葉。
そして腰にかけた剣を気にするようなそぶり。
本当のことを言わなければばっさり、ということだろうか。

(;'A`)「その鏡、向こう側から抜けてここに来たんです」

彼女の眼が鋭くなる。
全てを見透かすような瞳。

ξ;゚⊿゚)ξ「…嘘ではないみたいだけど。そんなの私、知らない。どうすればいいのかしら」

剣を抜き、額にあてる女性。
数秒の後。

ξ゚⊿゚)ξ「…モナー様が…いえ、私の上官があなた達に会いたいそうよ。案内するわ」

そう素っ気なく言うと、その剣を地面に突き立てる。
漫画で見たような魔法陣。それが姿を現した。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:13:32.49 ID:b2sm7NsE0
川*゚ -゚)「すご…」

ξ*゚⊿゚)ξ「こんなの基礎中の基礎だけど…。あの鏡を抜けてきたんなら知らないのも無理はないかしら」

魔法陣がくるくると回りだし、俺達を囲う。
空へ、浮かぶ。

(;'A`)「うわあああああああ! 飛んでる! 飛んでるよ俺!」

川*゚ -゚)「おおおおお…」

ξ-⊿-)ξ「あー…もう、いちいちうるさいわね…。まるで小さな子供みたい」

子供のままでも構わない。
こんな冒険ができるなら。
そう、思った。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:15:16.82 ID:b2sm7NsE0
遥か大空に浮かぶ島。
金髪の彼女はそれをこう呼んだ。
――空中要塞ヴィップ。
その名前を聞くだけで手が震えるほどにわくわくした。

(*'A`)「あんたはそこで住んでるのか?!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんた、じゃなくて私にはツンという名前があるの。
     …住んでるってわけじゃないけど、たいていはそこにいるわね」

川*゚ -゚)「すご…すご…ラピュタだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「…ラピュタ…? それで、あんた達はなんて名前? 私が名乗ったんだから今度はあなた達が教えなさいよね」

('A`)「あ、ドクオです。職業は…学生?」

川 ゚ -゚)「同じく、クーだ」

ξ゚⊿゚)ξ「ま、よろしくね。モナー様がなんとおっしゃるかによってはすぐにさよならだけど」

(;'A`)「怖いこというなよ…あんた…じゃないツン」

そんな雑談をしていると、いよいよ島が見えてきた。
クーが、ラピュタと呼んでいたがそれはまさしくそうだった。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:17:14.48 ID:b2sm7NsE0
俺達が島に降り立つと、魔法陣は消えた。
しかしまだ空を飛んでいるような感覚に襲われ、ふらふらする。
これは…

(;'A`)「うートイレトイレ」

ξ;゚⊿゚)ξ「トイレ…あっちだけど。吐くならちゃんと着いてからにしなさいよね。」

ずっと向こうにある建物。
あそこまで持つのだろうか…。

ξ゚⊿゚)ξ「…飛翔魔法酔いしたみたいね。あんなに騒ぐから…。クーはなんともないの?」

川 ゚ -゚)「私は平気だ。…さっきのはやはり魔法なのだな」

ξ゚⊿゚)ξ「ええ、飛翔魔法、文字通り空を飛ぶ魔法よ。慣れてないと彼みたいになるけど」

千鳥足で歩く俺を指差すツン。
見世物じゃないぞ、と文句を言いたいがそんな余裕はなかった。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:18:20.68 ID:b2sm7NsE0
すっきりした後、ツンに連れられて島の内部を歩いていた。
光が差し込まない石造りの壁。
天井で頼りなく光を放つ、ランプだけが頼りだった。

ツンが足を留める。
目の前に、古びた木製の扉があった。

ξ゚⊿゚)ξ「モナー様はここよ。失礼のないようにしなさいよね」

頷き、扉を開いた。

―第一章「八月一日」・END―



32 :◆BUKIniDIeE:2009/07/05(日) 14:22:01.36 ID:b2sm7NsE0
本日はここまで。投下終了です。
支援ありがとうございました。

読んだりまとめたりしてるうちに創作意欲に負けて初投下。
ここまで緊張するとは…

質問などなければ終了します。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:22:07.51 ID:j6ZXmTNM0
これは久しぶりに期待できそうだ


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:25:11.12 ID:2RywtKWgO
乙!面白い
続きが楽しみ


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:37:20.07 ID:JfbkgCtoO

まとめ武器の中の人?
書いたりするんだね


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 14:46:11.85 ID:woH8I2MVO
乙 これは期待


37 :◆BUKIniDIeE:2009/07/05(日) 14:51:11.97 ID:b2sm7NsE0
>>35
そうです。
読むのは好きなのですが、書くのは初ですね…。

ではこのへんで落ちます。
次の投下は一週間後くらいになりそう。
乙ありがとうございました!



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 15:22:11.52 ID:gcMnSnbNO

ベタな感じがたまらなくいい


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 15:31:17.54 ID:11V+H8jP0
冒険ものwktk
乙でした




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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    wktkのドックンドックン~!ふぅん!クーにゃーんにゃーん
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