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◆( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです <第四話>

前の話/インデックスページ/次の話

1 :◆XcyV9XdVHQ:2009/08/14(金) 17:07:39.28 ID:7D9+gk8E0

第四話。

まとめサイト
 くるくる川 ゚ -゚)
 ttp://kurukurucool.blog85.fc2.com/

 自作品置き場
 ttp://xcyv9xdvhq.sakura.ne.jp/

諸注意
 ※閲覧注意
 ※ショタホモ
 ※有害
 ※なんかもういろいろごめんなさい。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:09:40.43 ID:7D9+gk8E0

<第四話>

                      - 1 -

翌日は、朝から雨だった。
サッシの外の曇り空を見て、ジョルジュは溜息を吐きながら煙草に火を点けた。
  _
( ゚∀゚)「とりあえず、しばらくは部屋から出ないようにしろよ。
     外に行く用があれば俺が済ますから、言ってくれな」

洗濯物を部屋干ししていたしぃは、振り返って恭しく頭を垂れる。

(*゚ー゚)「承知いたしました、ご主人様。
     では、僭越ながら……余暇を快適に過ごすための手段を所望いたします」
  _
( ゚∀゚)「……お前さ。ホント、使い分け上手いのな」

濡れたワイシャツとトランクスを腕に掛けたまま、しぃは微笑んだ。
その垢抜けた口調は、生活感溢れる室内の様子とは天と地以上の差がある。

(*^ー^)「申し訳ありませんが、仰る意味が分かりかねます。
     私の勤務態度に、どこか至らない点がございましたでしょうか?」
  _
( ゚∀゚)「いや……もう、いい」



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:10:31.69 ID:7K1zYB680
お、待ってたよ!


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:12:41.71 ID:7D9+gk8E0
(*゚ー゚)「……あははっ。ごめんごめん。ね、ボク、ファッション雑誌読みたいな」
  _
( ゚∀゚)「えっ」

(*゚ー゚)「えっ」
  _
( ゚∀゚)「女物の……か?」

(*゚ー゚)「当たり前じゃない。なんで?」
  _
( ゚∀゚)「えっ」

(*゚ー゚)「えっ」



――昨日、一旦は別れた彼等だが、奇しくも再び生活を共にすることになった。
ギコの部下と思われる複数の人物が、周囲に張り込みを掛けていたのだ。
街を去る手段を失ったしぃは、ジョルジュを頼り、戻ってきていたのだった。

周囲には、不穏な影がある。
昼間、外出中に長岡探偵事務所を訪れていた、ギコの部下のドクオとブーン。
彼等は不運なことに――ジョルジュとしぃには幸運なことに――ニアミスを喫していた。

ほとぼりが冷めるまでの間、という条件付きで、しぃは再びジョルジュの元に身を
寄せることとなった。

ジョルジュと別れた後に取った、ショボンの行動。
だが彼等は、その真意を知る由もない――



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:16:27.99 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「おーい、帰ったぜ。
     ……あれ? なんだよ、出迎えはナシか?」

食料品と雑誌の入った紙袋を抱え、玄関口で靴を足で脱ぎながらしぃを呼ぶ。
だが、返答はない。スリッパの足音も聞こえない。
逆に不安になる。
  _
( ゚∀゚)「おーい、どした?」

袋を抱えたまま、足でキッチンからリビングダイニングに繋がるドアを器用に開く。
その室内の様子を見、ジョルジュは笑った。
  _
( ゚∀゚)「……へへっ。何だよ、お前」

室内には、所狭しと洗濯物が掛けられていた。
サッシの桟には買い足したハンガーが並べられ、長らく日の目を見なかった衣服が
片端から並べられている。

ダイニングテーブルには裏返した椅子が乗せられ、この部屋が未だ掃除の最中で
あることを物語っている。
そのリビングのソファに、しぃは横たわっていた。

(* ー )「……」

普段通りのメイド服を着、両腕にははたきと箒を抱えている。
その状態でソファに横たわり、静かに寝息を立てていた。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:21:05.39 ID:7D9+gk8E0
(* ー )「……すぅ、すう……」
  _
( ゚∀゚)「……はは。こりゃ、可愛いメイドさんだこと」

しぃは、早朝から起きてジョルジュの朝食を用意し、その後は部屋の片付けと洗濯に
専念していた。周囲に人がいなくなり、疲労と安堵も相まって気が抜けたのだろう。

音を立てないように荷物を下ろし、ソファの脇に屈んでその顔を見下ろす。
  _
( ゚∀゚)「……」

(* ー )「――ん。んん……っ」

しぃは彼の目の前で僅かに肩を揺らし、また動きを止めた。
左右に流れた前髪の下で、長い睫毛が呼吸に合わせて震えている。
  _
( ゚∀゚)「そういや……こんなコドモの寝顔をまじまじ見るのなんか、初めてだな」

奇妙な新鮮味を伴った感慨がこみ上げる。
ジョルジュは、その少年の小さく、整った寝顔に暫し見入った。

と、不意に。

(*゚ー゚)「ん……、っ?」

しぃの目が、ぱちり、と開いた。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:25:41.70 ID:7D9+gk8E0
十数センチの距離にまで近づいていたジョルジュの顔を、見る。
  _
( ゚∀゚)「お……」

(;゚ー゚)「――――っ!
    ジョルジュさっ、あわっ、ひゃあああっ!」

素っ頓狂な声を上げ、自分の姿勢も顧みずに背筋を思い切り伸ばした。
頭が、大きな音を立ててソファの手すりの心材に激突する。ごん、と鈍い音が鳴った。
  _
( ゚∀゚)「……」

(*///)「あ……あいたたたたぁ……。
    もうっ、ジョルジュさん! 帰ってきてたんだったら起こしてよっ!
    は、恥ずかしいじゃないっ!」

自分の職務放棄は棚上げらしい。
涙目ではたきを振り上げるしぃを見て、ジョルジュはまた笑った。
  _
( ゚∀゚)「わーったよ。別に何も言いやしないからさ。
     だからまず、よだれ拭け」

(*///)「~~~~~ッ!」



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:28:43.96 ID:7D9+gk8E0
陽が沈む頃、ジョルジュは再び一人で外に出た。
明確な行き先はない。ただ、ビルの周囲を歩くためだ。

大通りに向けて一直線に進んだ。
駅前のロータリーに繋がる交差点に立ち、ガードレールに腰を下ろして煙草に火を点ける。
通りの開けた場所から、周囲を見回した。

何のことはない、夕方の街だ。
帰宅する学生や会社員が、駅の方向から列を成して歩いていく。
だが、昨日までとは明らかな「違い」が、今の街にはあった。
  _
( ゚∀゚)「……こりゃ、すげえな。ベッタリだぜ」

くわえ煙草のまま、目を細めて周囲を見る。

人並みに紛れ、路肩に佇むいくつかの人影が見えた。
暗い色のスーツに身を包んだその人影は、周囲を探るような目で見ている。
時折、通行人に声を掛けている者もいた。
  _
( ゚∀゚)「こんなんじゃ、当分連れ出せそうにないかな。……よっ、と」

ガードレールを下り、駅とは反対の方向に向かった。

雑居ビルの裏は、いわゆる歓楽街、盛り場となっている。
悪趣味な電飾が灯るにはまだ早い時間帯だが、気の早い呼び込みが通行人の間を縫い、
早めに帰宅する会社員と大学生に控えめな勧誘を繰り返していた。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:32:23.17 ID:7D9+gk8E0
とはいえ、この時間帯の実入りは、決して良くはない。
日暮れ前に帰宅する者には、大抵別の用事があるからだ。
さらに、往々にしてその「用事」は、このような場所に立ち寄る行為を許容しない。

そのため、早くも営業活動を一時休止した別の店舗の呼び込み同士が、狭い階段に
座り込み、煙草をくゆらせながら世間話に興ずるのも見ることができた。

表通りとは全く違うが、ここもまた街の顔には違いない。
  _
( ゚∀゚)「ここもかよ。あーあ……ったく、仁義にもとる連中は、これだからやだねぇ」

通りをぐるりと見回して、ぼやく。
ここも、同じだった。表通りより遙かに人数は少ないが、明らかに見覚えのない人間が
油断のない視線を走らせている。

ジョルジュの姿を認め、呼び込みの一人が小走りに近づいてきた。

(=゚ω゚)「ぃょぅ。長岡さん、お久しぶりだよう」

古びた三揃えを着込んだ男だ。小柄で猫背だが、比較的年齢は若く見える。
見える、だけで実年齢は相応かも知れないが、ジョルジュはそのことに興味はない。
  _
( ゚∀゚)「おう。ちょうど探してたんだよ。どうだい、景気は?」

(=゚ω゚)「最近は、どこもいまいちだょぅ。
     長岡さんも、たまにはウチの売り上げに貢献してくれないかょぅ?」

人差し指と親指で輪を作り、下から差し出す。



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:36:57.40 ID:7D9+gk8E0
ジョルジュは笑って首を振った。
  _
( ゚∀゚)「言ってるだろ? 俺は身持ちが堅いの。懐だって寂しいモンさ」

言葉の前半は、正確ではない。ジョルジュには伴侶がいないからだ。
さらに、後半は真っ赤な嘘だった。

(=゚ω゚)「またまたぁ。長岡さんが女の子と歩いてるの、見たことないですょぅ?」

煙草をまた取り出し、男に差し出す。男は臆面もなく受け取り、ライターは自分の
ものを使って火を点ける。
  _
( ゚∀゚)「当たり前だって。連れがいたら、こんなとこ連れて歩かないよ」

(=゚ω゚)「ははははっ、そりゃ違いないですょぅ!」

笑い、手を打つ。

どんな相手にでも会話を合わせ、態度と話術で懐に入り込み信頼を得る。
それが、ジョルジュが長年培ってきた能力だ。
その能力は、この近辺での情報網の構築に大きく寄与している。

小男はひとしきり笑い、急に声のトーンを落として彼の顔を伺った。
脇に隠した手指は、通りの反対側に立つスーツの男を指している。

(=゚ω゚)「……ところで。あいつら、知ってますかょぅ?」
  _
( ゚∀゚)「いや、知らないけど。この辺でなんか揉め事でもあったのかい?」



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:40:57.27 ID:7D9+gk8E0
事も無げに答え、逆に男の表情を疑う。
こちらも、知りたいのはそのことだ。

(=゚ω゚)「いえいえ、何も。ただね……」

声のトーンを落とす。

(=゚ω゚)「商売仲間が、何人か声を掛けられてるんだょぅ。
     『メイド服姿の女の子を見なかったか?』って。でも、おかしいんだょぅ。
     この辺の店、どこでも揉めたって話は聞かないんだょぅ」
  _
( ゚∀゚)「メイド服、ねぇ。そんなのがある店って、この辺じゃそうないよな?」

(=゚ω゚)「そうなんだょぅ。何かあれば、翌日にはみんな知ってるはずなんだけどょぅ……。
     おかしな話だょぅ」
  _
( ゚∀゚)「ふうん。ま、どうでもいいこった。
     ウチに依頼しに来てくれりゃ、万々歳なんだけどな」

また、他愛もない会話に戻る。
話し好きな小男に相槌を打ちながら、ジョルジュは思考を巡らせていた。
  _
( ゚∀゚)(……参ったな)

彼等スーツの男達をさえ避ければ良い、というものでもないようだった。
この状態が好転しない限り、真夜中にでも人目を避けて移動するしかないだろう。

やはり、動くべきではない。
小男の人の好い笑顔を見ながら、当面の方針を決定した。



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:45:36.46 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「……さあて、と。どうしたもんかね」

薄暗い階段に脚を掛け、ジョルジュは独り溜息を吐いた。

追手をかわし、ほとぼりが冷めた後にこの町を出る。
そこまではしぃと話した通りだった。



――あれから、二日が経過した。
だが今も、状況は変わっていない。


  _
( ゚∀゚)「あれだけ分かりやすい格好でウロついてくれるのは嬉しいんだけどさ。
     もうちっと気ぃ抜いてくれないと、こっちも困るんだよな」

駅前、街中、そして近隣の市街へ抜ける幹線道路。
そのいずれにも、明らかな監視の目がある。
これでは、いくらしぃが変装したとしても、背格好だけで見破られてしまうだろう。
  _
( ゚∀゚)「もうしばらく待つか、それとも強行突破か。
     でも……この分じゃ、夜も状況は変わらないんだろな」

事務所のすぐ裏手は繁華街だ。
特殊な業種の人間が徘徊していても気に留める人間はいない。
警察も殊更に警戒を強めようとはしないに違いない。

焦って動こうとすることをこそ、今は避けるべきだろう。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 17:52:36.83 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「……だよな。もう少し、様子見るか」

三階分の階段を上り、自室のフロアに出る。
階段室を出ようとすると、上の階から足音が響いてきた。

擦れ違うには、この階段は狭い。
下りてきた男に目を合わせないようジョルジュは頭を下げ、そのまま階段室を出た。
磨かれた黒い革靴とスラックスの裾だけが視界に入る。
  _
( ゚∀゚)「はてさて、お姫様……あ、いや、王子様か?
     ……まあいいか。メイドさんのご機嫌はいかがかな――」

退屈そのものといった表情でソファに収まりテレビを眺めるしぃの姿を思い出して
ジョルジュは独りで肩を揺らし、部屋に向かって歩き出した。



    「――――止まれ」



――その肩を。
背後から伸びた手に、掴まれた。





17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:00:39.98 ID:7D9+gk8E0

                    - 2 -
  _
(; ゚∀゚)「……っ!」

身体を硬直させる。
肩を掴む力は強い。きりきりとジャケットの肩に食い込む指の圧力を、感じた。

    「振り向くな。ゆっくり、歩け。部屋の入り口まで」

背後からの声は、続く。
ジョルジュは誰何の声を堪え、肩越しに背後に視線を遣った。

黒いスーツを着た男が、二人。
前に立つ男が腕を伸ばし、彼の肩を捉えている。

('A`) 「振り向け、と言ったか?」

肩を掴むのは、陰気な顔をした細い男だ。
その後ろに、対照的に大柄な、やや肥満体の男が見えた。

( ^ω^)「……」

一瞬だけ見えた、彼の肩を掴む男の体格は細身で、決して筋肉質ではない。
ジョルジュは、決して体格で他人に劣る訳ではない。だが、動けなかった。
  _
(; ゚∀゚)「く……っ」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:04:52.57 ID:7D9+gk8E0
('A`) 「部屋まで歩け。着いたら、鍵を開けろ。『ペット』を呼べ」

肩を、押される。
その力と圧力に負け、ジョルジュはゆっくりと歩を進めざるを得なかった。
歩きながらも、口は閉じない。
  _
( ゚∀゚)「ペット? 知らないね。迷子のコモドオオトカゲなら知ってるけどな」

('A`) 「生憎だな。俺も知ってる。
    でも、違う。二本足で立って、人間の言葉で話して、いい声で鳴く。
    ギコ社長が飼ってる、ガキのペットだ。知ってるだろ」
  _
( ゚∀゚)「いや全然。何だよソレ?
     新種のポケモンかなんかか? ならゲーム屋ででも――」

言った瞬間。肩を掴む腕に、更に力が加わった。
脇の壁に、身体の側面を叩き付けられる。
  _
(; ゚∀゚)「っぐッ!」

肩と側頭部を壁に打ち付けられ、ジョルジュは呻いた。

('A`) 「何度目で壁に穴が開くか、賭けるか?」

脅され、暴力を加えられながらも、思考は回転する。
ゆっくりと一歩、また一歩、後ろから押されて歩きながら、ジョルジュは必死で頭を
巡らせていた。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:09:47.14 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)(こいつら……ギコの関係者か。
     俺がしぃを匿ってることを、知ってるのか?)

だとすれば、この場を切り抜けることに意味はない。
居場所が知れているなら、逃げることは不可能だ。
  _
( ゚∀゚)(何故だ? なぜ、知ってる?)

その問いには、答えは出ない。
だが、問題は今、この状況だ。この期に及んで原因を追及することに、もはや意味はない。
  _
( ゚∀゚)(……そうだ。考えても、始まらねぇ。
     俺は、しぃに頼まれたんだ。帰りたくない、戻りたくないって。
     こいつらに……しぃは渡さねえ。それだけだ)

しぃの背中の傷を、泣き叫ぶ表情を、思い出す。
瞬時にそれだけを結論する。痛む肩に力を入れ、大きく竦めてみせた。
  _
(; ゚∀゚)「……オーケイ。分かった、分かったよ。
     大人しく、黙って部屋まで行く。それでいいんだな?」

('A`) 「返事はいい。歩け」

幾つかの部屋のドアを通過し、自室の前にまで辿り着く。
望んだことではない。背後から押され、仕方なく歩いただけだった。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:15:26.40 ID:7D9+gk8E0
細身の男は、ドアを顎で指し、言った。

('A`) 「開けろ」
  _
( ゚∀゚)「……」

黙ってポケットを探り、鍵を取り出す。
掌は、微かに震えている。
  _
( ゚∀゚)(……どうする? このまま、こいつらの言う通りにするか? それとも――)

開ければ、彼らは部屋に踏み込み、しぃを連れ出すだろう。
その後、自分としぃがどのような目に遭うかは分からない。
そして何より、しぃを彼らに大人しく渡す気は、ない。

('A`) 「早くしろ」

無気力で、無表情な瞳。
虚ろにも見えるその眼には、何の感情も窺えない。
  _
( ゚∀゚)(……くそッ。
     そう、すんなりとは行かないぜ……!)

鍵を持った手を、ゆっくりと上げる。
それを鍵穴に差し込む――と見せて、素早く手を動かした。

ドアの鍵穴ではなく、郵便受けに向けて。



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:21:07.70 ID:7D9+gk8E0
手先を押し込み、鍵を握った指を離す。



――かちゃり。
音を立てて、鍵が室内の受取口に落ちた。


  _
( ゚∀゚)「あちゃ~、間違えちまった。
     ごめんな、あんたらがあんまり脅かすからさ。手が震えて、このザマだ」

(; ^ω^)「な、何すんだお! こいつっ!」

肥満の男がいきり立つ。
それと同時に、痩せた男が肩を握るのとは反対の手で、ジョルジュの首筋を掴む。
両腕の力で、ドア脇のインターホンにジョルジュの側頭部を押し付けた。
  _
(; ∀ )「ぷあっ!」

ボタンに激突した頬骨に、鈍痛が走る。
それと同時に、間の抜けた平和な呼び出し音がビルの廊下に響いた。

ぶつっ、という音の後に、軽いノイズが聞こえる。
室内でしぃが受話器を取ったのだ。

(*゚ー゚)『……ジョルジュさん?』
  _
(; ゚∀゚)「あ、ああ。俺だよ」



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:26:26.46 ID:7D9+gk8E0
(*゚ー゚)『どうしたの、インターホンなんて押して。
     カギ、なくしちゃったとか?』

部屋の外で、三人の男は無言だ。
しぃの明るい声とは正反対の、重く張り詰めた空気が流れている。

(*゚ー゚)『ね、どうしたの? そういえばさ、なんか、さっき入り口の方ですごい音が
    したけど、大丈夫? ジョルジュさん、転んだりした?』

しぃの声は、続く。
マイクに押し付けられたジョルジュは、息を殺したままその声を聞く。

('A`) 「呼べ」

彼の顔面をなおもインターホンに押しつけながら、痩せた男が促す。
腕に力を篭め、頸椎を圧迫する。喉に力を入れ、ジョルジュは口を開いた。
  _
(; ゚∀゚)「しぃ……聞け。
     ドアにチェーンを掛けて、俺が戻ってくるまで誰も入れるな。絶対にだぞ」

指示されたものとは正反対の内容を告げる。
息を呑む気配が、インターホンのマイクを通して伝わってくる。
彼のその言葉に返事を返さず、通話は切れた。

ドアノブの向こうで小さな足音が、続いて、かちり、と金属音が鳴る。
それを聞き届けて、ジョルジュは笑みを漏らした。
  _
( ゚∀゚)「……へっ。残念、だったな」



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:32:44.84 ID:7D9+gk8E0
男は、無表情のままジョルジュの眼を覗き込む。
そこに屈服の色が見えないのを認め両手を離すと、ぼそりと呟いた。

('A`) 「お前は、痛めつけられるのが趣味か?
    まあ、いい。下に降りろ……ブーン」

( ^ω^)「了解だお。ドクオ」

ブーン、と呼ばれた肥満体の男が進み出、ジョルジュの脇を押さえた。
  _
( ゚∀゚)(ブーン……ドクオ、か)

二人に前後から脇を固められ、階段を下りる。
降りながら、ジョルジュはまた思考を巡らせていた。

彼らは、ギコを、社長、と呼んだ。そして、自分たちの名前を隠そうともしない。
その理由は、二つ考えられた。

隠すほどのことではないと考えているのか。
それとも、ジョルジュを生かしておくつもりがないのか。
後者ではないことを祈らずにはいられなかった。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:37:19.04 ID:7D9+gk8E0
二人の男に挟まれたままビルを出た。
そのまま、ビル脇の細い路地に連れ込まれる。
背後をブーンに固められたジョルジュの目の前に、ドクオが立った。

('A`) 「最後だ。『ペット』を渡せ。
    アレは、社長の所有物だ。社長は怒ってる」

返事は、決まっている。ジョルジュはかぶりを振った。
  _
( ゚∀゚)「断る。あいつは、帰ることを望んでない……何より、そういう依頼でね」

('A`) 「……そうか」

ドクオは小さく頷き、ポケットに両手を入れたまま一歩前進する。
そのまま、ジョルジュの腹に膝をめり込ませた。
  _
(; ∀ )「げ、ぼっ!」

胃がせり上がる。
膝を折り腹を押さえて、その場に跪いた。嘔吐感を押さえ、必死で荒い息を吐く。

さして力が入っているようには見えない。無造作にすら見える一撃だ。
だが、内臓を直接蹴られでもしたような鈍痛が残る。
暴力を振るうことに慣れている、そういう人種に違いなかった。



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:43:49.93 ID:7D9+gk8E0
ドクオは屈み込むジョルジュの前髪を掴み、強引に顔を起こさせた。

('A`) 「面倒だ。そこらのガキなら、小遣いでもくれてやる方が早い。
    でもお前は、金じゃ動かないだろう?」
  _
(; ∀ )「ぐッ……さて、どうだろうな。試してみるかい?
     案外……へへっ、イチコロかもよ?」

ドクオは掴んだ髪を引く。
ビルの外壁を伝う雨水用のパイプに、ジョルジュの頭を叩き付けた。
ごぅん、と鈍い音が響く。近くのポリバケツを巻き込み、彼は地面に倒れた。

( ^ω^)「ゴミがゴミまみれだお。ひひっ、いい気味だお」

ブーンがジョルジュの後ろから腕を伸ばし、彼の両脇を抱え上げる。
ドクオは立ち上がり、ジョルジュの顔を見た。

('A`) 「お前のことは、『ペット』が逃げた翌日に聞いた。
    それから二日かけて、身元を洗った。お前のことは、何でも知ってる」
  _
(; ∀ )「……」

こめかみの部分の頭皮が切れていた。一筋の血が、頬を伝う。

('A`) 「長岡ジョルジュ。未婚。外資系銀行『VIPSTAR銀行』で勤務。
    二年前に退職し、『長岡探偵事務所』を開設」

一貫して静かな声音だ。
これだけの暴力を振るっていながら、眼にも、声にも、何の感情も籠もっていない。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 18:51:04.65 ID:7D9+gk8E0
('A`) 「職種は渉外。営業成績は、行内はおろか業界内でトップクラス。
    他行の大手の顧客を片っ端から奪って、成績を伸ばした」

( ^ω^)「元エリート銀行員もゴミまみれ、落ちぶれたもんだお……ひひっ。
      なんで好きこのんで金持ち暮らしを捨てるんだお? バカかお? バカなのかお?」

ジョルジュは無言で、その声を聞く。
渉外とは、俗に言う外回りの営業だ。営業職というと、銀行では行内での窓口業務等を指す。

('A`) 「傍若無人な営業姿勢と高い能力は兜町の全ての同業者から敬われ、
    同時に恐れられた。そして付けられた渾名が――『帝王』ジョルジュ」
  _
(; ∀ )「へ、へっ。昔の……話だよ」

('A`) 「だろうな。今は、誰とも関係を絶ってる。
    お前の客に警察関係者がいなければ、もう少し早く、こうして話せたんだ。
    慎重に下調べをする手間が、かかった」

ドクオは鼻を鳴らした。片手でジョルジュの襟を掴む。

('A`) 「お前の預金口座も、おさえてる。ハシタ金で曲がるような額じゃない。
    だが、気の毒だったな――」

そう言うのと同時に反対側の手が握られ、再びジョルジュの胃に突き込まれた。
  _
(; ∀ )「……ッ!!」

今度は、ブーンの両腕が脇を抱えている。倒れ込むことも、腹を守ることもできない。

('A`) 「――金でカタがつくなら、痛い目に遭う必要もなかった」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:00:12.48 ID:7D9+gk8E0
更に、もう一発。今度は脇腹に、拳を叩き込まれる。
鈍い衝撃が肝臓から肺まで突き抜けた。

ブーンが腕を放す。ジョルジュは、俯せに倒れた。
アスファルトに手を突き、どうにか上体を起こす。
  _
(; ∀ )「う……ぶっ、ごええぇッ!!」

そのままの姿勢で、胃の内容物を吐き出した。
黄褐色の胃液の混じった吐瀉物が、びしゃびしゃと落ちた。

( ^ω^)「うわ、汚ね。
      もうちょっと我慢できないのかお、こいつっ」

ジョルジュを嘲りながら、ブーンがなおもジョルジュの腹を蹴り上げる。
転がって壁に背中を付けたジョルジュの胸を、磨かれた革靴で踏んだ。
  _
(; ∀ )「ぐ、ふぅっ……げほッ、ごほッ!」

('A`) 「『ペット』を返す気になったら、言え。それまで、続ける」

ドクオを見上げる。通りから差し込む街灯の逆光で顔は見えないが、恐らくは無表情だろう。
震える両腕で身体を支えて起こす。手の甲で、口を拭う。
  _
(  ∀ )「へ……は、はっ。
     そこまで知ってるなら……は、話は早えや」

('A`) 「返す気になったか? なら――」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:05:20.37 ID:7D9+gk8E0
  _
(  ∀ )「逆……だよ。なあ……兄ちゃん。つっ、知ってるか?
     『神のものは神に、帝王のものは帝王に』……ってな。聖書、読んだコトあるか?」

ジョルジュは、この状況にあってなお、歯を見せて笑った。

('A`) 「……銀行屋だろう? 客の提案は親身に聞いたらどうだ?」
  _
(  ∀ )「ヤクザは客と思うな……ってのが、社訓でね。へ、へっ」

('A`) 「そうか」

ドクオは脚を上げる。
ブーンの足に固定されたジョルジュの上半身、右の鎖骨にその踵を振り下ろした。

鈍い衝撃。
一瞬遅れて、鎖骨から、ごりり、と不快な感覚が伝わる。
  _
(; ∀ )「――っ、があああぁっ!!」

ジョルジュは三度地面に転がり、左腕で右肩を庇った。
右腕から力が抜ける。そして、動かない。

無防備になったその顔面を、ブーンが蹴り上げる。
半回転してうつぶせになると、今度はその背中を蹴られた。
固い皮革の靴底に蹴られ、踏まれて、背骨と肋骨が軋んだ。

二人は、倒れたジョルジュに更に足を振り上げる。
ジョルジュは折れた鎖骨を庇い、地面に転がったまま蹴られ続けた。



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:10:27.44 ID:7D9+gk8E0
('A`) 「……どうだ? 気は、変わったか?」

( ^ω^)「ふ……ふひっ。強情な奴だお。おかげで靴がゴミまみれだお!」

ドクオが、シャツの襟を正しながら聞く。
ブーンはその隣で呼吸を整えている。
  _
(  ∀ )「……」

ジョルジュは、答えない。胸が小刻みに、荒く上下している。
裂けた唇と鼻孔からは血が流れている。ジャケットは泥にまみれ、所々が破れている。
言葉は口に出せず、代わりに首を振った。

('A`) 「……赤の他人だろう。ガキ一匹ごときに、どうしてそこまで強情になる?」

理解できない、と言った様子でドクオが呟く。
  _
(  ∀ )「げほっ……くっ……な、何故……か、って?」

切れた唇を、動かす。
  _
(  ∀ )「その質問には……へっ、答えて、やれるぜ……っ」

俯せの姿勢から左手を壁に掛け、よろけて立ち上がる。
  _
(  ∀ )「……俺はな、嫌い、なんだよ。
     お前らみたいな奴らが……心底、な」

(# ^ω^)「何だお、こいつっ!」



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:11:53.42 ID:vOtKcz+20
本当に久しぶりに面白いと思える作品だ
支援


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:15:40.11 ID:7D9+gk8E0
この手の手合いは、愚弄と揶揄には無闇に敏感だ。
反射的にいきり立つブーンを、ドクオは目で止める。
  _
(  ∀ )「あいつを……しぃを、連れて帰って……また、虐めるんだろう?
     金と、力に……モノを言わせて、やりたい放題、やるんだろう?」

ジョルジュは、怒り始めていた。
まだ怒れるだけの気力が残っていることに、自分でも驚いていた。
  _
( ゚∀゚)(……ああ、そうだ。そうなんだな。俺は……)

涙を流しながら、無言で立つ二人を睨み付けながら、思い出す。
湧き上がる感情に任せ、叫んだ。
  _
(# ∀ )「ヘドが出るんだよ、っ。人を人とも思わないで、痛めつけて、喜んで……ッ。
     そういう奴らはな、許せねえんだよッ!」

全身が熱い。
痛みは、熱に変わっている。右腕はだらりと垂れ下がったままだ。
両脚は震えて、膝が笑っている。だが、立ち上がれる。

ジョルジュは、怒っていた。



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:17:02.30 ID:vOtKcz+20
地の分も読みやすいし感情移入のしやすさ、素晴らしい
支援はここまでしかできんが、頑張ってくれ>>1


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:19:14.13 ID:7D9+gk8E0
  _
(#;∀;)「あいつはな……しぃは、ペットじゃねえんだ!
     動物じゃねえ、人の持ち物なんかじゃ、モノじゃねえんだよ!
     あいつはな、あいつは……立派な人間だぞッ!!」

怒り、そして泣いていた。
  _
(#;∀;)「人をモノみたいに扱う奴は、許せねえ!
     そんなクズ共のところに――あいつをッ、帰らせて、ッ、たまるかよおッ!!」

吼える。
頬を伝う涙は、それは、痛みのせいではなかった。
  _
( ゚∀゚)(俺は、罪滅ぼしがしたいんだ。昔の借りを、返したいんだ。
     借りを……しぃを助けることで、清算したいんだな)

しぃを守るのは、依頼があったからだけではない。義務感からだけではない。

前にふと思い付いた、「贖罪」という言葉の意味に、彼は気付き始めていた。



43 :////:2009/08/14(金) 19:24:35.86 ID:7D9+gk8E0
( ^ω^)「何だおコイツ。いきなり泣き出して、脳でもやっちまったのかお?」

ブーンが進み出る。
やっと立ち上がった彼の、ジャケットの背中を掴み、力任せに引き上げて壁に叩き付けた。

( ^ω^)「にしても、人を嫌いなんて言っちゃ駄目だお。
      人とは分け隔て無く付き合えって、小学校で習わなかったかお? んんー?」
  _
(; ∀ )「っぐあ……ッ!」

ドクオは歩み寄り、ジョルジュに顔を寄せた。
懐に手を差し入れ、耳元で囁く。

('A`) 「奇遇だな。俺も、お前が嫌いだ。
    物分かりが悪い奴。熱血バカ。どっちも、刻んでやりたくなる」

懐から手を抜く。
その手には、鋭利な両刃のナイフが握られていた。
通常の流通ルートには乗らない、軍用のダガーナイフだった。

鈍色の刃が、遠くの街路灯の明かりを反射して光る。
それをジョルジュの頬に突き付け、ドクオは続けた。

('A`) 「お前の事情など知るか。
    明日まで、待つ。
    明日の正午になっても『ペット』が戻らなければ――殺す」

ナイフの刃で、頬を叩く。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:28:11.64 ID:7D9+gk8E0
('A`) 「逃げるな。見張りが付いてる。どこまで逃げても、追う。
    ガキは連れ戻し、お前は殺す。切り刻んで、バラ撒く」

全身の血が、冷える。
殴られ、蹴られた身体の痛みも、徐々に遠くなっていく。

('A`) 「……」

暗くなる視界の中で、ドクオが意味ありげに嗤い、ジョルジュに背を向けた。
それにブーンが従う。
  _
(; ∀ )「くっ……そ……!」

去っていく二人の背中を見ながら、ジョルジュは奥歯を噛み締めた。
舌に、苦い血の味が広がった。



二人が去ってから数分後、ジョルジュはゆっくりと立ち上がった。
街並みが、歪んで見えた。





46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:32:37.32 ID:7D9+gk8E0

                    - 3 -
  _
(; ゚∀゚)「つっ……痛っ」

痛む身体を引き摺って雑居ビルに戻る。
手摺りに身体を預けて登り、どうにか自室の階に辿り着いた。
  _
(; ゚∀゚)「あいつら……好き放題、やってくれやがって。くそッ」

腹の内側と背中、そして腰骨を中心に、全身に鈍い痛みが残っている。
右の鎖骨は折れてはいないようだが、右腕に力が入らず、動かすと激痛が走る。
ひびぐらいは入っているかも知れない。そして全身が熱を持って、熱かった。

ドアの前に立つ。
右腕を上げようとして顔をしかめ、代わりに左手でインターホンのボタンを押した。

(*゚ー゚)『……』

警戒しているのだろう。受話器を上げたまま、しぃは無言だ。
  _
(; ゚∀゚)「……あ、ああ。俺だよ。しぃ、心配するな。今、帰った、ぜ」

(;゚ー゚)『……っ、ジョルジュさんっ! なんか声がヘンだよ? どうしたのっ』

血相を変えているのが伝わってくる声だった。その声を聞き、安堵する。
気が緩んだために、急に気が遠くなるのを感じた。



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:38:34.73 ID:7D9+gk8E0
瞼が下がり視界が狭まる感覚は、眠気に似ている。
  _
(; ∀ )「ああ……いや、何でもない。
     ギコ社長から……熱烈な、プロポーズが、な。断ったら……これ、だ――」

不意に腰が砕け、音を立てて壁にもたれた。
体重を預けたまま、ずるずると床にくずおれる。

全身の痛みが、遠い。

(;゚ー゚)『ジョルジュさんっ? やだ、ちょっと!
     何があったの? ねえ、ジョルジュさんっ! ジョルジュさぁんっ!!』
  _
(; ∀ )「は……はっ……ンだよ、そん……心ぱ――」

そんなに、心配するなよ。
そう言い終える前に、彼の意識は完全に途切れた。



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:41:46.26 ID:dDhfETbcO
どうするんだろうか支援


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:45:35.66 ID:7D9+gk8E0
水面を漂う泡のように、意識は漂流していた。
強い酒を呷ったときと同じように身体の中心が熱を持ち、全身が自分のものでなくなるような
遊離感を覚えていた。



――冷たい。



頬に、上半身のあちこちに、冷たいものが押し当てられている。
その心地良い冷気が身体の芯を冷やし、脳髄から飛び出しかけた意識を再び、世界に
引き戻す。
  _
(; ∀ )「ぅ……く、っ」

目を覚ましたジョルジュがいたのは、自室のベッドの上だった。
硬く強ばった首を起こし、自分の身体を見下ろす。

破れた服は取り去られている。裸になった上半身は、しかし湿布と包帯、氷嚢に覆われ、
肌が露出する面積の方が狭いほどだった。

ぼやけた視界が、徐々に鮮明になる。

(*゚ー゚)「あ、ジョルジュさん……起きた?」

すぐ脇に、しぃの険しい顔があった。
しぃにとっては普段通りの、メイド服姿だ。



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:48:28.40 ID:7D9+gk8E0
  _
(; ゚∀゚)「ああ……心配かけちまって、悪いな。しかしこりゃ――つッ!」

身体を起こそうと右腕を曲げると、鎖骨に鋭い痛みが走った。

(*゚ー゚)「あ、動いちゃ駄目。
    骨は折れてないみたいだけど……すぐ病院行かなきゃ、危ないよ」
  _
(; ゚∀゚)「そりゃ、ありがてえ。
     しかし、見事なモンだな。この手当、しぃがやってくれたのか?」

再び身体を見下ろしながら訊く。

(*゚ー゚)「そうだよ。医学も、メイドのおつとめのひとつ、だもんね。
    ……こんなトコで役に立つなんて、思いたくなかったけど」

しぃは小さく息を付いて、姿勢を正した。

(*゚-゚)「……ジョルジュさん。ボクのせい、だよね。ごめんなさい……。
     でも、なんでなの? なんで……ボクのために、ここまでしてくれるの?」

ジョルジュが自分の代わりに痛めつけられたことへの罪悪感。
そして、こうまでして自分を庇う理由が掴めないことへの困惑。
そのふたつが、しぃの表情を曇らせていた。
  _
(; ゚∀゚)「もちろん、お前にそう依頼されたからさ。
     ……いや。その理由だけじゃ納得できない、ってコトだよな?」

躊躇いがちに、小さく頷く。



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:54:13.48 ID:dDhfETbcO
男の娘支援


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 19:54:52.06 ID:7D9+gk8E0
ジョルジュはしぃの顔から視線を外し、長く息を付いた。
  _
( ゚∀゚)「……昔の……昔の、しがらみさ。
     お前のためだけじゃない。俺は、自分のために……お前を、助けたかった」

無性に、煙草が吸いたかった。

(*゚-゚)「……ボク、知りたい。その、昔のこと……ジョルジュさんの、昔のこと」

数日前に訪れたショボンとの会話。
そして、しぃ自身がこれまでに見てきた、ジョルジュの言動。
しぃは、それらを回顧していた。
  _
( ゚∀゚)「……聞きたいか?」

しぃは迷わず、首を強く縦に振った。

(*゚-゚)「……うんっ」

誰にも、するつもりのない話だった。だが、しぃには聞かせるべきなのかも知れない。
ジョルジュは、目を閉じる。
目を閉じて、苦い塊を吐き出すように、言った。


  _
( -∀-)「二年前。
      俺は――――人を、殺した」





58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:01:01.83 ID:7D9+gk8E0

                    - 4 -

(;゚ー゚)「……っ?」

しぃは、目を大きく見開く。
何を言ったのか分からない、と言う様子で首を振り、ジョルジュを見た。

(;゚ー゚)「殺し……? ボク、聞き間違えた?」
  _
( ゚∀゚)「いや、間違えてない。
     俺は、人殺し……だよ」

天井を見る。
  _
( ゚∀゚)「二年前、探偵事務所を開く前。
     俺は、銀行勤めをしてた。外資系の銀行で、営業マンをやってた」

(*゚ー゚)「銀行、で、人を……?」
  _
( ゚∀゚)「すまねえ。最後まで、話させてくれ」

しぃは顔を伏せ、口をつぐんだ。
  _
( ゚∀゚)「銀行の営業、ってさ、どんなコトするか、知ってるか?
     ちゃんとしてるところはちゃんとしてるけど、ウチの所はもうドロドロだったよ」

(*゚ー゚)「営業っていうと……接待とか、そういうアレのこと?」



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:05:16.67 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「ああ。外資系の新興は、ある程度規模が大きくても舐められる。
     その差を埋めるためだ。酒に女に娯楽……その他、まあ、いろいろだよ」

(*゚ー゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「おかしなもんでさ。ずっと続けてると、感覚が麻痺してくるんだ。
     相手が喜んでくれて、こっちも懐が暖まる。それで何が悪い、ってな。俺も、さ」

話しながら首を巡らせ、目当てのものを探し当てる。
サイドボードに置かれた、煙草のパックとライター、それに灰皿だ。
  _
( ゚∀゚)「よっ……と、つっ。
     それで……そういうのを続ける内に、俺は、『いいこと』に気付いたんだ」

身体を捻り、呻きながら左手で取る。
しぃは彼を咎めるような目で見たが、声は出さなかった。
  _
( ゚∀゚)「俺たちは、顧客を訪問する。そして得た情報で、最大限のもてなしを提供する。
     それが相手が求めてるものなら、それで好感度はアップ。貸しも作れる。
     後は話術で押すだけ。口八丁は、俺の得意分野だ。それなら――」

片手で苦心して煙草を抜く。仰向けのまま取り損ねた何本かが胸元に落ちる。
しぃは困ったような怒り顔を作ってそれを取り上げ、ダッシュボードに戻した。
  _
( ゚∀゚)「それなら。訪問する前に、あらかじめ相手のことを全部知ってたらどうだろう?
     服の趣味、応援するスポーツチーム、酒の銘柄、女の趣味、支持政党。
     それから、人には言えないような趣味嗜好まで……全て」



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:10:44.95 ID:7D9+gk8E0
ライターに持ち替える。火を点けて吸い込み、切れた唇に滲みる煙を吐いた。
  _
( ゚∀゚)「金なら、ある程度手元にあった。
     あとは、俺が求めてるものを売ってくれる奴がいればいい。そう――」

(*゚ー゚)「――ショボンさん達みたいな、人のことだね?」

後を継ぐしぃに、頷き返す。
  _
( ゚∀゚)「ホットリーディング、ってのかな。効果はてきめんさ……そりゃ、そうだよな。
     あらかじめ知ってることをさも偶然のようにこなして、相手の期待に応えるんだ」

煙を吸い込み、咳き込む。蹴られた背骨と肺が、まとめて痛みを訴えた。
  _
( ゚∀゚)「堅物のオッサンや、政治家や、投資家起業家、他の色んな奴ら。
     面白いように釣れたよ」

そうだ。あの時は、楽しかった。
やっていることは明らかに間違っていたが、それでも充実していた。
  _
( ゚∀゚)「それで、俺の懐にも金が入る。
     その金で、また別の『標的』の情報を買い漁って、営業に回る。
     あとは無限ループさ。面白いように契約と金が舞い込んできたよ」

(*゚ー゚)「……なんだか、凄い。凄いけど……やっぱり、おかしいよ」

その言葉に、頷きで応える。



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:15:22.31 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「ああ。おかしいよな。俺も、今じゃそう思う。
     でも、あの頃は違った。俺は、有頂天だった……『帝王』、なんて呼ばれてさ」

天井近くに掛かる、薄白い煙草の煙を見上げる。
見上げて、昔を思い出す。
  _
( ゚∀゚)「数字だけが全ての世界で、俺はダントツのトップで。
     周りの人間なんて、眼中になかった。
     本物の『人間』は世界に自分一人だって、そんな気分さ……ははっ。バカだよな」

(*゚ー゚)「……」

それは、偽らざる本音だ。
彼は、限られた小さな、だが経済の根幹を成す世界で、自他共に認める王だった。
だから、『帝王』という大仰な渾名も不快なものではない。むしろ誇りですらあった。
  _
( ゚∀゚)「どこを歩いても、俺の目には人間なんて映らなかった。
     札束と預金通帳が服を着て歩いてるように見えたよ。
     価値は、その厚みで決まるんだって、そう見えた。
     あの頃の俺にとって――」

そう。
  _
( -∀-)「――あの頃の俺にとって、人間は、人間じゃなかった。
      俺のフトコロに金と知名度を運び込んでくる、道具に過ぎなかった。
      タダの、マネーゲームのコマ……だったよ」



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:21:29.54 ID:7D9+gk8E0
しぃは、長い間、沈黙していた。
そして、納得したように言った。

(*゚ー゚)「……そっか。それで、ジョルジュさん、あの時……」

初めてジョルジュの部屋に来た日、彼は言った。
  _
( ゚∀゚)『――金や目先の娯楽のために他人を弄んで、人を傷つけたり人生を
     めちゃくちゃにする奴。悪人は、そういう奴だけだよ――』

それは、ギコのことだけではなかった。
ジョルジュは、自分自身に対しても同じ事を言っていたのだ。
  _
( -∀-)「そんな中。俺は、付き合いがあった『情報屋』の一人から、急な話を聞いたんだ――」



――あの夜の事は、今でも覚えている。
晩夏の夜は蒸し暑く、粘つくような雨が、一日中降り続いていた。

( ・∀・)『やあ、長岡さん。ご機嫌はいかがかな?』
  _
( ゚∀゚)『呼んだ覚えはないぜ。言わなかったか? 用がないときは掛けてくんな』

探偵事務所の四倍以上の広さがある、当時の彼の部屋。
時ならぬ報せを寄越したのは、当時懇意だった情報屋の一人だ。

( ・∀・)『まあ、固いこと言うなって。面白い話を聞いたからさ、教えてやろうと思って』



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:26:31.19 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)『その気味悪ぃ笑い声は止めろ。用を言え。切るぞ』

( ・∀・)『ああ、そうだな。へへっ……おっと、失礼。
      ……アンタが世話してやった中年オヤジ、覚えてる?
      二、三ヶ月前、俺が教えてやったクラブに連れてってやった、さ』
  _
( ゚∀゚)『……ああ、あのロリコンの変態ジジイか。それがどうした?』

上場したての企業の役員をもてなした記憶を掘り起こす。
職業柄、一度見た人間の顔と名前、服装、そして会った日は決して忘れない。

女子高校生にしか興味がない、というその役員を連れて行ったのは、ホステスが全員
18歳以下の非合法クラブだった。事前に役員の趣味のタイプまで掴んでいたジョルジュは、
その役員の好みのタイプを「偶然」指名して――実際は、所定の五倍の指名料を支払い
事前に押さえていた――あてがったのだった。

( ・∀・)『あのオヤジさ……今日の昼、死んだよ』
  _
(  ∀ )『な……何っ?』

受話器を握ったまま、声を失う。

( ・∀・)『首吊り自殺だってさ。気になるなら、調べてみたらどう?
      なに、礼はいいよ。あんたが困ると、俺も困るからね……へへっ』

彼の耳はまるで他人の物のように、遠くでその声を聞く。
無音の部屋の窓を静かに叩く雨音だけが、永遠に続くようだった。



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:31:05.23 ID:7D9+gk8E0
  _
( -∀-)「そのおっさんは……役員は、一週間ぐらい前から会社に出てなかった。
      役所には何故か離婚届が提出されてて、預金はスッカラカンだった。
      その原因を調べて、俺は――」

口を開いたまま、止める。
怖かった。これ以上話すのが、怖かった。誰にも、知られたくはなかった。
しぃは、その彼の顔を見詰め……そして、呼ばった。

(*゚ー゚)「……ジョルジュさん。
    ボク、聞きたいよ。ジョルジュさんが、何をしてたのか。
    どこで何をして、そして今……どうして、こうなってるのか」

その声に、目を開く。落とした蛍光灯の明かりは、それでも目に滲みる。
しぃには、知る権利がある。
  _
( ゚∀゚)「そうだよな。すまねえ。
     ……俺は――自殺の原因を、知った。その原因は、俺にあった」

しぃは、何も言わない。
ただ、天井を向くジョルジュの目を真っ直ぐ見ている。
  _
( ゚∀゚)「その役員は、俺が紹介したクラブに通い詰めてた。
     あの時会わせてやった娘に熱を上げて、貢ぎまくってたのさ」

その金遣いの荒さは、当時のジョルジュが知っても顔をしかめるほどだった。
都内のマンションの一室を買い与えるのに始まり、衣服、宝石まで。
そしてその金の出所を知ったジョルジュは、青ざめた。



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:36:56.39 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「そいつは、文字通り全財産を、その小娘につぎ込んでたんだよ。
     預金が無くなったら家財道具を売り払って、それでも足りなかった。
     最後の手段で……会社の金にまで、手を付けたんだ」

自分の子よりも若い娘に全財産を奪われた事を知った役員の妻は、離婚を求めた。
為す術のない役員は、それに従った。それでも今度は会社の帳簿を操作し、「投資」は続く。
  _
( ゚∀゚)「それで、どうなったと思う?
     使い切れないほどの金を手にしたそのクラブの小娘は……ドロン、だよ。
     通ってた高校に彼氏がいて、そいつと海外に駆け落ち、だとさ。へっ」

(*゚ー゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「家族も財産も貢ぐ女も失って、いずれ捜査の手が伸びる。
     文字通り全てを失ったそいつが選んだのが……自分自身の死、だったのさ……」

ジョルジュは煙草を灰皿に置く。
三口も吸わない内に、ほぼ根本まで灰になっていた。

しぃは、無言だ。
ただ、無表情で、ジョルジュの目を見続ける。
  _
( -∀-)「俺は……怖くなった。死ぬほど後悔した。
      俺がしたことが原因で、一人の人間が自殺したんだ」

その時、初めて知った。
自分が今まで相手にしていたのは、モノではない。血と肉を備えた人間なのだと。



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:42:11.19 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「人間は、モノじゃない……それが分かった途端、全てが怖くなったよ。
     自分がしてたことが、とんでもないことなんだって分かって……怖くなった」

(*゚ー゚)「……それで、ジョルジュさんは……」
  _
( ゚∀゚)「すぐに銀行を辞めたよ。大騒ぎになったけど、構やしなかった。
     住んでた部屋も、車も、何もかも売り払って、成金生活も捨てて。
     そうしてここに流れてきて、事務所を開いたんだ」

いくつかの事柄を、しぃは思い出す。

身なりに無頓着で、自堕落とも言える生活の様子。
支払われた報酬の額を気にも留めず机に放り出す態度。
そして、それでも生活苦とは無縁の状況を。
  _
( -∀-)「なにもかもがどうでも良かった。
      やりたいこともないし、これから見付けようとも思わない。
      探偵業なんて、下らない暇潰しのはずだった。でも――」

首を捻り、しぃを見る。
この部屋で目覚めてから初めて、ジョルジュはしぃを真っ向から見た。
  _
( ゚∀゚)「――そこに、お前が。ここに来たんだ。
     昔の俺みたいな奴にひどい目に遭わされて、苦しめられたお前が」

(*゚ー゚)「ボク、が……?」



76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:46:38.21 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「二年前、俺はバカだった。出歯亀根性丸出しのゲスで、最低の人殺しだった。
     そんな俺が……お前を助けることで、罪滅ぼしができるかも知れないって。
     そう……思ったんだよ。俺は、さ」

(* ー )「……っ」
  _
( ゚∀゚)「だから結局、俺のエゴなんだよ。お前を、助けるのは。
     だからこんな目に遭わされても、気にするなよな。
     お前は、お前のことだけ……くッ、気にしてれば、いいからな、っ」

身体を起こす。からから、と音を立て、氷嚢が腰の方に落ちる。
しぃは、目を伏せている。肩を震わせて、動かない。
  _
( ゚∀゚)「……軽蔑するだろ? 嫌いになっただろ? 俺のコトさ。
     構わないぜ。でも……お前は、意地でも渡さない。逃がしてやる。絶対、に」

身体を回して、両脚をそろそろと床に降ろす。
全身が痛み、軋むが、耐えられないほどではない。
しぃは、動かない。
  _
( ゚∀゚)「逃げるなら、今しかない。夜の内に、お前一人で逃げるんだ。
     見張りが付いてるらしいけど……っ、何とかする。
     ご近所さんを総動員すりゃ、この辺一帯ぐらいなら、何とかなるからな」

付近の繁華街の住民には、例の小男を始め顔見知りも多い。
出すものさえ出せば、ちょっとした茶番劇ぐらいは頼めるはずだ。



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 20:55:32.41 ID:7D9+gk8E0
――明日の正午までにしぃが戻らなければ、殺す。

ドクオは、そう言った。脅しではない。本当に、彼なら実行するだろう。
だが、それはしぃには言わない。

無論、死にたくなどない。むざむざと死にに行く気など、毛頭ない。
だが何が起こるとしても、恐怖は無かった。
長い間負ってきた荷を降ろす、ほんの僅かな解放感だけがあった。
  _
( ゚∀゚)「分かったら、支度しろよ。着替えて、準備を……つっ、するんだ」

右肩を庇い立ち、携帯電話を探す。
しぃは俯いたまま――首を振った。

(* ー )「……やだ」
  _
( ゚∀゚)「……お前な。俺の話、聞いてた?
     逃げるなら今しかないんだよ。だから――」

(*;o;)「やだあッ!!」

立ち上がる。そのままジョルジュの身体を抱き、ベッドに押し倒した。
ドクオとブーンに蹴られた上半身に体重を掛けられ、肺の空気を全て吐き出す。
  _
(; ゚∀゚)「げふぁッ? お前……なに――」

(*;o;)「ボク、ジョルジュのさんのコト、軽蔑したりしない! 
     嫌いになったりなんかしない!
     だから、逃げるなら一緒だもん! 一人で行くのはイヤあっ!!」



81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:00:26.05 ID:7D9+gk8E0
  _
(; ゚∀゚)「ったく、俺の決意を無にするようなコトを……。
     言ったろ? 俺は人殺しで、自分勝手な奴なの! 分かったらさっさと――」

その言葉を遮り、しぃは叫ぶ。

(*;o;)「でもっ! でも、ジョルジュさん、ボクを助けてくれた!
     ボクを――ボクを、生き返らせてくれた!!」
  _
(; ゚∀゚)「……ッ?」

しぃはジョルジュの首元に泣き顔を押し付ける。

(*;ー;)「ジョルジュさんのせいで、死んじゃった人がいるかも知れない、でもッ。
     でもボクは、ジョルジュさんに命を助けてもらった! 嘘なんかじゃないもんっ!」
  _
( ゚∀゚)「俺、に……?」

涙に濡れた顔でジョルジュの肩に縋り、しぃは吐露する。

(*;ー;)「たくさんイヤなことされて、痛いことされて、ボクは……死んじゃいそうだった。
     身体は生きてても、心は死んじゃいそうだった。誰もボクを人間だって認めて
     くれなくて、心が張り裂けそうに苦しくて……」

ベッドに手を突いて、上体を起こす。
ジョルジュの顔のすぐ上に、しぃの顔がある。

(*;ー;)「でも、そんなとき、ジョルジュさんに初めて会って、ここまで連れてきてもらって。
     ジョルジュさんは、ボクを人間扱いしてくれた。ちゃんと、認めてくれた」



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:06:31.64 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「いや。俺は、ただ……」

ただ、普通の少女にするように、少年にするように、接しただけだ。

(* ー )「それに――分かってたよ。
     初めて会ったときから、ジョルジュさんのこと、少しだけ」
  _
(; ゚∀゚)「はあああ? ……っつっ!」

大きく、疑問を発する。
息を吐くのと同時に同時にしぃの体重を掛けられた胸郭が圧迫され、痛んだ。

(* ー )「会ったのは偶然だったけど、でも。
     初めてジョルジュさんの眼を見たときに、分かったんだよ」

下向きの頬に溜まっていた涙が重力に負け、ジョルジュの顔に落ちる。
しぃの手が伸び、ジョルジュの眼窩をなぞった。

(*゚ー゚)「ジョルジュさんの眼。ボクが鏡で自分を見るときと、同じ。
    昔の辛いこと、無理矢理忘れようとして、空っぽになった……そんな眼」

腫れたジョルジュの頬に、頬を寄せる。

(*゚ー゚)「ボクと同じ眼をしてる、この人なら、ボクを助けてくれるかも知れない。
    ボクをあそこから助け出してくれるかも知れないって、そう、思ったんだよ?」
  _
( ゚∀゚)「……参ったな。予想以上の名探偵だぜ」



84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:12:47.08 ID:7D9+gk8E0
(*゚ー゚)「ね、ジョルジュさん。二人で……逃げよう?
    ボク、ジョルジュさんとなら、どこへだって行くよ。怖くなんかない」

顔を見合わせる。
互いの真剣な顔を見て、どちらからともなく表情を緩めた。
  _
( ゚∀゚)「……ああ、そうだな。それもいいかもな。お前なら、どこに行きたい?」

(*^ー^)「ボク、海のそばがいいな。海、テレビとネットでしか見たことないんだ」
  _
( ゚∀゚)「海かあ……いいかもな。
     やることがなくても、一日中外見てるだけで退屈しなさそうだな」

何年も、海に行った記憶はない。
少なくとも、二年前からはこの事務所に篭もりきりだ。

(*^ー^)「でしょ? で、夏になったら毎日海水浴するんだ。きっと楽しいよ」
  _
(; ゚∀゚)「……お前、水着は?」

(*^ー^)「大丈夫だよ、パレオとかあるし。
     それにジョルジュさんと二人きりだったら、気にしなくていいでしょ?」
  _
(; ゚∀゚)「やっぱり女物なのな……。
     ……でも、そうだな。捨てたモンじゃ、ないかもな――」



86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:14:44.55 ID:cgR7q1gx0
死亡フラグしか見えません支援


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:15:59.24 ID:i2FaFNnh0
ペロッ!これは二人纏めて死亡フラグ!


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:16:39.78 ID:7D9+gk8E0
目を閉じ、想像する。

海と、空を。
遮るものが何一つない開けた空間に、水平線が地球の丸みに沿って緩い曲線を成し、
それがぼやけた白い帯へと変わりながらどこまでも続いていくのを。

海は、綺麗でなくてもいい。空は、晴れていなくてもいい。
自分を理解してくれる誰かとただ過ごしていく、その毎日を。

それは、ジョルジュが心の奥底で長い間望んでいたものだった。
僅かな一瞬に、彼はその充足感を噛み締めた。

幸せだった。
例え叶わなくても、想像することができるだけで、十分だった。
  _
( -∀-)「……へへっ」

目を閉じ、笑う。
傍らのしぃの頭を、ぽん、と叩く。
  _
( ゚∀゚)「さあ、楽しい想像はお終い。
     続きは、明日にしようぜ。今日はもう、寝よう」

(*゚ー゚)「ホントに? ジョルジュさん、ボクを追い出したりしない?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、もう諦めたよ。だから、もう寝な」

(* ー )「……やっぱり、やだ。寝ない」
  _
(; ゚∀゚)「……なんでそうなるんだよ……」



92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:21:45.78 ID:7D9+gk8E0
しぃは濡れた睫毛を伏せ、笑う。

(*゚ー゚)「だって……えいっ!」

言うのと同時に。
しぃはベッドに倒れたままのジョルジュの腹に、体重を掛けて飛び乗った。
  _
(; ゚∀゚)「ぐおおっ! 痛い痛い、お前わりかしマジ痛いって!」

すぐ目の前に、しぃの顔がある。
ジョルジュの腰に馬乗りの姿勢になったしぃは、前屈みにジョルジュの顔を見た。

(*゚ー゚)「ね、ジョルジュさん?」
  _
(; ゚∀゚)「なにが、ね、だ! おい、痛ぇ……うぐ!」

しぃは笑って答えず、そのまま顔をジョルジュに近付けた。

(*゚ー゚)「ん……」

一瞬、顔を背けようとするが、その瞬間に、見る。
しぃの頬に残った乾いた涙の跡を、睫毛に残る雫を見る。

胸が痛んだ。
顔を背けようとする動作が、止まる。
  _
(; ゚∀゚)「……っ!」

そのまま、しぃの唇が、彼の唇に合わせられた。





94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:25:59.41 ID:7D9+gk8E0

                      - 5 -

(* ー )「ん……ふっ」

唇は、すぐには離れない。落とした照明の下で、柔らかい感触を残して蠢いた。
切れた口の端に触れられると、微かに引き痙るような痛みが走った。

一度、唇を離す。
再び目を瞑り寄せられたしぃの頭を、ジョルジュは左手で押さえた。
  _
(; ゚∀゚)「っ――だから、お前!
     この前言っただろっ、本当に好きな相手とだけ……」

(*゚ー゚)「うん、覚えてるよ。でも、違うよ。最初の日とは違うの。
    ボク、ジョルジュさんのコト、好きだよ」

躊躇わずに、言う。
  _
( ゚∀゚)「……え?」

(*゚ー゚)「うん。……うん、そうだよ。
    ボク、大好き。ジョルジュさんのこと、ホントに大好きだよ」

言って、自分自身で納得するように大きく頷く。

(*゚ー゚)「そっかあ。うん……そうなんだ」



95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:29:27.38 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「なに、納得してるんだよ?」

(*^ー^)「ううん。こういうのが、人を好きになるってことなんだなあ、って。
     なんか、納得してた。
     うん、そうだ。ボク、ジョルジュさんのコト、だーい好きなんだ!」

そう言って、しぃは照れたように笑う。
少年とはいえ、面と向かって、好き、と連呼され、ジョルジュは気恥ずかしくなる。
怪我のせいではなく、顔が僅かに熱くなるのが感じられた。

(*゚ー゚)「本当に好きな相手と、だから。
    だから、いいんだよね? ね、ジョルジュさん?」
  _
(; ゚∀゚)「いやお前、アレはそういう意味で言ったんじゃ……っ?」

ジョルジュの上に馬乗りになったしぃ。
その右手が、唯一自由に動かせる彼の左腕を、上から押さえている。
右腕は、動かすことができない。
  _
(; ゚∀゚)「ま、待てッ。お前、き、汚えぞ!」

(*゚ー゚)「汚くなんかないよ。
    恋はいつだって、綺麗なモノなんだよ。でしょ?」
  _
(; ゚∀゚)「お、おま――」

身動きのできないジョルジュ。その頬を、しぃの唇が撫でた。
壁に叩き付けられた頬には、青黒い痕が薄く残っている。



96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:32:29.96 ID:dDhfETbcO
男の娘だと分かっていてもドキドキするな支援


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:34:02.50 ID:mmtYpgb3O
え?
だからこそ、じゃないの?


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:39:01.72 ID:dDhfETbcO
>>97
なん……だと…!?
何かムラムラしてきた


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:44:35.86 ID:mmtYpgb3O
>>99
男の娘で画像検索でもして一周して来るのが一番だが

ハマると抜けられない



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:35:05.62 ID:7D9+gk8E0
しぃは左手を伸ばし、ジョルジュの首筋に触れる。
そこにも同じように内出血が見られた。
鎖骨の中心の窪みを撫で、右の鎖骨に指を静かに置く。
  _
(; ゚∀゚)「……っ!」

しぃに触れられたそこに、ぴりぴりとした刺激を覚える。
十分に冷やされたため、今はそれほど痛みを感じない。
明日になれば別かも知れないが。

(* ー )「――ん、んっ」

しぃが、首筋の痣に口づける。ジョルジュは微かに呻いた。
唇の感覚がこそばゆく、同時に僅かな痛みを訴える。
その首筋に、不意に、ぬるり、とした感触があった。

(* ー )「ん、ちゅ……ちゅっ、ん、むッ」
  _
(; ゚∀゚)「うわ、っ?」

(* ー )「ん、むっ、ふ……っ」

ジョルジュの首元に、しぃは舌を這わせていた。
唇から覗いた舌が、彼の首に光る唾液の跡を残す。

ジョルジュの首元に顔を埋め、しぃは猫のように舌を動かした。
温かく湿った感覚と呼気が首筋をくすぐり、思わず声が漏れる。
  _
(; ∀ )「っ、く……っ!」



100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:39:56.80 ID:7D9+gk8E0
感触は、首筋を降りていく。
首元まで下がり、傷付いた右の鎖骨を舐めた。
ぴちゃり、と、舌の擦過音が立つ。
  _
(; ∀ )「お前な、ッく、ど、動物じゃないんだぞ、ッ?」

(*゚ー゚)「ん、ふふっ。だって、言うじゃない。舐めとけば治る、って……ちゅっ」

答えながら、鎖骨の窪みを音を立てて吸う。
痛みとこそばゆさと、そしてそれらともまた違う感覚が、首筋に走った。
  _
(; ∀ )「それもメイドの……っ、おつとめなのかよ、ッ、くっ!」

空いたしぃの左手は、ジョルジュの胸に置かれている。
その掌から、氷嚢で冷やされ水滴の付いた胸に体温が伝わる。

(* ー )「ほら、こんなに……ここも、ここも」

転がされ、蹴られた胸と腹には、幾つもの内出血がぼやけた紅い斑紋を刻んでいる。
背中を丸め、ジョルジュの首元に頭を押し付けて、しぃは呟いた。
胸の傷に、脇腹の傷に、腹の傷に、指先を這わせる。

(* ー )「……っ、ジョルジュさん、っ。ごめんね……」

しぃは腰を浮かせて、ジョルジュの腹の上から太股に身体を下ろしていく。
下ろしながら、その身体に繰り返しキスをする。
掌を腹に置き、胸の傷を舌でなぞった。



101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:44:19.60 ID:7D9+gk8E0
(* ー )「ボクのせいで、こんな……ん、ふッ」

指が胸板を撫で、舌の感触は腹にまで下りていた。
痛む腹筋を音を立てて、舐める。
  _
(; ∀ )「……ッ」

しぃの舌が触れた傷口が、痛みと同時に熱い感覚を身体に残していく。
身体を動かすこともできないまま、ただしぃの為すがままになっていた。

しぃの指と、舌の感触が消えた。
代わりに、ジョルジュに身体を沿わせたまま、彼の身体の上に俯せになる。
背伸びをするように首筋を伸ばして、またジョルジュの顔を下から見上げた。

(*゚ー゚)「……」

上目遣いに。
黙って、ジョルジュを見る。
  _
(; ゚∀゚)「……な、なんだよ」

(*゚ー゚)「ジョルジュさん。キス……して、ほしい」
  _
(; ゚∀゚)「い、いや。さっき、さんざしただろ?
     何も、今じゃなくっても、い、いいじゃねーか」

ふるふると首を振る。肩で揃えられた髪が、遅れて左右に揺れた。

(*゚ー゚)「違うの……して欲しいの。
     ジョルジュさんから、ボクに……キス、してほしいの」



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:49:27.19 ID:7D9+gk8E0
  _
( ゚∀゚)「……どうしても?」

(*゚ー゚)「うん。どうしても、絶対」

沈黙が降りる。
今までにない真剣な眼差しの、しぃ。その眼が、ジョルジュを見ている。
薄暗い照明の下で、瞳が揺れる。
  _
( ゚∀゚)(……くそッ。ああ、くそ――)

戒めを解かれた左腕を上げた。しぃの頭の後ろに回し、そっと引き寄せる。
背中に力を入れて首を起こす。

(* ー )「ん……っ」

目を閉じて、閉じた唇を少しだけ突き出す。
彼を信頼しきって、無防備な姿勢で彼の上にいる。
  _
( ゚∀゚)(ああ、畜生ッ。なんでこいつ、こんなに可愛いんだよ……!)

求めに抗うことができない。しぃを、そして自分自身を毒突く。
意を決してジョルジュも目を閉じ、己の唇で、静かにしぃの小さな唇に触れた。
  _
( -∀-)「……っ」

(* ー )「ん、んん……ッ」

目を閉じた二人には、お互いの姿は見えない。
密着した身体の体温と、触れる唇の感触だけが知覚できる全てだった。



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 21:54:26.22 ID:7D9+gk8E0
(* ー )「ふ、んッ。ん、ん――」

しぃの唇が、動く。
ジョルジュの唇の形を確かめるように僅かに開き、皮膚から粘膜にかけての盛り上がりを
撫でる。合わせた唇の間から、互いの吐息が外に漏れる。
  _
( -∀-)「く……ふ……ッ」

(* ー )「ん、むッ、ふ、ぁ――ッ……」

暗闇の中で幾度も口付けを交わす。
その開いたしぃの口から、ぬるり、とした感触が、不意に伝わった。
しぃが、ジョルジュの唇を舐めたのだ。
  _
(* -∀-)「う……っッ!」

唾液でぬめりを与えられた粘膜が擦れ合う感覚が、ただ唇で触れ合うよりも鋭敏で、
より強い刺激を与える。湿り、摩擦の減った粘膜同士が、より強く重ね合わされる。

(* ー )「んんんッ。んぅっ、ちゅ……、は、ぁぅッ」
  _
(* -∀-)「っ、く、ふぅッ……!」

しぃの舌は止まらずに動き続ける。
次の瞬間にはジョルジュの唇を割り、口腔に滑り込んでいた。
最初は控えめに、外気に触れる部分に近い口内の粘膜を撫でる。

しぃの頭を抱くジョルジュの左腕に、力が篭もった。



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:00:45.39 ID:7D9+gk8E0
(* ー )「……ふ、くぅっ、あぁ、ッ。
     ちゅうッ、ん、あッ」

舌は、次第に深く差し入れられる。探るように舌の裏側の粘膜を舐め、上下の歯を押し開く。
そしてジョルジュ自身の舌まで辿り着くと、そこだけが独立した生物のように大きく動き、
絡みついた。

(* ー )「ふ、んくッ、あ、あ、ジョルジュさんッ。ジョルジュさんッ――」

時折口を離し息を吸いながら、何度も彼の名を呼ぶ。
そのしぃの声と呼気は次第に熱を帯び、震えていた。

(*///)「はッ、はぁ……ッ、ジョルジュ、さん……ッ!」
  _
(* ∀ )「ふ、ッ。く――!」

ジョルジュに覆い被さったまま、しぃは身じろぎする。
切なげに肩を寄せ、彼の腹に押し当てた腰を動かす。
体重と共に、腹に熱く、固い感触が当たるのを彼は感じていた。

両脚を開き、俯せにジョルジュに縋るしぃ。
感触は、その股間の部分にあった。

(*///)「はッ、はぁ……ッ。ジョルジュ、さんッ、ボク、ボク……っ、んあぁッ。
     ボク、あ、ッ……!」

耐えかねたように上体を起こす。
口から溢れた唾液を顎に伝わせ、拭いすらせずにジョルジュを呼ぶ。
呼びながら、右手をジョルジュのスラックスに伸ばした。



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:04:51.06 ID:7D9+gk8E0
彼を看病する際にしぃが緩めたのだろう、ベルトは既に緩められ、ジッパーは半ば程まで
降ろされている。その隙間から、トランクスの中にしぃの手が潜り込んだ。
  _
(* ∀ )「――くッ!」

直に身体の中心に触れるしぃの手は、熱かった。
だが、彼自身はもっと熱かった。

彼の肉茎は、既に勃起していた。

(*///)「ね、ね、ッ。ジョルジュさんの、もっと……っ」

身体をわななかせる。

口付けの合間に上擦った声で呼びかけながら、その手はジョルジュの肉茎を包む。
上から被せるように手を添え、掌全体を大きく動かして肉茎全体を愛撫する。
自身の腹筋としぃの柔らかい掌に挟まれ擦り上げられる肉茎は、より硬度を増した。
  _
(* ∀ )「く……う、っ!!」

(*///)「あは……ジョルジュさんの、ここッ……熱い、っ。ん、はあ、っ」

顔を下ろし、ジョルジュの胸元に伏せる。
手を動かしながら、胸板にキスを繰り返す。

(*///)「ん、ちゅ……ちゅっ。んくっ、ん――」

しぃ自身とジョルジュの唾液に濡れた唇から、舌を覗かせる。
首を曲げ、舌を伸ばして、今度はジョルジュの乳首に、つつ、と這わせた。



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:05:50.37 ID:I/tk0ec+0
アッー!


108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:07:35.40 ID:Z8/9ihBhO
ホ、ホモ、ホホモ、ホモ、ホモ!


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:10:08.12 ID:7D9+gk8E0
  _
(* ∀ )「……? う、あッ!」

その部分を責められた経験は、なかった。
想像しなかった場所に加えられる生暖かい刺激に、思わず声が漏れる。

(*///)「ジョルジュさん、ッ、可愛い……っ。ふふっ」

その初々しい反応に、しぃは笑う。
笑いながら、執拗に同じ場所を責めた。
舌先でジョルジュの乳首を撫で、つつき、唇で甘噛みにして、吸う。

異様な感覚だった。背中の毛が逆立つような、奇妙な刺激だった。
そして、快感だった。
身体が、大きく震えた。

耳元に口を寄せ、しぃが囁く。

(*///)「ね、ね……ジョルジュさん。
     気持ちいい? ボクの手、舌……気持ちいい?」
  _
(* ∀ )「おま、えッ。ンなコト……言えるか、ッて、ッ!」

返事も途切れ途切れになる。囁きながら、しぃの手の動きは止まっていない。
先走りで濡れるジョルジュの肉茎を、休まずに愛撫し続ける。
全身の傷も忘れるほどに身体が熱く、肉茎は尖っていた。

(*///)「あは、はっ。ジョルジュさんのココ……どんどん、大きくなってる、よ?」



110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:12:48.86 ID:CtW8Ja9B0
>>108
ホーモホーモホモ
男の娘


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:15:19.77 ID:7D9+gk8E0
手に力を入れて、肉茎を握られる。
不意に加えられた強い圧力に、肉茎が大きく震えた。

(*///)「だから――ね?」

笑い、身体を起こす。
開き掛けたズボンのジッパーを下ろし、トランクスに手を掛けた。
ゆっくりと降ろす。
  _
(* ∀ )「……!」

動けないジョルジュ。
その充血し膨張した肉茎が、外気に晒された。
  _
(* ∀ )「お、お前ッ……!」

(*///)「ふふっ。ん――は、んむっ」

彼の膝の辺りに腰を下ろし、背中を曲げる。
しぃは躊躇わず顔を下げ、ジョルジュの肉茎を口に含んだ。
  _
(* ∀ )「くあ、ッ!」

しぃが初めてこの部屋を訪れた夜と同じように、肉茎を咥えられた。
窄めた口内の粘膜と舌、そして唇に柔らかく圧迫される。
また身体を大きく震わせる。右腕が不自由なため、身体を起こすことはできない。



112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:17:09.52 ID:dDhfETbcO
……ふう
ああ男の娘最高!!支援支援


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:21:10.90 ID:7D9+gk8E0
(*///)「ん、んむッ、んんん……っ、ふ、ッ」

ジョルジュの腰の脇に手を置き、首を上下させる。
突き出した唇に自分自身の勃起した肉茎が出入りする様子が、はっきりと見える。

(*///)「う、んむッ、はふぁ、っ、んく……ちゅ、はむッ」
  _
(* ∀ )「く、うッ、ぐッ。ふ……ッ!」

少しずつ角度を付けて、僅かに捻りながら顔を下げる。
雁首の部分は間断なく、上下だけでなく左右の動きでも口内の粘膜に刺激される。

熱い塊が、腰の中心に溜まってくるような感覚を覚える。
それを押し止めるように腰に力を入れた。

しぃの口の動きが遅くなる。
ゆっくりと肉茎を喉奥まで飲み込み、そのまま止まった。
  _
(* ∀ )「……?」

(*///)「ん、ん……ん、はう、う、ッ……」

肉茎を口に含んだまま舌を動かし、頬を窄める。
歯を立てず、咀嚼するような動きを何度か繰り返す。
また、ゆっくりと首を動かす。

(*///)「ん、んんんッ。んくッ、はあぁ――ッ」

ぷちゅっ、と、粘液の弾ける音が立つ。
しぃの口中から姿を現した肉茎の根本は、唾液に濡れそぼっていた。



114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:26:33.05 ID:7D9+gk8E0
ゆっくりと顔を上げる。
口中に唾液を溜め、また下ろす。

(*///)「ん、くっ、ちゅうッ。
     んく、ッ。んんッ、はああぁっ」

口を上げると、肉茎としぃの唇から零れた唾液がぽたぽたと腹に落ちた。
しぃは繰り返し首を動かし、ジョルジュの肉茎に唾液を絡める。
粘膜に擦られるのとは、違う。温かい湯に浸されるような快感が続く。
  _
(* ∀ )「う、ぐッ――!」

(*///)「はむぅっ、んん、むっ、ん……あぁっ。
     んん……ぷ、はあぁっ」

その運動を幾度も繰り返し、ようやく唾液まみれの唇を肉茎から離す。
覗く舌から唾液が糸を引き、脈打つ肉茎に落ちる。
しぃは膝立ちの姿勢になり、身体を起こす。

(*///)「ね……ジョルジュさん、っ」
  _
(* ∀ )「なん、だ、よッ……?」

(*///)「ボク……ボク、したいの。
     ジョルジュさんと、したい……っ」



115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:31:18.55 ID:dDhfETbcO
しぃ可愛いよ支援


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:32:15.48 ID:7D9+gk8E0
  _
(* ∀ )「も、もうッ、十分してるだろッ。これ以上、何すんだよ、っ!」

(*///)「違うのッ。違うの……手とか、口じゃなくって、その……。
     ボクの、お……、っ、あの、そのッ。
     お、おしりで、したい、の……ッ!」
  _
(* ∀ )「…………ッ!?」

呆然としぃを見上げる。
しぃは、顔全体を紅潮させてジョルジュを見下ろしている。
切なげに眉を寄せ、目を伏せている。

呆然とする一方で、ふと我が身を顧みる。
  _
( ゚∀゚)(お前、何つうコトを……。
     でも、最後……なのかな。
     どのみち今日で、こいつともお別れなんだよな……)

それだけではない。
  _
( ゚∀゚)(それに、そうなんだよ。そうなんだよな……きっと。
     俺にとって、今、こいつは――)

ジョルジュにとって、今、しぃは贖罪の象徴以上の存在だった。

微苦笑し、首を振った。



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:37:38.52 ID:7D9+gk8E0
その彼の様子を見て、しぃは表情を強ばらせる。
彼は――痛む身体を起こし、左手でしぃの顔を引き寄せた。

(;゚ー゚)「きゃ……っ?」

身を強ばらせ、肩を竦ませるしぃ。その唇を、唇で塞いだ。

(*///)「ん、んんんん……ッ!」

唇を離す。戸惑う表情のしぃに、至近距離で告げた。
  _
(* ゚∀゚)「いいよ。お前が……したいなら、す、好きにしろよな、ッ!」

言葉を、喉に絡ませながらではあったが。

(*///)「あ……ッ――」

驚きから泣き笑いに、その表情が変わる。
口元を僅かに歪ませ、目元を拭いながら、しぃは笑った。

(*///)「う……んっ、ありがとう……ジョルジュさん、っ!」
  _
(* ゚∀゚)「バカ。礼なんて……やめろよ」

(*///)「う、んっ」

こくりと頷く。



119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:43:12.92 ID:7D9+gk8E0
ジョルジュに身体を預けたまま、しぃは手を腰に回し、メイド服の裾をたくし上げる。
両脚を交互に動かし、膝をベッドから浮かせて、下着を脱いだ。
胸に手を突き、腰を浮かせて動く。彼の腹の両脇に膝を置き、再び膝立ちになった。

下着は脱いだが、裾の長いメイド服とエプロンドレスはその下半身に覆い被さっている。
従ってジョルジュにもしぃ自身にも、彼等自身の下半身は見えない。

(*///)「ん……くッ」

しぃは、慎重に腰を下ろしていく。
ジョルジュの肉茎の先端に、柔らかいしぃの肉の感触が触れた。
  _
(* ∀ )「っ、!」

(*///)「あ、ぁっ、当たってる……ッ」

しぃは、腰を震わせる。
片手を服の裾に差し入れ、その陰でジョルジュの肉茎に手を添えた。
唾液に濡れ、ぬめる肉茎の根本を押さえ、先端を入り口にあてがう。

震える腰を、徐々に、下ろす。

(*///)「んあッ、あ――――ッ!」
  _
(* ∀ )「く……ッ!」

肉茎の先端に、抵抗を感じる。
しぃが腰を下ろすにつれて、抵抗は強まる。
その抵抗は限界まで強まり――少しずつ、その部分の入り口を押し開いた。



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:44:35.30 ID:dDhfETbcO
くそ…男の娘ハマったかもしれん支援


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 22:49:25.31 ID:7D9+gk8E0
遂に、唾液と先走りでぬめる先端が、しぃの身体に潜り込む。
その強い肉の圧力に、ジョルジュは掠れた声を上げた。

(*///)「あうッ、くッ、ふあぁあああぁぅ、っ!」

肛門を広げられ侵入される感覚に、しぃは身体を反らし声を上げる。
その熱い塊を受け容れるために腰の力を抜き、更に腰を落とした。
最も直径の大きい雁首の部分が、完全にしぃの体内に埋没する。

(*///)「あああ、あうッ、くッ、はぁあッ!
     あ、うぁっ、はあっ、はあ……ッ」

口を大きく開き、深く呼吸する。
ジョルジュの肉茎を受け容れられるよう腰から力を抜いていたが、それでも強い違和感と
圧迫感はしぃの身体に留まり続ける。

入り口の筋肉を拡げ、直腸に侵入するジョルジュの肉茎。
その感触を確かめながら、それをゆっくりと、根本まで飲み込んだ。
腰を下ろしきり、ジョルジュの腰に尻を乗せて座る姿勢になる。
  _
(* ∀ )「ッぐ、うッ……!」

(*///)「あッ、あ、あッ……あ、ああ、ぁ――ッ!」

断続的な喘ぎが漏れる。

身体を震わせる度にその部分の筋肉は軽く収縮し、ジョルジュの肉茎を締め付ける。
その熱と、拡げられたまま塞がれ、閉じきらない肛門の感覚が、快感だった。
長いワンピースの陰でしぃの肉茎も勃起し、ぴくぴくと震えていた。



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:00:13.96 ID:7D9+gk8E0
(*///)「あ、うあ……っ。ジョルジュさんの、入ったよ、ぉっ。
     全部、入っちゃったよお……っ!」

首を振り、震える声で言う。
  _
(* ∀ )「……しぃ……」

左手を伸ばし、汗に濡れた額を撫でる。
しぃの身長は、ジョルジュより頭二つ分近く低い。ジョルジュの肉茎を根本まで挿入された
状態では、キスをできるほどに顔を寄せることはできない。

(*///)「ああ、はぁ、あっ。
     あつ、い、っ。ジョルジュさんの、すごく……、ッ」

荒い息を付く。
肩が上下する度に腰が小刻みに震える。
また、しぃの筋肉がジョルジュの肉茎を締めた。
  _
(* ∀ )「っ、く……!」

女性経験がないわけではない。
昔は、探さなくても女性の方から近づいてきた。
もっとも彼女らの目はジョルジュの顔でも身体でもなく、もっぱら懐の財布に向いていたが。



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:06:37.01 ID:7D9+gk8E0
だが、今までに感じたことのない感覚だった。

肛門の筋肉は輪状に広がり、収縮してジョルジュの肉茎を咥え込んでいる。
入り口に近い根本の部分は周囲全体から締め付けられ、圧迫される。
そこから少し奥に入った部分には抵抗は少なく、先端には腸壁の柔らかい感触があった。

(*///)「ジョルジュさん、痛く、ッ、ない? ねッ。動く……よ、ッ。
     ん、んんッ……は、ふぁっ!」

身体を密着させたまま、ジョルジュの胸に両掌を置く。
ベッドに膝を突き、しぃは少しずつ腰を引いた。

腸壁と入り口の筋肉を摩擦し、膨れあがったジョルジュの肉茎が動く。
内臓を掻き出すような感覚に、しぃ自身が声を上げる。

(*///)「んんん、んぁっ……ん、あぁっ!」
  _
(* ∀ )「はぁ……はあっ……!」

ジョルジュの肉茎も、強く圧迫されながら腸壁に擦り上げられる。
しぃが喘ぎ声を上げる度に拡げられた筋肉が窄み、切なげに締め付けながら、ゆっくりと
ジョルジュの肉茎を解放していく。

その様子はメイド服の陰に隠れ、見えない。
吐息を漏らしながら動くしぃの顔を見ていると、年端のいかない少女に犯されているような
奇妙な気分になる。



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:11:30.81 ID:7D9+gk8E0
雁首の麓のくびれの部分が、身体の内側から入り口の筋肉を外に向かって圧す。
内壁を擦られる感覚に、肉茎に伝わる抵抗に、二人は喘いだ。

(*///)「あ……くッ!」
  _
(* ∀ )「う、く……ッ」

そこから、しぃはまた身体を下に下げる。脱力し、腰をジョルジュの腰に押し付けるようにして
ジョルジュの肉茎を飲み込む。
再び、彼の肉茎はしぃの直腸に根本まで収まった。

(*///)「あああ、はぁ、っ。
     すごい、熱いよ……ジョルジュさんの、熱いの、熱くて、大きいの……っ!」
  _
(* ∀ )「……お前、でも、ッ」

慣れていないはずは、ない。
しぃの身体は、ギコに十分な「教育」を受けているはずだった。
だがしぃは首を振る。

(*///)「ちが、っ、違うのッ。ボク、こんなの……こんな感じ、初めてなの、っ!」

彼の胸に手を突き、腰をゆっくり動かす。
ジョルジュの肉茎を根本まで差し入れ、そして雁首まで抜き、また腰を動かして根本まで
突かせる。その動作を、しぃは幾度も繰り返した。
二人の唾液で濡れそぼったジョルジュの肉茎は、抵抗なくしぃの体内に飲み込まれる。

(*///)「すごい、ッ。ジョルジュさん、ボク……っあ、気持ちいいよぉ……っ!
     こんな、こんなの.ッ、ッあ、すごい……ッ!」



127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:18:36.98 ID:7D9+gk8E0
  _
(* ∀ )「く、うあッ――!」

しぃの腰の動きは、徐々に大きく、早くなる。ジョルジュの腰に腰を押し付けて肉茎を
飲み込み、そして天井に向かって腰を突き出すように引き、雁首の部分まで抜く。
それを、繰り返す。

(*///)「ふうッ、くぅ、はぁ、はあっ、は――ッ!」
  _
(* ∀ )「うぅッ、はぁっ、は……ッ、くッ!」

ジョルジュに腰を押し付ける度にしぃ自身の肉茎もジョルジュの腹に擦れ、刺激を与えられる。
直腸に肉茎を突き込まれ、同時に自分の肉茎にも刺激を与えていく。
しぃの瞳は潤み、閉じきらない唇からは筋を引く唾液がジョルジュの胸元に零れた。

息を荒げ、しぃの顔を見る。
温かく、強い締め付けと共に肉茎に与えられる刺激が続く。
徐々に射精感が込み上げるのを感じていた。

(*///)「あ、ふぁ、っ!
     ジョルジュさん、気持ち、いい……っ? ボクのココ、気持ちいい、ッ?」
  _
(* ∀ )「く、あ……ああッ」

(*///)「ほんと、に? ボク……ひぁっ、うれしい、よぅ……っ!
     ボクも、気持ちいい――っ、のっ。だから、もっと、もっとぉ、ッ!」

腰の動きを止め、両手をベッドに突いて腰を浮かす。
しぃはジョルジュの肉茎を挿入されたまま、膝立ちの姿勢からベッドに両足のつま先を突き、
ジョルジュの腰の上に大きく足を開いてしゃがみ込む姿勢になった。



129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:25:55.54 ID:7D9+gk8E0
給仕服の裾が落ち、緞帳のように接合部を隠す。

(*///)「ね、もっと、して……ッ」

腰を、垂直に上げる。
ジョルジュの肉茎が引き抜かれかける感触を確かめて、垂直に落とす。

ジョルジュの充血した肉茎が、しぃの直腸を一直線に貫いた。
今までになく強い圧迫感と摩擦。
ほぐれた筋肉が激しく肉茎を愛撫し、柔らかく広がった直腸に潜り込む。

その刺激が収まる前に、今度は逆方向に摩擦され、先端近くまで一気に引き抜かれる。
ジョルジュの肉茎は、しぃのそこに強くしごき上げられた。
  _
(* ∀ )「ぐ、ッ!」

(*///)「あ、くうッ! うああっ、はぁっ、ふ――ッ!」

引き抜き、突き込む。
膝を使い、しぃは全身を上下させる。
そのストロークは最初よりも遙かに大きく、早い。

引き抜かれる肉茎は、ずるり、ずるりと音を立てる程の勢いでしぃの内壁を擦る。
しぃには、ジョルジュの雁首がしぃ自身の内臓を掻き出すように思えるほどだった。

(*///)「は、あぐッ、ジョルジュさん、ジョルジュさんッ!
     ぼ、っ……ボク、気持ちいいよぉ、お腹の中身、出ちゃいそうだよぉっ!」



130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:29:28.01 ID:UZkBapuD0
俺はノーマル俺はノーマル俺はノーマル!!!!!!!!!
まだ平気まだ大丈夫まだ間に合う・・・!!!!!


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:35:00.97 ID:dDhfETbcO
>>130
諦めてお前もこっちこいよ

支援



131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:31:00.30 ID:7D9+gk8E0
ジョルジュの肉茎の付け根に、熱が生じる。
激しい上下運動に、射精感がより一層高まっていく。
どろどろとした粘つく灼熱感が、睾丸から肉茎の先端に向けて上っていくように感じられる。

(*///)「あッ、あッ、うぅ、あ、っ、くぅぅっ、ふはぁっ!」

しぃは喘ぐ。何も考えず、ひたすら肛門の筋肉で肉茎を締め付ける。
ジョルジュも、無意識の内に腰を動かし、ただ肉茎をしぃに突き込んでいた。

(*///)「はぁっ、ひ、はッ、ふあああッ!
     ……っ、あ、ふぁ……ッ!」

身体を支えていた手を上げ、メイド服の腰に、股間の部分にあてがう。
その部分は内側から押し上げられ、メイド服の生地とエプロンドレスを押し上げている。
それは、膨張したしぃ自身の肉茎だ。

接合部から与えられる刺激は、同時に腸壁を通して身体の内側からしぃの肉茎を刺激して
いる。しぃも、ジョルジュと同じように強く昂ぶっている。

(*///)「はあ、あッ、ひ、くぅっ……ふ、あッ。うンっ」

腰を上下に動かし、ジョルジュの肉茎を抽送させながら、衣服の上から自分自身を刺激する。
服の盛り上がりに遠慮がちに置いた手を、たどたどしく上下に動かし、衣服の内側と
自分自身の腹に挟まれた自身の肉茎を、転がすように愛撫する。
  _
(* ∀ )「はあッ、はあッ、っく、はあッ、はぁッ……!」



135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:37:50.14 ID:7D9+gk8E0
(*///)「うんッ、んぁっ……や、だぁっ、んんッ、くふぅッ、んんぁっ!」

服越しにとはいえ、ジョルジュの目の前で自分自身を慰めている。
その羞恥心にしぃは顔を紅潮させ、涙目で首を振る。
それでも、手の動きは止めない。ジョルジュに貫かれたまま、自分の手で快楽を貪る。

しぃの筋肉の締め付けが、一気に強まった。
ジョルジュの肉茎に、握り締められでもするような圧力が掛かる。
  _
(* ∀ )「う、ぐッ――!」

不意に与えられた強い刺激に、高まりつつあったジョルジュの肉茎が反応した。
押さえ込む腰の力を押し退けて、熱が登っていくのを感じる。
しぃの直腸で、ジョルジュの肉茎が膨らんだ。

(*///)「ああぁ、ッ、ジョルジュさん……ッ、ボクも、ボクもぉ、っ。
     ボクも、ッあ、だから、来てえ、ッ!」

右手を伸ばし、ベッドに置かれたジョルジュの手を取る。
背筋を反らし身体を仰け反らせ、後ろ手を突いて腰を押し出した。
より深く、ジョルジュの肉茎を飲み込み、擦り、締め付ける。
  _
(* ∀ )「うッ、く、はぁっ、はぁっ……!」

異なる角度で、さらに深く、しぃの身体を突く。
下から腰を突き上げ、その体内に楔を打ち込むように突き上げる。
肉茎全体が締め付けられ、射精の瞬間を求めて脈動する。



138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:43:18.38 ID:7D9+gk8E0
  _
(* ∀ )「……ッ、く、うぅッ!」

(*///)「くぅっ、んんッ、ふあああっ!
     あぅん、ああああぁっ、あああ――ッ!!」

腰を上下させながら、しぃは掠れた声を上げる。
右手はジョルジュの手を握り締めたままで、身体を弾ませるように動く。

(*///)「あ、あああッ、っ、ジョルジュ、さんッ。
     来て……ッ、なかぁっ、ボクの中に、来て、えッ!!」
  _
(* ∀ )「あ、ああッ、もう、そろそろ……ッ……!」

ジョルジュを見下ろし、しぃは微笑む。
涙ぐみ、唇からは唾液を伝わせたまま――眼を細め、満面の笑みを浮かべた。
その表情を見た瞬間、ジョルジュの体内から、何かが溢れた。
  _
(* ∀ )「っ、く……あ、うあッ!」

肉茎を押さえ込んでいた腰の力を抜き、こみ上げる開放感に身を任せる。
何も考えず、ひたすらしぃの腰を突いた。
  _
(* ∀ )「ふうッ、はあッ、はッ、はあッ。
      く、うぁ……ッ――!」



139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:49:24.67 ID:7D9+gk8E0
突く。
ただ肉茎だけに意識を集中して、射精するためだけに動く。

(*///)「はぁ、はあぁっ、んくっ、ああ……っああっ!
     ジョルジュさん、ジョルジュ、さんッ、ジョルジュさん――ッ!」
  _
(* ∀ )「く、ッ。しぃ――ッ!」

ジョルジュの肉茎が、腸を抉る。
肛門を貫き、直腸を犯し、根本まで突き込まれる。
そして一番奥まで突き込んだ肉茎が大きく震え、最後に弾けるように大きく膨らんだ。
  _
(* ∀ )「う、ッ――――あ、あああぁッ!!」

しぃの手を強く握り締め、不自由な腰を全力で突き上げる。
そのまま、ジョルジュはしぃの身体の奥深くに、射精した。

(*///)「あッ、あ、あ……ッ!
     んん、ッあぁっ、は、入って……来る、ッ。ジョルジュさんのが、入って、ッ!」

大きく痙攣するジョルジュの腰と、繋がった肉茎。
その拍動する先端から吐き出される精液の勢いと熱を、しぃは身体の内側に感じた。

(*///)「ああ、ああぁぁっ。
     熱い……ッ、あ、ひぁッ!?」

射精しながら、ジョルジュは更にしぃの身体を突き上げる。
肉茎が精液を吐き出しながら、なお直腸を摩擦して出入りする。



140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:50:55.10 ID:mmtYpgb3O
ふぅ…

オナ禁とか無理だって


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:51:18.42 ID:6hkDM1daO
ちとエロが長いな


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:53:39.38 ID:dDhfETbcO
書き溜めしないタイプなん?


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:54:50.13 ID:7D9+gk8E0
身体の内側から自身の肉茎の根本を突かれるような感覚を、しぃは覚える。
しぃ自身の身体も、既に限界だった。
身体を仰け反らせたそこに、腸壁越しに強く、前立腺を刺激された。

(*///)「ひぐッ、あ……ああ、やあぁっ!
     そこッ、そこ、ダメぇっ! そこ、ボクっ、ボクも……ッ!!」

急に与えられた快感に、腰が砕ける。
しぃは姿勢を維持することができず、腰を落とした。
ジョルジュの肉茎に、肛門を貫かれたまま。

その勢いで、身体の内側から、直腸の前面を、前立腺を一気に擦り上げられる。

(*///)「あ、ぁああ、ッあ――――!!」

両手を離し、ワンピースの前面を押さえようとする。
だが、その行動で身体の内側から来る衝動を止められるはずもない。
  _
(* ∀ )「ッ、っく!」

ジョルジュの肉茎をくわえ込んだ筋肉が、一気に収縮する。
精液を全て搾り取ろうとするように、きつく締まった。



145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:57:03.15 ID:7D9+gk8E0
(*///)「あ、あッ――、く、ふぅッ、ッああ……ッ!?
     ヤだ、ボクぅッ……あ、やあっ、やあああああぁぁぁッ!!」

膨らんだワンピースの腰を両手で押さえたまま、しぃは腰を激しく痙攣させた。
赤くなった顔の頬を更に紅潮させて、ジョルジュの視線から逃れるように身をよじる。

腰が、肩が、びくん、びくん、と何度も痙攣する。

しぃはジョルジュに突かれ、自分の手で肉茎に触れすらせずに、射精していた。

(*///)「う、くッ、あッ……あ、あ、ッ。
     あ――はぁっ……ぁ、っ」

唇を引き結んで俯き、身体の痙攣が収まるまで堪える。
そのまま全身から力を抜き、しぃはジョルジュの胸に崩れ落ちた。

(*///)「は……あ、っ。
     ……う、ううッ、やだ、ボク、恥ずかしい……よぉ。
     触ってもないのに、こんな……っ」

荒い息のまま、涙声で呟く。
ジョルジュは答えず、しぃの頭を抱いた。

(*///)「うううっ、ジョルジュさん……っ」
  _
(* ゚∀゚)「お前な……俺だって、恥ずかしいっての……」

開いた口が、重いことに気付く。



146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/14(金) 23:57:05.28 ID:5VBMlsXwO
ふ…うっ…


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:00:20.70 ID:mZ21lCNl0
全身の熱が、またぶり返しているように感じる。
暴行を受けた後に、更に体力を消耗している。全身が重い。
瞼は、早くも重く下がり始めていた。
  _
(* ∀ )「なんか……すげえ、疲れた、な。
     こりゃ、明日は、寝坊……」

駄目だ。
猶予がない。明日の昼までに、しぃを逃がさなければ。

だが、その意志とは裏腹に意識は鈍る。
頭に砂を詰め込まれたように思考が鈍り、視界は暗くなる。

(*゚ー゚)「あ……ジョルジュさん、大丈夫?」
  _
(  ∀ )「ああ、ああ……大丈夫だよ。
     でも、少し、眠……く、な――」

言い終える前に、眠気が押し寄せる。
既に身体はこれ以上の活動を拒否している。

しぃが、何事かを呼びかける。
だが、それに答える前に彼の意識は闇に沈んだ。





148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:04:13.68 ID:mZ21lCNl0

                      - 6 -
  _
( -∀-)「……」

夢を見ていた。
どんな夢かは覚えていない。ただ、視界が青一色に塗りつぶされていたのは覚えている。
  _
( ゚∀゚)「…………?
     ……っ、おい、しぃ――つうっ!」

目を開くのと同時に身体を起こす。
右の鎖骨の怪我を忘れて動こうとし、右肩を抱える。
周囲を見回す。小窓から見える空は、まだ暗い。

しぃは、最初の目覚めの時と同じようにベッドの脇にいた。
無言でジョルジュの顔を覗き込む。乱れていた着衣は、正されている。

(*゚ー゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「お、いたか……助かったぜ。なあ、今何時だ?」

しぃは、答えない。答えずに目を伏せ、寂しげに笑った。
そして息を吐き、顔を上げ、言った。



(*゚ー゚)「ジョルジュさん。
    ボク――帰るよ。ギコさんの所に」



150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:08:25.37 ID:mZ21lCNl0
  _
( ゚∀゚)「な……」

余りにも唐突な申し出に、ジョルジュは言葉を失う。

(*゚ー゚)「ボク……ボク、嬉しかった。ジョルジュさんが、大事にしてくれて、守ってくれて、
     ホントに嬉しかったよ。でも、でも……ボクのせいでジョルジュさんがひどい目に
     遭うの、もう、見てられない……」
  _
( ゚∀゚)「んなこた気にすんなよ。俺は好きでやってんだ。だから――」

(* O )「そんなの、無理だよっ!」

しぃは叫ぶ。拳を握りしめて、ベッドの縁に置く。
その拳が、肩が、全身が震えている。

(* ー )「ボク、ジョルジュさんのこと、大好きだよ。嘘なんかじゃない!
     だから、大好きなジョルジュさんがこれ以上ひどい目に遭うなんて、そんなの……」

身体を乗り出して、ジョルジュを見る。
その瞳は、濡れている。

(*;ー;)「そんなの、我慢できないよ……ッ……!」
  _
(; ゚∀゚)「……」

しぃは、察している。ジョルジュの危機は決して去ったわけではないと。
自分が残ることがジョルジュの身を危険にさらすことに直結するのだと、知っている。



155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:13:52.18 ID:mZ21lCNl0
(*;ー;)「ボクができること、それだけだからっ。
     ジョルジュさんのためにできること、それだけだから……っ…!」
  _
( ゚∀゚)「お前……帰ったら、お前はどうなるんだよ?」

しぃは黙って首を振る。
答えたくない、と、その態度が言っている。

(*゚ー゚)「ボク……行くね」

人差し指で涙を拭い、立ち上がった。

(*゚ー゚)「ジョルジュさん、
    ありがとうございました。ボク……ジョルジュさんのお陰で、分かりました。
    ボクだって、人のためにできることがあるんだ、って。そして……」

身を屈め、ジョルジュに顔を寄せる。

(*^ー^)「……大事にされたらどんなに嬉しいか、そばに誰かがいてくれるって、どんなに
     幸せなことか。教えてもらったから、だから、ボク、幸せです。
     だから、これ以上ジョルジュさんに、迷惑かけたくないから――帰ります」

唇を、その頬にそっと押し付けた。
立ち上がり、身を翻す。
  _
(; ゚∀゚)「おい! 待て、しぃ、行くな! 行ったら、お前――!」



156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:18:04.58 ID:mZ21lCNl0
口は動く。だが、身体が動かない。
気が付けば、全身は今まで以上の熱と重みを訴えている。
負傷した直後は感じなかった鈍痛が、全身を満たしている。

(* ー )「ジョルジュさん。洗濯、ちゃんと毎日するんだよ?
     それにビールばっかり飲んでないで、野菜も食べるように、ね」
  _
(; ゚∀゚)「ッぐ……だから、待てって……くそっ!」

ベッドから身体を起こし、しかしそれでも立ち上がることはできない。
右手の自由が利かないまま、無様に俯せに転がった。それでも、必死で呼び止める。
  _
(; ゚∀゚)「待て、待てよッ。しぃっ!
     お前、俺に依頼しただろ。帰りたくないって、そう言っただろ!」

(* ー )「ごめんね。キャンセル料、払わなきゃいけないよね。
     いつか……きっと返すからさ。貸しておいて欲しいな。あはは……はっ」

動けないジョルジュの目の前で、しぃは部屋の出口に向かう。
ドアを開き、足を止め、そしてジョルジュを振り向き、頭を下げた。

(*^ー^)「ジョルジュさん、元気でね。
     ボクのこと、忘れてもいいけど……覚えててくれると、嬉しいかな。
     それじゃ――」



(*^ー^)「――さよなら、ジョルジュさん――」





158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:21:38.48 ID:mZ21lCNl0
戸を閉じる、ぱたん、という乾いた音が、部屋に響く。
ジョルジュは、動けなかった。ただ、その声を、音を聞いていた。
  _
(; ∀ )「……っ!」

伸ばした左腕は宙を掴む。
少しの後、玄関のドアが控えめに開き、閉じられる音が耳に届く。
  _
(  ∀ )「……」

暫しの時間が、経つ。
手を上げ、目を覆う。



湿った呼気が、暗く、静かな部屋の中に聞こえている。

彼自身認めたくないことだったが、それは嗚咽だった。





160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:25:55.57 ID:mZ21lCNl0
次にジョルジュが目を覚ました時、太陽は傾き始めていた。
這いずるようにベッドを下り、壁に左手を付いて寝室を出る。
身体の疼きは引かないが、幾分はましになったようだった。
  _
(  ∀ )「……」

閉じたカーテンの隙間から、日が差し込む。
目を細めてそれを見、リビングを通り抜け玄関に向かう。

キッチンに目をやると、コンロに鍋が置かれたままなのが目に留まる。
脇の台には、ラップを掛けた白飯の椀が置かれていた。

しぃが、出がけに用意していったものなのだろう。
  _
(  ∀ )「……」

一瞥し、リビングに戻る。
テーブルの上に灰皿と煙草のパックを認め、難儀してそれを拾い上げる。

身を投げ出すようにソファに腰を下ろした。
左手一本で煙草を取り出し、くわえる。
ポケットに残っていたライターで点火し、煙を吸い込む。

天井に向かって、吐く。
また吸い込み、吐き出す。その動作だけを、何度も繰り返す。



161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:31:31.10 ID:mZ21lCNl0
ちびた吸い殻を灰皿に押し込み、また火を点ける。
噎せながら吸い、吐き、生まれた灰を灰皿に落とす。

二本目の煙草も、瞬く間に灰になった。
同じように押し付けて消し、深く、息を吐く。

左手で、額を抑える。

時刻は、昼をとうに回っている。
そして、彼は無事だ。
それは即ち、しぃがギコの元に戻ったことを意味する。
  _
(  ∀ )「――――」

俯く。
  _
(  ∀ )「……バカ野郎……っ」

口を衝く。
  _
(  ∀ )「勝手に押しかけて、勝手にヒトの生活引っかき回して……ふざけんなよ……」

その呟きを聞くべき人間は、もう、ここにはいない。
  _
(  ∀ )「キャンセル料なんて……いつ、受け取りゃいいんだよ……ッ!」

声は、部屋の天井近くを漂う靄に紛れ、やがて消えた。


                                   <第四話 終>





163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:33:49.04 ID:suwsOywP0
えええええいなくなったままっすか!
乙、次回に期待!


164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:36:33.44 ID:mZ21lCNl0
ここで一句



メイド服
着たまま騎乗位
ところてん



>>142
ごめんねごめんね、純愛だからじっくり書きたかったから長いの

>>143
書き溜めはしてる
投下速度の話なら、現状、これ以上のスピードで投下すると猿乱舞
さりげなく一回猿ってるし ごめんね

もう晩飯食べて寝る それじゃまた
来週はどうなることやら



165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:39:39.46 ID:BA/pMORxO
よかった乙!


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:40:00.64 ID:suwsOywP0
>>164
待ってるよ!


167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/15(土) 00:45:08.27 ID:StjQ3zxuO
>>164
あらそうだったんか、すまん
乙でした!




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