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◆( ^ω^)流行らない喫茶のようです ex.

( ^ω^)流行らない喫茶のようです インデックスページへ

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:03:53.36 ID:3Vo2UDw10

ex.


( ^ω^)ここは、とあるレストラン

( ^ω^)人気メニューはナポリタン


( ^ω^)…

( ^ω^)店が人気無いのに、人気メニューもへったくれも

( ^ω^)そもそも、レストランですらない



流行らない喫茶のようです 番外編 完全版
────────────────────────



111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:05:36.42 ID:3Vo2UDw10

( ^ω^)ここに手記がある

( ^ω^)古びた革表紙の手帳だ

( ^ω^)ある日、お客が忘れていったものだ


( ^ω^)この店、お客さん来るんだ!すごいや!

( ^ω^)それはともかく


( ^ω^)強い風が店の柱を軋らせる夜、ウォッカのグラスを舐めながら煙草をくゆらす事にもやがて飽き

( ^ω^)ふと思い出して頁を繰ってみると、幻惑に似た文字の羅列がそこには書き綴られていた。

────────────────────────

*この作品は、うろ覚えでラヴクラフト風味っぽい感じになればいいなと思いながら書いています。
*果てしなく長い地の文と、ラヴクラフトっぽいグダグダ感にご注意ください。



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:08:08.86 ID:3Vo2UDw10

『他言の夜』
────────────────────────

人並みに生きて成人を過ぎる頃ともなると、誰しも一度は自分の出自というものに興味を持つようになるもの。

だがそうした興味が必ずしも満足のいく結果に結びつくとは限らない。
それどころかその後多年に渡り人生を悩ます暗い影を呼び込むかもしれないという危惧を含んでいる事に留意しなければならない。


晩年を田舎で過ごしたいという願いと共に寂然とした幸せのうちに生涯を閉じた父親の法要を済ますため、父の終の住処となった別荘を訪れた私は、思いの他の雑多な仕事の多さに辟易させられていた。

気晴らしにと天井裏の部屋へ引きこもり、天窓を開け放ち父がそうしていたと同じように肘掛け椅子に深く腰を落ち着け、まっすぐに差し込む初夏の日差しと港町の潮風に身を委ねると、数日の緊張が解きほぐれていくようだった。



113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:11:13.44 ID:3Vo2UDw10

いつしか浅い眠りに落ちていたのだろう、夢うつつに小さな物音を聞いた気がし、幾分ぼんやりとする身体を起こして物音の聞こえた方に注目する。
そのあたり、天窓より差す光のせいで色の濃い暗がりとなった部屋の隅の物陰は、生前父が書き物をする為の平机を置いていた場所だった。

虚ろな器を軽く打つような音が続けざまにし、いやがおうにも注意を引かれる。
建物の影が作る三角の暗がりの中に入り、やがて目が慣れてそこに見つけた物は、化粧細工の小箱と万年筆だった。

私自身がこの天井裏の小部屋に招き入れた風が、父の長年使った万年筆を転がし、その小箱の存在を知らしたのだろう。

それは幼い時分に見覚えのある縞瑪瑙の飾りの箱で、ひどく大事な物でも入れてあるのか一度も触らせてくれたことは無かったと記憶している。
すこしの迷いのあった後、蓋に手を掛け開けると、中には小さく濁った色をした蜻蛉玉が一つあるきりだった。



114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:14:23.06 ID:3Vo2UDw10

先にも述べた諸々の手続きに関連した煩わしさもあり、それについてはそれきり忘れていたのだが、ある折りにふとしたきっかけで思い出されることとなった。


その年、1928年の真夏の盛りのことだったが、武雲景のソーゴータウンに居を構える知人が、ボースレーの私の元へ訪ねてきた。


( ・∀・)「やあ、僕だよ」


知人は私に会うたび、その第一声を発する。
その挨拶に何の意味があるかは知らない。
彼である事は一目すれば分かる。
それでも私は久しぶりに会えた喜びを素直に彼に伝えた。



115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:14:54.77 ID:r/cGXmbm0
ほんとにがらっと変わったなwww
支援


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:17:15.22 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「僕も会えて嬉しいよ」

( ・∀・)「これほど世界は多様な有り様に満ち溢れているというのに、人に許された時間は僅かだ」

( ・∀・)「その僅かな時間の中で望む人と巡り会える事、それは奇跡とさえ言っていい」


世の基準からすれば彼は変人と呼ばれる部類に入ることは確かだろう。
ただ一言で済む事をこれほど持って回った調子で長々と語られた日には、大抵の人なら人格に疑念を抱くかどうかする。



117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:20:22.42 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「いやいや、僕なんて君に比べたらまだ足下にも及ばないよ」


それでも彼の良いところは生来の謙虚さにあると私は思っている。
今も脈絡もなく私を立ててくれた様子だ。
それで気を良くした訳ではないが、突然の客だからといって追い返すような事をするのは紳士の為すべき事ではないし、話も長くなるのは目に見えているので、私は彼を部屋に招き入れた。


( ・∀・)「うん、そうしてくれると助かるよ」


客間のソファーに体を納めた彼に、来客用の葉巻を入れたペルシャスリッパを投げてやり、ブランデーソーダを用意する。
夏の陽を写して涼しげに泡立つ二人分のグラスを携え戻ってみると、遠慮などとほど遠い知人は早速煙を吐き出していた。



119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:23:25.44 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)y━・~


それでも何か落ち着き無くしているのは様子から見て取れた。
長年の付き合いであるし今回も彼が何か問題を持ち込み、それを切り出す糸口を探っているのは容易に知れたが、といって無理に話を聞き出すのは些か気が引けたので私は彼が自分から口を開くのを待つとした。


( ・∀・)「うん」

( ・∀・)「同じ気を遣うんだったら、聞いてくれた方が良かったんだけど、まあいいや」



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:25:29.41 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「墓荒らしを、しに行こう」


私は口に含んでいた炭酸を噴いた。


( ・∀・)「言葉が悪かったか、驚かせてしまったようだね」

( ・∀・)「ちょっと探してるものがあるから、無断で他人の墓所を掘り返してそれを見つけようというだけの話だ」


言い直したところで意味は変わらない。
むしろ具体的になっただけ罰当たりに更に輪をかけたくらいだ。



123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:27:27.66 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「ああ、言いたいことは分かるよ」

( ・∀・)「それが本来の目的ではないとはいえ、長い人生を終えて安息を貪る誰かの眠りを暴いて白日の下に晒そうという訳だからね」

( ・∀・)「まあ、遺族ひいては墓の主に歓迎されるとは到底思えない」


それもまあそうなのだが言われて戸惑う所はそこではなく、もっと別の何か広く世間一般の良識的な大事な部分に引っかかるものではないかと思うのだが。
それとも私の感受性が飛び抜けて繊細なだけなのだろうか。



124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:29:25.99 ID:3Vo2UDw10

彼はそんな私の心の中の葛藤など構わず続ける。


( ・∀・)「だがそれを考慮したとしてもやらなければならない理由があるんだ」

( ・∀・)「長年僕が探してきたものがそこにあるかも知れない」

( ・∀・)「ひょっとしたら無いかもしれないけど、探してみなきゃ分からないじゃないか」

( ・∀・)「となればほら!もう墓を暴かなきゃいけない事になった!なっちゃった!」


彼は論破したとばかりの得意げな顔で言う。
言いたい事はとりあえず、ふむ、分かったと私は少し痛んできたコメカミを押さえて彼に告げた。
まずそれに先だって浮かんだ疑念も、同時に告げた。
それが私に何の関係があるというのだろう。



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:31:29.00 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「いやいや」

( ・∀・)「いやいやいや」


彼は、さも心外だといった風に首を振った。


( ・∀・)「えっ、何言ってるの、そんな法に触れるような事、僕がするわけ無いじゃないか。それに人の道も大きく踏み外してるっぽいし。僕はこれでも地元じゃ名士で通ってるんだよ?」

( ・∀・)「君がやるんだよ?」



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:33:29.14 ID:3Vo2UDw10

帰ってくれないか、と私は努めて紳士的に目の前の非常識の塊に退席を求めた。


( ・∀・)「もう君は本当にツンデレさんだなあ」


こんな話を持ちかけられてデレる理由は一つも無いし、そんな余裕も私には無い。
一刻も早くこの男を追い返さなければ大変な迷惑に巻き込まれてしまうと、これまで長年の彼との付き合いで得た私の経験が告げていた。



127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:35:37.84 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「地図を持ってきたから、ちょっと見てくれるかい?ここが目的の地下納骨堂だよ」

( ・∀・)「さらにこの下に、もっと古い時代の墓所がある。僕達がこれから行こうというのが、そこだよ」


そして実際、大変迷惑な事になる。
月の青白く照らす、ある夜のこと、私と知人は武雲景の片隅の名も知られていない共同墓地へとやってきた。



130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:40:03.61 ID:3Vo2UDw10

おぼろげな月明かりの中で欝然と静まり返る墓地には私達二人を除いて物音を立てる者とて無く、ただ自分ともう一人の砂利を踏みたてる音、そして得体の知れない藪の中で不規則に甲高い音を立て存在を知らせる夏の虫どもの声だけが耳障りに辺りに響く。
目指す納骨堂の入り口は墓地の奥まった所にあり、その忌々しい秘密と静寂を飲み込み地下へと続く開口部を、錆びつく鉄の格子と南京錠で固く閉ざしていた。


( ・∀・)「えい」


彼がスコップの柄を南京錠めがけて躊躇無く振り下ろすと、それは鈍い音を立てて簡単に弾き飛ばされた。
鉄の格子が重く軋みながら開かれる。
その先にはもはや外界の光は断えて届かず、まるで質感を持つかのように黒く渦巻く暗がりで溢れ出さんばかりに満たされていた。



132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:43:04.10 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「もう、君がやらないから僕が手を出しちゃったじゃないか」

( ・∀・)「ここまできたらもういいや、僕はすっかり腹をくくったよ。さあ大地の腸(はらわた)の中へ行くとしよう」


彼は角灯を手に、ひとつも怖じ気付くことなく、闇の中へ歩を進めた。
この月光照らすとはいえ人外の不気味に騒ぎ立てる心細い墓地にひとり残されてはかなわず、私も急ぎ彼の後を追って、冷え冷えする納骨堂の暗がりの中へ踏み込んだ。

不快にジットリと湿り気を含んだ石造りの室の中に角灯を掲げて光をなげると、薄ぼんやりと部屋の様子が黄色い光の中に浮かび上がる。
それほど広くもない玄室の中は閑居として音もなく、角灯の光の届かぬ隅々の暗がりが空気を澱ませていた。



134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:46:08.86 ID:3Vo2UDw10

彼は部屋の隅の方をしばらく注意して探していたが、やがて何か目的のものを見つけたらしく、静かに一言つぶやいた。


( ・∀・)「…あった。ねえキミ、ここの床に取っ手の付いているのが見えるだろう?これを持ち上げなきゃいけないんだがね」


と彼が私に示したそれは、石の床に括り付けた鉄の輪だった。
彼が辺りの床に積もる汚れた土を払うと、それは人ひとりぶん程の幅の落とし戸であることが知れた。
長い間、絶えて開いたことが無いのだろう。
持ち上げてみようと試みてみても、室の床に張り付いているかのようにピクリともしない。



135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:49:07.24 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「喜ばしい事ではある。この先は──そう簡単なことで通じているべき所ではないのでね。それにこれくらいでなければ探索する楽しみも無いというものだ」


彼と私は二人がかりで床の輪を掴み、渾身の力で落とし戸を床から引き剥がそうと数度試みた。
不意にかすかな手応えと共に、輪の先の石の塊が浮き上がるのを感じ、さらに踏んばって引き上げると、石の落とし戸は持ち上がりはじめた。
石と石の擦れる音と、そしてやがて虚ろにも聞こえる響きを立てて、床に戸口がポッカリと真っ黒な口を開けた。



136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:52:06.73 ID:3Vo2UDw10

言い表せない恐ろしさめいたものを感じたのは、何もそこに見える暗がりのせいだけではない。
石の床にそれが口を開けたとき、納骨堂の開け放たれた入り口から夜の風がゴウッと押し寄せて、戸口の暗がりの向こうに飲み込まれて、果てしない残響を残していったからである。


( ・∀・)「…怖じ気づいてる場合ではないよ、僕らもこれからそこへ向かうのだからね」


彼はそう言うと、角灯を手に戸口の先へ続く階段を下りはじめた。
私は彼のその姿がまったく戸口に飲まれて消えてしまうまで呆けたようになっていたが、気を取り直して後に続いた。



137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:55:14.13 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「過去とは、過ぎてしまえば、えてして忘れてしまいがちなものではあるけど、それは誰かの生きた証であることに代わりはない」


下降を続ける段の先には彼のかかげる灯りが見えていて、狭い石の通廊は彼の声を響かせていた。


( ・∀・)「人の世はこのように容易く過ぎてしまうけど、人の生きた証は歴史に刻まれて生き続ける」

( ・∀・)「歴史に名を残さない者もいる。だが名を残さないからといって、その者が生きてきたことを否定していいわけじゃない」

( ・∀・)「歴史に残るものもそれに埋もれたものも等しくこの目で見ること、知識として後世に伝えること、それこそが生きているものの役割じゃないかと僕は思う」

( ・∀・)「目的や役割といったものは尊いものだよ。それは生きて死ぬだけの人生を崇高なものへとしてくれる──僕は、ただ生きて繁殖するだけの遺伝子の箱船にはなりたくないんだ」



138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:57:17.20 ID:tffmIKHhO
ラヴクラフトとやらの作品は
読んだことが無いが
地の文のくどさが好きだ


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 03:58:17.45 ID:3Vo2UDw10

灯火は曲がりくねる下降の段のずいぶん先まで進んでいるようで、彼の姿はすでに見えず、私の耳には遠くからの彼の声だけが聞こえていた。
やがていつしか彼の声は、私に話しかけるでもなく、深い思索の霧の中に迷い込んでいくような低く落ち着いた調子になって、何か理屈めいたことを一人呟いていたが、ふと何かに思い当たったように「おや?」と声をあげた。

私が、どうしたのかといった旨のことを姿の見えない彼に訊くと、彼はどこか先の方から朗らかな声を返した。


( ・∀・)「気が付かなかった。僕らはすでに埋もれた歴史の中にいたらしいよ。キミ、ちょっと壁の様子を見てごらん」



140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:01:11.10 ID:3Vo2UDw10

言われて私は自分の持つ角灯の灯りを、すぐそばの壁面に投げかけてみた。
するとそこには、一面に積み上げられた石組みのひとつひとつに浅浮き彫りで文字が刻まれているのが私にも分かった。
私にも読める字だったので注目してみると、日付の刻まれた箇所が目に付いた。
それを彼に告げると、やや興奮した様子の声が返ってきた。


( ・∀・)「うん、こちらでも日付を見れる箇所がある。比べるとこちらがやや年代が先のようだね。下りて行くにしたがって、古い年代にたどり着けると思う」


私に話しかけながら彼は先へと歩を進めているのだろう、声が次第に遠くなりながら聞こえてきた。
壁の文字の解読をやめて私はふたたび彼を追った。
姿の見えない彼は言う。


( ・∀・)「どこまで話したかな、そう…人並みに生きて成人を過ぎた頃にもなると、改めて自分の由来というものにも興味もでてくるものだ」



141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:04:16.22 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)「君は考えたことが無いかい?今ある自分が、どのようにして今あるようになったのか。ここに至るまでに、いったいどんな歴史が──積み上げられてきた末のものが自分であるのかと」

( ・∀・)「僕達がいま一歩ずつ向かっている先は、それに関係しているものなんだ。正確に言えば、この下降を続ける石段でさえその一部であるのだけど…」


ふと彼の声が途切れて、小さな「あっ」と叫ぶ悲鳴を私は聞いた気がした。
続けて石の段に重いものが落ちたような音が、それほど遠くないところから聞こえた。

何か間違いでもあったのかと、私は暗がりの先の彼に呼びかけた。
だが私の声はうつろに響いただけで、いくら耳を澄ませても返答は聞こえなかった。
不意にジットリとした汗が首元をつたうのを感じた。



142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:04:55.29 ID:tffmIKHhO
なんとなく不気味だな
まあ場面が墓地ということもあるだろうけど
支援


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:07:20.10 ID:3Vo2UDw10

私は彼の名を呼んだ。
そのときから半ば狂乱じみた心が私の内に湧き上がっていたのかもしれない。
この人里離れた場所の見慣れぬ暗がりの中に一人放り込まれたという恐怖が、私に不可解な幻惑を見せていたのかもしれない。
足がすくみ上がり一歩もその場から動けないでいる私の耳に、遠い下の方から声が聞こえてきた。


<呼んだかね。なに、大丈夫だよ、心配することはない



144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:10:19.47 ID:3Vo2UDw10

──君なのか、大丈夫なのか、何があったんだモナ、
私は暗がりの向こうに問いかけた。


<何も心配することはない。あんたも来たまえ


声はさらに聞こえた。
それはやけに耳障りな──まるで人の言葉を話すのに慣れていないような不快に聞こえる声で私を呼んだ。
私は突然、冷たい鉄の爪で心臓を鷲掴みにされたように鼓動が大きく一つ脈打つのを感じた。



146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:13:21.94 ID:3Vo2UDw10

誰が、私を呼んでいるのだ。
彼ではない。
私を呼ぶ声は彼の声ではない。
この人知の及ばぬ暗がりの中に、私達以外の何物がいるというのだろうか。

鼓動が早鐘のように打つのを感じた。
私は眩惑と闇の中で何度も彼の名を呼んだ気がする。
やがて朦朧と、意識が言い知れぬ狂気と混濁していくなかで聞こえてきた声は、私にこのように告げていた気がする。


<莫迦め、奴は十回くらい死んだわ



147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:16:30.55 ID:3Vo2UDw10

それからどのようにして狂気を振り切って暗がりの石段を駆け上がったのか、どのようにして人跡絶えた納骨堂を後にしたのか、私は覚えていない。

我に返り、気が付いたとき、私は留置場の堅い床に寝そべっていた。
事情を知る者に聞いた話によると、私はその夜、ソーゴータウンの外れの公園で、深夜に半裸のヒドく取り乱した様子で訳の分からない事をわめき散らしていたところを、駆けつけた警官に保護されたという。

夜が明けて家へと帰されたが、それでも私の心の安まることはない。
あの狂気めいた夜以来、私は安穏と夜に眠れたことがない。

不快に蒸し暑い夏の夜に見た夢と、自分に言い聞かせることはできるだろう。
だが、あの夜以来、いくら問い合わせても彼に連絡はつかないし、彼の家族に訊ねても行方が知れなくなっているという事は事実なのだ。



150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:19:22.49 ID:3Vo2UDw10

毎夜、幻を見るようになった。
いや幻だろうか。
毎夜のように戸口を叩く音は幻なのだろうか。
窓に影を落とす、鍵爪のようにねじくれた手は、ただ私の想像が生み出しただけのものなのだろうか。

そして私には聞こえるのだ。
腐臭の漂う異形に成り果てた者が毎夜窓辺に張り付いて、私をじっと見詰めてこう告げる声が。


「やあ、僕だよ」



151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:21:06.02 ID:04hLAyL2O
これがどう繋がってくるんだろう


152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:21:24.29 ID:tffmIKHhO
怖ええ

支援


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:22:24.17 ID:3Vo2UDw10

────────────────────────


( ^ω^)パタン、


( ^ω^)あれ?

( ^ω^)蜻蛉玉とかのくだりは?


カランカラン、


( ・∀・)もー、大事なモノだって言ったじゃない。どこで落としたのさ

( ´∀`)モナ



154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:22:59.06 ID:tffmIKHhO
え?


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:25:34.06 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)あ、すみませーん、マスター飲み物ちょうだい。あるよね飲み物、飲食店だよねここ、きっと

( ^ω^)わかりにくい店で申し訳ないが、そんな失礼なやつに飲ませるものなど無い


( ・∀・)いえね、友達が前に来たとき忘れ物していかなかったかな、って。あちこち探してるんだけど

( ^ω^)ふむ

( ・∀・)古い皮表紙の手帳なんだけど。蜻蛉玉の飾りの付いた…あれ?それかな?

( ´∀`)あったモナ

( ^ω^)そちら様のでしたか



156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:28:38.70 ID:3Vo2UDw10

( ・∀・)大事なモノなのだよ、この蜻蛉玉こと…輝くトラペゾトロンは!フゥーハハハ!

( ´∀`)モナモナ

────────────────────────


( ^ω^)そう告げると二人の客は、黒い影となって石の中に吸い込まれて消えた



158 :◆i7ramw211A:2009/05/17(日) 04:38:18.40 ID:NcyY4JxeO

( ^ω^)えっ、どういうこと?

( ^ω^)消えたとかどういうこと?なんなの?

( ^ω^)なんで急にクトゥルー要素入れちゃったの?やっぱりクトゥルー祭りに参加したかったの?


( ^ω^)と自分の声が心の中に渦巻く

( ^ω^)だが思い出して戴きたい


( ^ω^)そう…人気メニューはナポリタン



というナポリタン
────────────────────────



159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:44:25.14 ID:IhOa/rbIP
久し振りに、こう言うマッタリとしたスレを見た
1000迄頑張って欲しい
支援


160 :◆i7ramw211A:2009/05/17(日) 04:44:49.02 ID:jmuvuVhF0

以上にて、おしまい
長い時間つきあっていただいた方、ありがとう

この作品については、
深いこと考えずに様式美的なものを愛でる気持ちで接してやってください



161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 04:47:25.15 ID:jmuvuVhF0
いやいや、そんな無茶なそんな


165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 05:02:44.22 ID:tffmIKHhO

オモシロかった
雰囲気変わる前も後も

ただ気になったのが
>>130
「得体の知れない藪の中で不規則に甲高い音を立て存在を知らせる夏の虫ども」の所
これだと「得体の知れない」のが
「藪」なのか「夏の虫ども」なのか
ほんの一瞬考えてしまう(後者ですよね?)

句や節(で合ってるかは自信ない)の順に気をつけた方が良いんじゃね?
地の文の一文が長くなるばあいは特に


それとラヴクラフトとやらの特徴の一つって地の文のくどさ?


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 05:11:14.61 ID:jmuvuVhF0
こんなのなどラブクラフトの足元にも及ばない
ぜひ読んでみるといい
満足するか後悔するかのどちらかだから

指摘ありがとう。
でも俺は書いた時の自分のフィーリング的なものを信じてる
だから何も変えない



176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/17(日) 14:22:48.75 ID:pQlbqc6M0
まだ残ってた



177 :◆i7ramw211A:2009/05/17(日) 14:28:12.39 ID:pQlbqc6M0
これだけ残ってた記念に、小さなのをひとつ




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