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◆( ^ω^)は船に乗るようです 第一話

インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 01:55:23.66 ID:PmLgVJBa0
『次のニュースです、連続解体殺人犯ジョルジュが刑務所から脱走したという――』

夏の日差しがぎらぎらとさす、八月一週目。
冷やし中華が今日のお昼ご飯。
テレビから流れるニュースの声をBGMに、二人は言い争っていた。

( ^ω^)「大体ツンの計画性のなさは……」

ξ゚⊿゚)ξ「何よ! これぐらい必要でしょ!」

麺を啜りながらいう男の名前はブーン、高校一年生。

( ^ω^)「二泊三日のクルーズになんで着替え二十着必要なんだお!」

ξ゚⊿゚)ξ「必要になるかもしれないじゃない!」

麦茶をあおりながら無茶苦茶言う女の名前はツン、同じく高校一年生。

( ^ω^)「着衣水泳の予定は無いお!?」

ξ゚⊿゚)ξ「それでも船旅なんだから、準備をするに越したことは無いわよ!」

( ^ω^)「荷物持つの僕になるから言ってるんだお!」



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 01:56:18.00 ID:PmLgVJBa0
二人は家が隣同士の幼馴染で、お互い両親は仕事で忙しい。
長い休みなどは良く相互で食事を作ったり助け合ったりしているのだった。

( ^ω^)「明日の朝出発なのに大丈夫かお……」

ξ゚⊿゚)ξ「なによー、私は絶対減らさないからね」

そして二人が言い争っているのは。

『次は、ごらんください、豪華巨大アミューズメント船、VIP号がここ、ニューソク市に到着しました、中継のブームさーん?』

|  ^o^ |『はい こちらちゅうけいの ブームくん です』

『そちらは今どういった状況でしょうかー』

|  ^o^ |『とても おおきい ふね です』

『そうですねー、この巨大な船が一つの巨大なレジャー施設になっているというから驚きです』

|  ^o^ |『マスコミに 公開されたのも つい最近のことで ご覧下さい 多くの報道陣が つめかけています』

『来年からの一般公開に先駆けて、明日の朝より招待された方々が一足先に施設を体験できるそうです、いや、羨ましいですね!』



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 01:57:27.56 ID:PmLgVJBa0
豪華巨大アミューズメント船、VIP号。
大企業が一大プロジェクトとして作り上げたそれは、この国をぐるりと一年かけて一周し、『どんな所に住んでいる誰でも遊びにこれる遊園地』がコンセプト。
海に面してない場所はどうするの? という突っ込みは差し置いて、船の上に遊園地を作る、という暴挙に嫌でもマスコミの目は集まる。
何せでかい旅客船を四隻つなげて一隻の船にするというとんでもない構造をしている。
どうやって安全性を確保したのか、どういう技術で繋がっているのか、気になる点は色々あるが、国から正式に認可が下りたのでこうしてお披露目となった。
将来は世界中を回る予定らしいが、まずは自国から、ということで、宣伝の為に著名人に先行で、二泊三日のクルーズを楽しみながらアトラクションを体験できるチケットが配られた。

そして二人は、幸運にもそのVIP号の初回体験ツアーに乗る事が許された、チケット組である。

『当日は人気アニメ魔法少女マジカル☆シーちゃんの声優、しぃちゃんや昨年公開された映画、二百二十二世紀老人の主演モナーさんなども招待される模様です』

( ^ω^)「おー」

ξ゚⊿゚)ξ「おー」

自分達に関係しているニュースだからか、ぴたりと動きを止めてTVに視線を向けていた二人。

( ^ω^)「やっぱでかいおー」

ξ゚⊿゚)ξ「迷子になんないでよ?」

( ^ω^)「任せとけお!」

『次のニュースは怪盗アラマキが盗んだとされる『吸血鬼の柩』が――』

ニュースはまだ続いていたが、二人は聞いていなかった。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 01:58:12.08 ID:PmLgVJBa0





( ^ω^)は船に乗るようです





5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:00:35.64 ID:kUHoawkHO
いい感じだ
読んでるよ



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:01:52.52 ID:PmLgVJBa0
でかい。
とにかくでかい。

目の前で船を見たブーンとツンの感想は、それだった。

( ^ω^)「すっげ、なんだこれ」

ξ゚⊿゚)ξ「よく停泊できたわね、あんなの……」

船から馬鹿でかくて、長い橋が港にかかっている。
朝十時、乗船する為の長い列の真ん中あたりで、待機中。
旅行鞄を抱えた二人分抱えたブーンは(着替え八着で決着が付いた)きょろきょろと辺りを見回し

( ^ω^)「マスコミ多いお」

幾台ものカメラとキャスターが、船に乗り込む人を映し、インタビューを行っている。
列はどんどん消化され、三十分程度でブーン達の乗り込む番はやってきた。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:02:58.00 ID:PmLgVJBa0
|  ^o^ |「いまの きぶんを ひとことで どうぞ」

川 ゚ -゚)「ああ……楽しんでこようと思う」
ノパ⊿゚)「はやくいこうぜー!」

髪の長い少女と、その妹らしき女の子が颯爽と船の中へと入っていく。

|  ^o^ |「いまの きぶんを ひとことで どうぞ」

(´・ω・`)「楽しませてもらおうと思うよ」
(`・ω・´)「ああ、楽しもう」

双子だろうか、顔の良く似た青年達が並んで入っていく。

|  ^o^ |「いまの きぶんを ひとことで どうぞ」

( ^ω^)「いえーい! カーチャンみてrうげはぁ!」
ξ#゚⊿゚)ξ「全国ネットで馬鹿さらしてるんじゃないの!」

ずるずると少年を引きずりながら少女が中に入っていく。

|  ^o^ |「いまの(ry」

( ФωФ)「最高の気分であるよ、そう、最高だ」

そう呟いて、ステッキを優雅について入っていく、壮年の男性。
そんな感じでぞろぞろと入っていく人々、総勢千人。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:03:56.41 ID:PmLgVJBa0
(*゚ー゚)「あー、まってまってまってぇー!」

(  ゚Д゚) 「だからアレほど準備は事前にしておけとおおお!」

(*゚ー゚)「だってぇー!」

そういいながら現れたのは、可愛らしい桃色のワンピースに身を包んだ少女と、この糞暑い中スーツを着ている男性。

(*゚ー゚)「乗ります乗ります!」

|  ^o^ |「おや しぃさん ちこくはいけませんよ」

アナウンサーがそういうと、周りのギャラリーから笑い声が上がった。

(*゚ー゚)「ごめんなさーい!」

本業は声優だが、それ以上に国民的な少女アイドル、しぃと、恐らくそのマネージャーであろう男性。

(*゚ー゚)「皆、いってきまーす!」

可愛い声でそう言って、二人は船へと駆けて入っていく。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:05:43.19 ID:kUHoawkHO
ブーム君うぜえwwww



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:05:54.78 ID:PmLgVJBa0
( ´∀`)「ようこそ皆さん、VIP号へ!」

四つの船は四角形、上下左右に配置されている。
乗客たちが入ったのは左下にあるVIP号の宿泊施設や、レストラン、お土産屋が集中している『VIPへヴンズヴェル号』だった。

ヘヴンズヴェル号は表層だけで六階層になる船で、その二階層目、船尾の部分に大規模なホールがあった。
最初は皆そこへ集められ、チケットに記入されている、軽食の配膳されたテーブルへとつき、開場イベントが行われていた。
主催者の長い挨拶の後、さらに招待された芸能人や有名人が代わる代わる挨拶をしているところだった。

(*゚ー゚)「皆ー、楽しもうねー!」

しぃが笑顔を振りまきながらいうと、『うおおおおおー!』という声が沸きあがった。

( ^ω^)「しぃちゃんだおー! 生しいちゃんだおー! こっちみておー!」

ξ゚⊿゚)ξ(イラッ)

ブーンは夢中で手を振り、ツンはテーブルにあったサンドイッチを適当に摘みながらイライラしつつトントンと机を叩いていた。

(`・ω・´)「いやっほほおおお! しぃちゅわあああああん!」

( ^ω^)「おお、あなたもわかる口ですかお!」

(`・ω・´)「当然だ! もうこのためにここに来たからね!」

(´・ω・`)「いやそのために来たわけじゃないから」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:07:57.48 ID:PmLgVJBa0
テーブルは六人がけで、ブーンとツン、乗船時に見た双子の兄弟、髪の長い少女とその妹らしき女の子が座っていた。

川 ゚ -゚)「ふむ、妹を除いて、皆年齢が近いようだね」

髪の長い少女がいうと、アイドルに夢中になっている馬鹿二人以外がそうですね、と反応した。

(´・ω・`)「僕たちは十六歳です」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、そうなんだ、私達もよ」

ノパ⊿゚)「俺十二歳ー!」

元気良く言う少女。

川 ゚ -゚)「私は…………十八歳、だったかな?」

なぜか微妙に語尾を濁し、

川 ゚ -゚)「私は素直クールと言う、こちらは妹の素直ヒート。君達の名前を聞いてもいいだろうか」

(´・ω・`)「ショボンです、あっちの馬鹿はシャキン」

ξ゚⊿゚)ξ「私はツン、そこの屑はブーンよ」

(`・ω・´)「馬鹿とかいうな!」

( ^ω^)「屑とかいうなお!」

川 ゚ -゚)「仲いいな君達」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:09:31.14 ID:PmLgVJBa0
その後もイベントは進み、会場内が活気付き始める。
他の三隻、『VIPファイナルディスティネーション号』『VIPキューブ号』『VIPSOW号』は完全な遊園施設に特化している船だ。
名前の詳しい由来はパンフレットに書いてあったがブーンは良く覚えていなかった。

川 ゚ -゚)「折角こんな機会が設けられたんだ、どうだろう、皆で一緒に行動しないかい?」

クーの提案に、ツンは頷いて

ξ゚⊿゚)ξ「私達はいいですけど」

( ^ω^)「僕の意見は!?」

ξ゚⊿゚)ξ「嫌なの?」

ツンが尋ねると、シャキンがゆっくりとブーンに手を差し伸べる。

(`・ω・´)「俺はもうちょっと君と話がしたいな」

( ^ω^)「嫌じゃないです、ばっちこいです」

奇妙な友情が芽生えていた。




14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:12:16.31 ID:PmLgVJBa0
(´・ω・`)「僕も異論は無いよ」

ノパ⊿゚)「よおおおしあっそぼうぜええええ!」

川 ゚ -゚)「ヒート、静かにしなさい」

そんなやり取りに、ツンは小さく笑った。

そして、彼等とは少し離れたテーブルで。

( ФωФ)「……楽しそうだな、皆」

( ><)「はい、そのようです」

( ФωФ)「全く、笑いが止まらんよ」

イベントの歓声と賑わいにさえぎられて、彼等の会話を聞いているものは誰も居ない。
聞いていても、冗談だと思うだろう。


( ФωФ)「これから――皆地獄を見るというのにな」


引き金が引かれるのは、まだ先の話ではあるが。
楽しさしか無いはずの船に、確かに不穏の影を巻き散らかした。



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:14:02.37 ID:PmLgVJBa0
『遊園地を船に載せる』とはいったものの、流石にジェットコースターや観覧車を船の上に搭載するのは不可能だ。
なので代わりの絶叫マシンとして配置されたのは

( ;ω;)「たけえええ! 揺れてるううう! 怖いおおおおお!」

各船の最上階のテラスを巨大なレールで結んで、ゴンドラをぶら下げて高速で周回するというものだった。
高さが一定だが、代わりに速度と『土台自体が揺れる』という通常の遊園地では到底味わえない恐怖がブーンを襲っていた。
珈琲カップのような『ゴンドラ自体を回転させる』と言うハンドルも装備されており

ξ゚⊿゚)ξ「いやっほーう!」

ノパ⊿゚)「いえええい!」

女二人はノリノリで大回転していた。

川 ゚ -゚)「ふむ、なかなかいい眺めだな」

(´・ω・`)「三百六十度海しかないけどね」

(`・ω・´)「しぃちゃんどこかなしぃちゃん」

ゴンドラは一つ三人乗りで、ブーン,ツン、ヒートとクー、ショボン、シャキンで乗っていた。

『もうやめてくれおおおおおお』という絶叫が聞こえる前のゴンドラとは対照的に、微動だにせず優雅に海を眺める美しい少女。
二人はその付き添いの従者といった様子ですらある。




16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:15:23.61 ID:PmLgVJBa0
川 ゚ -゚)「君達はこのチケットを何処で手に入れたんだい?」

世間話を振るように、クーはそういった。
特別な伝手やコネが無い限りは入手が難しいチケットだ、どういった縁で入手したのか興味がわくのは自然の事だった。

(´・ω・`)「仕事――バイト先の仲間から貰ったんです」

ゴンドラからお目当てのアイドルを必死に探している兄には一瞥もくれず、ショボンがいう。

(´・ω・`)「そういう貴女は?」

川 ゚ -゚)「手前味噌だが、母は高名な研究者でね、お偉い政治家の人から譲り受けたらしい。二人で遊んでこいと」

(´・ω・`)「高名な研究者?」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:16:26.28 ID:PmLgVJBa0
川 ゚ -゚)「ああ、人間の可能性の延長を研究しているよ、聞いた事はないかな、簡単な神経接続で動かせる義手や義足、永久歯の再生医療の技術を開発した女性なんだが」

(´・ω・`)「……! 素直シュール博士ですか!」

川 ゚ -゚)「うむ」

(´・ω・`)「良く知ってますよ、僕らの業界でも有名ですから」

ショボンは得心言った様に頷き、クーはその様子を見て、言う。

川 ゚ -゚)「それはうれしいな、ところで君達の仕事とは――――」

『ひいいいいいいいいいいいいい』という絶叫が、また前のゴンドラから聞こえた。

川 ゚ -゚)「……楽しそうだなぁ」

(´・ω・`)「そうですね」

やがてゴンドラは一周し、意気消沈のブーンとつやつやした顔の二人が出てきた。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:17:45.14 ID:PmLgVJBa0
(  ω )「もう……いやだ……お……」

ξ゚⊿゚)ξ「楽しかったねー!」

ノパ⊿゚)「ねー!」

休憩スペースについてから、ぐたりと座るブーンとは対照的に、すっかり意気投合したらしいツンとヒートのにこやかな顔。
ショボンは無言でブーンの肩を叩き、缶のカフェオレを差し出した。

(´・ω・`)「一口飲んじゃったけど、よかったら」

( ^ω^)「ありがとうございますお……」

素直に受け取って口をつけ

(´・ω・`)「間接キス……」

( ^ω^)「!?」

口に出しにくい恐怖が一瞬ブーンの背筋を凍らせた。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:20:27.30 ID:PmLgVJBa0
ゴンドラを覗けば、『VIPファイナルディスティネーション号』は主に体験アトラクションがメインの船だ。
海賊になりきって船を襲ってみたり探偵になりきって事件を推理したり。

ノパ⊿゚)「よっと!」

ぱしゅぱしゅぱしゅ。
三百六十度、3D映像で現れた、リアルなゾンビの額を性格に撃ちぬいて撃退していく。
立体映像で作られたマップを、光線の出る銃を持って探検し、ゾンビを倒すというゲーム。
とどのつまり、ゲーセンにあるガンシューティングゲームの拡張なのだが、そのリアルさと『本当に自分で歩く』という面白さが、既存のそれとは一線を画していた。

『こちらのアトラクションは一チーム三人からの参加となっております』

入場前にアナウンスの声が響いて、六人は輪になる。

( ^ω^)「折角だからニチーム作って、点数を競うお!」

(`・ω・´)「おお、いいアイディアだな!」

ξ゚⊿゚)ξ「何で男ってすぐ勝負したがるのかしら……」

川 ゚ -゚)「まあ私は異論無いが」

ノパ⊿゚)「俺もー!」

体験ルームは十個以上ある、その内六つの扉には『利用中』と掲示されており。

( ^ω^)「よし、チーム分けをするお!」

ブーンは高らかに宣言した。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:21:48.47 ID:PmLgVJBa0
(´・ω・`)「じゃあ僕は8番の扉にしようかな」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ私はー……」

ノパ⊿゚)「ツンねーちゃん、一緒にいこうぜ!」

ぐいぐいとツンの袖を引っ張って、勝手に9番の扉へと向っていく。

( ^ω^)「チ、チーム分け……」

(`・ω・´)「バランス取る為にお前いけよショボン」

(´・ω・`)「はいはい」

シャキンの言葉に軽く頷いて、ショボンが二人の後を追った。

( ;ω;)「チーム……」

川 ゚ -゚)「さ、我々もいこうか」

立ち尽くすブーンの襟元を掴んで、クーは8番の扉へと向った。




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:23:45.70 ID:PmLgVJBa0
ξ゚⊿゚)ξ「ヒートちゃん上手ね」

ノパ⊿゚)「任せときな!」

足元に『クリティカル』の文字が出て得点が加算されていく。
三百六十度、前後左右はたまた上下から襲ってくる立体映像のゾンビの急所を見抜いて、ヒートは射撃を繰り返していた。
文字通り機械のような正確さで、撃たれたゾンビは即座に崩れ落ちて消滅する。

(´・ω・`)「目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ……」

よくわからない呟きを繰り返しながら、ショボンもこなれた手つきで銃を扱う。
ヒートほどではなかったが、確実に点数を稼いでいた。

ξ゚⊿゚)ξ「二人ともゲームセンターとかよくいくの?」

二人がほぼ全ての敵を片付けてしまうので、ツンは適当に視界に入ったゾンビを撃ちながら聞いた。

ノパ⊿゚)「うん、良くいくぞー! 俺こういうの大得意なんだ!」

引き金を引くと部屋の中のセンサーが反応し、銃弾を立体映像で映し出し、照準を合わせた場所へと向っていく。

(´・ω・`)「僕はあんまり行かないなあ」

ξ゚⊿゚)ξ「その割には上手だけど」

(´・ω・`)「お祭りの射的は得意だからね」

事も無くそう言って、引き金を数度引く。
床に『オーバーキル』の表示が出た、ゾンビが倒れ、灰になる前に致命傷を二度以上与えた証だ。
表示されている得点は、開始十分で100万点を超えていた。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:25:19.14 ID:PmLgVJBa0
一方その頃。

( ;ω;)「うおおおおおおお! こええおおおおお! 何でこんなリアルなんだおおおお!」

泣き叫びながら銃を振り回す屑と

(`・ω・´)「いよっしゃあああ!」

的確にゾンビの急所を射抜いていく馬鹿がいた。

川 ゚ -゚)「元気だな君ら」

クーはゆったりとした速度で引き金をひいて、確実にダメージを与えていく。

(`・ω・´)「せっ! はっ! ほっ!」

掛け声と共に放たれる弾丸が、着弾するたびに床が光り『クリティカル』の表示を出す。

川 ゚ -゚)「銃を扱いなれているのかい?」

クーが問うと、シャキンは何て事の無い様に

(`・ω・´)「なあに、直感だ!」

と叫んだ。

( ;ω;)「くるなぁー! こっちくるなぉー!」

ブーンはただひたすら乱射していた、同じ相手に連続ヒットして『オーバーキル』の表示がちょくちょくと出る。
三十分程度でアトラクションは終了し、六人はお互いの点数を見比べた。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:26:28.02 ID:PmLgVJBa0
ツン・ヒート・ショボンチーム、2.997.500点。
ブーン・クー・シャキンチーム、647.100点。

ノパ⊿゚)「圧勝!」

(`・ω・´)「え、嘘、桁ちがくね?」

(´・ω・`)「違うねえ」

(`・ω・´)「どういうこと? これどういうこと?」

(´・ω・`)「……化物が居た」


ノパ⊿゚)←化物


川 ゚ -゚)「私はこういうの苦手でなぁ、途中でダメージを喰らい過ぎてしまった」

( ^ω^)「僕は怖くてそれどころじゃなかったお」

(`・ω・´)「んじゃ殆ど点数稼いだの俺じゃねえか!」

ξ゚⊿゚)ξ「まあ、ジュースおごりね、ブーン」

( ^ω^)「えっ!?」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:29:35.08 ID:PmLgVJBa0
勝利チームからの期待の目線を向けられ、渋々財布を取り出そうとしたその時。

『おめでとうございます、100万点超えを達成しましたー』

アナウンスの声が響いて、ぱたぱたと職員が駆けて来た。

「えーと、9番のお部屋に居た方々は何方でしょう」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、はい私達です、というかほぼこの子です」

えっへんと胸を張るヒートを見て、職員は一瞬きょとんとした顔をした後くすりと笑った。

「100万点を越えた方々には景品を差し上げているのですけど、いや300万点近く行くとは……」

凄いですねぇ、と差し出されたのは、アトラクションで使われた銃の1/1模型だった。

ノパ⊿゚)「うおー! すげー! かっけー!」

テンション上がっているヒートをクーがどうどうとなだめた。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:30:46.31 ID:PmLgVJBa0
「お荷物になるようでしたらお部屋の方まで届けますが……」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん、そうしてもらおっか?」

(´・ω・`)「僕はそっちの方がいいかな」

ノパ⊿゚)「俺は持ち歩くぞー!」

了解しました、と言って銃をヒートに渡し、部屋番号を聞いてから「確かにお届けいたします」と言い、職員はでてきた場所に戻っていった。

(`・ω・´)「いいなぁかっけぇ」

ノパ⊿゚)「へっへー、後で兄ちゃんもつれてってやるよ!」

(`・ω・´)「マジで!」



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:31:50.90 ID:PmLgVJBa0
よっしゃー、と心の中で思った後、シャキンはふと考えをめぐらせた。

(`・ω・´)(ショボンの射撃技術は大体俺と同じ……だからアイツが稼いだのは大体65万点前後、だよな)

そして

(`・ω・´)(このゲームは結構難易度が高い方だった、点数を稼ごうとすればそれなりのテクが必要そうで……ツンちゃんがショボンより上手いと思えない)

いいところ、稼いだとして30万点だろう、とシャキンは判断した。

(`・ω・´)(あわせて大体100万……つまり、残りの200万点近くはヒートちゃんが稼いだ事になるよな)

もちろんゲームの話だから、そう深く考える必要は無いのかもしれない、だが。



『いくら専門ではないとはいえ、拳銃を扱いなれている自分達の三倍以上の得点を叩き出しているのは流石に異常が過ぎる』と思ったのだ。



(`・ω・´)(まぁ、ゲーム慣れしてる子ってことなのかなあ)

とりあえずそれで納得する事にした。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:36:10.31 ID:PmLgVJBa0
( ^ω^)「うう……あんなのもうこりごりだお……」

ξ゚⊿゚)ξ「アンタは弱すぎ」

さて、次は何処に行きましょうか、とツンが呟いた時。

『おめでとうございます、100万点超えを達成しましたー』

と、また同じアナウンスが流れた。

( ^ω^)「お?」

見ると、10番の部屋がアトラクションを終えたらしかった。
扉に表示されている点数は『2.001.400点』とあった。

「え、嘘、また100万点突破者!?」

先ほどスタッフルームに戻っていった職員が慌ててでてきた。

( ^ω^)「100万突破って難しいんですかお?」

「難しくなかったらこんな景品なんて用意してないよ!」

ご尤もだった。
それでまたしても200万点越え。
ツンチームの290万点には及んでいないものの、どんな人だろうと10番の扉に、その場に居た全員の視線が注がれる。
やがて、扉からでてきたのは




32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:37:19.58 ID:PmLgVJBa0
(*゚ー゚)「あー、楽しかった!」

桃色の可愛いワンピースに麦藁帽子、少女用の可愛らしいピーチを肩から提げている。
少女アイドル、しぃだった。

(*^ω^)「しぃちゅわーん!?」

(*`・ω・´)「おっほおおおおう!」

脊髄反射でそちらに向う馬鹿二人、こんな間近に憧れのアイドルがいる!
その喜びで前後不覚になっても、彼等を攻める事はできないだろう。

だがその前に鋭い蹴りが二人の腹にクリーンヒットした。

(  ゚Д゚) 「…………」

スーツを着込んだ、不機嫌そうな顔をした男だった。

(*゚ー゚)「わぁ、痛そう」

腹を抱えて蹲る二人。

( ^ω^)「しぃちゃ……ん、最後に顔を見れて……よかった……お」

(´・ω・`)「死ぬな、死ぬなぁぁぁあ!」

演技がかった口調で、ショボンが倒れた馬鹿共の肩を揺さぶる(ふりをしてさりげなく締め上げたりしていた)。




33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:38:56.20 ID:PmLgVJBa0
(*゚ー゚)「もぅー、ギコ君やりすぎだよー」

(  ゚Д゚) 「行き成り突っ込んでくる馬鹿にゃちょうどいいだろうが」

(*゚ー゚)「楽しいゲームの後なのにぃ」

(  ゚Д゚) 「殆ど俺一人でプレイしてたじゃねえか、きゃーきゃー叫んで殆ど見てるだけだけだったじゃねーか」

川 ゚ -゚)「!」
(´・ω・`)「!」

それを聞いて、その意味を理解したクーとショボンが驚愕の表情をし。

ノパ⊿゚)「?」

ヒートは景品の銃を持って『早く次のゲームいこうぜー』って顔をしていた。



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:40:44.45 ID:PmLgVJBa0
「あ、こちら景品の銃に……」

(  ゚Д゚) 「いらないっす、行くぞしぃ」

(*゚ー゚)「あーん、ギコ君ってばー」

細い少女の手を引いて、男がアトラクションの出口へと向う。

(*゚ー゚)「ちょっとまって!」

ぴた、とその動きが止まった。
軽い束縛から解放されたしぃは、倒れた二人の下へ向い。

(*゚ー゚)「私のファンなんだよね、ありがと」

そういうと、ちゅっ、と投げキッスを送って、ギコの元へと戻っていった。

ξ゚⊿゚)ξ「折角の投げキッスだったのにねぇ」

激痛にまだ震えている二人は、それを見る事はできなかった。



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:41:34.78 ID:PmLgVJBa0
それから夕食の時間まで、遊んで遊んで遊びまわった。
最終的に全ての施設を制覇したいという事で、この日だけで『VIPファイナルディスティネーション号』の体験アトラクションの内、七割を消化していた。

( ^ω^)「デビルマンvsシャイニング若本は面白かったおー!」

ξ゚⊿゚)ξ「いえ、一番だったのはストライクフリーダム百機をザクで倒す宇宙戦争だったわ」

(´・ω・`)「いやいやガチムチ☆漢汗一番絞りが……」

(`・ω・´)「どう考えても生姜ウォーズ ~そこにガリはありますか?~ だろ」

川 ゚ -゚)「私はロケットモンスター・グロ/テロのリアル体験版がよかったな」

ノパ⊿゚)「最初の銃の奴だろー!」

内容は各自ご想像していただきたい。
午後七時から各施設の利用が終了となり、代わりに夕食の時間が始まる。
『VIPヘヴンズヴェル号』に設置された各種レストラン施設が一斉に開放されるのだ。
各店舗で部屋に設置されていた飲食チケットの、夕食欄にスタンプを押してもらう事で、タダで一食食べられるという仕組みになっている、それ以上は有料だ。



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:42:54.29 ID:PmLgVJBa0
ξ゚⊿゚)ξ「何か食べたいものある?」

美味しそうな匂いがあちこちから漂う、ベンチのアル休憩スペースの一角で、ツンが聞いた。

( ^ω^)「肉! 肉がいいお!」

真っ先に手を上げるブーン。

(`・ω・´)「俺も俺も!」

ノパ⊿゚)「俺もー!」

賛同する肉食系生物二人。

(´・ω・`)「僕は野菜がいいなぁ」

川 ゚ -゚)「うん、私も草が食べたい」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、夕飯も2グループで分かれましょうか」

何時の間にか仕切り役になっていたツンの言葉に、特に異論を挟むものは居なかった。



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:44:45.87 ID:PmLgVJBa0

( ^ω^)「じゃあ僕達はあっちの『赤カブトステーキハウス』に行くお」

(´・ω・`)「熊肉がでてきそうだね」

ノパ⊿゚)「パンフレットには分厚いサーロインステーキがでるって書いてあるぞー!」

(`・ω・´)「楽しみだなぁ、へっへっへ」

じゅるりと垂れてきた涎を拭くシャキン。

川 ゚ -゚)「我々はどうするね?」

(´・ω・`)「向こうの『新鮮サラダ館 ~曙』はどうでしょう、サラダとサンドイッチをバイキング形式で食べれるそうですが」

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあそこにしましょう、合流は一時間後にこの場所で」

ブーンがぱらぱらとパンフをめくり、スケジュールが明記されたページを開いて言う。




38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:46:20.53 ID:PmLgVJBa0
( ^ω^)「朝食はあの広い会場でバイキングらしいお」

ノパ⊿゚)「おー! 楽しみだな!」

(`・ω・´)「でもまずは目の前の肉だ!」

『よっしゃあー!』と声を揃えてダッシュする三人を、ツン達は見送った。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、私達も行きましょうか」

川 ゚ -゚)「ふむ、ツナサラダがあるといいのだが」

(´・ω・`)(女の子だけかあ……)

『新鮮サラダ館 ~曙』はここから歩いて五分らしい。
空腹も手伝って、歩みは軽かった。



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:47:22.22 ID:PmLgVJBa0
船の面積と比べたら、千人と言う人数はものすごく少ない。
店舗数が多い分、一店一店の人口密度は低くなる。
また部屋で食事を取るという人もそれなりの人数居るようで、店内は豪華な内装と比べて閑散としていた。

( ^ω^)「えーっとこのサーロインステーキ二枚重ねセットの『抜刀牙』をお願いしますお」

(`・ω・´)「俺ハンバーグオムライス+サイコロステーキセットの『銀牙』を」

ノパ⊿゚)「お肉盛りだくさん大満足セット『赤カブトの牙城』をお願いしゃーす!」

だがこいつらには関係なかった。


一方サラダバイキングの方は、年配の方々が多く居て、それなりに賑わっていた。

ξ゚⊿゚)ξ「サンドイッチだけで十五種類もあるんだ」

川 ゚ -゚)「ツナサンドツナサンド、おおツナサラダにツナドレッシングまで」

(´・ω・`)「どんだけツナ好きなの」

食事の時間は、本当に何事もなく過ぎていった。



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:49:07.87 ID:PmLgVJBa0
ξ゚⊿゚)ξ「はー、遊んだ遊んだ」

( ^ω^)「疲れたお……風呂入ってぐっすりねたいお……」

食事を終えて、合流してから自分達の部屋の前に戻ってきた。

川 ゚ -゚)「と言うか部屋が隣同士だとは思わなかった」

(´・ω・`)「席があれだったから予想はしてたけどね」

ブーン達の部屋が2003号室、クー達の部屋が2004号室、ショボン達の部屋が2005号室と横並び一線だった。

ξ゚⊿゚)ξ「じゃあ明日は八時に起床、バイキングが八時半からだから、食べたらまた遊びましょう!」

ノパ⊿゚)「おー!」

( ^ω^)「おー……」

楽しかったは楽しかったのだが、体力の消耗も半端ではなかった。
きっと今部屋に戻ってベッドに倒れこんだら安らかに夢の世界へいけるだろう。
朝になったら問答無用でツンが叩き起こしてくれるだろうからそれまではがっつりと……
などとブーンは思っていた。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:52:13.59 ID:PmLgVJBa0
ノパ⊿゚)「でもその前に風呂はいりてー! ねーちゃん達一緒にいこうぜー!」

比べてまだまだ元気のヒートはそんなことを言った。

ξ゚⊿゚)ξ「そういえばスパ施設もあるんだっけ」

思い出した様にツンがいうと、クーは頷き。

川 ゚ -゚)「ああ、二階層下にデカい風呂があるらしい」

ξ゚⊿゚)ξ「それは行きたいわね!」

( ^ω^)「混浴かお?」

川 ゚ -゚)「違う」

残念。



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:53:17.21 ID:PmLgVJBa0
( ^ω^)「巨大な風呂かお……落ち着けなさそうだお、僕も部屋のシャワーでいいお……」

(`・ω・´)「俺等はいこうか?」

シャキンの言葉に、ショボンははぁぁぁぁと溜息をついて。

(´・ω・`)「凄い行きたいけどね、上は皺だらけのおじいさん、中はちょうどいい筋肉に包まれたお兄さん、下は穢れを知らない少年達、その肌を思う様眺め回して触れたいけどね」

でも、と続け

(´・ω・`)「役割を忘れちゃいけないよ、シャキン」

そういわれると、シャキンは両手を軽く挙げて『ちぇー』と呟いた。

( ^ω^)「お、役割ってなんですかお?」

ブーンが首をかしげ、尋ねる。

(´・ω・`)「いや、なんでもないんだ」

ショボンは小さな声で返した。

(´・ω・`)「そう、なんでもない」



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:55:16.62 ID:PmLgVJBa0
風呂に向ったツンとヒートを見送って、各々が部屋へと戻っていった。
ブーンも部屋に備え付けられた、そこそこのスペースがあるシャワールームで熱いお湯を浴びる。

( ^ω^)「おー、疲れが流されていくようだおー……」

今日一日の出来事を振り返る、乗船してから皆と出会い、遊び倒した一日。

( ^ω^)「いい友達ができてよかったお」

素直にそう思った、憧れのしぃちゃんを生で見た事より、その感想が先に出てきたことに自分でびっくりした。
趣味の合うシャキンに、どこか不思議な空気のあるが付き合いやすいショボン。
美しさの中にあるちょっとした天然が可愛いクーに、天真爛漫で元気なヒート。
このクルーズが終わり、分かれることになったらちょっと泣いてしまうかもしれない、と初日の夜なのに思ってしまった。

( ^ω^)「暗い事考えてもしょうがねーお!」

そそくさと髪の毛と体を洗い、バスタオルを巻いてシャワールームを出る。

部屋は一等客室の二人部屋で、二人がのんびりとできるぐらいには広い。
体を拭き終え、寝間着に着替えると自分にあてがわれたベッドに倒れこみ、ごろごろと転がる。
ふかふかのベッドは自宅のものより体が良く沈み込み、気持ちよく眠れそうだった。
実際そのままでいるとうとうとしてきて、瞼がゆっくりと下りてくる――



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:55:59.68 ID:PmLgVJBa0



コンコン



( ^ω^)「…………」

唐突に行われたノックで、気持ちのいい眠気が微妙にとんだ。
行き場の無い感情を押さえながら、ブーンは起き上がり扉の前へと向う。

( ^ω^)「どなたですかおー?」

ツンだろうか、いや、彼女ならノックなんて芸当はしない、普通にはいってくるだろう。

「私だ」

その声はクーのものだった、ブーンは『この時間に何の用事だろう』と思い、首をかしげて扉を開ける。

川 ゚ -゚)「すまない、こんな時間に」

( ^ω^)「い……え……」

そこには見た事の無い生き物が居た。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:57:39.00 ID:PmLgVJBa0
しっとりとぬれた、大人っぽい長い黒髪。
それに相反するかのような、薄い水色のパジャマがどこか大人びた少女を幼く見せて、昼間とはまるっきり違った印象を与えていた。

川 ゚ -゚)「入ってもいいだろうか」

( ^ω^)「ど、どうぞだお」

ブーンが体をどけると、「すまない」と一言告げて部屋にはいってくる。
鍵を閉めて、ベッドに座るように促す、クーは素直にそれに従い、ぺたんと尻をついた。

( ^ω^)「何のご用件ですかお?」

思わず敬語。

川 ゚ -゚)「いや、少し相談したいことがあってな」

( ^ω^)「相談?」

川 ゚ -゚)「ああ、ショボン達のことなんだが――」

ショボンがどうかしたのか、と問い返そうとする前に、各部屋に設置されているスピーカーから、ぴーんぽーんぱーんと音が流れた。

『お客様方、本日はVIP号をご利用いただき、まことにありがとうございます。船長のセントジョーンズです』



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 02:59:07.20 ID:PmLgVJBa0
どうやら就寝前の船長の挨拶らしい、こういうのも船旅の楽しみなんだなー、とブーンはぼーっと思った。
クーを見ると、タイミングを外された事が若干不満なのか、少しむくれた顔をしていた、それがまた可愛く見える。

『VIP号の施設はお楽しみいただけたでしょうか、明日も引き続き……何だ!』


それが、異変の始まりだった。


『ここは立ち入り禁止だ、申し訳ないが……何、う、うわぁ!』

スピーカーから聞こえる、それは

『パァン パァン パァン』

( ^ω^)「……なんだお、今の音」

川 ゚ -゚)「…………」

『あー、テス、テス、テス』

続いて聞こえてきたのは、聞いた事も無い熟年の男の声。

『乗客の皆様、始めまして。早速ですがこのVIP号はテロ組織『ニューソク』が乗っ取らせていただくのである』



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:00:50.41 ID:PmLgVJBa0
……は?
展開に脳味噌の処理速度がついていかない、必死に思考をめぐらせる。

『皆様は人質です、大事な、我々が悪の国家と戦う為の大事な人質である』

それを笑うかのように、声は言う。

『ですが、千人は多すぎると、偉大なる指導者である私は思うのである、よって』

ばぁん、と音がして、扉がはじけとんだ。
慌ててそちらを振り向くと、覆面に、良くわからないチョッキ、そして


『なので半分ほど、我々が本気であるという事を証明する為に、消えてもらおうと思うのである』


銃を構えた、男が、二人――
当然、それはおもちゃではない。
それを証明するかのように、カッ、とその銃口が光った、気がした。




48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:01:37.31 ID:PmLgVJBa0
身動きのできないブーンを

川 ゚ -゚)「――!」

クーが突き飛ばした。


ぱらららららららら


細かい音が響いて、思わず目を閉じる。
そして、すぐに開く。視界に映ってきたものは。

少女の全身に穴が空いて、赤い血が飛び散らせる姿。


~To Be Continued…





49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:02:52.98 ID:PmLgVJBa0
( ^ω^)が船に乗るようです は

・三国志作品として考えたけど長くなりすぎて70レスにおさめきれなくて没になったネタ
・勢い
・眠気
・その他モロモロ
・こんな時間まで支援してくださった皆様

の提供でお送りします。

続きの需要はあるだろうか。



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:10:31.44 ID:iiaekUsnO
ある



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:11:39.23 ID:ssccakm30
あるある



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 03:21:22.07 ID:5Dw6WuQ3O
続き気になるー



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 04:12:11.50 ID:t6X4WV000
ちょうきになる



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/16(水) 08:42:21.28 ID:Osl6mBQ60
おはようございます保守ありがとうございます。

2~3日中に投下できればイイナと思いますので少々お待ちください。




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