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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです 六日目 午前

前の話/インデックスページ/次の話

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:29:06.02 ID:0DvwByic0
困った時は助けを呼ぼう。
電話のボタンをプッシュして、あの番号にかけるんだ。
彼が出たらこう言うのさ。

「もしもし○○ですか?今すぐ助けに来てください」

…ってね。
と、言っても現在「助け屋」は開店休業中。
記憶がないのをいいことに、他人の家へと里帰りときたもんだ。
少しばかり駆けつけるのが遅れるだろうから、どうか早めの連絡を。


(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです


六日目 午前
『里帰り!他人様の家って緊張します……よね?』



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:32:06.43 ID:0DvwByic0
どこかの世界の、いつかの時間。
とある国の、とある町の、大きな山の裾野の無人駅。
そこに「助け屋」メンバーは電車(無論一両編成)より降り立った。

(,,゚Д゚)「田舎だー」

( ^Д^)「…慣れないな、この空気は」

なんやかんや電車を乗り継ぎここまで来た。
ここはVIP州西部の端の端。山と川と農村しかないのどかな地域である。
留守番にクックルを置いてきたので、一応依頼なら連絡が来るだろう。貞子もいることだし。

イ从゚ ー゚ノi、「…おい」

(,,゚Д゚)「え?なにこれ、袋?」

鞄の中からニュッと顔を出したいづな。
手渡したのビニール袋。

イ从゚ ー゚ノi、「持ってたほうがよいだろう」

(,,-Д゚)「う、ん……?」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:35:06.48 ID:0DvwByic0
o川*゚ー゚)o「早く行きましょうよ」

( ^Д^)「いや、迎えが来ないことには……」

目的地である朝比奈家本宅は最寄のこの駅からでもかなりの距離がある。
故に迎えだ。ほとんど押し掛けなのに迎えに来てくれるのは、一重にギコのおかげである。

『…んー?うちの末弟の知り合い?ギコ?あー……、いいよいいよー。ぜんぜんお出でー』

電話口に出たアサピーの姉の言葉。
直接会ったのは数回なのに覚えていてくれたらしい。

(,,゚Д゚)「あ、来た」

視線の先、田園を抜けて車がやって来た。
黒のバンだ。
ギコの目の前に停まり、扉が開く。

ハソ ゚-^リ「…お待たせ」

(,,^Д^)「ギコハハハー。お世話になります」



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:35:30.34 ID:ZMlx66YsO
二話とかうれしすぎる



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:38:07.26 ID:0DvwByic0
迎えに来たのは朝比奈家の長女である、「朝比奈捺」だ。

ハソ ^-^リ「いやー、遠い所からよく来たねィ」

( ^Д^)「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」

丁寧に侘びを入れる。
対して、

ハソ ゚-゚リ「いいよ。でぃちゃんも借りてることだし」

軽く返す。心が広い人なのだ。
普段着で着物を着る彼女は現在の朝比奈の当主でもある。
十年ほど前に死んだ弟に代わり、職を継いだのだった。

ハソ ^-^リ「さぁー、行こうかいィ」

(,,゚Д゚)「………?」

車がゆっくりと走り出す。
…その時ギコにはのどかな風景に、少しだけ血の色が見えたような気がした。



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:41:07.04 ID:0DvwByic0
……………


ハソ ゚-゚リ「じゃあ、アタシは車を置いてくらァ」

雰囲気にピッタリの江戸っ子口調でそう告げると、なちは行ってしまった。
目の前には馬鹿みたいに長い石段。
…既にギコは泣きそうである。

( ^Д^)「…とりあえず、行きましょうか」

(,,;Д;)「ぎこーん……」

千里の道も一歩から。
足を前に出さなければ進めない。
分かってはいるものの、この壁のような階段を前にすると……

o川;-ー-)o「うー…。老体にこれは応えるわ」

いつも自分のことを若い若いと言ってるクセに、こんな時だけ年寄り臭いことを。
おそらく重いのはその胸部突起のせいである。
まだ狐に変化した方が楽に進めるだろう。



37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:44:05.95 ID:0DvwByic0
(,,;Д;)「つかれたよー…」

( ^Д^)「まだニ十分も経ってないですよ、ご主人」

(,,;Д;)「その前に二十分も階段が続くことに疑問を感じてよ……」

朝比奈家の本宅は山の中腹にあるらしい。
階段と坂道を繰り返し、少しずつ登っていく。
近づいた空の青と深い緑が美しい。森林浴。

イ从゚ ー゚ノi、「…と言ってるうちに。門が見えてきたぞ」

一行の、少し前。大きな門があった。
東大の赤門のような物々しい門である。どこの武家屋敷だ。

その扉を開けている隻腕の男。

(・∀ ・) 「…こっちですよー」

スーツ姿に柔和な笑み。
一流企業の営業マンのようだ。
年は幾つだろうか。若作りだが、威厳もある。



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:47:10.55 ID:0DvwByic0
その表情と人体の欠陥が不釣合いな男を、ギコは知っていた。

(,,^Д^)「おにーさーん!こんにちわー」

(・∀ ・) 「お久しぶりだね」

…別にギコの兄貴というわけではない。
彼は「朝比奈真滝」。あのアサピーの兄で、なちの弟だ。
腕の件に触れると不機嫌になるので気をつけよう。人には隠しておきたい秘密の一つや二つあるのだ。
…いや、腕一本失くすような事情を好き好んで聞きたがる人間はいないと思うが。

(・∀ ・) 「…おや、いづなまで。どこへ行ったのかと思っていたが、まさかギコ君に匿われていようとは」

イ从゚ ー゚ノi、「……フン」

彼は、またんきは、いづなとも知り合いらしい。
前の主人の関係なのだろう。
空気は読めないけど気は使える男ギコール・ハニャーン。ここはあえて聞かない。賢明。

(・∀ ・) 「…昼食の準備はしてあるので。どうぞ」

(,,^Д^)「ギコハハハー!ありがとうございますー」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:50:05.24 ID:0DvwByic0
そう言い、門の中へと足を踏み入れた瞬間――

(;^Д^)「あっ、ちょっと待っ――」

(,, Д)「ッ!!」

――胃が裏返ったかのような、強烈な嫌悪感。
生きたままスカラベに喰われるような、激しい苦痛。
同時に身体の奥底から力が湧き上がってくるような、不自然な戦慄。
…そんなものにギコは襲われた。

咄嗟に持っていたビニール袋に嘔吐する。
酸味が口に広がりなんとも心地悪い。

周囲のモノ達が駆け寄る。

(;^Д^)「ご主人!大丈夫ですか!?」

(;-Д-)「ごめ……、ちょ…無理ぽ……」

…それだけ言い残し、ギコール・ハニャーンは倒れた。
自分の名を呼ぶ喧騒を聞きながら。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:53:08.37 ID:0DvwByic0
……………


ハソ ゚-゚リ「いやぁ、配慮が足りなかった。すまないねィ」

(,,^Д^)「ギコハハハ!大丈夫です!この通り!!」

数時間後。
そこにはすっかり回復し腕をブンブン振り回すギコの姿が!!
タフさに定評があるギコール・ハニャーン。
周りには先に来ていたじぃやビッコの姿も見える。

( ^Д^)「…この屋敷の敷地は少し特殊なんですよ、ご主人」

(,,゚Д゚)「とくしゅ?」

( ^Д^)「普通、時の権力者は地脈の上に建物を建てるんですけど、ここは真逆」

(#゚;;-゚)「…この土地には、一つたりとも地脈がないのです。ありません」

襖を開け、入ってきたのはでぃ。
本家だからだろうか、高そう(その実高い)着物を着ている。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:56:05.39 ID:0DvwByic0
(,,^Д^)「ギコハハハ!でぃちゃん、久しぶりー」

(#゚;;-゚)「…はい。お久しぶりです。久しぶりなのです」

…どこか安心したように薄く微笑み返す。
この呪われた土地でさえ、ギコは変わらない。
その当たり前のことを再認識したせいだろう。

ハソ ゚-゚リ「アタシの祖先が、どうにも特殊な人だったらしくてねィ……」

爪^ー^)「ねーちゃんの祖先は悪魔だよ!」

眠っていたじぃが起き抜けに一言。
軽く小突くビッコ。自重しろ、ということなのだろう。
対し、ここの主は軽く笑い、

ハソ ^-^リ「ハハハッ!…そうだ、アタシの祖先は『悪魔』だ。この世界に現れた最初の特異点。神様達に喧嘩を売った豪快な奴だ」

『真祖』とも呼ばれるその存在。その子孫。
…もっとも、彼女はあまり信じていないらしく、笑い飛ばした。
気にしていないだけなのかもしれないが。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 21:59:05.79 ID:0DvwByic0
ハソ ゚-゚リ「で、その悪魔の子孫である何代目かの当主が、ひどい魔法嫌い」

(#゚;;-゚)「…出来る限り魔法が使えないよう、自然の力がほとんどない所に屋敷を建ててしまったわけなのです」

…『魔法』というのは、その身一つで発動できるようなものではない。
中にはそういうものもいる。しかし、それは限られた一部に過ぎず、大半の魔術師達は『自然の力』を使って魔法を使う。
無論、人外も同じく。

( ^Д^)「…だから滅茶苦茶居心地悪いんですよね、この家」

( ∵)「正直もうすぐにでも帰りたい……」

人間で例えれば、空気が薄い、ということになるだろうか。
死にはしないが不快。ついでに超常的な力も半減。
…まぁ、それを狙って偏屈な祖先はこんな場所に屋敷を構えたのだが。

ハソ ^-^リ「…うちはいつでも暇だからねィ、いつまでも居てもいいし、いつ帰っても構やしないよ」

朗らかに笑い部屋を出て行こうとする。
それを引き止めるものがいた。

(,,゚Д゚)「あの……」



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:02:05.68 ID:0DvwByic0
(,,゚Д゚)「……本当に、それだけですか?」

ギコは見た。
この地に染み込んだ、憎悪の念と大量の血。
地脈がないせいでそれらが浄化されないのだろう。

ハソ -リ「………」

ギコが倒れたのもそのせいだ。
卓越した感受性と対称に、身体そのものが軟弱なおかげで耐えられなくなったのだ。
…つまるところの修行不足。

ハソ -リ「…むかーし、この山を占領していた賊がいました。動物達は彼等の横暴な振る舞いに困り果てていました……」

現当主は振り返らず語り出す。
その背中は大きくもあり、同時に、つい先ほどまでは感じられなかった強い呪力を感じた。

ハソ -リ「…ある時現れた若い若者が、彼等を追い出すことを条件に、この山を貰い受けることになりました……」

本当なのかもよく分からない、この家に伝わる昔話。
よくあると言えば、よくある。
だが――



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:05:08.17 ID:0DvwByic0
――ここからの展開が常軌を逸していた。

ハソ -リ「…彼は僅か三日で三十三人の山伏と、彼等が呼び出した三百三十三匹の悪霊を殺し尽くしましたと、さ……」

…そう、ギコは見たのだった。
そのイメージを。
どれほど昔かは分からないが、それでも確かに行われた惨劇を。

――雨の中、血みどろの山中。
若者が笑っていた。
なんとも滑稽と言わんばかりに。弱い者の無力さを嘲笑うように。

(;-Д-)「…ッ……」

思い出し、再び寒気と吐き気が襲ってくる。
心の奥底に突き刺さっているような、どこか懐かしい感覚……

ハソ ^-^リ「…そんな奴の子孫の家にいるのは、やっぱ嫌かィ?助け屋サン」

悪戯っぽい笑みで訊ねる。
ギコが慌てて言葉に困っていると、笑って彼女は出て行った。
…不自然なほど、豪快に笑って。



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:08:08.14 ID:0DvwByic0
……………


――ギコール・ハニャーンは再びあの暗闇の中にいた。
晩御飯を食べ、お風呂に入り、あの部屋で寝ただけのはずなのだが……

成長したせいだろうか。
見える景色は少しだけ変わっていた。

(,,゚Д゚)「……?」

果てしなく広がる暗闇。それは前回と同じ。
しかし、足元を見てみれば緋色の液体……、おそらく血が、足首程度の高さまで満ちていた。
ついでに物凄く寒かった。

(,,゚Д゚)「セントラルドグマっぽい……」

…分かりやすいのか分かりにくいのか。
まぁ、そんな感じの空間だった。

目を凝らしてみれば。



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:11:06.47 ID:0DvwByic0
(`§ω・´)「……今のところは私が優勢かな」

あの時と同じ、自称「神様」がいた。
…ただ今日は洒落た椅子に腰掛け紅茶を堪能しているが。

神様の近くにはチェス盤のようなものがあった。
…実はそれは、現世に置ける人々の配置を表していて、今彼が持っている駒はギコに対応するのだが……
無論、分からなかった。馬鹿だから。

(`§ω・´)「…おい、客人じゃないのか」

虚空に向かい、問いかける。
…否。

「……馬鹿だね。僕に客人が来るはずないだろう」

男がいた。
いや、男と言うべきではないかも知れない。
右腕をだらしなく下げ、左手と胸には杭が打ち込まれ、鈍い光を放つ鎖で十字架に縛られている。
…その存在には3対の翼が生えていた。天使なのかもしれない。
透き通った水晶のようなその羽と容姿は、彼が壮健ならばきっと、見る者全てを魅了しただろう。



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:14:16.54 ID:0DvwByic0
ますますセントラルドグマっぽいな、とギコは思う。
ついでに彼にはその存在に心当たりがあった。

(;゚Д゚)「モララー…、さん?」

片目を閉じたその存在は、あの眼帯スーツの男によく似ていた。
いや、どことなくレモナにも似ている。
…彼はなんとも億劫そうに顔を上げると、

「……いかにも。僕はモララーだけど」

肯定。
そこに神様の説明が入る。

(`§ω・´)「…あそこのモララーは、なんと言うか、彼とは別のモララーだ」

(;゚Д゚)「はぁ……」

諸外国に置いて名前の種類など限られている。
なら、不思議なことではないのだろう。



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:17:08.19 ID:0DvwByic0
…同じように、祖先の名前をつけるということも。

(,,゚Д゚)「…もしかして、『真祖』ですか」

いつか聞いた話。
それから考えての質問だ。

「………」

返ってきた答えは沈黙だった。
肯定、とも取れるし否定、とも取れる。

ゆったりとした時の先、彼は優雅に言った。

「……てっきり、ただの馬鹿だと思っていたよ」

(,,^Д^)「ギコハハハ。よく言われますし、そうですよ」

…それは事実上の肯定であったとギコは思う。
つまり、彼は始まりの特異点なのだ。同時に神話の中の悪魔。



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:20:09.87 ID:0DvwByic0
圧倒的な呪力に向けられながら(厳密に言えば向けている自覚はない)、不思議と怖いとは思わなかった。
…ただギコが馬鹿なせいかも知れないが。

(,,゚Д゚)「…で、え~っと……、これなんですか?」

自分を指さし、訪ねる。
補足しておくと「なんで自分ってここにいるんですか?」の意味である。
その質問には自称神様が答えた。

(`§ω・´)「…中間報告と暇つぶしってところ」

(,,゚Д゚)「はぁ……」

立ち上がる。
真っ赤なローブが垂れているのだが、風もないのに揺れていた。
その前に何故か濡れてなかった。
正直、ギコはそれが気になって話を真剣に聞いていない。馬鹿なのだ。

「どうかな。最近調子は」



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:23:09.24 ID:0DvwByic0
(,,^Д^)「ぼちぼちってとこです」

大阪人みたいな答え方である。
…というか、昔行った時に教えてもらったのだ。
それはまた別のお話だが。

「…ここはねぇ、『狭間の世界』っていうのさ」

心地良い声で、繋がれた彼が話し出す。
一生聞いていたい。…そう思わせるような、美しい声だった。

「…『1』でも『0』でもない、『狭間』。誰のものでもない世界」

(`§ω・´)「しかし『誰のものでもない』のなら、『神様のもの』ってことになるだろう?」

分かるような、分からないような理屈。
だが彼等以外誰もいないということは、つまりそういうことなのだろう。

「うちのが迷惑かけてるらしいね。ごめんね」

(,,^Д^)「いえいえ。こちらこそ、です」



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:26:08.63 ID:0DvwByic0
彼の物鬱げな表情。
なんというか「溜息をついているのが普通」という感じだった。
…しかし、その憂鬱も彼にかかれば官能的なまでの魅力を醸し出すことができるのだ。

まるで、魔法のように。

「…おっと。もう時間じゃないか」

辺りを見回してみるが、時計らしきものは見当たらなかった。
おそらく何らかの魔術なのだろう。
ギコはそう推測した。

「…さぁ、若き魔法使い。さよならだ」

(,,-Д゚)「はぁ……」

2人がフッと笑った。
双方とも余裕綽々を感じさせる笑み。
言い換えれば、相手の背筋を寒くさせるような、嫌な笑みだった。…そうなるのだろう。

「God be with you」



60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:29:05.53 ID:0DvwByic0
ギコは英語があまりできなかったので分からなかったが……
意味としてはこうなる。
「貴方が神と共にありますように」

(`§ω・´)「……フ」

対して神様は手に持った駒を離した。
盤上に向かい、ゆっくりと、落ちていく。

(`§ω・´)「…では。これからも良い魔法を」

「選択を間違わないようにね」

付け加えるように一言。
…それをギコール・ハニャーンが聞いていたかどうかは定かではない。

(,, Д)「―――」

そして、ギコの意識がなくなった――



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:32:08.47 ID:0DvwByic0
……………


理由を問われれば、「なんとなく」と答えるしかないだろう。
真夜中に目覚めたギコは無性に外に出たくなり、出た。
あの妙な存在達に言われたことも一因であるかもしれない。

そんなわけで、綺麗な月が出る山を彼は歩く。

(,,゚Д゚)「血の匂いがする……」

腐っても召喚師。そういったものを感じる素質はあるのだ。
何百年経とうと浄化されない淀みを伝い、どんどん森の奥に進む。
何故か。「なんとなく」である。

(;゚Д゚)「はぁ…はぁ……」

息を切らしながらも、登る。
何かに突き動かされるように。

…大体そういうのは死亡フラグだが、学習しないギコは本能のままに進む。
早死にする人間の典型である。



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:35:10.01 ID:0DvwByic0
――そして辿り着いたのは山の中腹。
辺りを一望できる、少しだけ開けた場所だ。
月明かりに照らされるそこは、どこか『聖域』のような印象さえ与えた。

そこに小さな墓が2つあった。
その片方、どちらかと言えば新しそうな方に女が腰掛けている。
罰当たりである。だが、ギコはなんとなく墓が嫌がってないように見えた。

ハソ ^-^リ「……なァ、でぃを連れて帰るなら、少しだけ聞いておきたいことがあるんだ」

その着物の女性は優しく笑いながら訊ねる。
真下の墓を愛おしそうに撫でながら。

(,,゚Д゚)「…なんですか?」

余計なことは問わず、ただそれだけを問い返す。
対して朝比奈家の現当主、…つまり一応の『でぃの所有者』は言った。

ハソ ^-^リ「お前に、女の子の秘密全部背負い込む背中はあるかィ?」

――遠い昔死んでしまった本当の所有者の、代わりとして。



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:38:10.64 ID:0DvwByic0


六日目 午前 終



ギコは、正直覚えていない。
でぃと出会った時のことを、である。無理もない。もう何年も前の話だ。
しかし、されど問いかけられる。
「彼女の秘密を知り、それでもなお一緒にいられるか?」

…それはまた、次のお話であるのだが。





64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:41:05.87 ID:0DvwByic0
ありがとうございました
これにて終了です
続きは来週の予定ですが、くれぐれも、過度な期待はなさらぬように
質問があれば答えます


諸連絡を。

全行程が伸びました。一話一話の量も増えました。
最終回の予定だった話を早めにやります。
それまでは、日常パート減ります。

ご了承ください。



65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:43:19.66 ID:dmtpayhAO
乙!



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/18(金) 22:45:40.92 ID:WgaLwyQbO
おつんでれ!



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