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◆( ^ω^)達は夏になったら本気出すようです 第一話

( ^ω^)達は夏になったら本気出すようです インデックスページ

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:14:29.34 ID:Lwadbvf60
今日、日本は7月の最初の日を迎えた。

( ゚д゚ )「Preliminary findings from a crosssectional study
suggest that text messaging on mobile phones……」

初老の英語教師は、けだるそうに、英文を呟く。

ふと、窓から外を見る。駐車場の、緑に染まった木には
ぽつぽつと、黄色い実がぶら下がっている。ビワだ。

どこからか、じわじわと、耳にこそばゆいような蝉の
鳴き声が聞こえ、俺は夏が近づいていることを実感した。

次に、俺の隣の隣の席に座る、友人を見た。

( -ω-)「うーん、それはミキプルーンじゃなくて干し乳首だお……」

( -ω-)zzz

そいつは、なにやらのっぴきならない夢を見ながら、気持ち良さそうに
机に突っ伏し、熟睡していた。そして、机の上には、教科書やノートが
一切開かれておらず、まったくハナから勉強する気が無いことを象徴していた。

('A`)「はぁ……」

俺は、ため息をつきながら、椅子の背に掛けてあった上着を
羽織った。クーラーが効き過ぎてて、寒いのだ。



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:16:15.84 ID:Lwadbvf60
きんこんかんこんとありきたりなチャイムがスピーカーから
流れ、今日の授業がすべて終了したことを知らせた。

委員長の号令に従い礼をした後、俺はそのまま机の中の
教科書類を引っ張り出し、リュックに乱暴に詰め込んだ。

そんな俺の前に、ラジカセを腕に抱えた英語教師が現れ、言った。


( ゚д゚ )「お前もなあ、内藤のぉ、友達だったらぁ、あいつがぁ、
どれほどぉ、危ない状態かってことぉ、よぉく伝えておいてくれぇ」

('A`)「……了解です」


俺の返事を聞くと、教師は軽く頷き、その場を去って行った。
肝心の、「危ない状況」に陥っている張本人である、ブーンこと
内藤は、未だに夢の世界を飛び回っていた。

口の端からは、透明なよだれが糸を引いて、机上に着陸している。

('A`)「おーい、ブーン、起きなさい」

ブーンの丸々とした後頭部を軽く小突くも、一向に起きる気配はない。
しかし、これも想定の範囲内、長い付き合いで、こいつがちょっとやそっとで
起きるような奴ではないという事は、十分把握している。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:18:29.59 ID:Lwadbvf60

('A`)「ブーン、飯だぞ、起きろー」

( ^ω^)「mjd!?どこだお!?ごはん!」


('A`)「ウッソだぴょーん」

( ^ω^)「……」

ダルマのような勢いで起き上がり、目を輝かせたブーンだが、
俺の言葉を聞くと、不貞腐れたようにそっぽを向いた。

( ^ω^)「食べ物で釣るなんてひどいお、発展途上国まで
㌧でいっぺん地獄を見てこいお」

('A`)「よく分からねえ事言ってんじゃねえよ、今時食べ物に釣られて
目を覚ますようなお前が悪いんだ」

( ^ω^)「うるちゃい!爆死しろバーカ!」

両腕を振り回しながら叫ぶブーンをかわして、俺は
カバンを取った。



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:20:29.13 ID:Lwadbvf60

('A`)「とにかく廊下に出よう、ここは寒くていけねえや」

そう、とにかく寒い。設定温度は、そう低くはないはずなのだが、
業務用クーラーなせいなのか、凍え死にそうになるぐらい寒い。
冷蔵庫の中にいるようである。

こういう冷気ってのは、自然的な冬の寒さではなく、
人工的に作られた、体に悪そうな寒さだから、不快なのだ。

( ^ω^)「やーい、冷え性!こんな素晴らしい冷房を、
体中で確かめられないなんて可哀想で涙が出るお」

('A`)「お前は堪能しすぎなんだよ、グースカグースカ
眠りやがって、先生からありがた~いお言葉を頂いている
から数レス前を今すぐ読みやがれ!」

( ^ω^)「うう、あんまりそういうこといわないでほすぃお……」

渋い顔でううと唸り、ブーンは立ち上がった。
すると、その衝撃で豊満なそいつの乳が、プルンと揺れた。
只でさえクーラーのせいで気分が悪くなっているのに、こんなものまで
見せられたら俺のメンタルが崩壊寸前になってしまう。


俺はブーンの腕を引っ張り、無理やり教室の外へと連れ出した。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:23:38.51 ID:Lwadbvf60

('A`)「うおぉー、神の恵みや、メグミルクやぁ~」

廊下は、湿気を含んだ重い蒸し暑さで充満されていた。
普段なら不快以外の何物でもないこの空気も、
クーラーの冷気に毒されていた俺にとっては、天使の施しのようであった。


('A`)「太陽よ~もっと我を痛めつけたまへ~」

( ^ω^)「頭いかれてるおコイツ」


ξ゚⊿゚)ξ「あんたほどはいかれてないわよ」

廊下の傘立てに腰かけていたツンが、俺達の会話に参加した。
ここで、ツンについての説明をしなければなるまいが、
面倒なので一言だけ。「ブーンの幼馴染」、以上。

彼女はスカートの尻に着いた砂を払うと、制服の襟を掴み、
ぱたぱたと扇いで体に風を送り込んだ。

俺は、ブラ紐の一つでも見えねえかなあ、と期待しながら
ツンのほうを見たが、さすがプロのJKと言ったところか、そのへんの
ガードはかなり固く、鎖骨も十分に見えやしなかった、畜生。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:26:45.75 ID:Lwadbvf60

ξ゚⊿゚)ξ「あんた、今回のテスト結構ヤバかったんじゃないの?大丈夫なの?」

( ^ω^)「ヤバイなんてもんじゃないお、そろそろ僕もおまいらの後輩に
なってしまう可能性が見え始めたお」

汗でぬれた首を指でぽりぽり掻きながら、とんでもないことを
おっしゃるブーン。俺は、ここまでのんきな野郎がこの世に存在することに、
まっことに呆れかえった。


('A`)「おいおい、よしてくれよ、お前にダブられたらいよいよ俺が
一人になるじゃねえか、いいのか?俺が便所で昼飯を食う事になっても」

( ^ω^)「ドクオの事は別にどうでもいいけど、もし留年したら、
カーチャン達に迷惑をかけちゃうお、それだけは避けたいお……」

立派な心がけであるが、逆に言ってしまえば、立派なところはそれだけである。
授業をまじめに聞き、成績を上げようと努力することと、
親友に対しての心遣いが、ブーンには足りていない。

授業中に爆睡するなど、もってのほか、愚の骨頂だ。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:28:03.63 ID:Lwadbvf60

('A`)「ま、自業自得だ、ざっまっあwwwwwwwwwと言いたいところだが、
お前にダブられると俺たちも困る、せっかくの夏なんだ、
徹底的に勉強するぞ」

( ^ω^)「うぇ……お断りします(゚ω゚)」

ξ゚⊿゚)ξ「てめえお断りできる状況じゃねえだろうが」

凄みを効かせつつ、やくざの脅しそっくりに睨みつけてくるツンを見て、
のんきのパイオニーアであるブーンも流石に押し黙った。
まあ、美少女にあのような目で睨みつけられたら、大抵の人は射精か
失禁かどっちかをしてしまうだろう。
要するに漏らすことに変わりはないってことで。


( ^ω^)「はいはい、勉強します努力します本気出します、
やればいいんでしょうがお」

ξ゚⊿゚)ξ「やればいいんじゃなくて、やるしかないのよ」

ごもっともだ。数日前に、ブーンのテストの解答用紙を見させてもらったが、
どん底のさらに底、という表現が似合うほどの悲惨な点数であった。
赤丸を見つけ出す方が困難であると思われるその解答用紙を
受け取ってしまったブーンに、もはや妥協は許されまい。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:33:20.49 ID:Lwadbvf60

( ^ω^)「もうテストの話は、やめにするお……、要するに、
僕が頑張ればいい話で」


こいつはどうも、話をそらしたがる、確かに耳に悪い話ではあるが、
自分自身の話だから、ほっとけない事であるのに。

俺は思った、こいつに勉強をさせる為には、まずはこいつの中で
眠っているやる気を起こすしかなさそうだ。

しかし、おそらく宿主と違って食べ物でも釣られてくれなさそうだし、
どうしたものか。

そこまで考えて、俺は閃いた。

もしかすると、こいつは自分一人が努力するのが、嫌なんじゃなかろうか。

ブーンみたいなタイプの奴は、いつも周りに誰かしら人が居ないと、
何もできないダメなやつである、そして、それが今回の事にも、当てはまるのならば。


と、そこで突然、ツンが言葉を発した。

ξ゚⊿゚)ξ「よーするに、あんたって人は人を巻き込みたいだけなんでしょうね、
いいわ、私たちも、夏になったら本気出しましょう」


ううむ、どうやら、考えていたことは、ツンと同じだったようだ。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:38:06.19 ID:Lwadbvf60

( ^ω^)「本気、どゆことそれ?」

困惑した表情のブーンには、俺から説明することにした。

('A`)「説明しよう!ブーン君、君は、自分ばっかり勉強勉強で
辛い思いをするのが嫌なんだろう!?」

( ^ω^)「まあ、一応……」

何が一応だ、思いっきり顔に「そのとーり」って書かれてるじゃないか。

('A`)「だから、俺たちも、一緒に努力してやんよ、ってことだよ、
簡単にいえばさ」

( ^ω^)「え?mjd?」

('A`)「mjだよ」

とたんに目を輝かせるブーン。まったく、なんというか、
現金な奴というか、迷惑な奴というか。

だがしかし。

俺達は、一体何を努力すればいいのだろうか、勉強は二人とも一応
それなりに出来てるし、何よりブーンと同じ目標じゃ、
あいつが満足しないだろう。

どう設定したものか。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:41:48.94 ID:Lwadbvf60

と、次の瞬間、ツンは言った。

ξ゚⊿゚)ξ「私は、夏休みの間に、自転車に乗れるようにするわ!!」

彼女の言葉に、俺達は耳を疑った。

ツンは、いわゆるお嬢様だ。

なにがし財閥とか、そんな漫画的なお嬢様ではないにしろ、
結構な金持ち、箱入り娘、ガールインボックスである。

そんな環境に生まれたせいなのかは分からないが、
彼女は、高校生になっても、自転車に乗れないでいた。

しかし、自転車に乗れないからと言って、別に不自由に思うことも、
恥と思ったりすることも、まったくなかった。

そんなツンが、自転車に乗れるよう、努力するなんて。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:48:45.18 ID:Lwadbvf60

ξ゚⊿゚)ξ「威張るようなことでもないけどさ、私の運動オンチは
筋金入りでしょ?同じく勉強音痴のブーンが、勉強しまくろうって
逝ってんだから、このぐらいの目標はさ、設定しとかないと」

なんとなく顔を赤めながら喋るツンを見て、
俺も決心した。


('A`)「じゃあ俺、彼女作るよ!!」


ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?」

( ^ω^)「what?」

('A`)「え」

何を思っての、反応なのだろうか、これは。
無理と思ってあきらめろと言っているのか、応援してくれているのか。
さすがに後者はないか。いや、どうだか。

それにしても失礼である、仮にも友人だ、そんな人物が
一世一代の大決心をしとるというのに、もう少し、マシな
反応があったはずである。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:55:21.90 ID:Lwadbvf60

('A`)「お前ら俺のこと馬鹿にしてんだろ?いいよ、見てろよ!
夏休み中に黒髪ショートカットぱっちりお目目の彼女、
絶対作って見せるかんな!」

ξ゚⊿゚)ξ「が、がんばってね……」

( ^ω^)「お、応援してるお……一応」

('A`)「くそ!FACK!お前ら全員扇風機に巻き込まれて死ね!」

かくして、今日、夏の初めの日に、俺達の
本気も始まったのである。




第一話、終了





19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/05(日) 21:58:02.11 ID:Lwadbvf60
しばらく休憩し、第二話ちゃちゃっと投下します




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