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◆弟者が二階から落ちてきたようです ( 5.ありったけのブンガクかき集め )

弟者が二階から落ちてきたようです インデックスページ

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:07:24.04 ID:RfZnINULP

( 5.ありったけのブンガクかき集め )

(´<_`*)「起きろ兄者!朝だ兄者!ブンガクだぞ兄者!」

病み上がりの兄を気遣うだとか偉そうなことをほざいておいて、次の日はこれだ。
弟者の頭を検査するべきだ。問題しか見つからない筈だから。

ちょいと顔を上げてみれば、世界で一番見慣れた顔の、溢れんばかりの笑顔が目に入る。
急激に具合が悪くなりそうだ。

ヽ(´<_`*)ノ「夏だ!プールだ!ブンガク探しに出かけよう!」

( う_ゝ )「……日曜は休めってどっかの神様が言ってたぞ」

d(´<_`*)「神は死んだ!だから行こう!」

(#´_ゝ`)「死んだから神なんだろ!」

(´<_`*)「なんとブンガク的な言葉!
       流石だ兄者、口ではそんなこと言ってても身体はブンガクを求めてるゥ!」

(#´_ゝ`)「なんだそのB級エロ小説に出てきそうな台詞……
  ってお前また俺の小説をおおおお?!」

(´<_`*)「お色気シーンも出来たところで、さあ行くぞ兄者!今行くぞ兄者!Ready Steady Go 兄者!」

(#´_ゝ`)「うっぜえええええええええええ!!!」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:10:30.41 ID:+pBReXvpO
伊坂スレだと思ったらただの801かよ


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:11:47.48 ID:RfZnINULP

そんな風に、ブンガク探しと称した散歩は続く。

なんせ暑いもんだから、歩くだけでも汗をかく。
体育でもないのに、こんなにも汗を流すなんて久しぶりのことだ。
最近じゃ、休みの日は引きこもってるし、遊ぶにしてもインドアなことしかしない。

昔は、暗くなるまで外で遊んでたと思う。
凄く楽しかったような覚えがあるけども、往々にして過去は美化されるものだから、
本当のところはよくわからない。でも、多分、美化される前も綺麗だった。

お前が誘ったんだから、と弟者に無理矢理奢らせたポカリが異常に美味い。
ゴクゴクという音が、自分でもはっきりと聞こえた。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:13:49.33 ID:RfZnINULP

( ´_ゝ`)「普段ポカリなんて甘ったるくてしゃーねえのになあ」

(´<_` )「ポカリはブンガク的じゃあないな」

( ´_ゝ`)「……誰もが求めた命の水、ポカリスエット---ION SUPPLY DRINK---」

(´<_`*)「おお、ブンガク的だ」

( ´_ゝ`)「これは厨二的というんだ」

(´<_` )「ふむ。キミョウキテレツマカフシギだな」

( ´_ゝ`)「ああ、実にキソウテンガイシシャゴニュウだな」



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:17:47.02 ID:RfZnINULP

馬鹿なことをいいながら、ずーっと歩いていく。
無駄に草むらに入ったり、小川に足を突っ込んで涼んだり、
雑木林に入って蚊に集中攻撃されたり。

(´<_` )「お、蟻の巣だ。水攻めしよう」

(;´_ゝ`)「小学生じゃねんだからやめろ!」

(´<_` )「冗談だ、兄者。全く、小学生とか幼稚園生というものは
        何故あんな残酷なことが出来るのだろうな」

( ´_ゝ`)「平気で虫解剖するからな、あいつら…」

(´<_` )「今思うととんでもないな」

( ´_ゝ`)「純粋ほど残酷なもんはねえな」

(´<_` )「ま、今でも蚊は殺すけどな」

( ´_ゝ`)「急に刺しに来たので…」



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:21:25.54 ID:RfZnINULP
( ´_ゝ`)「……ところで、弟者。いまさらなのだが、聞きたいことがある」

(´<_` )「なんだ兄者」

( ´_ゝ`)「ブンガク探しとこの散歩、どういう関連性が…」

(´<_` )「ブンガクの真髄は、自然にあると思って」

( ´_ゝ`)「……適当に言っただろ」

(´<_` )「うん」

( ´_ゝ`)「……」



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:24:22.77 ID:RfZnINULP

(´<_` )「まあ、ポジティブに考えるべきだ、兄者」

( ´_ゝ`)「ほう?」

(´<_` )「適当ということは、俺の潜在的ブンガクセンスが働いた結果だということなのだ」

( ´_ゝ`)「ポジティブの意味履き違えてんじゃねえ」

(´<_` )「つ・ま・り」

(´<_`*)「ブンガクの真髄は、自然にある!」

と、いいながら弟者は舗装された道を抜け出して、再び雑木林に突っ込んでいった。
さっき蚊にさされたところがまだ痒いってのに、学習能力がないのかアイツは。

(´<_`*)「あにじゃー!ブンガクは待っていてくれないぞ!」

( ´_ゝ`)「………」

舗装された道を抜け出し、蚊なんぞものともせず、一直線に雑木林に向かう弟者の姿は、
なんだか弟者の人生というか、その人となりを表しているように思えた。

多分、俺は羨ましいんだと思う。
だから、強制されているわけでもないのに、それについていってしまうんだ。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:27:53.00 ID:RfZnINULP

土と、草と、木の匂い。
それらが夏独特の匂いと混じると、何故か懐かしい匂いになる。
懐かしい匂いといえば婆者んちの匂いもそうだ。

匂いってのは不思議なものだ。
例えば昔好きだった子のシャンプーの香り。
どんなに忘れたつもりでも、同じシャンプーを使ってる子が近くを通ると胸がヒュンってなる。
そして叶わなかった恋を想って死にたくなる。欝だ死のう。

思い出せなくても、昔嗅いだことのある匂いは、絶対にわかる。
そして必ず、少しばかりの切なさに襲われる。

もう戻らない時間。このまま進んで進んで、いつか終わる時間。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:31:43.20 ID:RfZnINULP

昔は、早く大人になりたかった。
早く小学生になりたかった。早く中学生になりたかった。
でも、この辺から怪しくなる。

少しずつ、子供じゃ許されなくなってくることが増えた。
馬鹿をやりすぎればもう子供じゃないんだからと言われる。
電車料金も、映画の料金も、少しばかり高くなり、
挙句の果てには、ジカクやらセキニンやらを問われることが多くなった。

いやいや、ちょっと待ってくださいよ。
俺はまだ子供ですよ?ほらほら、まだ何にもわかってないし、間違いばっかだし。
そりゃ、右と左はわかるけど、上と下もわかるけど、
北北東とか南南西とかはわからない、ほんの子供なんですよ?



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:34:43.85 ID:RfZnINULP

ふと見た鏡に恐怖したことがある。
見事に大人になりつつある身体。自分の身体の気がしなかった。ゾッとした。

心は小学生の頃とちっとも変わった気がしないのに、
身体ばかりがハッキリと変化していく、恐怖。
心は子供、身体は大人ってか?ああ、笑えない。

置いていくなよ俺の身体。
髭が生えようが、声が変わろうが、のど仏が無駄な自己主張を初めようが、
股間にジャングルが形成されようが、俺は俺なんだって。
身体だけ大人になってどうすんだ。

厨二病を少し抜けたと思ったら、今度はピーターパンシンドロームですか、と。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:38:47.12 ID:RfZnINULP
(´<_` )「兄者?」

(;´_ゝ`)「うおっ?!」

ハッと顔を上げると、鼻先に蛙を突きつけられた。
蛙が苦手ってわけではないが、間近で見たいもんじゃない。

(´<_` )「暑さにやられたか?」

( ´_ゝ`)「なんで」

(´<_` )「ぼーっとしてるから。なんだ、じゃあいつものネガティブか」

あたってるからムカツク。

( ´_ゝ`)「……ブンガク的思考実験だ」

(´<_` )「素晴らしい!して、その結果は!」

( ´_ゝ`)「永遠のショタっこになりたい」

(´<_` )「なんと…」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:43:27.83 ID:RfZnINULP

悲しいことに、俺のネガティブはいつものことなので、
さして心配されることも話題にされることもなく(されたくもないが)
弟者はズンズン先に進んでいく。

どこの誰の所有物なのかは知らないが、
小さいときはよく探検した、この雑木林。
やっぱり蚊が多くて腹が立つが、木々のお陰で暑さだけはマシだった。

(´<_` )「秘密基地とか、作ったよな」

( ´_ゝ`)「あんなの、漫画持ちこんだだけじゃねえか」

(´<_` )「漫画があれば秘密基地としては十分だ。…なんで来なくなったんだっけ」

( ´_ゝ`)「さあ…」



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:48:03.00 ID:RfZnINULP

子供は純粋で、残酷で、単純だ。
この三つは、大体イコールで結ばれる。

きっと、秘密基地よりも魅力的なものがたくさんあったんだろう。
だからそっちに乗り換えた、ただそれだけのこと。
そして、それよりも魅力的なものが現れて、その連続で今に至るんだろう。

でも、不思議なことに、その間違えるはずのない連続の結果たる今の俺は、
その秘密基地がたまらなくいとおしく思えた。

漫画を持ち込んで、ほんの数回来ただけの秘密基地。

なんでだろう。より魅力的なものを選択し続けてきたはずなのに。
どこかで間違ったのか、と振り返ってみても、特に間違いは見当たらない。
今に不満があるわけじゃないから、当たり前なんだけど。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 20:52:17.93 ID:RfZnINULP
(´<_` )「どっかに残ってねーかな」

( ´_ゝ`)「無茶言うな」

(´<_` )「だって、見たいだろう、兄者」

( ´_ゝ`)「なんで」

(´<_` )「だって、ブンガク的じゃあないか。昔の思い出ってさ」

( ´_ゝ`)「……」

( ´_ゝ`)「そーかもな」

(´<_` )「おお、珍しいな、俺の意見に賛同するなんて」



35 :>>34 訂正:2009/07/20(月) 20:58:55.43 ID:RfZnINULP

そうかもしれない。
昔の思い出だから、もう二度と戻ることが出来ないから、いとおしいのかもしれない。

こうしている今も、いずれは過去になるんだなあとぼんやり考えたことがあった。
今こうして考えていること自体、いつか懐かしいなんて思ったりするのかなあ、なんて。

そんな、考えた当時はなんだか実感が湧かなかった考えが、
何年かたった今、振り返っても霞んで見えないくらいに、立派な過去になっている。

過去はわかっている。未来はわからない。
だから、過去はいとおしく、未来はこわい。

( ´_ゝ`)「……そうかもしれないな」

(´<_` )「だろ。全く兄者は俺の意見をハナから否定してばかりで」

( ´_ゝ`)「いや、お前の意見はどうでもいいんだけど」

(´<_` )「なんと…」

( ´_ゝ`)「で、どこまで行くわけ」

(´<_` )「ブンガクが見つかるまで」

( ´_ゝ`)「……」



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:02:40.78 ID:RfZnINULP

夏の日没の遅さを俺は呪った。
ああもう、アンドロイドよ、デンキヒツジの夢を見る前に、この馬鹿を殴ってくれ。

この馬鹿、間抜け、オタンコナス、社会不適合者と心の中で罵るけれど、すぐにむなしくなる。
そりゃあ、弟者は、例えばクラスで嫌いな人を指差してみろと命じられれば、
弟者はクラスメートとETし放題になるであろう駄目人間だけど。

それでも、大袈裟にいうなら、弟者は神様に愛されている。
何をしたって、取り返しのつかないような大きな失敗は降りかからない。
そういう人間は何故か絶対に居る。

努力もしてないくせに、劣等感を覚えずには居られない。



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:06:48.35 ID:RfZnINULP
( ´_ゝ`)「疲れただるいもう帰りたい俺病み上がりしんどい」

(´<_` )「病み上がりって兄者、病人じゃなくて怪我人だろう」

( ´_ゝ`)「俺被害者怪我人まだしんどいだるい帰りたい」

(´<_` )「あ、フクロウだ」

(*´_ゝ`)「マジ?!うわかわええ」

(´<_` )「フクロウとミミズクの違い知ってる?」

( ´_ゝ`)「しらん」

(´<_` )「ミミズクはミミっぽいアレがあるんだって」
 
(;´_ゝ`)そ「それだけかよ!」

(´<_` )「でもミミっぽいのがあるフクロウも居るんだって」

(;´_ゝ`)そ「さっきの説明覆ってるじゃねえか!」

(´<_` )「動物奇想天外に言え」

(;´_ゝ`)「もう終わったわ!」



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:13:14.87 ID:RfZnINULP

(´<_` )「あれなんで終わったんだろうな」

( ´_ゝ`)「猿のぬいぐるみとロゴの犬が不細工になったからだろ」

(´<_` )「確かにあれはショックだった。千石先生の生活が心配だ」

(;´_ゝ`)「別に動物奇想天外だけが仕事じゃないだろ」

(´<_` )「マジで?俺千石先生は動物奇想天外のためだけに居る人なんだと思ってた」

( ´_ゝ`)「お前のその思考がマジで?って感じだよな」

(´<_` )「流石だよな俺」

( ´_ゝ`)「全くだ」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:19:32.80 ID:RfZnINULP
内容がないような話をどんどこ積み上げながら、
ブンガクの真髄とやらを探し続ける俺ら。

大体どんな物事にしたって、真髄がその辺に落ちてるわけないだろう。
なとどいう正論は暑さに溶かされてしまったようだった。

( ´_ゝ`)「アイスくいたい…」

(´<_` )「スイカバー食べたい」

( ´_ゝ`)「そういえばスイカってよくカブトムシの味がするっていうよな」

(´<_` )「カブトムシって美味しいのか?」

( ´_ゝ`)「そりゃあ、まあ」

( ´_ゝ`)「スイカの味がすんじゃね?」



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:24:43.80 ID:RfZnINULP

延々と続くかと思われたこの旅路は、予想とは反して、すぐに終わりを迎えることとなる。
雑木林を挟んで向こう側の道路が見えてきたのだ。
呆気ないくらい早く訪れた終わりに、俺は驚かずには居られなかった。
おぼろげな記憶では、樹海かと思うくらいに広かったのに。

( ´_ゝ`)「意外と、狭いんだな、ここ」

そんな俺の疑問に、弟者はこともなげに答えを出す。

(´<_` )「っていうか」

(´<_` )「俺らがでかくなったんだろ」

( ´_ゝ`)「……ああ…」

そりゃそうだ。
そうなんだけど、とよくわからない思いが心の中で駄々をこねはじめる。
となれば、普段ならば俺はまた思考の海に落ちるのだけど、そうはならなかった。

弟者が立ち止まったのだ。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:30:09.13 ID:RfZnINULP

( ´_ゝ`)「どうした?」

(´<_` )「……猫が」

( ´_ゝ`)「?」

( ´_ゝ`)「あ、」

丁度、道路と雑木林の境目あたりに、それはあった。
恐らくは、道路で死んで、邪魔だからと端に寄せられたのだろう。

( ´_ゝ`)「……死んでるな」

猫が、死んでいた。

( ´_ゝ`)「これまた、派手に死んだなあ。ぐろい…」

腹からはみだした内臓に目を逸らしつつも、
身体から出てちゃあ、もう内臓じゃないよなあ、なんて場違いなことを思う。



45 :>>44 訂正:2009/07/20(月) 21:35:21.73 ID:RfZnINULP

(´<_` )「死んでるって、わかるよな」

( ´_ゝ`)「え?」

(´<_` )「毛なみとか、全然違うし、身体とか、あの舌とか、見るからに固そうだ」

( ´_ゝ`)「……まあ、そうだけど」

(´<_` )「あの目、怖い」

(´<_` )「作り物みたいだって思うけど、それよりずっと怖い。光のない目」

( ´_ゝ`)「……」

内臓は、思っているよりグロテスクではなかった。
この暑さでもうすっかり乾いて、生々しさが失われていたからかもしれない。
放り出された四肢や、しっぽ。小さな口から見える、小さな舌。

目。

( ´_ゝ`)「怖いな」

心から出た言葉は、結局弟者と同じものだった。

猫は死んでいた。
俺も、弟者も、ジージー五月蝿い蝉も、
きっともうすぐにでもたかりに来るハエや蟻も、
何回か通り過ぎる車のドライバーも生きているのに、猫は死んでいた。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:41:02.26 ID:RfZnINULP

( ´_ゝ`)「怖いのは、死んでるからだよ」

(´<_` )「む?」

( ´_ゝ`)「多分。作り物は、そもそも生きてないから死なないだろ。だから怖くないんだ」

(´<_` )「死は、怖いのか」

( ´_ゝ`)「俺は怖いぞ。お前は怖くないのか」

(´<_` )「わからん」

( ´_ゝ`)「俺は、よくわからんから怖い。だって死んだ後のこと、誰も教えてくれないし」」

(´<_` )「でも皆死ぬだろ」

( ´_ゝ`)「そうだ。皆死ぬから怖いんだ」

(´<_` )「……」

わからん、と弟者は繰り返した。
口には出さなかったけど、表情は確かにそういっていた。



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:48:26.53 ID:RfZnINULP
俺も、弟者も、ジージー五月蝿い蝉も、
きっともうすぐにでもたかりに来るハエや蟻も、
何回か通り過ぎる車のドライバーも生きている。

けど、皆死ぬ。蝉なんか、一週間以内に死ぬ。
スピード結婚ならまだしも、スピード死亡、これいかに。
何年もひきこもった結果がこれかよ。

(´<_` )「生きてるから、死が怖い、か」

だけど、今は生きている。それなのにその猫は死んでいる。
笑ってしまうくらいに不自然で、そのくせ当然のように佇む自然。

( ´_ゝ`)「そうだ」

( ´_ゝ`)「だから、言っちゃ悪いが、より死に近いお年寄りには優しくせねばならんのだ」

(´<_` )「なんと。そういうわけだったのか」

( ´_ゝ`)「ああ、座席は率先して譲れよ弟者」

(´<_` )「把握した」



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:51:59.35 ID:RfZnINULP

(´<_` )「死が怖い、か……」

(´<_` )「しかし兄者、それは死にどうしようもなく興味を持っているともいえないか」

( ´_ゝ`)「うむ。確かにそうだと思うぞ」

( ´_ゝ`)「生きてる限り、人は死に惹かれ続ける」

(´<_`*)「兄者……」

d(´<_`*)「60ブンガクポイントだ…」

( ´_ゝ`)「今累計何ブンガクポイント?」

(´<_` )「140ブンガクポイント」

(;´_ゝ`)「覚えてんじゃねえよ」

(´<_` )「200ブンガクポイントでエロゲプレゼント!」

(*´_ゝ`)「なんと!流石だな弟者!」

+(´<_`*)「ははっ、俺ら二人合わせればいつだって最強の流石だ、忘れたのか兄者!」

(*´_ゝ`)「もうすっかりさっぱりまるっと忘れていたぞ弟者!」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 21:56:36.56 ID:RfZnINULP

(´<_` )「そういえば」

( ´_ゝ`)「あ?」

(´<_` )「さっき偉そうに言ってたけど、兄者は席とか譲れないタイプだろう、譲りたいくせに」

(;´_ゝ`)「うっ」

(´<_` )「人の目を気にしすぎなんだ、兄者は」

(;´_ゝ`)「へーへー、どうせ俺のことなんか見ていないって言いたいんだろ。
       どうせ俺は自意識過剰ですよ」

(´<_` )「まさか。むしろ、俺はその言い訳が嫌いだ」

( ´_ゝ`)「言い訳?」



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:01:47.75 ID:RfZnINULP

(´<_` )「だって誰も見ていないわけないだろう、常識的に考えて」

( ´_ゝ`)「そうじゃない場合もあるだろう。例えば俺が髪を少しいじったところで誰も見ていないし、
       俺が席を譲ったって誰も見ていないんだよ、だから」

(´<_` )「それは違う。俺は兄者が髪を切ったら率先して馬鹿にするし、
       席を譲られたじっちゃんばっちゃんはその日一日ハッピーだろ」

(´<_` )「誰も見てないなんてのは言い訳だ。そのほうが都合がいいだけだ。努力しないでいいからな」

( ´_ゝ`)「……」

誰かがこの会話を聞けば、
ちぐはぐだと、思うのだろうか。

( ´_ゝ`)「……ブンガクだな、弟者」

(´<_`*)「なんと!何ブンガクポイントだ!?」

( ´_ゝ`)「……5ブンガクポイントくらい」

Σ(´<_`;)「すくなっ?!」



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:04:34.36 ID:RfZnINULP
俺も弟者も、どっかの誰かがやってくれることを祈るくらいで、
その猫を埋葬するなんてことはしなかった。

線香をやりに来る気もさらさらないし、
心を痛めてご飯が食べられなくなるとか、そんな気配も全くない。
少なくとも俺は、そこまで心優しくも、ブンガク的にもなれない。

でも、幸いにも、心の中で次は長生きしろよ、なんて願ってしまうくらいには、まだ子供だった。



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/20(月) 22:05:29.83 ID:w9Z9MebS0
仲良しでいいな支援



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