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◆ξ゚⊿゚)ξ殺人鬼は微笑むようです 三 其の三

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71 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:29:11.08 ID:FfmGANbz0


三 其の三





72 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:31:20.08 ID:FfmGANbz0
男はゆっくりとコーヒーカップを傾けて、一気に飲み干す。
そしてそれを私達との間を隔てているガラス張りの机に置くと、足を組んだ。

( ^ω^)「随分とまあ、先までとは大違いだおね」

( ´_ゝ`)「これが地って奴だよ。さっきのは仕事向きさ」

うわ、なんかこいつとそっくりな奴を私は知っている気がする。
この偉そうな態度とか、喋り方とか。

ク━━川 ゚ -゚)ノ━━ル

ξ;゚⊿゚)ξ(うわあ)

頭の中にあの性悪女の顔が浮かび上がる。
もしかして、鬼違いには直みたいな奴が多いんだろうか。

ク━━川 ゚ -゚)9m後で覚悟しとけよ━━ル

ξ;゚⊿゚)ξΣ(私の頭の中で喋りおった!?)

( ´_ゝ`)「百面相みたいで面白いなこの子」

( ^ω^)「馬鹿なんだお」



74 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:33:37.98 ID:FfmGANbz0
さて、と内藤が身を乗り出す。
ようやく本題に迫るようだ。ゴクリ。

( ^ω^)「ここ最近起きていた吸血鬼事件……」

ずばり、と内藤が指を男に向けて問う。

( ^ω^)9m「君が犯人だお?」

( ´_ゝ`)「うん」

うわー!あっさり認めたー!
今までで一番!まだ三話目にして一番!
すっごい即答したー!
内藤も少し拍子抜けしてる、私も変な顔している。

(;´_ゝ`)「? どうしたんだ二人とも」

(;^ω^)「え、あ、うん、あの」

ξ;゚⊿゚)ξ「犯人なんだーって思って」

いや、予想はしていたけれども?
だからと言ってこうもあっさりと認められると、少しばかり戸惑うのが人間です。



75 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:35:46.96 ID:FfmGANbz0
内藤がまたもや胸ポケットから例のレコーダーと思わしきものを引き抜く。
一瞬、男は怪訝な表情をするが、内藤は話を切り出した。

( ^ω^)「さて、申し訳ないのだけれども」

僕は今から君を殺す。
内藤の奴は単刀直入に言う。

( ´_ゝ`)「マジ?」

( ^ω^)「マジマジ。で、まあ殺す前に、一応君の目的と犯行の動機を記録しないといけないんだお」

何ともないように会話をしているこの二人ですが、いいですか。
相手は鬼違いですから、当然黙って殺されるなんてこと、あり得ないわけですよ。
となると、やはり殺し合うのですが。
何故こうも冷静にしていられるんだろうか。
内藤は元より、この男もなかなか肝の座った奴だ。
まあ、三十三人なんて大量の人間を殺しているわけだから、当然かもしれないが。

……あれ?

ξ;゚⊿゚)ξ(そういえば……)

事件発生から一週間丁度が経った今日まで、殺害された人数は合計三十三名。
犯行は初日と、その次の日、そして初日から四日経った日の三回に分けられる。



76 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:37:55.86 ID:FfmGANbz0
そして、それ以降、私の耳には追加された被害者の数は入ってこなかった。

( ´_ゝ`)「ある程度必要量の血は手に入った。だから殺す必要もなかったんだ」

と、私が眉間に皺を寄せて考えていると、男は察したようにそう言う。

( ´_ゝ`)「まあ、それなりに苦労はしたよ。何せ三十三人もの人間を殺すんだ。
      体力的にも精神的にも辛い作業だったよ」

その言葉を聞いて、私は男を意外に思った。
というか、鬼違いなのか、こいつは?
今、確かに精神的にも辛いと言ったぞ。

( ´_ゝ`)「いやあ、断末魔がさ、結構くるんだよね、うん。
      殺す事に抵抗は無かったけど、あれには少し恐怖したよ」

……ああ、私が馬鹿だった。
こいつは正真正銘の鬼違いだ。

( ´_ゝ`)「さて、どこから話そうか……」

男が椅子に凭れて瞑想をする。



79 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:40:07.31 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「……そう、俺は美青年だ」

男は静かに語り始める。

( ´_ゝ`)「俺は肌が生まれつき白くてな、自分で言うのも何だが、ほら、真白だろ?」

と、私に問いかける。
ええ、そうですね綺麗ですね。
憎たらしい奴だ糞め。

( ´_ゝ`)「小さい頃から女にはモテたし、童貞なんて小学生の時に捨てるくらい、俺はモテた。
      何故ならイケメンで色白で美しくて完璧だったからだ」

うわあ……。
なんていうかもう、うわあ……。
色々とこいつ、ひっどいなあ……。
いるんだなあ、こういうナルシストって。

( ´_ゝ`)「勉強だってよくできた。運動なんてやったらそれこそ女子共は黄色い声を上げたね」

いくら顔が整っていようが、これは……アウトです。



80 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:42:22.91 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「けど」

そこから先は私が要約して話そう。
きっと童貞処女の諸君にはこの男の語りは癪に触るだけだろうから。

思春期を迎えると、男は徐々に肌が荒れてきた。
まあ、よくあることだ。
そのくらいから男子も女子も、ニキビや雀斑なんかが目立ち始めるころだ。

( ´_ゝ`)「俺にはそれが我慢ならなかったよ」

だから男は色々と試した。
僅か十と幾歳にして、既に男は美容の虜になっていたのだ。
このイケメン、恐ろしい。

ともかく、男は色々と試す。
やれ通販で取り寄せたパックだ、やれ高級な洗顔剤だと。
確かにそれらの効果はあった。
彼曰く、誰よりも美しく輝いていたそうだ。

( ´_ゝ`)「だがダメだ」

何かが足りないと男は思う。
ハリ?違う。艶?違う。
皺なんてもってのほか、角質なんて毎日取り除く。
なら何だ?一体何が足りないんだ?



82 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:44:37.34 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「俺は自分の抱いたものにすら疑問を抱いていたんだ」

男は自分の求めているものも理解しないまま、とにかく調べる。
だが当然目的が朧ならば探しようもなく、結局は収穫がない日々が続く。

( ´_ゝ`)「とある日、俺は見つけたんだ」

何の気なしに見かけたその話。
それは実際にあったことだという。
話のなかに出てきた女は、男と同じ目的を持っていた。

それは美の追求。
美しくありたいと言う想い。

( ´_ゝ`)「俺は感動したね。彼女が今尚生きていたなら、俺は猛烈なアプローチをしていただろうな」

そして男は彼女が美しくあった理由を知る。
それこそ、若い女の血だった。

( ´_ゝ`)「そう、俺に足りないものは何なのか?それはな、血色だったんだよ」

あまりにも白い顔は、その実不気味でしかなかった。
男は思う。まるで能面だ。のっぺらぼうだ。



84 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:46:45.65 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「だから俺は血を集めた。そしてより完璧に近い美を求めたんだ」

そこで話は途切れて、内藤はレコーダーのストップを押す。

( ^ω^)「いやはや。まったくもって鬼違いだおあんた」

まさしくエリザベート・バートリーの再来だ。
考えは共通している……むしろ本人じゃないのか?

私も女だから、その美の探究は分からなくもない。
だが、それは人を殺してまで……若い女の子を殺してまで手に入れたいものなのか。

( ´_ゝ`)「価値がある。それだけで殺す理由にはなる」

ξ;゚⊿゚)ξ「狂ってる……」

思っていたことが素直に口から出た。
確かに今まで出会った鬼違いも全員狂っていたが、こいつはその中でも筋金入りだ。
なんと言うのだろう。恐怖だとか、そういうものではなく、おぞましいのだ。
こいつは、今まで出会ったことの無い、純粋な狂気の塊なんだ。

( ^ω^)「何故、その価値のある血を売りさばいたりしたんだお」

内藤が、手にする袋から、鮪引きなるものを露わにする。



87 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:48:57.58 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「何、一人占めなんてよくないだろう?」

それに、と男は続ける。

( ´_ゝ`)「人を殺すには金が要る。あんたもよく分かるんじゃないか?」

男は内藤にそう言う。
内藤は、確かに、と頷いた。

( ^ω^)「武器の入手、逃亡用の費用の確保、それに化粧水を作るってことはそれ関連の機材も必要になるお」

内藤が、静かに鞘から刀身を引き抜いた。

ちょ、おい。
殺る気満々っすか!つーか私を巻き込むつもりか!おい!

( ´_ゝ`)「その通り。だが極めつけはな――」

男が、視線を内藤の後ろへと向けた。
その瞬間、内藤は手に握る鮪引きを勢いよく横薙ぎに後方へと振るう。
ガキン、と鉄同士のぶつかる鋭い音が響いた。
内藤がソファに片足をかけて踏ん張る体制を作る。
何者かからの攻撃を防いだのだ。



88 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:51:05.94 ID:FfmGANbz0
ξ;゚⊿゚)ξ「!?」

そして私は目にする。
咄嗟に内藤に続いて後へと振り向く。
すると、そこには――

(´<_`;)「げ、受け止められた」

――男がいた。

慌ててもう一度振り返る。
椅子には男が座っていて、私と踏ん張る内藤をにこやかに見つめている。

( ´_ゝ`)「驚いたか?」

( ^ω^)「少し。後ろから誰かが近付いてたのは分かってたけれども――」

内藤が刀を振りぬく。
すると、対峙していた男に似た男が、後方に飛びのいた。

(´<_` )「まあ、吸血鬼は」

( ´_ゝ`)「二人いたって訳だ」



90 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 21:53:15.54 ID:FfmGANbz0
似た顔の似た男が二人、私と内藤を挟んでそう言う。
なるほど、これが衝撃の事実か。
確かに、僅か四日足らずで一人の人間が三十三人もの人間を殺せるかとなると疑問を抱くだろう。
決してできないと言う訳ではないだろうが、共犯者がいると言う可能性も出てくる。

(´<_` )「兄者よ、この状況、どうする」

後に入ってきた男が、ナイフを逆手に構えて男に問う。

( ´_ゝ`)「弟者よ、男は殺せ。女は材料にするために生かすんだ」

男――兄者と呼ばれていたので兄者と呼ぼう――がもう一人の男――弟者――にそう言う。
兄者は懐から弟者の持つナイフと同じサイズの、平均的なナイフを構えた。
糞、殺りあう気満々じゃねーか!

ξ;゚⊿゚)ξ「ち、ちくしょっ」

私も負けじと腰から匕首を引き抜く。
内藤は弟者に向き、私は兄者へと向く。
これって、もしかして……まさかの初バトル?

( ^ω^)「津出さん」

内藤が鮪引きを構えて私の名を呼ぶ。

ξ;゚⊿゚)ξ「な、何よ」

私も不格好に匕首を構える。



98 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:07:07.49 ID:FfmGANbz0
( ^ω^)「――伏せろおッッ!!」

私は、内藤の腕が私の頭上を通過するよりも少しばかり早くしゃがみこんだ。
ソファから転げ落ちる。
と、内藤の足が物凄い音を立ててソファを蹴った。
転げ落ちながらも、私は視線を内藤へと向ける。

内藤は、兄者へとその切っ先を振るっていた。
しかし防がれ、一歩後退。テーブルへと飛び乗った。
その後退すらも信じられない速度で移動し、一歩の跳躍でソファを跳び越える。
威力を示すように、ガラス張りのテーブルが砕ける。

ξ;゚⊿゚)ξ「内藤っ!!」

地を這いつくばりながらも、私はソファの向こう側を覗き込んだ。
糞、こんな時に腰抜かすなんて……。

ソファを陰に、覗きこむ。

( ^ω^)「おおおおおお!!」

(´<_`;)「お、お、うわっ、どおわ!」

内藤は狭い部屋を活かし、突きを弟者に向けて連続して見舞う。
しかし相手も流石は三十三人を殺した鬼違いと言おうか、
その突きをナイフでいなしては避け、いなしては避けを繰り返していた。



99 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:10:01.58 ID:FfmGANbz0
( ´_ゝ`)「させん!!」

そこに、内藤の背中へ向けて兄者が駆けだした。
私は端から眼中にないのだろうか。
いや、殺すなって言ってたからそういうわけではないんだろうな。
私に戦う意思がないからほっといたんだろう。

だが、果たして内藤に勝てる見込みがこの二人にあるだろか?
確かに経験値はある。レベルも高い。
内藤の攻撃を防いでいられるだけ評価できる。
それでも――

( ^ω^)「っ――」

内藤が、勢いよくまたも鮪引きを振るい、弟者を吹き飛ばした。

( <_ ;)「うおっ――」

一瞬、バランスを崩す。
内藤はそのタイミングを逃さない。

( ^ω^)「――おぉ!」

ズン、と、綺麗に心臓を切っ先が貫く。
弟者の口から呻き声が上がる。

しかしまだ終わらなかった。



103 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:13:13.31 ID:FfmGANbz0
内藤が、一瞬で手の中で鮪引きを回転させて逆手に取ると、勢いよく後ろに突き出したのだ。

( ゚_ゝ゚)「がっ!?」

一体、この内藤という奴は、何がどうなっているんだろうか?
もしや、後ろに目でもついているんじゃないだろうか?
そう問いたくなるほど、内藤の攻撃は的確で、恐ろしかった。
刀身は、兄者の肝臓を貫いていた。
兄者の背中から突き出た切っ先が、それを教えてくれている。

兄者は、突き出した右手を、静かに脱力させていく。
その右手に握っていたナイフが、床に落ちて高い音を響かせた。

( ^ω^)「どうかお、自分の血は」

内藤が、その状態のまま問う。

(; _ゝ゚)「ひゅっ、ひゅっ……そ、そう、だなあ」

矢継ぎ早な呼吸が何とも痛々しい。
ああ、もう、これは死ぬのだ。

(  _ゝ )「やはり……ひゅーっ……うつく……しい……」

そして、吸血鬼は息絶えた。



105 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:15:22.43 ID:FfmGANbz0
死体はそのままに、私と内藤は部屋の中を調べ始める。
招き通された部屋――殺人現場と化した部屋には、何も無かったようだ。
たぶん、来客用の部屋だろう。

適当に扉という扉を開く。
そう広くは無い間取りだ。直にそこは見つかった。

ξ;゚n゚)ξ「!」

扉を開けて、私は鼻腔から侵入してきた匂いに驚き、咄嗟に手で口と鼻を覆った。
血だ。噎せ返るほどの血の臭いが、その部屋には漂っていた。
少なからず予想はしていた。その扉を見つけたとき、既に臭いは外まで漏れていたからだ。
扉はダンボールやら廃棄物やらで塞がれていた。
これでカモフラージュのつもりなんだろうが、あまりにも怪し過ぎるだろう……。
おまけに、臭いでばれるってもんだ。

( ^ω^)「こりゃ凄いお」

内藤は感心したような声を上げる。
ほおー、と興味深そうに部屋へと乗り込んでいった。
私もそれに続く。

部屋には訳の分からないものが多かった。
名前が分かるのはビーカーやアルコールランプくらいで、他は専門的すぎて知らないものばかりだった。



107 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:18:01.44 ID:FfmGANbz0
( ^ω^)「ここで作業を行ってたみたいだおね」

言われずとも分かる。
未だに棚や机の上に並ぶガラス質の容器のなかに、大量の血液が保管されているのだから。

ξ;゚n゚)ξ「あんた、平気なの?」

口と鼻を塞いではいるが、それでも防ぎきれないほどの酷い悪臭。
内藤は普段通りの表情で手で覆うこともせずこう言う。

( ^ω^)「まあ、慣れてるから」

……そりゃそうか。
鬼違いといえども、そりゃ血は通ってる。
奴は殺す度にこの臭いを経験しているんだ。慣れもするか。

( ^ω^)「しっかし、早いうちに見つけられてよかったお」

と、内藤が血液の入ったフラスコを手に取って言う。

ξ;゚n゚)ξ「え?」

( ^ω^)「犯人だお。犯人」



108 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:21:00.75 ID:FfmGANbz0
ああ、それは頷ける。
奴ら、殺すのには金が要るといっていた。
既に必要量の血液を所持しているのにも関わらずだ。

つまり、奴等は何れ、また殺す予定があったと言う事だ。
今ある血をすべて使い切り、金が溜まり次第、また化粧水やら何やらを作ろうとしていたんだろう。

( ^ω^)「津出さんは、どうなんだお?」

ξ;゚n゚)ξ「何が?」

これ、と言って内藤がダンボールに入った化粧水を指して言う。

( ^ω^)「これ、欲しいかお?」

……いるわけないだろうが。
  _,
ξ;゚n゚)ξ「誰が好き好んでこんなの使うか!」

( ^ω^)「でも、やっぱ女の人だし」

ξ#゚n゚)ξ「こんなの使ってまで綺麗になりたか無いわよ!」

同じ人間の血だぞ!そんなの身につけられるわけがないだろう!



112 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:24:00.76 ID:FfmGANbz0
( ^ω^)「けれどもね、津出さん。ほら、エリザベート・バートリー」

またそれか。
それがどうしたんだ。

( ^ω^)「事実、彼女は終身禁固刑になるまで、つまり血を浴び続けていた間」

彼女は確かに美しかった。
そう内藤は言った。

( ^ω^)「血に美容効果があるかは知らないお。けれども実際、あの兄弟も美顔だったお?」

そう言われて私は頷く。
確かに、あの兄弟は二人とも誰もが羨む程の美顔だった。

( ^ω^)「だから、ほら、効用はあるんじゃないかお」

ξ;゚n゚)ξ「……だからって、使わないわよ、私は」

そこまでして手に入れるほど、価値があるものなのか。
確かに美しくありたいさ、女ですもの。
何時でも綺麗でいたいさ、乙女ですもの。
だからと言ってですね、そんな畜生の道に堕ちてまで手に入れたくはないぞ。



114 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:27:02.70 ID:FfmGANbz0
( ^ω^)「ですおねー」

……こいつ、分かってて聞いてきたのか。

ξ#゚n゚)ξ(UZEEEEEEEE!!!!)

けど、と内藤が呟く。

( ^ω^)「僕も最近肌荒れが目立つようになってきたし……折角だから貰ってくかお」

おい、おいちょっと待てお前。
何してるんだお前は。

( ^ω^)「え?ああ、そうか、これじゃ窃盗になるかお?」

えーと、財布財布、と内藤がズボンのポケットに手を伸ばす。

ξ;゚n゚)ξ「いやいやいやいや!おま、頭おかしいんじゃねーの!?
       マジでそれ使うの!?」

( ^ω^)「え?ダメかお?」

万札を放り投げてから、内藤は不思議な顔をして私を見つめる。

( ^ω^)「だって化粧水だお。使わずしてどうするんだお」



115 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:30:00.76 ID:FfmGANbz0
いや、確かにそうだ。
だがこれの原料が何か、お前も知っているだろう?
現在進行形で見ているじゃないか?

( ^ω^)「ああ、そういうことかお」

ぽん、と内藤が手を打つ。

ξ;゚n゚)ξ「あんたが異常なのは知ってるけど、これを使うのはいくらなんでも……」

すると、内藤の手が私の肩に置かれる。
な、何だよ。

( ^ω^)「変わらんお。返り血を纏うのも、化粧水を塗るのも」

一瞬、私はそれを見た。
ほんとうに切なく、悲しく、そして泣きそうな、内藤の表情を。

( ^ω^)「……さあ、津出さん。そろそろ死体の処理を始めるから手伝ってくれお」

内藤が何ともない調子でそう言う。



116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:30:38.53 ID:9qMnXpbl0
ブーンも大概だな



117 :◆io1Iv96tBU:2009/09/12(土) 22:32:09.19 ID:FfmGANbz0
ξ゚ -゚)ξ「……分かったわよ」

私はたぶん、一生忘れない。

あの殺人鬼の見せた、一度だけの表情を。
内藤という人間の、悲しい一面を。



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:36:27.32 ID:OcxsvH420
血の美容効果ってどうなんだろう。
言わずもがな皮膚を含む細胞には殆ど負担のない等張液だし、生命活動に必要なイオン類は含まれているし、
蛋白質、コラーゲンも豊富に含まれているし、ヘム鉄は酸素を沢山持ってるし、動脈血ならばかなりの美容効果はあるのかもしれない。
男性の血液よりも女性のそれほうが油脂類の量が豊富だろうし、若いなら尚更だもんね。問題は血液経由の感染症とかだろうけれどm……


ん?



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:40:46.62 ID:IGf+YjXXO
>>120
お前……まさか……



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:45:49.31 ID:9qMnXpbl0
>>120
はいはい自首自首



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/12(土) 22:47:39.08 ID:z+8JkyyZO
>>120
お巡りさん。この人です



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