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◆(,,゚Д゚)は居候な猫のようです 川 ゚ -゚)編・前編

前の話/インデックスページ/次の話

28 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:02:11.10 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「ふむ」

クーは町外れの廃ビルの屋上、その端に立つ。

川 ゚ ー゚)「やはり、いい眺めだ」



   川 ゚ -゚)編






29 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:04:58.30 ID:+ExTMHbR0
クーの住む街、VIP町。
目下にその全体像を望めた。

あそこが私の家だ。
あそこは私がいつも通っている学校か。
あそこは子供の頃よく遊んだ公園だな。
あそこは。
あそこは。


こうして見ると、なんと小さいものだろうか。
まるで一流の職人が作った精巧な箱庭を眺めているようだ。



30 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:07:08.90 ID:+ExTMHbR0
……もしかして、手を伸ばせば届いてしまうんじゃないか?

あの民家の屋根に触れ、少し爪を立てれば、あの灰色の塗装はペロリと剥げてしまうんじゃないか。
うっかりコーヒーでも零してしまえば、町は謎の大洪水だとか言って騒ぎ出すんだろうか。

たまらない。
この俯瞰からの眺めは、普段クーがしないような益体のない妄想まで引き起こしてくれる。

眼下に広がる景色はクーにとって、今まで見た絶景と呼ばれる絶景全てを超越して美しく見える。
住み慣れたこの町はこんなに遠く、そしてこんなにも近いのだ。



31 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:11:21.32 ID:+ExTMHbR0
一陣の風がクーの全身を撫でる。
気持ちいい。

目を閉じてみれば重力がなくなるような感覚を覚え、まるで空に浮かんでいるような気分だった。

あぁ、飛べる。

今の私ならきっと、このまま飛べてしまうだろう。
飛べる。
絶対飛べる。
飛べる飛べる飛べる。



32 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:13:13.12 ID:+ExTMHbR0



飛ぼう!






34 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:15:55.24 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「……死ぬのか、小娘」


はっとして振り返る。
この廃ビルの屋上はクーの独擅場。
他の誰かが入ってくるなど今まであり得なかった。

屋上の扉付近には一匹の猫。
他に誰かがいるのか。
クーはさらに辺りを見渡すが、

(,,゚Д゚)「わしだよ」

私はまだ、妄想の世界にいるのだろうか。



35 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:19:15.01 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「……これは、全く信じがたい事態だな」

クーがそう言うと、猫は少しだけ目を細めた。

(,,゚Д゚)「わしもだよ。やはり人間というのは自ら命を断つことができる生き物なのだな」

(,,゚Д゚)「情報の上では知っていたが……実際遭遇してしまうと、いやはや我が目を疑ってしまうよ」

川 ゚ -゚)「同じ心境だ。驚きを隠せないよ。まるで漫画や小説の世界に迷い込んでしまった気分だ」

とても驚いている風には見えない涼しげな面持ちのクー。

(,,゚Д゚)(はぁ……。ドクオのときもそうだったが、どうしてこういう達観したようなペシミスト人間ってわしが喋ってるのを見ても驚いてくれんのかなぁ)

(,,゚Д゚)(……密かな楽しみだったのに)



38 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:23:47.06 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「なんだその残念そうな顔は」

(,,゚Д゚)「別に……はぁ」

川 ゚ -゚)「いやいや、これでも私は興味津々なんだぞ。お前は化け猫か何かか? 地球外生命体? 猫の国の王様? 歳いくつ? どっから来たの? 飼い主は天才調教師?」

(,,゚Д゚)「頼むからもっと興味ありげに聞いてくれ。そんな真顔で質問攻めされても気味が悪いだけなんだが」



39 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:25:01.99 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)

川 ゚ ∀゚)

((,,゚Д゚))ゾク

川 ゚ ∀゚)「えーとあとは……」

(;゚Д゚)「いや、やめよう。能面も個性の一つだ」



40 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:29:18.31 ID:+ExTMHbR0
それから二三言葉を交わすと、クーは興味を失ったようにまた視線を景色の方へ戻す。

猫の目には、少女のその姿は今にも消え入りそうで、そして儚げに写る。
目を離した隙に、少女ははるか下のコンクリート目指して、文字通り決死のダイブをしてしまうのではないか。

(,,゚Д゚)「どんな辛い出来事が、お前のような自殺に追い込むのだろうな」

とても見ていられなくて、猫は思わず声をかける。

川 ゚ -゚)「別に死にはしないよ。お前の目にはそう見えたか?」

川 ゚ -゚)「しかしそうだな、もし死ぬとしたらこういう高い所からの墜落死がいい。風を感じながら死ねるというのはさぞ気持ちの良い最期だろう」

(,,゚Д゚)「自ら墜落死、か。食べることと怠けることに最大の喜びを感じられる猫のわしにとっては、到底理解できない行為だ。何がお前を駆り立てるのか、少しだけ話してくれんか」



41 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:31:37.05 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「話すことは何もない。本当に私が私自身について語れることは何もないよ」

(,,゚Д゚)「……よく意味がわからんが」

川 ゚ -゚)「だから、何もないんだ」

川 ゚ -゚)「ただ着たくもない制服を着て、行きたくもない学校に行き、つまらない授業を受け、意味の無い交友関係を築き、家に戻れば炊事洗濯と、あとは暇潰し」

川 ゚ -゚)「本当に何もない。たった一つの意味すら見いだせないまま、私はこの17年間生きてきた」

川 ゚ -゚)「何故そうまでして、今まで私はこの生活にしがみついてきたのだろうとよくよく考えてみると、ある結論に行き着く」

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「『不安』だよ」



43 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:34:21.49 ID:+ExTMHbR0
不安。
周りから浮き、淘汰される不安。
学業で落ち込み、底辺を生きていくことへの不安。
病気を患い、苦しむことへの不安。
そして、死に対しての不安。



44 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:36:00.79 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「可笑しいだろ? 詰まるところ私は恐いんだ。どうしよもない臆病者だから、必死に普通を装い、現実にしがみつく」

川 ゚ -゚)「もう生きた心地はしないよ。でも恐いから死ぬことすらできない」

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「私が死ぬときは、それは不安から解放された瞬間なのだろうな」

静かにそう言うと、再びクーは景色に目を向けた。



45 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:40:33.76 ID:+ExTMHbR0
翌日。

(,,゚Д゚)

クーが学校へと歩を進めていると、電柱の影に昨日の猫が待ち伏せるように佇んでいた。

川 ゚ -゚)「よう」

(,,゚Д゚)「よっ」

川 ゚ -゚)テクテク

(,,゚Д゚)トコトコ

川 ゚ -゚)「……」テクテク

(,,゚Д゚)「……」トコトコ

川 ゚ -゚)「……どうしてついてくる?」

(,,゚Д゚)「なんとなくだゴルァ」

ため息を吐くクー。

川 ゚ -゚)「……好きにしてくれ」



47 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:44:58.99 ID:+ExTMHbR0
⊂二二二( ^ω^)二⊃「置いてくおードクオ!」

(;'A`)「ハァハァ……待ってくれブーン。ずっと引きこもってたから体力が……」


(,,゚Д゚)「お、なんだあいつらか。面白くなってきたのう」

川 ゚ -゚)「ん? なにしてるんだ」

(,,゚Д゚)「ちょっとバッグの中に隠れさせてくれ。驚かしてやる」

(,,゚Д゚)「む、狭いな」

川 ゚ -゚)「おいおい無理するな」

(,,゚Д゚)「入った……入りました……!」

川 ゚ -゚)「なんかエロいぞおい」



48 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:47:12.82 ID:+ExTMHbR0
( ^ω^)「お、クーだお。おはようだお」

川 ゚ -゚)「あぁブーンか、おはよう。今日はちゃんと遅刻しないで来たようだな」

(;^ω^)「おっお。もう二度とクーの鉄拳は食らいたくないお」

川 ゚ -゚)「感心感心」

(;'A`)「……」コソコソ

( ^ω^)「どうして隠れてるんだお? ドクオ」

(;'A`)「あ、いや。久しぶりだなクー。へへへ」

(;'A`)(空気嫁よブーン……。こちとら半年ぶりの学校だぜ)

川 ゚ -゚)「…………誰?」

Σ('A`;)

Σ(^ω^;)

('A`)「う」

(;A;)「うわああああん!」ダダダ

(;^ω^)「ドクオー!」



49 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:49:19.56 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「なんだ。なんか知らんが行ってしまったな」

(;^ω^)「ドクオのことほんとに覚えてないのかお、クー?」

川 ゚ -゚)「誰? マジで」

(;^ω^)「僕たちと一緒のクラスだお!?」

川 ゚ -゚)「ん? あーあー思い出した。あの引きこもりぼっちか」

(;A;)「ひぃぃぃぃん!」ズダダダ

( ^ω^)「まだいたのかおドクオ」



50 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:52:05.46 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「あいつもまだまだじゃのう」

いつの間にか猫がひょっこりとバッグから顔を出していた。

(;^ω^)「おっ、お前はあのときの猫!」

(,,゚Д゚)「やぁ久しぶりだなブーン少年。ドクオとはあれからうまくやってるか?」

( ^ω^)「おっお! 最初は嫌がってたけど、今日やっと学校に来てくれたんだお!」

(,,゚Д゚)「そうかそうか」

川 ゚ -゚)「んー、どうでもいいがそろそろ学校行かないか」

(,,゚Д゚)(どうでもいいって)

( ^ω^)(お前それでも)

('A`)(学級委員かよ……)

( ^ω^)「いやさっさとどっか行けよお前」

('A`)「死のう」



53 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:54:41.75 ID:+ExTMHbR0
――校門前

川 ゚ -゚)「遅刻ギリギリじゃないか」

(;'A`)「ぐぅぅ……腹痛くなってきた」

( ^ω^)「大丈夫だお。案外、人は他人のことなんて無関心なものだお」

('A`)「そ、そうかな」

川 ゚ -゚)「ぶっちゃけ誰も興味ないだろうしな」

('A`)「心まで痛くなってきた」



54 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 01:56:52.87 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「まぁまぁ早く行こうじゃあないか」

川 ゚ -゚)「まて、猫はここでサヨナラバイバイだ」

(,,゚Д゚)「え、なんでだ」

川 ゚ -゚)「校内は動物、ペット、その他不要物は持ち込み禁止だ」

(,,゚Д゚)「馬鹿な、わしが不要物だと。いいか、大体教育機関というものはそうやって他の介入を拒むから……」

川 ゚ -゚)「はいはい」

有無を言わさず猫はバッグから放り出される。

(,,゚Д゚)「ぬうう。今日一日暇で死んでしまう」

( ^ω^)ノシ「学校終わったら遊んであげるおー」

川 ゚ -゚)「そういうことだ。またな」

そう言い残し、クーとブーンは校舎に向かって歩いていった。

(,,゚Д゚)「いけず」



56 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:00:35.78 ID:+ExTMHbR0
('A`)「……」

('A`)「なぁ、居候」

(,,゚Д゚)「ん?」

('A`)「お前、俺のとこに居候に来たとき言ってたよな。人間は食っていくだけじゃ駄目なんだって」

('A`)「俺もやっと分かったんだ。俺もきっと心のどこかで、こうして人との繋がりを求めていたのかもしれない」

(,,゚Д゚)「ははは。猫のわしでも同意見だな。近頃、一人飯の寂しさが身に染みてくる度にそう思うよ」

(,,゚Д゚)「人間の暖かさも冷たさも、それが繋がりの一つだと思えば苦ではない。ドクオ、友達は大切にしろよ」

('∀`)「へへっ、分かってるよ。よし、いっちょ頑張ってくるぜ」

ドクオのガッツポーズに猫は応える。

(,,゚Д゚)「おう、行ってこい」

力強く校門を抜けていくドクオを、猫は静かに見守っていた。



57 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:03:32.65 ID:+ExTMHbR0
――昼休み

( ^ω^)「ドクオー、ご飯一緒に食べるおー」

('A`)「あぁ」

昼休みになるやいなや、ブーンは机を寄せてそう言ってきた。
あれからここまで自然に二人が会話できるようになったのは、ひとえにブーンの性格のおかげだろう。

ξ゚⊿゚)ξ「でさーブーンのやつがさー」ペチャクチャ

川 ゚ -゚)「……うん……うん」

一方、クーはツンの延々と続くお喋りに付き合っていた。ツンの箸が全く進んでない。



58 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:05:28.46 ID:+ExTMHbR0
ξ゚⊿゚)ξ「ほんっと信じられない。女心ってやつを分かろうともしないの。どう思う? クー」

川 ゚ -゚)「……うん、うん」

ξ#゚⊿゚)ξ「ちょっと聞いてるの!?」

川 ゚ -゚)「聞いてる聞いてる」

ξ#゚⊿゚)ξ「うそ、じゃあさっき何の話してたか言ってみなさいよ」

川 ゚ -゚)「ブーンとの惚気話だろう。もう鼓膜に穴が開くほど聞いたよ」

ξ;゚⊿゚)ξ「誰がそんな話したのよ!」



59 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:07:09.66 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「好きなら変な意地張ってないで素直に好きって言えばいいのに」

ξ;゚⊿゚)ξ「ち、違うってのー!」

( ^ω^)「僕がどうしたんだおー?」

川 ゚ -゚)「聞いてくれブーン。ツンがモゴッ」

口に唐揚げを突っ込まれるクー。

ξ#゚⊿゚)ξ「言うなー!」

川 ゚ -゚)「唐揚げうめぇ」



61 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:10:46.86 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)ξ#゚⊿゚)ξ(^ω^;)('A`;)ガヤガヤ


( ・∀・)「チッ……っせえなぁ」

爪'ー`)「おいモララー、煙草吸いにいくぞ」

( ・∀・)「おう」

('A`)モグモグ

( ・∀・)「……」

ドンッ

ドクオの机にぶつかるモララー。

('A`)「あっ……」

弁当が床に散乱する。



62 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:13:40.38 ID:+ExTMHbR0
( ・∀・)「わりーわりーwwwいつも居ないから全然気付かなかったわwwwww」

(;^ω^)「大丈夫かお、ドクオ」

('A`)「カ、カーチャンの作った弁当……」

爪'ー`)「プッwww」

( ・∀・)「聞いたか今のwwwwマザコンきめえええwwwww」



63 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:16:08.53 ID:+ExTMHbR0
( ^ω^)「……」

( ・∀・)「あ? 何見てんの?」

(;^ω^)「な、なんでもないお。ふひひ」

( ・∀・)「……」

あれからブーンとモララーたちとの交流は完全に途絶えていた。
ブーンは密かに悩んでいた。

僕は本当にモララーたちと友達だったのだろうか。
彼らと過ごした学校生活は、彼らと共にした時間は一体なんだったのか。

爪'ー`)「おい、行くぞ」

( ・∀・)「ん、おう」



65 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:18:41.48 ID:+ExTMHbR0
( ^ω^)「……片付けるの手伝うお、ドクオ」

('A`)「……悪いな」

川 ゚ -゚)「私も手伝おう。重い腰を上げてな」

('A`)「え? あ、あぁ」

( ^ω^)「ありがとだおクー」

川 ゚ -゚)「なぁに、学級委員として当然のことさ」

もっと言えば、これもクラスの皆と交友関係を保つ一つの要素に過ぎないからなのだが、それは口に出して言うまい。

ξ゚⊿゚)ξ「わ、わたしもやってあげるわよ。床が汚いままじゃ綺麗好きの私としては我慢ならな……」

( ^ω^)「あれ、ちりとりなかったかお」

ξ#゚⊿゚)ξ「無視すんな!」ドカッ

(;^ω^)「お? お?」



68 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:21:22.64 ID:+ExTMHbR0
放課後。
友人たちに軽く別れを告げ、真っ直ぐ家に帰るクーを待っていたのは。

川 ゚ -゚)「……」

(,,゚Д゚)「よう。おかえり」

あの猫だった。
我が物顔で玄関で絨毯に寝転がっている。



69 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:23:48.35 ID:+ExTMHbR0
ノパ⊿゚)「クー姉おかえりー! あれ、どうしたんだ?」

リビングの方から妹が元気よく現れた。

川 ゚ -゚)「まず何故この猫が私たちの家にいるのか説明してもらおうか」

ノパ⊿゚)「あたしの中学校の近くにこの喋る猫が居たんだ!」

川 ゚ -゚)「で?」

ノパ⊿゚)「もちろん、珍しいから持って帰ってきたんだぞー!」

私も馬鹿な妹を持ったものだ。

(,,゚Д゚)「ふつつかな妹を持ったな」

川 ゚ -゚)「本当にな」



70 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:25:32.67 ID:+ExTMHbR0
クーはため息を吐いて玄関を上がった。

川 ゚ -゚)「ちゃんとお前が世話するんだぞ、ヒート」

ノパ⊿゚)「あたりきだぞー!」

(,,゚Д゚)「しばらく居候するぞー!」

川 ゚ -゚)「うつってるよおい」



71 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:27:47.32 ID:+ExTMHbR0
ノパ⊿゚)「今日の夕食はヒート特製カレーだぞ-!」

クーはヒートと二人暮らしだ。今日はヒートの食事当番。
テーブルにつき、何故か猫にもカレーが出される。

(,,゚Д゚)「……猫にカレーはちときついな」

川 ゚ -゚)「人間にもきついぞ、ヒートの料理は」

ノパ⊿゚)「あたしの料理は全部激辛だぞー!」

川 ゚ -゚)「今更だが自覚はあったんだな妹よ」

ノパ⊿゚)「エヘヘ。よし、いただきまーす!」モグモグ

川 ゚ -゚)「うむ、モグモグ。辛っ」



73 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:29:31.83 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「ふー、ふー」

(,,゚Д゚)「……もぐ」

―w√レv―(,,゚Д゚)―w√レv―

川 ゚ -゚)「どうした居候」

(;;゚Д゚;)「お、お、ぐ、う」

(;;×Д×;)「きゅう」

川 ゚ -゚)「なんだそれ、萌えるな」

ノハ;゚⊿゚)「言ってる場合じゃないぞぉぉぉクー姉!」

猫にカレーはヤバい。



74 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:32:03.07 ID:+ExTMHbR0
そうこうしているうちに夜になった。
クーは自分の部屋で本を読んでいると、ドンドンとドアをノックする音が聞こえてきた。

(,,゚Д゚)「クー。入っていいか」

川 ゚ -゚)「あぁ、復活したのか居候。入っていいぞ」

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」

(,,゚Д゚)「いや、開けてくれ。わしドアノブ届かんから」

川 ゚ -゚)「ノックは出来たのにか?」

(,,゚Д゚)「あれは体当たりじゃ」

川 ゚ -゚)「何気に体張ってるな」



75 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:34:29.83 ID:+ExTMHbR0
猫はクーのベッドに丸まる。
クーは椅子に座り、再び手にした小説の続きを読み始めた。

川 ゚ -゚)「……」ペラ

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「……」ペラ

(,,゚Д゚)「……わしは分からんよ」

川 ゚ -゚)「……何がだ?」



77 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:36:52.17 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「お前の一日を見ていたが、お前は普通の……まぁ少し変わった性格をしているが、それでもまともな女子学生だった」

(,,゚Д゚)「どころか、お前は勉強もスポーツも得意そうだし、人望も厚いみたいじゃないか」

(,,゚Д゚)「一体何が不安だというんだ。何故お前のような者があの廃ビルの屋上からの景色に魅せられるのか」

川 ゚ -゚)「なんだ、そんなことか」

息を一つ吐き、クーは小説の表紙を閉じた。
すうっと、クーの目から生気の光が失われるような、そんな雰囲気を覚えた。


川 ゚ -゚)「一つ質問をしようか、居候」



79 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:39:11.05 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「まず、ここに至極優秀な高校性がいるとする」

川 ゚ -゚)「勉強をさせれば学年トップクラス。スポーツをさせれば体育祭で大活躍、部からの勧誘も毎日のように耐えることはない。学級委員で、クラスメートや教師たちからの人気も高い」

この質問、クー自身を投影しているのだろうか。
猫の目からはあまりにも彼女と共通点が多いように見える。

川 ゚ -゚)「その高校性は影での努力も怠らない。まぁそうだろう。もし努力なくしてこの結果だとしたら、世の中はあまりにも不公平だ」

川 ゚ -゚)「さてこの高校性、この調子でやっていけたとして、果たして将来も報われるのだろうか」



81 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:41:15.17 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「……報われるさ。努力は必ず、なにかしら形になって自分に返ってくるものだからな」

川 ゚ -゚)「本当にそうかな」

何か意図を含んだようにそう言うクー。

(,,゚Д゚)「何が言いたいんだ」

川 ゚ -゚)「人生など所詮、確率に過ぎないからだ」



84 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:43:53.59 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「どんな一流企業に就職しても、会社の人間と壊滅的に馬が合わないかもしれない。始まりがあれば終わりがある。会社自体が倒産しないとは必ずしも言い切れない」

川 ゚ -゚)「せっかくスポーツで鍛えた足腰も、ある日突然交通事故に合って根本から失ってしまうかもしれない」

川 ゚ -゚)「突然心臓発作で倒れてしまうかもしれない」

川 ゚ -゚)「道を歩いていると、変質者に襲われて苦しい拷問の末殺されてしまうかもしれない」

川 ゚ -゚)「友達と海水浴に行ったら、運悪く波にのまれ溺れてしまうかもしれない」

川 ゚ -゚)「今こうしてのほほんとしているこの部屋にも、トラックが突っ込んでこないとも限らない」



85 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:45:46.95 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「私たちは常に、こうしている今でもサイコロを振り続けているんだ。どんなにどんなにどんなに必死に努力していてもだ」

(,,゚Д゚)「そんな漠然とした不安がお前をそんな考え方にしているのか」

川 ゚ -゚)「漠然? 本当にこれが漠然としていると思うか」

(,,゚Д゚)「漠然さ。お前はただ、誰にだって訪れるかもしれない、そんな非情な結果を認めたくないだけなんだ」

川 ゚ -゚)「非情な結果ね……。本当に、本当に認めたくないものだよ」

クーは目を閉じる。
彼女の瞼の裏には何が映っているのだろうか。


川 ゚ -゚)「私たちの両親は交通事故で亡くなったよ」



87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 02:47:55.01 ID:KHSht0ZyO
じわじわくる
支援



89 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:50:06.58 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「……そうだったのか」

川 ゚ -゚)「父は一流の企業に勤め、母はその美貌を使役し、現役のファッションモデルだった。家庭はもちろん安泰」

川 ゚ -゚)「生前、父が言っていた言葉を思い出すよ。『クーはこんなに頑張っているんだ。将来はきっと幸せになれるよ』」

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「何故将来をそんな決まった事のように断言できるのか。私は甚だ疑問だったよ。明日事故で命を落とすかもしれないのに」

川 ゚ -゚)「実際、両親の交通事故はその翌日起こった。背筋が震えたよ」

川 ゚ -゚)「しかし棺の中の父に向けて、私はこう思ったのだ。『それ見たことか』ってな」

(,,゚Д゚)「……」



90 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:53:14.13 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「それからは不安不安不安の毎日。私にできることは必死に優等生という地位にしがみつき、周りに注意を配ることだけだった」

川 ゚ -゚)「……そう、まるで生きた心地はしない」

川 ゚ -゚)「以上。小説の続きが気になる。そろそろ出て行ってくれないか居候」

クーは再び本を手に取った。

(,,゚Д゚)「クー、一つ言わせてもらうぞ」


(,,゚Д゚)「お前は――」


川 - )「黙れ」

お前は、何だ。
何が言いたい。その言葉の先は。
それ以上言うな。聞きたくない聞きたくない聞きたくない。



91 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:55:02.16 ID:+ExTMHbR0
川  - )「出て行け」

(,,゚Д゚)「……」

(,,゚Д゚)「……邪魔したな」

猫はドアノブに飛びつき、器用にドアを開けて出て行った。
なんだ、やればできるじゃないか。

もう本を読む気も起きない。
クーは本を閉じ、布団に潜り込んだ。



93 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 02:59:16.87 ID:+ExTMHbR0
翌日。
クーはいつも通り学校へ向かう。

昨晩のことで、余計必死に日常生活に励んでいた。
教師の言葉を一言一句漏らさず聞き、学級委員としての仕事をこなし、友人との会話の中でユニークな冗談を考えた。
もはや意地になっていた。

思えば、クーの波長はここから狂っていたのかもしれない。

放課後。
事件は起きた。



94 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:02:47.05 ID:+ExTMHbR0
クーが帰り支度を整え、席を立ったとき。

( ・∀・)「ねー、クー」

モララーだ。
たまにこうして気色の悪い猫撫で声でクーに言い寄ってくるのだ。
その度にクーは丁寧な物腰で断るので、モララーは調子に乗って何度もクーに近づいてくる。

( ・∀・)「俺とカラオケ行かね? どうせ暇でしょ」

川 ゚ -゚)「いや、今日は私が食事当番でな。また妹に料理を任せてしまうのも悪い」

( ・∀・)「いーじゃん。ヒートちゃんには俺から言っとくからさぁ」

川 ゚ -゚)「いや、そもそもヒートの料理は激辛でな。二日連続であれを食べると思うと今から胸焼けが止まらん」



95 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:04:33.28 ID:+ExTMHbR0
( ・∀・)「へー、じゃあ今日はクーが作るんだ。食べてみたいなー。ねぇ家行っていい? 俺の分も作ってよ」

川;゚ -゚)「いや、しかし……」

川;゚ -゚)「と、とにかくまた明日な」

ドアの方へと向かおうとすると、不意にモララーに手首を掴まれる。

川;゚ -゚)「は、離せ」



96 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:07:44.43 ID:+ExTMHbR0
( ・∀・)「なぁ、いい加減俺のこと嫌いなら嫌いって言ってくんない? 曖昧にされるとこっちもスッキリしないんだよねー」

川;゚ -゚)「そんな。嫌いだなんて……」

言えるわけがないだろう。
クーは学級委員長だ。
クラスメイトの好き嫌いを分けるなんて、できるわけがない。

もしそんなことを言ってしまえばどうなる?
そんなの駄目だ。

ここまで積み上げた優等生としての、委員長としての、この人当たりのいい偽りの顔の評判を落としてしまうだなんて。
それはクーが今まで必死にしがみついてきた、不安から少しでも逃れるための努力。
クーにとってそれは死活問題なのだ。

川;゚ -゚)「好きだよ。クラスメイトとしてな」

( ・∀・)「じゃあカラオケくらい付き合ってくれよ。クラスメイトなんだろ?」



98 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:12:14.76 ID:+ExTMHbR0
不穏な空気に気付くドクオたち。

(;'A`)「お、おいブーン。クーの奴、嫌がってるじゃねぇか。お前モララーと友達だろ? なんとか……」

(;^ω^)「う……」

友達。友達なのか。

爪'ー`)y‐『……お前もハブくよ?』

ブーンはあの日以来、本当にフォックスやモララーのグループからハブかれてしまったのかもしれない。

しかしあれからモララーたちと会話らしい会話をしていないのだ。
完全に仲間外れにされたわけじゃない。

フォックスのあの言葉を思い出す度に、ブーンはどうしようもなく足が竦んでしまう。



100 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:15:16.49 ID:+ExTMHbR0
(  ω )「う、うぅ……」

まただ。

(  ω )「ぅ……」

僕はまた、友達のために何もしてあげることができないのか。

('A`)「……ブーン」



103 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:17:56.84 ID:+ExTMHbR0
そのときだった。

(#・∀・)「チッ。生意気だなお前。うぜーよ、マジで」

教室の空気がまた変わったのは。

川 - )「……うざいのはお前だよ」

(#・∀・)「あぁ!? 今なんつった!」

あぁ、もう駄目だ。
私は駄目。
私の平穏が壊れていく。私が壊している。



104 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:20:31.15 ID:+ExTMHbR0
クーは自覚しながらにして、自らの『穏やか』を壊していた。

川 ゚ -゚)「うざいのはお前だって言ってるんだよ。何度も何度も舌ったるい声で話しかけてきて。本当に気持ち悪い」

(#・∀・)「……っせーんだよ!」

ドンッ!

モララーに肩を押され、クーは床に尻餅をついた。

川 ゚ -゚)「口で敵わないときたら今度は暴力か。全く低俗な脳の造りをしてるな。病院行けよ」

(#・∀・)「っせーっつんてんだよ!」

モララーが怒りに任せて腕を振り上げる。



106 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:23:28.19 ID:+ExTMHbR0
殴られる。
クーは目を瞑った。

そのとき彼女の頭を巡るのは、顔にアザが出来たらどうしようという事だった。
会う人会う人に心配されるだろう。
特にヒートは感情的だから、アザを作った奴に仕返しに行くと言い出すかもしれない。

あぁ、また私の平穏が崩れていくのか。



(#・∀・)「あ、なんだてめぇ。離せコラ」

異変に気付いて、目を開けるクー。
目に映ったのは予想もしなかった人物。

(;'A`)「……や、やめろ……っ!」

ドクオだった。



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 03:27:43.10 ID:KHSht0ZyO
熱くなってきた



108 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:28:01.43 ID:+ExTMHbR0
必死にモララーの身体にしがみつくドクオ。

(#・∀・)「うら!」

モララーの拳がドクオの顔面に命中する。
机をいくつも倒し、ドクオは床に倒れこんだ。
クラス中が騒然として、女子の悲鳴が聞こえる。

(;'A`)「うぐ、うぅ。くそっ」

(;^ω^)「ドクオ!」

(;・∀・)「ハァハァ……うぜぇよ、マジで。どいつもこいつも」

言いながらクーの手首を掴むモララー。

川;゚ -゚)「……っ」



109 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:30:50.64 ID:+ExTMHbR0
(#'A`)「ハァ……やめろっ」

ドクオは立ち上がりモララーへと突進していく。
右手に拳を固めて。

(;^ω^)「! 止めるおドクオ!」

――バキッ

鈍い音が響いた。
ドクオが、モララーの頬を殴った音。

(;'A`)「はぁ、はぁっ」

(  ∀ )「……っ痛……」

川;゚ -゚)「ド、ドクオ……」



110 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:33:21.12 ID:+ExTMHbR0
止めろ。
私のために、お前がお前自身の平穏を壊すことはないんだ。

( ・∀・)「殺す」

止めろ。

( ・∀・)「おらっ」バキッ

止めろ。

(;'A`)「くっ……うわぁぁぁ!」ブンッ

二人が殴り合いを始めたとき、慌ただしく教室のドアが開いた。

ξ゚⊿゚)ξ「先生あれです! あの二人です!」

(#`・ω・´)「こらぁぁ! やめろお前ら!!」

ツンがシャキン先生を呼んできていたらしい。
シャキン先生すぐに二人を取り押さえていった。



111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 03:37:47.03 ID:+ExTMHbR0
それからモララーとドクオはシャキン先生に職員室につれられていった。
クーやブーン、ツンたちは静かに教室で待機を指示された。

しばらくしてドアを開く音が聞こえ、シャキン先生が戻ってきた。

( ^ω^)「先生」

(`・ω・´)「二人の処分は明日中に決定する。そして、喧嘩の原因もあの二人から聞いた」

川 ゚ -゚)「……」



112 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:39:50.06 ID:+ExTMHbR0
(`・ω・´)「どうやらあの二人が始めたことらしいからな。お前らはもう帰っていいぞ」

川;゚ -゚)「……!」

( ^ω^)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

待て。
原因の一端はクーにあった。
本来なら彼女にもなんらかの処分を下すべきだ。

誰だ。
あの二人が始めただなんて言ったのは。

言うべきだ。
私にも原因がある。
言うべきだ。

川;゚ -゚)「あの」



114 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:41:52.59 ID:+ExTMHbR0
(`・ω・´)「ん? どうした素直」

川;゚ -゚)「え、と……」

私がモララーに罵声を浴びせた。
彼を傷つけた。
最初に口喧嘩を始めたのも私。
言え。言うんだ。

川 - )「な……なんでも、ないです」

(`・ω・´)「?」

それでもクーは壊せない。
自分の平穏を壊せなかったのだ。自らの保身に走った。



115 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:44:22.01 ID:+ExTMHbR0
(`・ω・´)「お前ら、まさかまだ何か知って――」

ξ゚⊿゚)ξ「なんでもないんです」

川;゚ -゚)「ツン?」

ξ-⊿-)ξ「……」

ξ゚⊿゚)ξ「行くわよクー、ブーン」

川;゚ -゚)「……」

( ^ω^)「……」

( ^ω^)(僕には……)

( ^ω^)(僕には、何も言う資格はないお)

クーはツンに手を引かれ、ブーンはそれについていった。



116 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:48:40.98 ID:+ExTMHbR0
校門を抜けると、ツンは握っていたクーの手を離し振り返った。
その目には静かな怒りが湛えられていた。

ξ゚⊿゚)ξ「見損なったわよ、クー。あんたともあろう者が、友達を見捨てて自分を庇うなんてね」

川 ゚ -゚)「……」

ξ゚⊿゚)ξ「あなたにも原因があったじゃない。どうして『なんでもないです』だなんて言ったのよ」

川 ゚ -゚)「私が臆病者だからだ。正直、自分が可愛くて仕方ないんだ」

クーは自嘲気味に笑ってみせる。

ξ#゚⊿゚)ξ「あんたね……」



117 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 03:51:11.74 ID:+ExTMHbR0
川 ゚ -゚)「それに、知っていたならお前が先生に言いつければよかっただろう」

ξ゚⊿゚)ξ「……言えるわけないでしょう」

川 ゚ -゚)「何故だ」

( ^ω^)「ドクオがクーを庇ったんだお」

川 ゚ -゚)「ドクオ……?」

何故ドクオの名前が出てくる。どうしてドクオだと言い切れるんだ。

ξ゚⊿゚)ξ「ドクオ以外考えられないじゃない、あんなの」

川;゚ -゚)「何でそんなことが言える。あいつが私を庇う要素がどこにある」



120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 03:53:40.03 ID:+ExTMHbR0
ξ゚⊿゚)ξ「鈍いわねほんと。あんたはドクオにとって憧れだったの。引きこもるずっと前からね」

憧れ?
そんな理由で、他人のために自分を犠牲にできるのか。

( ^ω^)「多分、ドクオはずっと前からクーのことを」

川 ゚ -゚)「下らない」

(;^ω^)「クー」

川 ゚ -゚)「もう帰るよ」

ξ#゚⊿゚)ξ「待ちなさいよ……!」

川 ゚ -゚)「また明日な」

そう言い捨て、クーは二人の前を通り学校を後にした。



121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 03:53:57.94 ID:CBdvx87U0
さっきジョルジュの見てきてなきそうになった
しえn



122 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 04:06:40.62 ID:+ExTMHbR0
その帰り道。
例の猫は電柱の影で私を待ち構えていた。

(,,゚Д゚)「……」

川 ゚ -゚)「見ていたか、居候」

(,,゚Д゚)「あぁ」

川 ゚ -゚)「見損なっただろ」

(,,゚Д゚)「どうだろうな。少なくともわしは、いつかこうなるんじゃないかと思っていた」

川 ゚ -゚)「……私もだ」

(,,゚Д゚)「……」

お互い何か含んだような沈黙が流れる。



123 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 04:08:36.55 ID:+ExTMHbR0
(,,゚Д゚)「……どうするつもりだ。友達とこんなことになって」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「……正直」

川 - )「今は何も考えたくないよ」

(,,゚Д゚)「……そうか」

川 - )「……」

(,,゚Д゚)「早く帰ろう。ヒートが今日も料理を作りたいと息巻いていたからな。なんとしても阻止せねば」

川 - )「……あぁ」

力なく返事をして、クーは頼りない足取りで歩き出した。





124 :◆jSMnX91Kl2:2009/10/01(木) 04:12:01.61 ID:+ExTMHbR0
以上で川 ゚ -゚)編の前半の投下は終了です
後半は翌日の夜にでも

夜遅くまで支援ありがとうございました



125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 04:14:49.00 ID:eTJ/02/zO
>>1
おk



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 04:16:14.25 ID:KHSht0ZyO
>>124
把握
乙!



127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 04:19:16.81 ID:O0slcTra0
おつ



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  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    ドックンは漢
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