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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです 五日目 深夜

(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです インデックスページ

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:04:54.63 ID:XU6dUY8e0
立ったら投下しましょうか
まとめは、ブーン速。さん、面白蛇屋さん、ブーンがまとめブログを武器にさん、そしてくるくるくーるさん


今日色々と滅茶苦茶なことが起こり、説明が多いです
…めんどくさい方は読み飛ばしてください
どうせ大したことは言ってませんから


…では、いきましょう



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:07:15.45 ID:XU6dUY8e0
困った時は助けを呼ぼう。
電話のボタンをプッシュして、あの番号にかけるんだ。
彼が出たらこう言うのさ。

「もしもし○○ですか?今すぐ助けに来てください」

…ってね。
「助け屋」社長であるギコール・ハニャーンがいないほうが円滑に話が進むとは。
…なんというか、何とも言えない話ではある。
でも出来る・出来ないではなく、やる・やらないを判断基準とするなら……
彼は間違いなく「やる」男であると思う。というか、そう信じたい。…そうだといいな。


(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです


五日目 深夜
『超越者!強さって種類があると思いませんか?』



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:07:45.24 ID:rHu7f5KLO
このタイミングで投下とはなんというか

支援


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:09:56.58 ID:Pd12mqE50
これは・・・


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:10:10.15 ID:XU6dUY8e0
どこかの世界の、いつかの時間。
とある国の、とある町の、山間にある大きな神社の石段の下。
そこに「助け屋」メンバー2人+職業軍人は佇んでいた。

( φ∀・)「…サイドカーが変形できればいいのに」

( ^Д^)「なにを馬鹿みたいなことを」

( φ∀・)「実際機関銃と小型ミサイルは搭載されているわけだし、もう少し資金をかければ……」

ミ,,-Д-彡「…時間」

小声でフサが忠告する。
うかうかしていると、約束の時間に遅れてしまう。
モララー・ドレイク・アヴァロンはめんどくさそうに、

( φ∀・)「…では、行くとしよう」

…一言呟くと、準備を始めた。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:13:10.02 ID:XU6dUY8e0
……………


病院。
床に伏せているギコール・ハニャーンは、近くの椅子に座るレモナに興味津々である。
…懲りない奴だ。

(,,゚Д゚)「…なんかさ、ミシミシいってるよね」

|゚ノ -∀-)「スー…スー……」

光る翼、…いや、これは正しくない。
光で構成された翼を持つ少女レモナ。それはは体内に収まりきらない魔力の集合体。
…その翼の周囲では陽炎のように景色が歪み、ミシミシと音をたてていた。

イ从゚ ー゚ノi、「…辺りの空間が耐え切れていないだけだ」

(,,゚Д゚)「ふーん」

…軽く流しているが、それって滅茶苦茶恐ろしいことなんですが。
分かっているのだろうか。いや、分かっているはずがない。反語。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:16:09.83 ID:XU6dUY8e0
イ从゚ ー゚ノi、「それでも。マシになった方だ」

眠りっぱなしのマイペース美少女を横目に、語る。

イ从゚ ー゚ノi、「以前は。すれ違った人間が倒れることなどしょっちゅうであったからな」

(,,゚Д゚)「そうなんだ…」

力を持つものの苦悩。
うっかり人を殺してしまうこと。
…制御できない力など、「強さ」とは呼べない。

イ从 ーノi、「…気をつけろ。甘くないぞ。このあほは」

(,,゚Д゚)「…?うん……」

…先ほどとは違い、いづなは不敵に微笑んだ。
その意味をギコはまだ知らない。…というか、一生知ることのない恐れもある。
馬鹿はフラグを回収しないのだ。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:19:07.56 ID:XU6dUY8e0
……………


街中であった。
2人の美人が歩いていた。
どちらとも和風の顔立ちであるが、ベクトルの異なる美しさを持っていた。

o川*-ー-)o「(ま、もう終わったも同然ねー…)」

派手な方の美人、キューは安堵する。

o川*゚ー゚)o「(あとはのんびり、ゆったり……)」

…そこまで考えた時だった。

(;*゚ー゚) 「誰かー!そこのひったくりを捕まえて!!」

背後から悲鳴。
いつかと全く同じような、――と言っても彼女は知らないのだが――状況。
ギコと同じく彼女も困っている人は助ける。…彼女の場合は、自身の修行も為という意味合いが強いが。
だから、助けようと振り向いた。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:22:06.72 ID:XU6dUY8e0
――瞬間。

o川;゚ー゚)o「!!」

ダンダンダンダン!と連続する発砲音。
逃げ惑う人々。反響する悲鳴。
…さながら災害に遭遇したような光景だった。

振り向いたキューは驚いた。
…何に?

(、゚トソン

騒ぎを引き起こした存在が自分の連れだったからだ。
…流れるような動作で銃を抜き、ロクにそっちを見ず、人ごみに向かいに発砲。
テロリストじゃあるまいし、信じられない光景だった。

o川;゚ー゚)o「………」

絶句。
今の彼女にはその言葉が最もよく似合う。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:25:09.72 ID:XU6dUY8e0
対して事を起こしたトソンは何食わぬ顔。
銃を納め、先に進む。

<ヽ;`∀´>「…っう……」

(゚、゚トソン「懲りませんね、あなたも」

倒れていた男に近寄り、そう告げる。
近く落ちていたバッグを回収。
そして。

(゚ー゚トソン「…はい。貴重なものなんですから、気をつけてくださいよ」

(;*゚ー゚) 「え?…はい」

持ち主の女性に返した。

o川;゚ー゚)o「まさか……」

…彼女もやっと気づいたらしい。
何が起きたのか。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:28:12.72 ID:XU6dUY8e0
……………


FOXについて話していたギコといづな。
話題はあのエキセントリックな奥さんに移る。

(,,゚Д゚)「ところで、トソンさんって何がそんなに凄いの?」

イ从゚ ー゚ノi、「口で説明するのは難しい。しかし。彼女が『特異点』であるということは覚えておけ」

(,,-Д゚)「う~ん……」

利口な人間は教師に向いていないらしい。
出来ない人の気持ちが分からないから。
…今の2人もまさにその状態である。そういう先生には、

(,,゚Д゚)「…『特異点』って、なに?」

…勇気を出して聞いてみよう。
馬鹿にされるかもしれないが、知らないままよりは遥かにマシだ。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:31:09.65 ID:XU6dUY8e0
……………


引ったくりは連れて行かれた。
…救急車に。

o川*゚ー゚)o「…凄いね」

思わず、感嘆の文句が出る。
いたいけな読者諸君の為に説明しよう。

簡単なことである。
FOXが犯罪者を捕まえた。それだけのこと。

o川*゚ー゚)o「…見ないで撃っても当たるもんなんだね」

(-、-トソン「見てないわけじゃないですよ」

ただ、一瞬で状況を把握し対象の両肘両膝をあくまで大怪我にならないよう撃ち抜いただけ。
…それだけのこと。
それだけのことだ。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:34:07.55 ID:XU6dUY8e0
(゚、゚トソン「野球でイメージしてもらえば分かりやすいのですが、どうしても変化させると速度が落ちるものです」

ストレートより速いカーブなど常識的に考えてありえない。
それは、戦闘でも同じ。
拳にしろ、太刀筋にしろ、弾丸にしろ、ミサイルにしろ、方向を曲げるうちにどんどん速度は遅くなる。

――じゃ、こうすればいい。

(-、-トソン「…だったら動く本体ではなく、周りを曲げればいい」

例えばワームホール。例えば歪み。例えばどこでもドア。
…例えると陳腐になるが、それは決して容易いことではない。

(゚、゚トソン「これが私の能力。…『歪曲』の特異点能力」

電車が進行方向を変えるように弾丸の進む先の空間を歪める。
故に外れることのない、まさに魔弾。

(-、-トソン「…私はトソン。都村博士が残した忌み子、唯一無二の成功例、『ファーストナンバー』の都村トソンです」

…彼女が望めば、世界はいくらでも歪曲する。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:37:10.25 ID:XU6dUY8e0
……………


( φ∀・)「結界、か……。禊かな」

何もない空間に手を当てる。
…厳密に言えば、常人には認識できないだけで結界が張ってある。
今日の任務はどこぞの宗教団体が呼び出した神様にお帰り頂くこと。
神道で言えば「審神者<さにわ>」となるだろうか。

ミ,,-Д-彡「どうするんだぜい。結界」

( φ∀・)「通るに決まっているだろう」

右腕、スーツの袖を捲り上げる。
…そこに装着してあったのは大きな機械。
手首から肘までを覆う、いかにも物騒な匂いを醸し出す機械だ。

( φ∀・)「ピッピッピー、っと」

それを操作し、無線を繋ぐ。
現在の状況を告げ、それの使用許可を求める。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:40:09.78 ID:XU6dUY8e0
ほどなくして返答。
…使用を許可する旨が伝えられた。
それを聞くとモララーはその機械……「EXAMドライブ」を起動した。

( φ∀・)「…起動っと」

…と言っても、何が変わるわけでもない。
見た目的には。

( φ∀・)「離れていてくれたまえ」

( ^Д^)「?」

( φ∀・)「…余波が少なからず出るだろうから」

サッカーボールを蹴るように自然な操作で足を引く。
…その右足に、尋常じゃないほどの力が集うのをプギャーは見た。

(;^Д^)「これは、ヤバイかもな…」

忠告に従い、素直に後退する。
そうさせるだけの威圧感が彼にはあった。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:43:09.70 ID:XU6dUY8e0
( φ∀・)「魔術は所詮『夜』でしかない。…それは結界でも同じ」

――空間は歪み、軋む。
ミシミシと音が鳴る。
…世界が壊れる音。その表現がふさわしいだろう。

( φ∀・)「…いくら神聖であろうが所詮『夜』だ。…光で太陽には、勝てやしない」

――直後。
バキィィン!と実生活ではありえない音が響いた。
モララーの蹴りにより、結界が粉砕される音だった。

(;^Д^)「……ッ!!」

余波。風速何十メートルか分からないような風が後ろに立っていた2人を襲う。
澄んだ光の壁が割れ、崩れ去っていく。
…破片が辺りに散らばり、やがて消えた。

( φ∀・)「…先に進もう。予定が詰まっている」

彼は、神の結界を破った男は、そう言った。



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:46:09.49 ID:XU6dUY8e0
……………


いづなは億劫だった。
いわば感覚知を説明しろと言われているようなものだ。なんとも手間がかかる。

…実際に見た方がいいのだが、世界に60人程度しかいない超能力者だ。
しかも60は素質だけの問題。能力の代償に蝕まれ死ぬ人間も多い。
結局、「特異点」として体裁を保っている人間など2ダース分もいないだろう。

イ从゚ ー゚ノi、「例えば。だ。『なんでも斬れる剣』があったとする」

(,,゚Д゚)「意義あり!プギャーちゃんがそんなものはないと言ってました!」

イ从゚ ー゚ノi、「例えば。の話だと言っているだろう。馬鹿は黙って聞いていろ」

(,,;Д;)「ぎこーん……」

めんどくさい子供、という言葉が実に似合う。
そしていらぬ知識を仕込むプギャーもプギャーだ。神話の時代より烏は余計なことしかしない。
…まぁ、普段からこの調子なので慣れっこだが。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:49:14.60 ID:XU6dUY8e0
イ从゚ ー゚ノi、「そしてその剣は魔術的なものだとする」

つまり、何らかの加護を受けた魔術兵器。
呪物ということだ。フェティシュと言ってもいいし、霊装と言ってもいいだろう。

イ从゚ ー゚ノi、「…この場合。術式には二つのパターンが考えられる。分かるか?」

(,,゚Д゚)「全然」

イ从゚ ー゚ノi、「だと思った。…続けるぞ」

もはや恒例。
誰も気にしない。咎めない。

イ从゚ ー゚ノi、「一つ。『全ての物質を斬る』と設定された剣の場合」

(,,-Д゚)「えっと……。ロビー国の昔の神様が使ってたやつとか?」

イ从゚ ー゚ノi、「そうだ。神話にも出てくる。『向かい合うだけで相手を両断する』と謳われた剣だ」

一応、勉強の成果は出ているらしい。
…歴史好きなら誰でも知っている話だが。博物館に展示してあるし。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:52:11.66 ID:XU6dUY8e0
中国の伝説では、「斬られた方も気づかず、斬った方も感触がない」剣がある。リアル「振り向くな」。
これは鎌鼬の伝承にも通じる。
西国では「風鎌」と言われ、痛みを感じさせないことは有名だ。

イ从゚ ー゚ノi、「実際。あのルカという子は気づいてなかっただろう?」

…彼女の場合は切れ味の問題ではないのだが……
まぁ、いいだろう。細かいことは。

イ从゚ ー゚ノi、「話を戻す。…その場合。『設定されていない物質は斬れない』という矛盾が生じる」

(,,^Д^)「あー、いくつか例分かるよ」

宇宙からの物質。異世界からの物質。
例えば外来種によって河川の生態系が狂わされてしまうように。
…魔術だけではなく、科学もそれらのことには弱い。
ヒエラルキーの究極的な弱点。

イ从゚ ー゚ノi、「二つ。これが重要だ」

念入りに前置き。
…大事なことを後ろに持ってくるのは日本人特有である。



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:55:07.48 ID:XU6dUY8e0
イ从゚ ー゚ノi、「…『切断』という『概念』を付加してある剣」

(;-Д゚)「がいねん?」

イ从゚ ー゚ノi、「斬った『事実』をそのままぶつけていると考えればよい。…ゲームで言えば反則級のバランスブレイカーだ」

…そんなものがあれば防ぎようがない。
一つ目のパターンなら剣が折れた場合、「術式が敗れた」と解釈できる。

――だが、二つ目は違う。
それが敗れた場合、「『概念』が敗れた」という結果になってしまう。
…世界そのものを否定されたということ。それは世界の崩壊を意味する。

イ从゚ ー゚ノi、「『概念』は相殺されることはあっても否定・敗北は許されない。世界が世界として成立しなくなるからな」

(;゚Д゚)「じゃあ…」

いづなは言う。
結論を。世界に数十人しかいない特別な超能力者、「特異点」の意味を。

イ从゚ ー゚ノi、「ああ。…『特異点』は『概念』を扱う超能力者だ」



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 21:58:10.47 ID:XU6dUY8e0
……………


凄惨な光景だった。
奥へ進むにつれ増える死霊。それを、

( φ∀・)「…フン。遅すぎて欠伸で欠伸が殺せるとはこのことか」

――目にも止まらぬ速度で捻じ伏せていく。
FOXが開発した武装、「EXAMドライブ」とはこうだ。

ミ,,-Д-彡「『人間の限界を外し、攻撃力強化と高速移動を可能にする機械』ってわけだぜい」

( ^Д^)「…なるほど。実際に見るのは久々だが、相変わらず恐ろしいまでの性能。…人の手には余るな」

…いくら身体を鍛えようとも、人間は音速すら超えられない。

――だが、一瞬。
武道において、打撃の一瞬を重んじるように、地面を蹴る一瞬だけでも限界を外すことができれば。
そして少しでも重力や摩擦などの負荷を軽減できれば。

人間は易々と壁を越えるのだ。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:01:14.70 ID:XU6dUY8e0
( φ∀・)「…ああ、ヤバイ。時間が」

地面を蹴る。手近な敵を粉砕。高速移動。後ろに回り込む。叩き潰す。それを蹴る。跳躍する。
次の敵を蹴りつける。着地。旋風脚の要領で周囲を圧倒。そのまま後転飛び。巨木を蹴る。高速移動。

…そんなことの繰り返し。
もう真面目に戦うのが馬鹿らしい。強い・弱い以前に掌握する時間軸が違う。

( ^Д^)「…ま、ギリ動きを捉えられているだけよしとするか」

( φ∀・)「それが賢明だよ」

死霊を全て始末し、隣に戻ってきたモララーが語る。

(  ∀)「…ゴホッ……!」

一度咳をし、溜まった血を吐き出す。
肺をヒューヒュー鳴らしながら彼は言うのだ。

( φ∀・)「…人は、ただ人であればいいのさ。過ぎた力は自分を蝕むだけだ」

…ここまでやって、代償がないわけがない。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:04:09.43 ID:XU6dUY8e0
FOXは、その中でも特定の部隊は、30代での引退がとても多い。
…何年もこのシステムを使ううちに身体にガタが来るのだ。
強力な魔法にはそれ相応の対価が必要なのと同じ。

( φ∀・)「…やってられないね、全く」

ハンカチで口を拭い、呟く。
…平和の為に血が流れる。敵の血が。味方の血が。多くの血が。
そんな血塗れの真実の上に今の生活があると、この国の大半の人間は知らない。

( ^Д^)「特務機関、か……」

( φ∀・)「…君のご主人をこんな身体にされたくなければ……、やんわりと諭しておくことだ」

ミ,,゚Д゚彡「なんで……」

思わず。本当に思わずその言葉が出た。
しかし、答える暇はなかった。

( φ∀・)「…おっと、本命のご登場だぞ」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:07:10.70 ID:XU6dUY8e0
……………


(-、-トソン「………」

自宅に戻った彼女。
ソファーに身体を沈みこませる。

o川*^ー^)o「…はい、薬」

(-、-トソン「ありがとうございます……」

目を開かず受け取るところは流石というべきだろうか。
空間認識能力では右に出るものがいないのだ。
きっとファンネルとか撃てるに違いない。彼女の技自体、リフレクタービットに見えないこともない。

(-、-トソン「…能力を使う度身体が蝕まれていくって、なんかカッコいいですよねー……」

…縁起でもないことを。
事実、彼女の身体はボロボロである。
初期の頃のシステムを埋め込まれているせいで、時たま目が見えなくなったり歩けなくなったりする。
…それが彼女が車椅子に乗っている理由だ。まさしく「不完全なシステムのせいで、俺の身体はボドボ(ry



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:10:09.62 ID:XU6dUY8e0
(-、-トソン「ちゃんとデータ取らずに入れちゃうんだから……」

死期を感じ取っていた彼女の母は相当急いで作ったようだ。
高校卒業後の再調整を受けるまで装置は使えなかったのだ。致命的欠陥である。

…いや、一生使えないままのほうが良かったのかもしれない。
そのせいで彼女はこんな状態になっているのだから。

o川*゚ー゚)o「なん――」

(-、-トソン「FOXで、特に第0部隊で働く人間は、二種類しかいません」

言葉が遮られる。
時を同じくして、フサが同じ疑問を持ったことを彼女が知る由もない。

(-、-トソン「ただ自身の破壊に正当性を持たせたい愚か者か――」

…トソンは言った。
もう一つは、「どんなやり方でもいいから誰かを助けたい、救いようのない愚か者」だと……。
彼女がどちらの愚か者かは言わなくても分かるだろう。



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:13:09.20 ID:XU6dUY8e0
(-、-トソン「魔術世界においては、人間など、『血』を伝える為の歯車に過ぎないそうです……」

科学という蛮族の…、それ故に平等な学問を捨て、魔術に走った者達。
「真理の探究者」を自負する彼等の前に個人などというちっぽけな概念は存在しない。
それが、魔法使いというものだ。

(-、-トソン「…私も同じです」

o川*゚ー゚)o「…同じ?」

(、トソン「…多くの人間が犠牲になりました。私が知らないところで、誰かの腕を千切り脳を掻き回し身体を壊したのでしょう……」

科学の発展の為には犠牲がつきもの。
まして、「人間の限界を目指す」などという馬鹿な目的ならなおさら。
…たった1人の成功体と、それに連なるものの為に、途方もない血が流れたのだろう。
そう。魔法と同じように。

それを彼女は語っている。
自分はそういう存在なのだと、宣言しているのだ。
…しかし。

(-、-トソン「…だからこそ、ですよ」



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:13:22.34 ID:4JGF8iCo0
助け屋キタ!!支援


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:16:17.78 ID:XU6dUY8e0
(-、-トソン「…私は『彼』のように誰かの痛みを完全に理解することはできません……」

そう言ったトソンは、どこか穏やかな顔をしていた。
キューは彼女が想いを馳せた人のことを知らないだろう。…だが、その人が彼女にとって大切なものだったことは分かった。
…何年、何十年経とうとも変わらないように。変わらず、心の同じ場所にあるように。

(゚、゚トソン「…だから、戦うんです」

…重かった。
その一言は、とてつもなく、重かった。

(-、-トソン「…犠牲になった多くの人々の為に、細胞が一片残らず土に帰り魂が消え失せる日まで……。これが私の仕事だから――」

――言葉はそこで途切れた。
顔を近づけてみれば、寝息を立てている。眠ったようだ。

トソンの決意。負けられない、という決意。
…当たり前だ。彼女が負ければ、彼女の為に犠牲になった全ての人が負けたことになるのだから。

o川*-ー-)o「…人間って恐ろしいけど……、やっぱり美しいものね」

…キューは改めて実感し、呟いた。



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:19:08.12 ID:XU6dUY8e0
……………


川 ゚ 々゚)

現れた彼女は、日本の武者のような格好だった。
一言も喋ることはない。
だが。

( ^Д^)「…怒ってますね」

…殺意を込めた視線を送っていることは、分かった。
常人なら即刻気を失う……、いや、さもすればもっと酷いことになるやもしれない、呪力。
それをこちらへ向けていたのだ。

ミ,,゚Д゚彡「…なぁ、どう――」

問いかける暇もなく、雷が炸裂した。
閃光と、雷鳴。
砂埃が舞う。放たれた呪力が地面を伝い四散してゆく。

…耐えられるものなどいないはずだ。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:22:14.14 ID:XU6dUY8e0
…訂正しよう。

( φ∀・)「…死ぬかと思ったよ」

耐えられるものなどいないはず、だった。

…モララーは相変わらずそこにいた。
避ける動作もなければ、防ぐ動作もなかった。まるで旧友と話すような、自然な立ち振る舞い。
…咄嗟に回避した二人も後ろで驚愕した。

川 ゚ 々゚)

彼女は、神は何も告げず、次の行動を起こした。
携えていた剣を抜き振るった。いわば「神風」がモララーを襲う。
…生き残れるものなどいないはずだ。

( φ∀・)「…貴様の決意。この私に見せてみろ」

…再度、訂正しよう。
生き残れるものなどいないはず、だった。



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:25:06.42 ID:XU6dUY8e0
( ^Д^)「紅い…壁……」

彼は見た。
攻撃の瞬間、モララーの周囲に壁ができるのを。
半透明の弓形の壁だった。血のように紅い壁だった。
それが彼の周りに展開されたのだ。

「拒絶」の特異点能力。何物も絶対に通さぬ壁の生成。
ただ、それだけの能力。
それなのに。

( φ∀・)「…時間がないんだ」

川#゚ 々゚)「ウオォォオオオォオン!!」

繰り出される猛攻を、手を軽く振り受けていた。壁を操っているのだ。
雄たけびと共に空を穿つ剣。それをいとも簡単に右手で受け止め、あろうことか、

( φ∀・)「…ッ!」

クロスカウンターの要領で殴り飛ばした。神様を。
もう一度言うが、かみさまを。…三度言わせてもらおう。カミサマを、殴り飛ばした。



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:28:11.68 ID:XU6dUY8e0
ミ,,-Д-彡「あの人は、加速装置の弱点を克服した人間なんだぜい」

…加速装置の弱点。
人間である以上、移動には「足場」が必要になる。
いかに速く動けようとも、調子に乗ってジャンプすれば、あっという間に的に早変わりだ。
なら。

( ^Д^)「…この気持ち悪い感じは魂と肉体が離れつつある、ってことか……」

足場があればいい。
空中であろうが、水中であろうが、空間そのものを蹴り飛ばして進めばいい。

( φ∀・)「…故に『カゲロウ』だよ。空中を自由に移動する『蜻蛉』であり、その瞬間現れる『陽炎』ってことさ」

殴る。ただ殴るだけではない、拳の前に壁を作り出しながら殴っている。
簡単に言えば、「物凄く硬い盾で連続殴打」ということ。撲殺天使も驚きの残虐ファイト。
まさしくピンポイントバリアパンチ。痛い。

…最初彼のことを「審神者<さにわ>」と表現したが、それは半分間違いだ。
「除霊」と「浄霊」ぐらいの違いがある。罰当たりも甚だしい。



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:31:08.39 ID:XU6dUY8e0
( φ∀・)「…君の敗因はただ一つ。今日が、私の記念日だったことだ」

下級と言えども神様をズタボロにした男は、距離を取り地面に着地する。
…いや、彼のことだ。どうせ相手など「魔術師の残留思念」程度にしか思っていまい。
そんな男は回線を開き、

( φ∀・)「…掃射」

――直後。
辺りに潜伏していたFOX隊員数十名の一斉射撃が始まった。
モララーの任務は詰まる所、「時間稼ぎ」だ。特殊なケースを除き、結局数で制圧するのが一番確実で早い。
鼓膜の破れそうな音の中、ゆっくりと帰り支度をする。

( φ∀)「…ああ、ヤバイ。時間が――」

(;^Д^)「!!」

そしてプギャーの近くに来たところで、倒れた。
まだ日が高いにも関わらず、時間を気にしていたのは、自身が倒れることも計算していたからかもしれない。

…理不尽な理由で呼び出され理不尽に追い返されつつある哀れな神様のことなど、誰も気にしていなかった。
FOXとはそういうものだ。



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:34:07.16 ID:XU6dUY8e0
……………


|゚ノ;^∀^)「…ハッ!!」

レモナが目を覚ましたのは午後10過ぎ。
ほとんど一日中寝ていたことになる。寝る子は育つらしいが、どうなのだろう。

(,,^Д^)「ギコハハハ!おはよう。もう夜だけど」

|゚ノ;^∀^)「依頼は?依頼は?」

焦る彼女にギコはさわりだけを話した。
…それは待ち合わせ場所に30分前に来ていたモララーに、トソンが笑顔で言った一言に集約された。

(^ー^*トソン『私……、赤ちゃんができました』

(;φ∀・)『マジで!!』

あくまで、「さわりだけ」に留めておいた。
即ち、神様とタイマンを張るような男がその後、微かに涙を見せたことは……
…彼の名誉の為に黙っておいたのだ。



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:37:09.40 ID:XU6dUY8e0



五日目 深夜 終



ただの夫婦のお話の少しだけのエピローグ。
それが終わり、ついでに長い入院生活ともおさらば。同時にお礼と共に祝いの言葉も言われることとなった。
…長い夏も終わりが近い。残りはどうしようと考えれば、一つの名案。
「そうだ!でぃちゃんを迎えに行こう!」

…それはまた、次のお話であるのだが。





58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:39:54.28 ID:fgcPLLSiO
乙!


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:40:07.79 ID:XU6dUY8e0
ご支援ありがとうございました
多分、この作品の話では一番つまらなかったと思います
そもそも「助け屋」主体じゃないですし
まぁ最終回への伏線ってことで
とりあえずご安心、次回からは元に戻ります


さて、お祭り開催中
諸事情により自分は参加しません
皆さんご武運を


おまけと番外編も投下します



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:40:56.81 ID:om5NEtBi0
一先ず乙


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/21(金) 22:41:15.20 ID:fgcPLLSiO
おぉ

番外編wktk




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