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◆ξ゚⊿゚)ξ殺人鬼は微笑むようです 一 其の二

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42 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 21:58:28.33 ID:QQjKYWEs0


一 其の二



43 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:00:38.66 ID:QQjKYWEs0
異常な光景がそこにはあった。
昼間、いつも見ている奴の姿とは打って変わって、それはとても美しく見えた。
妙に凛とした表情を湛え、体には返り血を纏い、右手には牛刀を握っている奴の姿。
月光に照らされる奴は、神々しかった。
そしてそんな奴の後ろに控える直もまた、美しかった。

( ^ω^)「さて、どうするお、ドクオ君」

ξ;゚⊿゚)ξ(……え?)

聞き間違えだろうか。
奴の口から、私の知る者の名前が出てきた。

欝田ドクオ。私の同学年で、苛められっ子だ。
よく不良にはパシリにされたりサンドバックにされていたのを思い出す。
去年は同じクラスだったこともあり、彼にはよく扱き使われてもらった。。
未だに彼の地位はそこに留まっていると耳にしたが。

奴が語りかける先には、倒れている人がいる。
つまりそれは先まで内藤の奴と戦闘を繰り広げ、一本取られた状態だ。
先の音から察するに、相手にはもう武器は無い。
内藤の奴は余裕の表情だし、武器もある。
直の奴も控えているから、万が一にも相手に勝つ見込みがあるとは思えない。



44 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:02:48.94 ID:QQjKYWEs0
最も、相手にまだ余裕があったり、武器を保持しているとなると別だが。
だが私の眼に、奴に勝てる人間がいるとは、思えなかった。
直接闘っている姿を見たわけでもなく、醜態を晒していたような奴だというのに。

( ^ω^)「もうお終いかお?」

相手が、ムクリと起き上がった。
月光が相手の顔を照らす。

ξ;゚⊿゚)ξ「なっ!?」

自分が大きな声を上げていることすら、どうでもよくなった。

そこには彼がいたのだ。
イジメられっ子で、弱々しくて、不細工で、病気かと思うほど細い体つきをした彼が。

('A`)「…………」

欝田ドクオが確かにいた。



45 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:04:58.21 ID:QQjKYWEs0
しかし驚きと同時に私は自分の過ちをすぐに理解した。
全員が私を見ている。この、異常に満ちた旧校舎の、理解できない空間に居る人間達の目が私を射抜く。
最早私も物陰から躍り出ていたし、姿は丸見えだった。
直の奴は驚愕につきる表情で、ドクオの奴は混乱しているようだった。

だが奴は、内藤だけは。

( ^ω^)

あの笑顔を湛えていた。

('A`)「……内藤、どういうことかな、これは?」

しかしドクオは直に平静を取り戻し、口元の血を拭いながら、奴に問いかけた。

( ^ω^)「何が?」

あっけらかんと内藤はそれに答えた。
首を傾げ、まるで理解できないと言いたいように。
いや、実際奴は「何が?」と口に出しているから、つまり、そもそもドクオの問い事態を理解していないようで、
素直に分からないと、理解できないと言っているのだろうか。



46 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:07:05.68 ID:QQjKYWEs0
('A`)「……つくづく、お前は気に食わない」

そしてその態度にドクオは苛立っている。
内藤や直よりも離れた場所から見ている私にも分かるほど、ドクオは殺気立っている。
今にもその手で内藤の首を絞めに行くのが容易に想像できるほど。

('A`)「内藤、お前、まさか勝った気じゃないだろうね?」

ドクオが、ズボンの後ろポケットに手を伸ばし、何かを取り出した。
あれは――

ξ;゚⊿゚)ξ(折りたたみナイフ!?)

そもそも、私は今起きていることを全然理解できていない。
まず、どちらが狙われているのかすら分かっていない。

っていうか、何故闘っているんだろうか、この二人は?
っていうか、何故私はここにいるんだろうか?

どちらにせよ異常だ。
同じ学校の、同学年の知った奴らが、刃物を手に、殺し合おうとしている。



47 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:09:15.95 ID:QQjKYWEs0
いや、先程まで――私が現れるまで――も闘っていたんだろう。
何故ならドクオにも内藤にも、真新しい傷が見える。
二人の衣服にも破れ、解れ、切り裂かれたような跡がある。
ドクオは内藤よりも何倍も悲惨で、体の至るところから血を流していた。

やはり、これはどう見ても内藤の優勢――

ξ;゚⊿゚)ξ(――いやいや、違う違う)

何を呑気な事を考えているんだ、私は。
何故止めない、何故逃げない。

……ああ、足が竦んで動けないんだと素直に認めてやろう。

なんにせよ、自分も狙われる可能性はある。
どちらかが――もし――死んだ場合、残った人間は始末されるのがセオリーだ。
漫画や小説や映画なんかじゃそうだった。

しかも、どちらも食人だという可能性は捨てきれない。
直の奴も含めれば、もう誰が残っても絶望しかない。



48 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:11:24.48 ID:QQjKYWEs0
そして、現状を完全に把握できていない私を他所に、物語は進んでいく。

いつだって、悲劇のヒロインっていうのは、不遇なんだ。



50 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:14:06.31 ID:QQjKYWEs0
(#'A`)「死ねえええええええええ!!」

ドクオが駆ける。
剥き出しのコンクリの地面を蹴り、内藤に迫る。
振りかざしているのは、刃渡り十センチ程の折りたたみナイフ。

( ^ω^)「それはお前だお」

そして内藤は、それを静かに待ち構えた。
奴の頭にナイフが突き刺さる寸前、内藤が右手を勢いよく振る。
大型の牛刀に、折りたたみナイフは衝撃に耐えられず、ドクオの手から離れていく。
ドクオは完全な無防備になった。

( ^ω^)「キチガイ」

内藤が、慈悲も情けもなく、ドクオの腹に牛刀を突き立てる。
聞いたこともない音が響く。血の滴る音が静かに伝う。
ドクオは苦しそうに呻き、尚も内藤の首を絞めようとした。

( ^ω^)「ぉおっ!!」

そしてその光景は一瞬だった。
腕が飛び、首が飛び、ドクオは最早パーツを失ったマネキンのような様で、まるで作り物のようで。
静かに血を噴き出しながら、ゆっくりとプールサイドに倒れこんだ。



52 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:16:15.25 ID:QQjKYWEs0
私は悲鳴を上げなかった。
ただ目の前で起きていることを、フィルム越しで起きているように――そう、劇場にいるように、
それはまるで現実ではなく、撮った物を映画館で見ている感覚だった。

( ^ω^)「さて」

悪魔の笑顔をした奴が、こっちに歩み寄ってきた。
私はまだ夢現で、遠近感すらもあやふやで、一体奴が今どこにいるのかも識別できずにいた。

ガシリと肩を掴まれる。
触れた。

これは、こいつは、現実だ。

ξ;゚⊿゚)ξ「いっ――」

そこでようやく我に帰った。

人が死んだ、血のニオイがする、人殺し、猟奇事件の犯人、内藤、ドクオ、直、様々な情報が一気に流れ込んでくる。
それらが脳内でコンマ以下の速度で結びつき、算出された答えは「悲鳴を上げる」というなんとも人間らしい反応だった。

だがそれは虚しくも内藤の血生臭い右掌で口を塞がれたことにより、無駄足に終わる。



53 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:18:32.28 ID:QQjKYWEs0
( ^ω^)「暴れちゃダメだお。五月蠅くしてもダメ。おkかお?」

顔を私にこれでもかと近づけて、低い声でそう言う。
私はゆっくりと、それでも何度も頭を縦に振った。

( ^ω^)「いい子だお」

すると内藤はすっと私から離れて、座り込んだ私をその平均的な身長から見下ろす。
と、そんなところで足音が近付いてきた。
直だった。

彼女の右手には、先ほど内藤が再度ドクオの腹に突き立てた牛刀がある。

川 ゚ -゚)「まさか本当に来るとは……」

( ^ω^)「言ったお?津出さんもキチガイだって」

……何だろうか。
今こいつは人の事をとんでもない言い方しなかっただろうか。

ξ;゚⊿゚)ξ「ち、ちょっと、人のことを頭のいかれた風に言わないでよ」



54 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:20:42.71 ID:QQjKYWEs0
精一杯の勇気を振り絞り、抗議する。
そりゃ不良ではあるが、キチガイ呼ばわりは頂けない。
流石にこんな状況でも怒りが込み上げてくる。

川 ゚ -゚)「君に発言権は無いんだがな」

ξ;゚⊿゚)ξ「ひぃっ!」

と、目にもとまらぬ速度で、私の首に牛刀の切っ先を突きつける直。
おま、おい、普段の温厚な君からはとても想像だにできない行動だがね!
何か雰囲気も非常に怖いのですが……あれ、っていうか、これ私殺されかけてる?

ξ;⊿;)ξ「ごめんなさいマジ簡便してください許して下さいこらえてつかあさい!!」

(;^ω^)「お、落ち着くお津出さん。空も、やめるお」


閑話休題


(;^ω^)「すまなかったお」

ξ;゚⊿゚)ξ「……いえ、いいわ」

それより、と続ける。



55 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:22:53.20 ID:QQjKYWEs0
ξ;゚⊿゚)ξ「私も、殺すの?」

( ^ω^)「お?」

ξ;゚⊿゚)ξ「いえ、分かってるわ。そうよね、そう言う運命だもんね。うん、分かってる」

ξ;゚⊿゚)ξ「ああ、私食べられるのね。今まで捕食してきた牛や豚や鳥さん、気持ちがよく分かります」

川 ゚ -゚)「おい」

ξ;-⊿-)ξノ「いえ、いいんです、慰めなんて。首を突っ込んだ私が馬鹿だったのね」

ξ;⊿;)ξ「ごめんね、零、お姉ちゃん、先に逝くからね」

(;^ω^)「津出さん」

ξ;⊿;)ξ「至らない姉でごめんね、迷惑かけたわね、お姉ちゃん、大好きだったからね!!」

川#゚ -゚)「いい加減にしろ!!」

ξ ⊿ )ξ ゚ ゚「ゴブラッファ!!」



56 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:25:00.33 ID:QQjKYWEs0
(;^ω^)(最早シリアスの面影すらないお、ぶっ壊れちゃったお……)

ξ;⊿;)ξ「な、何よ人殺し!人食い!鬼!悪魔!」

川#゚ -゚)「ああそうかなら殺してやるお前なんか斬って刻んで家畜の餌にしてやる」

(;^ω^)「ストップ。いい加減にしろ」


閑話休題、其の二。


などという事を繰り返してはいたが、それでも私は恐怖に苛まれていた。
何故なら、目の前には今しがた人殺しをやってのけた犯罪者が一名。
私を殺そうとした女子が一名という、異常な空間に居るのだから。

現在は旧校舎の一階、保健室。
話があるとのことでここに連れられて来たが、やはりここで殺されるのだろうか。

しかし、意外と冷静だ。
さっき人が死んだっていうのに――しかも、目の前で、同級生が――も関わらず。
しかも目の前にその犯人がいるにも関わらず。



58 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:27:08.88 ID:QQjKYWEs0
慣れるには時間が不足過ぎる。
ならば何故こうも落ち着いていられるのだろう?
いや、恐怖は先も言ったようにある。怖くて逃げだしたいほどだ。

だが、私は興奮していた。

あの時と同じだ。
ここに到着するまで、犯行現場を回っていた時と同じ。
あの時の緊張状態が、延々と続いているような。

恐怖と安堵が何度も駆けまわる。
果たして今生きているのか、それとも死んでいるのかすら、分からなくなる位に。
この極限状態は、あまりにも居心地がよかった。

( ^ω^)「楽にしてくれお」

保健室の中、突っ立ってる私に、椅子に座る内藤は言った。
私は小さく返事を返して、埃塗れのベッドの上に腰かけた。
直の奴は壁に凭れかかっている。

( ^ω^)「率直に言えば」

キイ、と内藤が回転式椅子を軋ませて、身を乗り出し、私を見つめて言った。

( ^ω^)「君が今日、来る事を僕は予測していたんだお」



59 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:29:20.46 ID:QQjKYWEs0
ドクンと心臓が高鳴る。
……何だって?

( ^ω^)「驚いてるおね。まあ無理はないお」

いや、一人で納得するな。
ちゃんと私にも理解できるように説明を――

( ^ω^)「あの日」

ビッと人差し指を、内藤は私に向けた。

( ^ω^)「屋上だお。僕は呼ばれたんだお、君に」

ξ;゚⊿゚)ξ「――は?」

( ^ω^)「それまで極めて微弱ながらも感じてはいたんだけども、あの日だけは動かざるを得なかったお」

……待ってくれ、さっぱり理解できない。



60 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:31:34.05 ID:D8gZkPri0
( ^ω^)「……理解できてないおね、やっぱり」

ξ;゚⊿゚)ξ「正直、何が何やら」

だおねー、と弱々しく呟いて、内藤は顔を伏せた。

こいつ、もしかして……電波じゃないか。
あまりにも理解不能な事を口走ってるし、やっぱりこういう、普段はおとなしい奴に限って、
所謂電波系なんじゃないか。
いや、うん、まあ、これは、電波だろ。

そう言う類の奴ほど、危ないことするしさ。
人だって殺すでしょ、うん。

川 ゚ -゚)「……やれやれだな」

ふうと、直の奴がわざとらしく大きなため息をついて、壁から背を放した。
どけ、と短い言葉とその見かけからはとても想像だにできない暴力で、回転式椅子に座る
内藤を吹き飛ばし、そこに腰を掛ける。

川 ゚ -゚)「最早こうなった手前、説明するしかあるまい」



61 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:33:49.54 ID:+IyZHebd0
川 ゚ -゚)「あいつに喋らせると話は進まんからな、私が分かりやすく教えてやろう」

ξ;゚⊿゚)ξ「はあ」

まあ、殺されるまでの暇つぶしだ。
正直何でそんなものを聞かなければならないのか分かっちゃいないが。
そもそも、私は関係ないだろう。

川 ゚ -゚)「……自分は無関係だ、とでも言いたげな表情だな」

ξ;゚⊿゚)ξ(鋭い!)

だが口には出さない。
こう言った時は目線を下げてだんまりを決め込むのが一番だ。

川 ゚ -゚)「まあいいだろう……」

内藤とは違い、直は身を乗り出す事をせず、綺麗な姿勢を保って、私に話しかける。

川 ゚ -゚)「昨今、犯罪の……それも殺人事件が日増し目立つようになっているのは、流石に知っているよな?」



65 :◆io1Iv96tBU:2009/09/04(金) 22:35:58.18 ID:+IyZHebd0
ついさっき知ったばかりです。

ξ;゚⊿゚)ξ「ええ、まあ」

川 ゚ -゚)「その犯人達はな、ほとんどがある種の存在なんだ」

……?

ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとよく分かんないんだけど」

( ^ω^)「人殺しを好む奴らなんだお。所謂殺人鬼って奴。まあ本質は少し違うんだけどお」

と、床でドタバタと暴れていた内藤が急に真剣な物言いで、そんな事を言った。
いや、そりゃ人殺す奴なんて、皆殺す事が好きでしょうに。

( ^ω^)「違う違う。鬼なんだお。キチガイ」

ξ;゚⊿゚)ξ「……ん?」

( ^ω^)「だから、鬼違いだお」

……ああ、もう。
やっぱりこいつ等電波だ。




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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    ドック~~~ンッ!!
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