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◆( ^ω^)仮面武闘伝のようです 第1話「変身」

インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 22:23:41.16 ID:nVwTzrxb0
始めます。



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 22:24:28.53 ID:xUTqNNmG0
どうぞどうぞ



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 22:25:46.44 ID:nVwTzrxb0
プロローグ


「ハァ、ハァ……」
照りつける太陽の下、年端もいかない少年が走っている。
どこで手に入れたのだろうか、大きなパンを抱えて。
乾燥した大地を踏みしめる度、砂煙が上がる。

かつて多くの人で賑わっていた市場は、今はもう見る影も無く、そこにあるのは崩れかけた建物と瓦礫の山、
そして時折見かけるもう動くことの無い人々とその周りに飛び散った赤。

あの角を曲がれば目的の場所は目の前だ。
だが、勢いよく曲がった先で、少年は男と正面衝突してしまう。

「うおっ……って子供か?なんでこんなところに……」
男の服装と肩に担いでいる大きな銃から、政府軍の兵士だと分かる。
ぶつかった拍子に尻餅をついた少年を起こそうと、兵士が手を差し出す。

「大丈夫か?ここは危ないかr……」
だがその言葉に少年の手が返されることは無く。
代わりに差し出されたのは、パンの中に隠された拳銃。

「なっ……きさm」
男の言葉を待つ事無く、少年は男に向けて引き金を引く。

パーン!と乾いた音が、ただ響いた。



4 :第1話:2009/09/06(日) 22:28:18.39 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「ハァ……ハァ……」

(;=゚ω゚)ノ「ヒィ……ヒィ……」

薄暗い森の中を2人の少年が走る。背後に迫る闇を振り切らんと、ただひたすら走る。
自分達がどこに向かっているかなど考える余裕などない。
なぜなら彼らは今、得体の知れないモノに追われているのだから。

(;^ω^)「な、なんなんだおアレ?」

(;=゚ω゚)ノ「怪物……いや、怪人みたいだったょぅ?」

走りながら後ろを振り返る。

( ∵)( ∵)「「アッー!!」」

あの怪人の姿は見えないが、怪人と一緒にいた全身黒タイツの男達が迫ってくるのが見えた。

(;=゚ω゚)ノ「とにかく走るょぅ!」

(;^ω^)「なんで……なんであんな……」

追われる身である彼らは、目の前の藪の先を確認することなど出来る訳が無く、

(;゚ω゚)「うわぁあああぁあ!!」

(;=゚ω゚)ノ「ブーン!!」

突然目の前に現れた崖に止まることも出来ず、1人の少年は崖を転がり落ちることとなった。



5 :第1話:2009/09/06(日) 22:30:00.99 ID:nVwTzrxb0



かつて戦いがあった。

世界征服をたくらむ悪の秘密組織と正義のヒーローの戦い。

幾度となく現れる悪に立ち向かう、ヒーロー達。
長きに渡る戦いの末、ヒーローは悪を打ち砕き、そして人知れず去っていく。

そんな彼らを、人は仮面ライダーと呼んだ。






( ^ω^)仮面武闘伝のようです



第1話 「変身」







7 :第1話:2009/09/06(日) 22:32:38.62 ID:nVwTzrxb0
( ^ω^)「やっぱりロマネスクが一番かっこいいお!」

(=゚ω゚)ノ「いやいや、何と言ってもヒートだよぅ」

VIP市のほぼ中央に位置する、私立VIP高校。
夏休みが終わって1週間たった金曜日の放課後。

9月に入っても残る夏の暑さと共に夕焼けに染まる教室の中にいる2人の少年。
1人は窓際の自分の席に座り、もう1人がその机に腰を掛けて、
窓から聞こえてくる運動部にも掛け声も気にならない程熱く議論を交わしていた。

(=゚ω゚)ノ「ブーンはどうしてあの良さがわからないんだょぅ」

2人の内、机に座っている背は低いが活発そうな少年が、
もう1人のやや小太りな少年(だが本人はあまり認めたがらない)に問いかける。
ブーンと呼ばれた小太りが机の上の少年、ぃょぅに答える。

( ^ω^)「だって、すばやい動きなのにわざわざ真正面からぶつかっていくんだお?それってどうなんだお?
      闘牛士をイメージしてるなら、もっと軽やかに戦ったら良いと思うお」

彼らが熱く語り合っているのは、今世間を賑わせている、仮面ライダーバトルについてである。
4年に1度、世界各国の代表ライダーが繰り広げるこの戦いは、老若男女を問わず夢中になっている大きなイベントである。

ただ、彼らの盛り上がりっぷりは、世間一般の人のそれとは少々、いやかなり度を越しているようである。
それもそのはず、そんな仮面ライダーについて熱く語る彼らのいる教室の扉には、
力強く筆で「仮面ライダー部」と書かれた紙が張られているのだから。
もちろん実際にそんな部活がある訳ではなく、ブーンとぃょぅの2人が勝手に名乗って放課後の教室を占領しているだけである。
学校に認められている訳ではないから、正直、同好会ですらないのだが……。



8 :第1話:2009/09/06(日) 22:34:20.26 ID:nVwTzrxb0
今ブーン達の話に出ているヒートと言うのは、スペイン代表選手の仮面ライダーで、
女性らしいしなやかで俊敏な機動性を持ちながらもとにかく真っ向勝負といった愚直な戦い方と、
変身前の元気いっぱいの美貌が人気となっている。

(=゚ω゚)ノ「いやいや、あれがヒートの魅力だょぅ。普通、スピードのあるやつは、ヒットアンドアウェイとか、
     ちまちました戦法に走りがちだけど、ヒートはそのスピードを攻撃に使っているんだょぅ。
     そしてその勢いに乗ったヒートの腕は全てを貫く光になるんだょぅ。」

(=゚ω゚)ノ「輝け!必殺、ライトニング・フィンガー!!」

ヒートの変身するライダー、仮面ライダーマタドールは、その名の通り闘牛士を模しており、
相手の攻撃を華麗に往なしながら戦うスタイルが本来である。
その為、スピードを重視しており、他のライダーと比べてパワーが不足している。

前回大会時も同様のコンセプトであるこのライダーは、決して相手に触れられることなく、
少しずつ相手の体力を削っていく戦い方を主としていた。

しかし今回代表となったヒートの直線的な戦い方は、闘牛士よりもむしろその相手、牛に近い。
不足したパワーを補って、真正面からトップスピードで突き進む勢いを腕に乗せ、そのまま真っ直ぐ相手にぶつける攻撃方法。

パンチではなく、開いた状態、掌底と言うより相撲の張り手に近い状態であることと、
余りのスピードにより空気中の塵との摩擦で指が光って見えることから名づけられた必殺技ライトニング・フィンガーは、
日本代表であるロマネスクびいきのブーンから見ても、心惹かれるものではあった。

(=゚ω゚)ノ「あの愚直なまでの熱血っぷり!燃えるょぅ!そして何より美人!
     それに比べて、ロマネスクはおじさんだし、あのライダーのデザインはどうかと思うょぅ。怖すぎじゃないかょぅ?」



9 :673:2009/09/06(日) 22:35:54.43 ID:nVwTzrxb0
日本代表ライダー、ロマネスクは、32歳と他のライダーより年齢は高めだが、
前々回の大会でも日本代表となり、その時は準優勝を勝ち取った実力派である。

そして変身した姿、仮面ライダーライズは、昆虫を思わせる顔つきが少し強面ではあるが、
その野性味帯びた見た目とは裏腹に落ち着いた戦い方が魅力である。

( ^ω^)「でも、ロマネスクだって熱血だお!!

      俺のこの足、光って唸る!
       お前を倒せと輝き叫ぶ!

      必殺!
      ライジングキーック!だお!!」

ぃょぅの言葉を聞いたブーンはイスから立ち上がり、ロマネスクが変身する仮面ライダーライズの決め台詞を叫ぶ。
それと同時に一度体を沈ませ、立ち上がる勢いで一気に斜め上に蹴り上げる。
昇る朝日の如く突き上げる仮面ライダーライズ必殺技、ライジングキックである。

しかし、ブーンの足は思い描いた相手ライダーではなく、すぐ横にあった机に当たってしまい、
机の倒れる大きな音が廊下にまで響き渡る。

(;^ω^)「あうあう」
(;=゚ω゚)ノ「やばいょぅ」



10 :673って何だ?第1話:2009/09/06(日) 22:37:42.35 ID:nVwTzrxb0
今の2人は普通に生徒が教室に残っているだけだと考えると大した問題ではない。
だから部活ではないが勝手に教室を使用することは黙認されているものの、
盛り上がり過ぎた2人が時折始める「仮面ライダーごっこ」は、さすがに喧しいからと禁止されている。

しかも今回は、ブーンの机の上に、このVIP市の地図が広げられ、秘密の作戦会議中である。
これが見つかると明日からの作戦を実行することが出来なくなってしまう。
とにかく何事もなかった風を装おうと、、ブーンは机を元に戻しにかかり、ぃょぅは地図を折りたたんで鞄の中に仕舞おうとする。

と、そこへ、

???「コラ!またお前らか!!」

大きな声と共に扉が開く。

とっさに机の下に隠れようとするも、体格のせいか隠れきれずに妙な体勢でブーンは固まっている。
一方のぃょぅはというと、鞄の中に入れるヒマの無かった地図を体の後ろに隠している為、右手が不自然になってしまっている。
これでは何事もなかった風に装えているとは言い難い。

しかし、開けられた扉の前に立っていたのは、
少し気の強そうな、だが美人な部類に入る、クルクルと巻いた角度によっては
金色に見える明るい髪が印象的な小柄な(そして胸も小柄な)少女一人であった。

ξ゚⊿゚)ξ「あんた達、また暴れて先生に怒られてもしらないわよ」

少女は呆れたような顔で教室に入ってくる。



11 :第1話:2009/09/06(日) 22:39:55.41 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「な、なんだツンかお。驚かさないでほしいお。部活は終わったのかお?」

入ってきたのが教師でないことに安堵しながら、ブーンは少女に声をかける。

ξ゚⊿゚)ξ「まあ休み明けだしね。それよりさっきの大きな音。またブーンがロマネスクさんの真似して失敗したんでしょ」

言いながらブーンの隣の自分の席に座るツンは、VIP高校でも1,2を争うと噂の美少女である。

( ^ω^)「お?なんで分かるんだお?ツン、隠れて見てたのかお?」

ブーンとツンは中学校時代からずっと同じクラスで、
恋人のような関係ではないと本人達は思っているが、周りからはそう見えない程仲が良い。

だからツンはブーンのことは大概分かっていて、
それにブーンがロマネスクの真似をして失敗することは珍しいことではないから、
ツンでなくても当たって当然のことなのだが、当の本人は不思議そうな顔でツンを見ている。

そしてその少し抜けたとこのあるいつものブーンを見ると、ツンは自然と笑顔になる。

(=゚ω゚)ノ「ツンはブーンのことならなんでもわかるんだよう」

そんないつものやりとりを見て、ぃょぅが2人をからかう様に言う。

ξ//⊿/)ξ「なっなにいってんのよ!ばかじゃないの!誰がこんなピザ仮面ライダーオタク!!」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 22:41:17.87 ID:VofcL1vpO
平成ライダーなら勘弁



13 :第1話:2009/09/06(日) 22:43:18.92 ID:nVwTzrxb0
( ;ω;)「ひどいお……ツンは、ブーンも仮面ライダーも嫌いかお?」

携帯電話の待ち受けになっている仮面ライダーライズを見せながら、涙目で聞くブーン。

ξ ⊿ )ξ「ブーンは嫌いじゃないわよ……でも……ライダー……お兄ちゃんは……」

( ^ω^)「おっ?ツ、ツンどうしたお?」

ξ゚ー゚)ξ「ん……なんでもないわよ。そんなことより、もうこんな時間よ。最近物騒だし、そろそろ帰らないと」

ツンが言うように、最近VIP市では、何者かによる傷害事件や、行方不明などが多発しており、
今日もHRで教師から、暗くなる前に家に帰るよう注意されたところだ。

事件に関しては何も明らかにされておらず、刑務所を脱走した凶悪犯だとか、変質者だとか、
様々な憶測が飛び交い、挙句の果ては、霊や妖怪の仕業だとまで言う輩まで現れる始末だ。



14 :第1話:2009/09/06(日) 22:45:46.44 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「そ、そうだおね!危ないお!」
(;=゚ω゚)ノ「う、うん!もうすぐ帰るょぅ!」

ξ゚⊿゚)ξ「?とにかく早く帰りなさいよ?」

明らかに挙動不審な2人を気にしつつも、ツンは教室を出て行く。
ツンが廊下を曲がり見えなくなってから、2人は悪巧みを開始する。

(;=゚ω゚)ノ「ふぅ……危なかったょぅ」

(;^ω^)「ほんとだお……で、どうなんだお?」

ブーンの言葉に、ぃょぅが背中に隠した地図を広げながら答える。

(=゚ω゚)ノ「フフフ……バッチリだょぅ。昨日下見に行って、いい場所を調べておいたょぅ。
見晴らしも良いし、隠れる場所もあって、まさにうってつけの場所だょぅ」



15 :第1話:2009/09/06(日) 22:47:53.33 ID:nVwTzrxb0




ブーンがライダーキックに失敗した翌日の昼過ぎ。
ブーンが予定の時間に少し遅れて、学校の正門前でぃょぅと合流していた。

(=゚ω゚)ノ「遅いょぅ。早くしないと暗くなっちゃうょぅ」

( ^ω^)「ご、ごめんだお。でもほら!」

遅刻したことをあやまりながらブーンは、ママチャリのカゴの中にあるコンビニ袋を開いてみせる。
中には、パンや、お菓子や、ジュース、果ては目的地にはお湯などあるはずも無いのに
袋入りのインスタントラーメンなどが入っていた。

(=゚ω゚)ノ「まったく……とにかく行くょぅ」

ぃょぅは呆れた顔はするものの、いつものことと特に何も触れずに出発を促す。


(*^ω^)「お!早く!早く行くお!!」

自分のせいで遅くなっていることを棚に上げ、ブーンがぃょぅを急かす。
そしてぃょぅの返事も聞かずに、愛車「ブーンサイクロン号」(ママチャリ)のペダルを漕ぎ出した。
VIP市の北部にある採掘場を目指して、光の速さで突き進む。

少し遅れて、いようが変速付きの自転車でブーンを追いかけていくが、なかなか追いつくことは出来ない。

「なんでママチャリなのにあんなに速いんだょぅ……」



17 :第1話:2009/09/06(日) 22:49:54.63 ID:nVwTzrxb0
ライダーバトル

4年に一度開催される、ライダー同士の戦い。
世界各国の代表が仮面ライダーとなり、最後の1人となるまで戦い、優勝した国が次回開催までの4年間、
世界を管理する資格を得る……訳ではなく、ワールドカップやオリンピックのようなものである。


今回はそのライダーバトル予選、第5回戦だ。予選は各ライダー10戦行い、
勝利ポイント上位16カ国が本選出場となる。
ブーン達が応援する日本代表ロマネスクは、今まで4戦4勝(うち3撃破)と、
見事な成績で勝ち進んでおり、優勝候補の1人に上げられている。

ブーン達はそのロマネスクが、自分達の街の近くで戦うことを知り、こっそり見に行くことにしたのである。

通常、ライダーバトルは一般人に被害が及ぶことがないよう人気のない場所で行なわれ、当然立ち入り禁止となる。
まれに市街戦が行なわれることもあるが、その場合、政府がバトルフィールドとなる地域を封鎖し、
被害をできるだけ抑えるように配慮される。

また、バトルにより破壊されたものは、ライダーバトル委員会および政府により補償されることになっているが、
とにかく修理等に費用がかかる為、ほとんど許可が通ることは無い。
当然使用できる地域も限定される為、望んで市街戦を行なうライダーはあまり多くない。

そして、以前のライダーバトルの際に、世界遺産を破壊してしまった事例もあるため、
今回のように採掘現場のような、人気が無く特に重要なものも存在しない広い場所を使用することが多い。
特に採掘現場は、昔のライダーを知る人達から支持されているらしい。



18 :第1話:2009/09/06(日) 22:52:02.45 ID:nVwTzrxb0
ちなみに今回のバトルは予選なので、テレビなどで放送されることは無く、一般人には結果のみが発表される。
テレビで放送が始まるのは決勝トーナメントからで、それまでは各国の代表選手の情報はほとんど公開されていない。

にも関わらず、ブーン達が、ロマネスクやヒートと言った選手の名前や、その戦い方、決め台詞、
そして今回のバトルの情報を知っていたのは、インターネット上の情報によるものである。
たとえ国が禁止していても、また、自分に危険があると分かっていても、趣味の為に無茶をする輩はどこにでもいるものだ。


そして今、無茶をする輩の日本代表であるブーン達は、VIP市の北にある採掘現場、
その東の端にある切り立った崖の上に建てられたプレハブ小屋の前にいる。

警備の目を潜り抜ける為、採掘現場の東に広がる森を抜けて来たので、既に日は落ちてしまっている。
完全に暗くなる前にたどり着けて良かったとぃょぅが一息付く間もなく、
テンションマックスといった風のブーンに押されて、プレハブの入り口に向かう。

(*^ω^)「これはすごいお!さすがぃょぅだお!!」

(*=゚ω゚)ノ「シシシシ!我ながらいい場所を見つけたょぅ。」

事前に調べてあった通り、植木鉢の下から鍵を発見し、中に入る。

中は薄暗いが、身を隠すにはうってつけである。

ライダーバトルが行われるのは、明日の朝なので、2人はブーンが持って来た食料で腹を満たすと、早いうちから寝ることにした。
明日のことを考えると興奮してなかなか寝付けない2人であったが、慣れない山歩き、
しかも森の中の道無き道を通ってきたことで疲れていたのだろう、やがて大きないびきを立てて寝入ってしまった。



19 :第1話:2009/09/06(日) 22:54:02.31 ID:nVwTzrxb0
( ゚ω゚)「ふぁっくしょぉぉぉおおぃいい!!」

明け方、ブーンの発した大きなクシャミで2人は目覚めた。
日中はまだ暑い季節とは言え、夜になると涼しい今の季節、特に朝は冷える。
しかもただ床に転がって寝ていただけだから仕方あるまい。
2人は寝ぼけた頭を起こす為、ペットボトルのお茶を飲んで一息付く。

(*^ω^)「んー!今日も良い天気だおー」

(=゚ω゚)ノ「絶好のライダーバトル日和だょぅ……ってそのラーメンどうするつもりだょぅ」

ブーンが袋入りのラーメンを開けようとしているのを、流石に見かねて言う。

( ^ω^)「えっ?当然食べるんだお。お湯なしでも結構いけるお」

ブーンの食に対する情熱に呆れながら、何気なく窓から外を見る。
と、そこにぃょぅは朝もやのかかる森の中に人影を認め、慌ててブーンに伝える。

(;=゚ω゚)ノ「・・・シッ!誰か来るょぅ」

ブーンが森の方を向くと、確かにぃょぅの言う通り、誰か来るのが分かった。
バトルの開始時間までまだ時間があるが、ついに仮面ライダーがやってきたのだろうか。

だが、それにしては人数が多いように思う。ブーン達と同じようにライダーバトルを見に来た人達だろうか。
もしかしたら、警察もしくは運営委員会の人間が見回り来たのかもしれない。
いずれにせよこちらの姿を見せない方がよさそうだと判断したブーンとぃょぅは身を潜め、人影の様子を伺う。



22 :第1話:2009/09/06(日) 22:55:35.53 ID:nVwTzrxb0
???「草の根を分けてでも探し出せ!」
???「「アッー!」」

人影達はどうやら誰かを探しているようだ。
やはり見回りに来た関係者だろうか。

ブーンは少しだけ顔をのぞかせて確認する。


彡゚゚゚品゚゚゚ミ「必ずヤツを捕らえるのだ!」
( ∵)( ∵)「「アッー!」」

( ゚ω゚)「!」
だがそこに見えたものは、あまりに予想外であった。

黒い全身タイツに身を包んだ男達が数人。そして1人だけ様子の違う者。
服装が違うのではなく、根本的に違う。全身は毛に覆われ、顔は蜘蛛そのものを模した仮面をかぶっていて、
まるで人の顔の代わりに蜘蛛が乗っているように見える。
普段なら何の冗談かと笑ってしまうような姿。
だが、頭でなく、恐怖で体が理解する。アレは仮面などではない。あれはそんなモノではない。
黒タイツへの指示にあわせて蜘蛛の口がキバが動く、蜘蛛の足が蠢く。
あの姿はまるで……



25 :第1話:2009/09/06(日) 22:57:51.41 ID:nVwTzrxb0
(;=゚ω゚)ノ「怪人……」

いつの間にか横に立っていたいようが、普段ではあまり使われることのない言葉を発する。
しかしあの禍々しい生き物の姿を表すのに最も適した言葉であった。
そう、あれはかつてライダーと戦ったと言われている怪人の姿ではないか。

(;^ω^)「ななななななんなんだお!」
(;=゚ω゚)ノ「ななななななんであんなのがいるんだよう!!」
(;^ω^)「どどどどどうするお!」
(;=゚ω゚)ノ「ししししししらないよぅ」
(;^ω^)「ととととにかく隠れるお」

常人の理解を遥かに超えた光景に、2人はただ慌てることしか出来ない。
とにかくこのまま隠れてやり過ごそうとするが、ブーンが昨日の夜から置きっ放しにしてあったコーラの缶を蹴ってしまった。
カランカランと小気味良い音がプレハブ小屋の中に響く。

(;=゚ω゚)ノ「な、なにやってるんだょぅ!」
(;^ω^)「しししし仕方ないお!!」

音が聞こえていないことを期待するも、小屋を調べようと近づいてきていた怪人達にも聞こえてしまったようだ。
しかし何かを探していた怪人達が小屋を調べないとは考え難いのだから、状況が悪化した訳でもないだろう。
ただ、落ち着いて考える余裕が無くなっただけである。

彡゚゚゚品゚゚゚ミ「そこか……」

蜘蛛男の顔が、笑ったように歪み、ゆっくりとブーン達が隠れる小屋へと近づいてくる。



26 :第1話:2009/09/06(日) 22:59:51.10 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「これは……」
(;=゚ω゚)ノ「逃げるしかないょぅ!!」

咄嗟に2人は小屋からから飛び出し、森に向けて走り出す。

しかしこの咄嗟の判断は悪くなかったと言えるだろう。
小屋の中にいれば逃げ場は無く、たやすく捕まっていただろうから。

蜘蛛男は、予想していなかった2人の少年の姿に、判断がつかず立ち止まっている。
が、すぐに黒タイツ達に命令する。

彡゚゚゚品゚゚゚ミ「ちっガキか……見られたからには仕方ない。捕らえろ。お前とお前。残りはこのままヤツの捜索を続ける。

( ∵)( ∵)「「アッー!」」



28 :訂正「」が無かったorz:2009/09/06(日) 23:04:38.38 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「ハア……ハア……」

(;^ω^)「な、なんなんだおアレ?」

(;=゚ω゚)ノ「怪物……いや、怪人みたいだったょぅ?」

( ∵)( ∵)「「アッー!!」」

2人は謎の怪人達から逃げることだけを考え、森の中を走っている。
その背後に迫るのは黒タイツの男達。
捕まればどうなるのか。ただ恐ろしいことが待ち受けていることだけは分かった。

(;=゚ω゚)ノ「とにかく走るょぅ!」

(;^ω^)「なんで……なんであんな……」

そして

突然、地面がなくなり、ブーンは崖下へと勢いよく転げ落ちていった。

(;゚ω゚)「うわぁあああぁあ!!」

(;=゚ω゚)ノ「ブーン!!」








29 :第1話:2009/09/06(日) 23:06:10.61 ID:nVwTzrxb0
(;^ω^)「あたたたた……びっくりしたお」

崖の下の背の低い木に絡まりながら奇妙な体勢で、ブーンが呻く。
どうやら木がクッションとなったお陰で、怪我はないようだ。

ふと上を見上げると、大体4~5メートルは落ちたようだ。
これだけの高さから落ちて無傷なのはまさに奇跡である。

崖の上にぃょぅの姿は見えない。なにしろ変な男達に追われている身である。
どこかで合流することを期待して、崖にそって歩き始める。

5分程歩いたであろうか、ブーンは人の気配を感じて立ち止まる。

ぃょぅであろうか、それともあの黒タイツの男達か。
木の陰から顔を覗かせ、様子を伺う。

果たしてそこにいたのは、ぃょぅでも、黒タイツでもなく、木を背にして座り込む一人の男性であった。

???「ん……?少年、どこから入った?ここは立ち入り禁止のはずであるが」

隠れているブーンに気付いた男性が話しかけてくる。

(;^ω^)「あ、あの、僕はその……って、あなたは!?」

意を決して男の前に出て行ったブーンが、男の顔を見て声をあげた。



31 :第1話:2009/09/06(日) 23:08:01.95 ID:nVwTzrxb0
( ФωФ)「むっ?少年、我輩を知っておるのか?」

( ^ω^)「もちろんだお!!ロマネスクさんは僕の憧れですお!!
      今日だって、ロマネスクさんの戦いを見に……」

そこにいたのは、ブーンの憧れの存在、ロマネスクであった。
突然の出会いに興奮するブーン。
と、ブーンはロマネスクの手足に包帯が巻かれ、血が滲んでいることに気付く。

( ^ω^)「ロマネスクさん、その怪我は……もしかして、あの怪人達にやられたのかお!?」

( ФωФ)「怪人……?そうか少年、アレを見たのであるか」

( ^ω^)「はいですお。アレは一体……」

( ФωФ)「我輩にも分からん。突然現れてな。不意を付かれてこのざまである」

( ^ω^)「……!そうですお!試合は?ってその怪我じゃ……」


( ФωФ)「うむ……残念ではあるが棄権せねばなるまい。流石にこの怪我ではしばらくは動けぬ」

(;^ω^)「棄権……ですかお」



32 :第1話:2009/09/06(日) 23:10:10.17 ID:nVwTzrxb0
( ФωФ)「仕方ないのである。それはそうと少年、1つ頼みがある。我輩の棄権を伝えてきてはもらえぬか。
       この先の採掘場に行けば関係者に会えるはずである。」

(;^ω^)「お……でも……ロマネスクさんを置いては……」

( ФωФ)「なに心配するな。しばらくすれば動けるようにはなるであろう。今はチームへの報告をせねばならぬ。」

( ^ω^)「わ、分かりましたお!」

( ФωФ)「そうか。ならばこれを持っていくが良い。」

ロマネスクがブーンに白い箱のようなものを渡す。

( ^ω^)「これはDS?……じゃない、ひょっとして変身アイテムですかお?」

( ФωФ)「うむ。V・I・P DSである。変身ベルトのバックルであると同時に
       情報端末にもなり、武器にもなるお値打ち物である。
       カートリッジが無ければ変身は出来ないが、銃にもなるので身を守る役に立つであろう。
       それに我輩の使いである証明にもなるであろう」



33 :第1話:2009/09/06(日) 23:11:35.46 ID:nVwTzrxb0
( ^ω^)「これが……仮面ライダーの……。
      で、でも、これをもっていったらロマネスクさんが変身できなくなって困るんじゃないかお?
      それに僕なんかが持ってていいものじゃないはずだお」

( ФωФ)「それなら問題ない。そっちは予備であるから、気にせず行って欲しい。
       この先を真っ直ぐ行けば、採掘場のはずである。頼む、少年。この通りである」

ロマネスクがブーンに頭を下げる。

( ^ω^)「や、やめて下さいお。分かりましたお!僕に任せて下さいお!!」








34 :第1話:2009/09/06(日) 23:13:49.70 ID:nVwTzrxb0
⊂二( ^ω^)⊃ 「ブーン!!」

ブーンは両手を広げて、独特な彼本来の走り方で、採掘現場を目指した。
昔からテンションが上がった時だけ、自然とこの走り方になってしまう。
普通に考えて早いはずがないのだが、なぜか早い。
一度、運動会でこの走り方が出来た時に陸上部員に勝ってしまったこともある。
それからしばらく勧誘が続いたが、普段は早く走れないので「何かの間違いだったのだろう」と言うことで落ち着いた。

広げた両手に枝や葉が当たるが、気にならない。早く、もっと速く。ただまっすぐに走った。
ブーンはただ嬉しかった。あの憧れのロマネスクに頼まれたのだ。嬉しくないはずがない。

謎の怪人達に追われていることも、ぃょぅとはぐれてしまっていることすらも忘れていた。

???「待つんです!」

突然の声に呼び止められ、もう少し慎重に隠れていくべきであったと気付くが時既に遅し。
猛スピードで走るブーンの目の前に影が飛び出してくる。
果たしてそこに現れたのは怪人ではなく、そしてもちろんぃょぅでもなく、見知らぬ黒人だった。

ソンブレロをかぶっているから、南米の辺の人だろうか。そう言えば今回の対戦国はメキシコだった。
普通、外人となると大人びて見えるものだが、少し幼げにも見えるその人物に自然とブーンの緊張が緩む。
だが男が続けて言い放った言葉で、再びブーンに緊張が走る。



35 :第1話:2009/09/06(日) 23:16:04.61 ID:nVwTzrxb0
( ><)「やっぱりこっちだったんです!僕の占いは当たるんです!!」

(;^ω^)「お?」

( ><)「不戦勝なんてつまらないんです!さぁ早く変身するんです!ロマネスク!!」

自分をロマネスクと呼ばれて、ようやくこの少年(?)が、勘違いしていることに気付く。
そして今自分がいる場所はライダーバトルの試合場。
手に持っているのはDSのようではあるが、見るものが見ればライダーの変身アイテムである。
ブーンとロマネスクを間違えても無理はない。

そして、少年(?)の言葉から、彼もまた仮面ライダーだと気付く。

ロマネスクさんを探していた。そのことが先程の怪人たちとダブる。



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 23:17:32.73 ID:xUTqNNmG0
フヒヒヒヒwwwwwwwwwwww
すいませんwwwwwwwwwwwww



37 :第1話:2009/09/06(日) 23:19:10.15 ID:nVwTzrxb0
(  ω )「お前が・・・・・・お?」

( ><)「・・・?」

(#゚ω゚)「お前がやったのかって聞いてるんだお!!」

(;><)「いきなりなんなんです?何言ってるのかわかんないんです!」

試合前に負傷したロマネスク。
そしてここにいる対戦相手。
それは、つまり……

一瞬の間に考え出た結論に、ブーンの頭が一瞬で沸騰する。



38 :第1話:2009/09/06(日) 23:21:30.21 ID:nVwTzrxb0
(#゚ω゚)「あんな卑怯な手で勝とうだなんて!
委員会が許しても、この僕が許さないお!

ブーンが、右手に持ったDSを相手に見せ付ける様に前に出す。
それと同時に、ブーンの左手にベルトが現れる。
そして、その左手を一振りするだけでベルトが勝手にブーンの体に巻きついていく。

ブーンはそれを当然のように受け止め、DSをベルト前面のホルダーにセット、
同時に左手でベルト左側にセットされていた赤いカートリッジをDSに差し込む。
おろした右手を振り上げる様に、DSを開き、再度下ろしながらタッチパネルに横一文字を描く。
そして、ブーンはあの言葉を叫ぶ。

(#゚ω゚)「変身!!」

DSから目もくらむ程の光が放たれ、ブーンの体を包んでいく。



39 :第1話:2009/09/06(日) 23:23:53.39 ID:nVwTzrxb0
光が収まった後、そこに立っていたのは、
仮面ライダーに憧れた普通の高校生、ブーンではなく、
夜明けの空を照らす太陽の如き、金色に輝く戦士。

ブーンが幾度となく夢にまで見た
仮面ライダーライズの姿であった

( φ岳φ)つ
  つ





第1話 了





40 :第1話:2009/09/06(日) 23:26:13.08 ID:nVwTzrxb0
以上で今回は終了です。

皆様、支援ありがとうございました。


何か質問あればどうぞ。


>>2
温かいお言葉、ありがとうございます!
でも>>36は一体?


>>12
平成ですwww



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 23:32:09.30 ID:Juody8M7O
乙です
次回投下の予定はいつでせうか?



42 :第1話:2009/09/06(日) 23:36:47.24 ID:nVwTzrxb0
>>41
ありがとうございます。
次回は来週になると思います。

その後は1~2週間間隔になると思います。



43 :第1話:2009/09/06(日) 23:43:36.41 ID:nVwTzrxb0
ごめんなさい次回予告忘れてましたorz



44 :第1話:2009/09/06(日) 23:44:40.05 ID:nVwTzrxb0
( ^ω^)仮面武闘伝のようです


ρ(><)ρ「勝負なんです!」

(#゚ω゚)「負ける訳には行かないんだお!!」

ξ#゚⊿゚)ξ「アンタなんでライダーになってんのよ?」

( ´∀`)「君に……君にロマネスクの代わりをやってもらいたいモナ。」


( φ岳φ)「俺のこの足、光って唸る!」
(#゚ω゚)


・・・ NEXT RIDER (>><<)



45 :第1話:2009/09/06(日) 23:45:27.45 ID:nVwTzrxb0
以上で本当に1話終了です。

ありがとうございました。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 23:54:05.72 ID:MpOsu7tI0
追いついたw
乙。期待してるぞ



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/06(日) 23:55:28.62 ID:fY5PdrfR0
ちょっと前に仮面ライダー書きたいって言ってたやつだな





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