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◆( ´_ゝ`)兄者はアホのようです ~ l从・∀・ノ!リ人 ~

前の話/インデックスページ/次の話

1 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:17:05.51 ID:5bcWh1Dy0
______________

一応、どこからでも読める形にしています。
今日は二話目の投下。

まとめサイト様。
http://kurukurucool.blog85.fc2.com/blog-entry-311.html

ありがとうございます。

___ /) /)_________
    / ///_roェ-_  ::::/:::::: ヽノ
   ./ /. //^):: ー ’ ̄ヽ/    .j
   i ^ r   /")、::_ ノ     i
    l   ^ 'γ'. ) ヽ      ノ ヽ
    r 、   : j:::~’::: `       
    >;;:: .  /`'_ ̄`    /
   /; ::.   / ヽ_ _ ノ/
  /::::    // ll     //



2 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:19:44.35 ID:5bcWh1Dy0

 ~ l从・∀・ノ!リ人 ~

あれは、おっきい兄者が高校一年生の頃。
私の為に走り回ってくれて、おっきい兄者がアホな事ばかりしていたあの時期──



l从・∀・ノ!リ人「もちぐまが欲しいのじゃー!」

もうすぐ私の誕生日、だからプレゼントは「もちぐま」が良い。

( ´_ゝ`)「もちぐま?」

(´<_` )「新手のマスコットキャラクターか何かか?」

おっきい兄者とちっちゃい兄者は、仲良く一緒にパソコンを見ていた顔を上げて訊いてきた。

l从・∀・ノ!リ人「もちぐまはちっちゃくて可愛くてふにふにのぬいぐるみなのじゃ!」

今人気だから、私も欲しい。
学校の友達はみんな持っているのだ。

( ´_ゝ`)「よし、ググってみよう」

(´<_` )「もう妹者の誕生日か、一年は早いな」



3 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:21:25.81 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「おk、ブラクラゲット」

(´<_` )「流石だな、兄者。どうやったらググるだけでブラクラゲット出来るんだ」

パソコンのガガガ、という音が部屋に響いた。
私はおっきい兄者の隣に立って、机の上のパソコンを見た。

l从・∀・ノ!リ人「何やってるのじゃー! ちゃんと探してほしいのじゃ!」

( ´_ゝ`)「はいはい、ちょっと待ってな。お、これか」

(´<_` )「もちぐま、今大人気みたいだな」

パソコンの画面には白くてちっちゃくてふにふにのもちぐまが映っていた。

l从・∀・ノ!リ人「これなのじゃ、皆持ってるのじゃ」

( ´_ゝ`)「よーし、じゃあ今年のプレゼントはこれにしよう」

l从*・∀・ノ!リ人「やったー、おっきい兄者大好きなのじゃ!」

私はおっきい兄者に後ろから抱きついた。
おっきい兄者はほっぺたを紅くして、「俺にまかせろ」と言った。



5 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:24:11.86 ID:5bcWh1Dy0

(´<_` )「でもこれ、通販でも在庫切ればっかりだぞ。本当に大丈夫なのか兄者」

「そうなのじゃ、どこにも売ってないのじゃ」と、私はほっぺたを膨らませながら言った。

( ´_ゝ`)「俺のコネをなめるなよ、張り巡らせた人脈に頼れば造作もないわ」

l从・∀・ノ!リ人「ぞうさもないのじゃー」

(´<_`;)「なんだ、兄者は知り合いにぬいぐるを作っている人でもいるのか」

( ´_ゝ`)「絶大な権力を持つ知人がいるのさ、まあ任せとけって」

l从・∀・ノ!リ人「流石おっきい兄者なのじゃ! すごいのじゃ!」

なぜかちっちゃい兄者が心配そうにおっきい兄者を見ていたけど、私は感動した。
おっきい兄者はすごい人と知り合いなんだ、と。
私は誕生日に貰えるもちぐまを想像して笑顔になった。


それから兄者たちの部屋を出て、リビングに行くと姉者がいた。
姉者はお風呂上がりでバスタオルをまいているだけだった。
セクシーだ。早く私も姉者みたいになりたい、と思った。

l从・∀・ノ!リ人「姉者、姉者、もうすぐ妹者の誕生日なのじゃ」

∬´_ゝ`)「ん、そうだったわね」



7 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:26:44.67 ID:5bcWh1Dy0

∬´_ゝ`)「今年もケーキ作ってあげるわ。
      何が良いかしら、シフォン、ブッシュドノエル、それとも王道でショート?」

l从・∀・ノ!リ人「姉者のケーキなら何でもいいのじゃー、楽しみなのじゃ」

姉者の作ってくれるケーキはとってもおいしい。
毎年誕生日に食べられるおっきなケーキを楽しみにしている。

l从・∀・ノ!リ人「兄者たちにはもちぐま買ってもらうのじゃ」

∬´_ゝ`)「ああ、今流行ってるアレね。私の友達も買えなくて参ってたわ」

l从・∀・ノ!リ人「そーなのじゃ、売ってないのじゃ。でもおっきい兄者が何とかしてくれるのじゃ」

∬;´_ゝ`)「兄者、どうする気なのかしら……」

姉者もちっちゃい兄者みたいに心配そうな顔をしていた。
私はおっきい兄者を信じる、今まで約束を破ったことなんてなかったから。



8 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:30:20.80 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「「ナイスブルマ」」(´<_` )

兄者たちの部屋に戻ってくると、二人は変なことを言っていた。
私は気にせず兄者たちに言った。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者ー、姉者もちっちゃい兄者みたいに心配してたのじゃ」

(´<_`;)「マズい兄者、消せ」

( ´_ゝ`)「こんなときこそF5」

l从・∀・ノ!リ人「何やってるのじゃ、オセロ?」

私がパソコンの画面をのぞき込むと、可愛らしいキャラクターのオセロが映っていた。
ちっちゃい兄者は焦っているようだった。きっと負けそうだったのだ。

(´<_` )「それで妹者、姉者がどうしたんだ?」

l从・∀・ノ!リ人「そーなのじゃ、姉者もちっちゃい兄者も、どうしておっきい兄者を心配そうに見るのじゃ?」

(´<_` )「そりゃあ、兄者はろくでもないことばっかりするからな。心配にもなるさ」

l从・∀・ノ!リ人「でも約束は守ってくれるし面白いのじゃ」



10 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:33:11.08 ID:5bcWh1Dy0

おっきい兄者は昔から面白いことばかりする。

         /       〃'´⌒`ヽ  
                 〈((リノ)))i iヽ たかいのじゃー
                 l从・∀・ノ!リ人
                 ⊂)丕⊂))ヽ)
                ∩〈/_|j_ゝ((
        /      / /   ∩
           /  / /    | |
              / /     | |
  .        / / /∧_∧ ./ /
            / / ´_ゝ`)/  妹者、他界他界だ 
          / |      / 
            |    /
            |   /⌒l
             ヽ   | /
           / | ゙ー'| L
        /     |  /(__ヽ
         / / ノ  
       /  / /
     /   (_ヽ

私がまだ幼稚園に通っていた頃、すごいスピードで走りながら「たかいたかい」をしておっきい兄者はずっこけた。
私は何秒か空を飛べて面白かった。おっきい兄者はベッドの角にアゴを打ちつけて歯が折れた。
母者に怒られてから、おっきい兄者は「たかいたかい」をしてくれなくなった。



11 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:35:06.51 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「弟者はもっと俺を尊敬の眼差しで見るべきだと思うよ」

(´<_` )「残念だが兄者は尊敬に値しない存在だよ」

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、たかいたかいやってほしいのじゃ!」

昔を思い出して、懐かしくなった私はおっきい兄者に頼んだ。
また空を飛びたい、と思った。

(;´_ゝ`)「いや、アレはトラウマだからなあ……俺が他界しそうになったし」

(´<_` )「ああ……洒落にならんところだったな」

おっきい兄者は嫌がっているみたいだったから、私は我慢することにした。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者はアホなのじゃ」

(´<_` )「そう、だから姉者も俺も心配なんだよ」

私を喜ばせようとしてケガをされたら悲しい。
なんでおっきい兄者が心配されるのか分かった。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、ケガしないように気をつけるのじゃ」



12 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:37:54.76 ID:5bcWh1Dy0


          ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  )
   ( ´_ゝ`) /   ⌒i
   /   \     | |    〃'´⌒` ヽ
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |.  〈((リノ )))i iヽ
__(__ニつ/  FMV  / .| .|   l从∀・ ノ!リ人
    \/____/ (u ⊃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



13 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:40:51.29 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「よし、架空請求業者に山田ボイスで嫌がらせしよう」

(´<_` )「唐突だな。また懐かしいものを」

( ´_ゝ`)「悪の組織に正義の鉄槌を」

l从・∀・ノ!リ人「カッコイイのじゃ、悪者はやっつけるのじゃ」

(´<_`;)「嫌がらせって言ったくせに、何が正義だ……」

( ´_ゝ`)「スカイプ立ち上げて、山田ボイス準備」

おっきい兄者はパソコンを操作して、電話をかけたみたいだった。
パソコンのスピーカーから電話の発信音が聞こえた。

( ´_ゝ`)「wktk、wktk」

(´<_` )「悪趣味だな、兄者」



14 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:43:00.34 ID:5bcWh1Dy0

プッ 録音だと気付かないとは馬鹿だな
____  .__________
     ∨    ∧_∧
    ∧_∧  (´<_`  ) < 架空請求なんてやってる奴は皆そうだろ
.   ( ´,_ゝ`) /   ⌒i
   /   \     | |    〃'´⌒` ヽ
  /    / ̄ ̄ ̄ ̄/ |.  〈((リノ )))i iヽ 
__(__ニつ/  FMV  / .| .|   l从∀・ ノ!リ人 <ガラ悪いのじゃ
    \/____/ (u ⊃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
       /|
 / ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |  電話番号何番? 電話番号いくつ?
 |  
 |  は? どこにかけてきてんだよテメー、馬鹿か
 |  
 |   馬鹿じゃねーかこの野郎 電話番号は何番かって訊いてんだよ
 |  
 |   馬鹿はテメーだろ、どうやってかけてきてんだよ
 \_____________________



15 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:45:31.94 ID:5bcWh1Dy0

それからしばらく怒鳴っていた相手は電話を切った。
兄者たちは相手が怒れば怒るほど笑っていた。
機械相手に本気で怒っている相手に私も笑ってしまった。

(*´_ゝ`)「あー面白かった。録音したやつはうpしておこう」

(´<_` )「良い暇つぶしにはなったな」

l从・∀・ノ!リ人「悪は滅びたのじゃ!」

(*´_ゝ`)「まったく、山田ボイスは秀逸だぜ」

(´<_` )「妹者はこんな馬鹿な真似しちゃダメだぞ」

l从・∀・ノ!リ人「わかったのじゃー」

私は兄者たちがやっているところを見るだけで満足だ。


──おっきい兄者とちっちゃい兄者、いつも二人で一緒にいて、面白かった。



17 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:48:36.77 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「そういえばさ、同じクラスにすっげー顔のキモいは瀬川って奴がいるんだよ」

(´<_` )「身体的特徴を馬鹿にするのはどうかと思うぞ、兄者。蟹もそう言ってたし」

l从・∀・ノ!リ人「よくないのじゃー」

( ´_ゝ`)「いやマジで顔面崩壊してるんだよ、ちょっと物真似してやろう」

そう言って、おっきい兄者は顔に力を込めた。
顔がしわくちゃになってキモかった。

(#´`_ゝ)「ふんっ! どうだ、似てるだろ」

(´<_`;)「キモッ!」

l从;∀;ノ!リ人「おっきい兄者キモいのじゃwwwwwwwww」

おっきい兄者の顔芸で、お腹がよじれるほど私は笑った。
は瀬川って人には悪いけど、人生で一番笑ったと思った瞬間だった。

あ、でも昔同じぐらい笑ったことがあるから、一番ではないかもしれない。
とにかく、腹筋が鍛えられた。



19 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:51:06.69 ID:5bcWh1Dy0

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ、今年も姉者にケーキ作ってもらうのじゃ。
         兄者たちは何のケーキが食べたいのじゃ、妹者は決められないのじゃ」

(´<_` )「姉者のケーキは美味いからな、流石本職なだけある。
      正直俺も一つに絞るのは難しい」

( ´_ゝ`)「俺はブッシュドノエルを激しく期待するぞ、チョコレートでコーティングされ、
      尚かつふわふわの生地の間にもホイップのチョコクリームが仕込まれた至高の一品を」

おっきい兄者の言葉を想像して、私はよだれが出そうになった。
今年はブッシュドノエルで決定だ。

(´<_` )「流石甘党だな、兄者」

l从・∀・ノ!リ人「じゃあそれにするのじゃ!」

( ´_ゝ`)「うむ、切り分け易いし、食べ易くていいだろう」

l从・∀・ノ!リ人「姉者に言ってくるのじゃ!」

私は兄者たちの部屋を出て、姉者の部屋に向かった。



20 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:53:45.30 ID:5bcWh1Dy0

l从・∀・ノ!リ人「あねじゃあねじゃー」

∬´_ゝ`)「あら、どうしたの妹者?」

l从;・∀・ノ!リ人「姉者すっぱだかなのじゃ! 服着るのじゃ!」

ドアを開けると、姉者は裸で鏡の前に座って、髪を櫛ですいていた。
おっぱいがすごいおっきい、うらやましい。

∬´_ゝ`)「もうすぐ着るから気にしないで」

姉者はオープンな性格をしている。
大物だ。

l从・∀・ノ!リ人「あねじゃー、『チョコレートでコーティングされ、尚かつふわふわの生地の間にも
         ホイップのチョコクリームが仕込まれた至高のブッシュドノエル』を激しく期待するのじゃ」

∬;´_ゝ`)「え、ああ、ケーキのことね。やたらと詳しいところまで注文するのね……」



21 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:56:51.00 ID:5bcWh1Dy0

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者がそう言ってたから妹者も食べたくなったのじゃ!
         今年はブッシュドノエルが食べたいのじゃ!」

∬´_ゝ`)「そういうことね。分かったわ、楽しみにしておいて」

l从・∀・ノ!リ人「楽しみなのじゃー、姉者ありがとうなのじゃー」

私はにっこりと笑って姉者に言った。
誕生日に食べられるおいしそうなケーキを想像しながら。

∬´_ゝ`)「はいはい、どう致しまして」

姉者も笑いながら答えてくれた。

兄者たちからはもちぐまを貰って、姉者にはケーキを作って貰う。
きっと今年の誕生日はステキな一日になると思った。

私はこの日、わくわくしながら眠りについた。



22 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 21:59:00.93 ID:5bcWh1Dy0

次の日の朝。
リビングでお餅をもにゅもにゅと食べていると、兄者たちが起きてきた。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、ちっちゃい兄者、おはようなのじゃ」

( ´_ゝ`)「おはよー、ねむい」

(´<_` )「おはよう」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`) 「あんたら、夜遅くまでファミコンばっかりやってるんじゃないよ」

母者がそう言いながら、兄者たちの前にお餅の乗った皿を置いた。
まだお餅を食べるには少し早いけど、今流行ってるみたいだったから買ったらしい。
兄者たちはもぐもぐと食べ始めた。

( ´_ゝ`)「砂糖たっぷりのきなこ餅が良かった」

(´<_` )「俺は磯辺焼きの方が好きだな」

l从・∀・ノ!リ人「妹者もきなこ餅の方が好きなのじゃ」

( ´_ゝ`)「だよなー、妹者は分かってる。まあ磯辺焼きも美味いんだけど」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:01:08.05 ID:UsdkgvT9O
三人とも可愛いww
支援



24 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:02:01.70 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「そうだ、今日さ、姉者の就職記念にプレゼント買いに行こうぜ」

(´<_` )「就職記念って……姉者が働き初めてもう一年以上経ってるぞ」

( ´_ゝ`)「記念の日なんていつでもいいんだよ、いつだって記念にすることが出来る。
      そんなわけで、今日は姉者のプレゼントと、もちぐまの下見に行こう」

l从・∀・ノ!リ人「妹者も行くのじゃー!」

姉者は去年から働き始めた。
駅前にあるショッピングモールのカフェで働いていて、たまに私もケーキを食べに行く。

( ´_ゝ`)「よーし、今日は出かけるぞ。帰りには姉者の店によって直接渡してやろう」

それから、私は部屋に戻って服を着替えた。
財布をポケットに入れて、またリビングに戻ってきた。
しばらくして、兄者たちもやって来て、ショッピングモールでプレゼントを探すことになった。

l从・∀・ノ!リ人「行くのじゃー」

そんなわけで、私たちは家を出た。



25 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:04:59.93 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「うーん、やっぱりもちぐま売ってないな」

l从・∀・ノ!リ人「そうなのじゃ、どこにも売ってないのじゃ」

(´<_` )「本当に大丈夫なのか、兄者」

( ´_ゝ`)「元から小売店に期待などしていない。大丈夫だ」

ショッピングモールの中にあるぬいぐるみ店を回ってみても、もちぐまは売っていなかった。
店員さんは「入荷はだいぶ先になります」と言っていた。
それでも、おっきい兄者はどうにかして手に入れてくれるらしい。

( ´_ゝ`)「とりあえず、姉者のプレゼントを探そう」

(´<_` )「買う物は決めているのか?」

( ´_ゝ`)「ブラジャーとかどうだ」

(´<_` )「プレゼントに下着とかアホか」



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:07:39.86 ID:UsdkgvT9O
サイズの合わない下着をつけるとおっぱい垂れる
支援



27 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:07:58.39 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「やっぱりパティシエには専門用具だよな」

兄者たちと相談して、姉者にはパレットナイフを買うことになった。
お菓子職人なら、これを貰えばきっと嬉しいはずだ。

日用品とか色々売っているお店で、お会計を済ますとき。

(´<_` )「じゃあ兄者、頼んだ。妹者、行くぞ」

ちっちゃい兄者に手を引かれて、私はお店の外まで歩いて行った。
その途中、ベリベリベリ、とおっきい兄者が財布を開く音が聞こえた。

ラッピングされた箱を持ったおっきい兄者が店の外に戻ってきて、
ちっちゃい兄者が言った。

(´<_` )「なあ兄者、いい加減その財布変えた方がいいぞ」

( ´_ゝ`)「いや、俺はこれを使い続ける。使える物は壊れるまで使うし、
      それに、これは昔母者から貰ったんだ。使わないとダメな気がするだろ」

(´<_`;)「年季が入ってるな……まあ、分かった」



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:08:35.38 ID:C39zWVrG0
セックスリバーサルおもしろくて
また読み返したらクーパートでなぜか泣きそうになった
そんな支援



29 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:09:54.87 ID:5bcWh1Dy0

それから、私たちは姉者の働いているカフェに行った。

∬´_ゝ`)「いらっしゃいま、あら、いらっしゃい」

メイド服を着た姉者は可愛かった。

カフェの中は落ち着いた雰囲気で、洋風のレンガ造りだ。
この店のケーキは姉者も作っていて、とってもおいしい。

( ´_ゝ`)「姉者ー、就職記念にプレゼントだ。あと俺はザッハトルテで」

そう言って、おっきい兄者はパレットナイフの入った箱を姉者に手渡した。

∬;´_ゝ`)「なんで今頃……」

( ´_ゝ`)「ほら、二年前忘れてそのままだったから。おめでとう」

∬´_ゝ`)「ん、ありがとう」

あんまり顔に出てなかったけど、姉者が嬉しそうにしているのが声で分かった。
これから、あのパレットナイフでケーキを作ってほしい、と私は思った。



30 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:11:40.85 ID:5bcWh1Dy0

∬´_ゝ`)「ありがとうございました」

姉者は店員らしくそう言って、私達を見送ってくれた。

( ´_ゝ`)「いやー、やっぱ姉者のケーキは美味かったな」

l从・∀・ノ!リ人「家でも時々作ってくれるから嬉しいのじゃ」

(´<_` )「おやつには困らないな」

あまーいケーキを食べ終わり、店を出て家に帰ることになった。
駅前にあるショッピングモールを、兄者たちと手を繋ぎながら歩いた。

(´<_` )「あ、そうだ。俺ちょっと寄っていくとこあるから、先に帰っててくれ」

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃー」

( ´_ゝ`)「同人誌でも買いに行くのか」

(´<_`;)「違うっての。ジョルジュにちょっと会うだけだ」

「じゃあな」とちっちゃい兄者が言って、ショッピングモールの出口で別れた。



31 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:14:20.32 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「よーし妹者、今からケーキ屋に行って何か買ってやろう」

l从*・∀・ノ!リ人「わーい、ありがとうなのじゃー」

おっきい兄者がよく行くというケーキ屋に行くことになった。
ケーキだけじゃなくて「素直さん」がいるのも目的の一つだ、と言っていた。

「素直さん」はものすごく美人でカッコイイらしく、
「もうすぐ俺の恋人になる」とおっきい兄者は言った。
話を聞いていると、おっきい兄者がどれだけ「素直さん」が好きなのか分かった。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、頑張るのじゃ!」

(*´_ゝ`)「ふふーん、ありがとう。付き合うことになったら祝福してくれ」

l从・∀・ノ!リ人「もちろんなのじゃ!」

私はおっきい兄者に手を引かれて、人混みの中を歩いた。



33 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:18:03.53 ID:5bcWh1Dy0

川 ゚ -゚)「いらっしゃいませー」

ケーキ屋の中に入ると、甘い匂いが広がっていた。
カウンターには髪の長い、茶色っぽいユニフォームを着たキレイな人が立っていた。
ネームプレートには「素直」と書いてあった。この人が、おっきい兄者の好きな人だ。

(*´_ゝ`)「こんにちはマドモアゼル。そんな浮かない顔をして、何事かお悩みかな。
      私でよければ君の、話し相手になりたい」

川 ゚ -゚)「ご注文をどうぞ」

l从*・∀・ノ!リ人「おいしそうなのじゃー」

ショーウインドウの中には、たくさんケーキが並んでいて、どれも甘くておいしそうだった。
見ているだけでヨダレが出そうになった。

(*´_ゝ`)「マドモアゼル、先日の悩み事に対する回答は出たのかな?
      今日も君の、話し相手になりたい」

川 ゚ -゚)「ご注文どうぞー」



34 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:21:20.72 ID:5bcWh1Dy0

(*´_ゝ`)「はぁ……お釣り貰うとき手が当たった……。これはフラグだな」

おっきい兄者は素直さんにしつこく話しかけていたけど、全然相手にされていなかった。
本当に恋人になるのか、私は怪しく思った。
もしかすると、おっきい兄者の片想いなのかもしれない。

l从・∀・ノ!リ人「今日は甘いもの食べられて幸せなのじゃ」

(*´_ゝ`)「うむ、甘いものは世界を救うぞ。帰ったら一緒に食べよう」

おっきい兄者はサヴァランを買って、私はイチゴタルトを買ってもらった。
私はオレンジ色に染まるうろこ雲を眺めながら、おっきい兄者と家に帰った。


──おっきい兄者は甘いものが大好きだった。



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:23:47.36 ID:te6YBxjCO
ちょくちょく入る過去形が異常に怖い
支援



36 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:24:31.19 ID:5bcWh1Dy0

私の誕生日の三日前、学校から帰ってきて、リビングで漫画を読んでいると、

( ´_ゝ`)「妹者、今暇か?」

とおっきい兄者が訊いてきた。

l从・∀・ノ!リ人「暇なのじゃー、どうしたのじゃおっきい兄者」

( ´_ゝ`)「今から面白い場所に行くんだ、妹者も来ないか?」

l从・∀・ノ!リ人「行くのじゃー!」

おっきい兄者に付いていけば面白いことがいっぱい待っている。
私はおっきい兄者と一緒に出かけることにした。

( ´_ゝ`)「これから行く所にはお菓子がいっぱいあって、食べまくることが出来るぞ」

l从・∀・ノ!リ人「お菓子食べたいのじゃ! 早く行くのじゃ!」

私はおっきい兄者の手を引っ張って玄関へと向かった。
お菓子が食べられるなんて良いところだ、と思った。



37 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:27:32.52 ID:5bcWh1Dy0

外は冬っぽくなってきて、冷たい風が吹いていた。
私はおっきい兄者と手を繋ぎながら街を歩いている。

l从・∀・ノ!リ人「あとどれぐらいで着くのじゃ?」

( ´_ゝ`)「んーと、十五分もかからないと思うぞ」

l从・∀・ノ!リ人「楽しみなのじゃー」

( ´_ゝ`)「知り合いから顔出してくれって頼まれてな。
      ちょっと危険な場所でもあるから、気をつけてくれ。
      もしかしたら全力でダッシュするかもしれない」

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ。妹者は足が速いから走るのは好きなのじゃ」

私は五十メートルを七秒台で走れる。
学校では「足が速くてうらやましい」と言われて、自慢の一つだ。

( ´_ゝ`)「もちぐまが全然売ってなかっただろ、だからその知り合いに頼んで手回ししてもらうんだ」

l从・∀・ノ!リ人「流石おっきい兄者なのじゃ、コネを持っているのじゃ」

きっと前言っていた「絶大な権力を持つ人」に違いない、と私は思った。



39 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:29:28.26 ID:5bcWh1Dy0

しばらく住宅街を歩いていると、黒い猫が電柱の側にいた。
私が近付いても逃げなかったから、頭をなでてやった。
つやつやの毛並みは心地良い感触だった。

l从*・∀・ノ!リ人「可愛いのじゃー、よしよし」

( ´_ゝ`)「やっぱ犬より猫だよな、犬も好きだけど。よしよし」

おっきい兄者も黒猫の喉をかいてやった。
私とおっきい兄者に触られて、猫は気持ちよさそうにしていた。

( ´_ゝ`)「腹減ってないかな、かにかまでも食わせてやろう」

そう言って、おっきい兄者はズボンのポケットからかにかまを取り出した。
猫の前に差し出すと、猫はかにかまにかじりついた。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者のポケットには何でも入ってるのじゃ」

( ´_ゝ`)「妹者、ビスケット食べるか?」

l从・∀・ノ!リ人「食べるのじゃー」

本当に、おっきい兄者のポケットには何でも入っていた。
私はおっきい兄者からビスケットを貰って食べた。



40 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:32:16.93 ID:5bcWh1Dy0

おっきい兄者から貰ったかにかまを食べ終わると、黒猫は走り去ってしまった。
私とおっきい兄者は黒猫を見送って、また歩き出した。

しばらく歩き続けて、市民会館みたいな建物の前に着いたとき、

( ´_ゝ`)「ここだ。いいか妹者、大人しくお菓子を食べ続けて、静かにしているんだ。
      間違っても中にいる人達に変なこと言っちゃダメだぞ」

と、おっきい兄者が言ってきた。

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃー」

そう返事をすると、建物の入り口から誰か出てきた。

<ヽ`∀´>「ホルホルホル、兄者、よく来たニダ。
      ん、その子は何ニカ?」

( ´_ゝ`)「妹だよ」

<ヽ`∀´>「大歓迎ニダ。さ、中に入るニダ」

エラの張った人に続いて建物の中に入るとき、門に「草加学会」と書かれた看板が見えた。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:33:25.96 ID:UsdkgvT9O
なにそれこわい
支援



43 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:35:21.74 ID:5bcWh1Dy0

応接室みたいな場所に案内されて、三人ぐらいの大人に歓迎された。

<ヽ`∀´>「お茶菓子でも食べるニダ」

( ´_ゝ`)「サンキュー。妹者、遠慮せずに食べるんだ」

l从・∀・ノ!リ人「頂くのじゃー」

ふかふかのソファーに座って、テーブルの上に置かれたお菓子に手を伸ばした。
色々あって、どれにするか迷ったぐらいだった。
おっきい兄者は妹者が食べ始める前から、ものすごいスピードで食べていた。

私もおっきい兄者の真似をしてお菓子を頬張った。


私はおっきい兄者の言ったことを守って、静かにお菓子を食べ続けていた。
その間、おっきい兄者は大人の人と何か話していた。

「だから犬作先生は素晴らしい方なのよ、私も草加学会に入会してから人生が180度変わってね」
「あなたも入会すると良いことがあるわよ」「犬作先生には何度も救われた」「犬作先生は神様なのよ」

( )´_ゝ`)「あー、そっすね、はいはい」

おっきい兄者は真面目に返事していないようだった。口いっぱいにお菓子を頬張っていた。



44 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:37:49.95 ID:5bcWh1Dy0

しばらくお菓子を食べ続けていると、大人の人が紙とペンを持ってきた。
「それじゃあ、この紙に必要事項を記入してくれないかな」と言った。

( ´_ゝ`)「分かりました」

おっきい兄者が書き込んでいるのをのぞき込むと、デタラメばかり書いてあった。
名前は「糸井重里」だったし、性別には「男・女」の「・」に丸がされていたし、
住所は「オオカミ国オオカミ城1009号」だった。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者ー」

( ´_ゝ`)「しっ、妹者、静かに」

l从;・∀・ノ!リ人「わ、分かったのじゃ」

<ヽ`∀´>「兄者、書けたニカ?」

( ´_ゝ`)「あとちょっとだ、この入信希望欄には何を書けばいいんだ?」

<ヽ`∀´>「さっき聞いた話の感想でも書いてくれればいいニダ」

( ´_ゝ`)「把握した」

おっきい兄者は「ランカたん可愛い」と書いた。
私はどうしておっきい兄者がデタラメばかり書くのか分からなかった。



47 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:42:48.73 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「よし、書けた」

全部書き終わったおっきい兄者は、ペンをテーブルの上に置いて、紙を折りたたんで手に持った。

<ヽ`∀´>「それじゃあ渡してくれニダ」

( ´_ゝ`)「おう」

その時、おっきい兄者の携帯電話が鳴った。

( ´_ゝ`)「あ、すまん、ちょっといいか?」

<ヽ`∀´>「構わんニダ」

( ´_ゝ`)「あーもしもし、弟者か。今どこだ? ふむ、じゃあすぐに着くな。
      ああ、予定通り来てくれ。詳しい場所は伝えた通りだ。そんじゃ待ってる」

すぐに電話を切って、おっきい兄者は手に持っていた紙を大人の人に手渡した。
ちっちゃい兄者もお菓子を食べに来るのだろうか、と私は思った。



48 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:45:13.69 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「ところでニダー」

<ヽ`∀´>「何ニカ?」

( ´_ゝ`)「草加学会って何?」

<ヽ`∀´>「だからさっき聞いただろ! 犬作先生を──」

エラの張った人が説明を始めようとしたとき、おっきい兄者が突然叫んだ。

(#゚_ゝ゚)「俺はヤハフェヘフィロムの生まれ変わりだああああああああああああ!」

l从;・∀・ノ!リ人「ど、どうしたのじゃおっきい兄者!」

気が狂ったように、かみながらワケの分からないことを言い出したおっきい兄者が心配になった。

<ヽ;`∀´>「な、何ニカ」

(#゚_ゝ゚)「妹者、逃う゛ぇるぞ!」

おっきい兄者はかみながらそう言って、
テーブルの上に散乱しているお菓子をポケットに片っ端から突っ込んだ。
そして、私の手を取り出口へと向かって走り出した。



49 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:47:49.65 ID:5bcWh1Dy0

<ヽ;`∀´>「ちょ、兄者待つニダ!」

(#´_ゝ`)「うっせー! 俺は草加なんてだいっきらいなんだよ!
      昔嫌がらせ受けた仕返しだ! あともちぐま頼んだぞ!」

おっきい兄者が部屋のドアを開けると、ものすごく怒った顔をしているちっちゃい兄者がいた。

l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者なのじゃー」

(´<_`#)「兄者あああああああああ! 妹者をなんて場所に連れてきてんだよ!」

(*´_ゝ`)「好吃来来! 美姑娘!」

おっきい兄者は私の手を握りながら、ちっちゃい兄者の横を走り抜けた。
後ろからはちっちゃい兄者と、エラの張った人が追いかけてきた。

(´<_`#)「待てええええええええええええ!」

<ヽ;`∀´>「ま、待てええええええ! ってかアンタ誰ニダ」



50 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:49:59.43 ID:5bcWh1Dy0

オレンジ色に染まる空の下。
私たちは追いかけっこをしている。
走っている途中で、おっきい兄者は久しぶりに「たかいたかい」をしてくれた。

         /       〃'´⌒`ヽ  
                 〈((リノ)))i iヽ もっと早く走らないと追いつかれるのじゃー
                 l从・∀・ノ!リ人
                 ⊂)丕⊂))ヽ)
                ∩〈/_|j_ゝ((
        /      / /   ∩
           /  / /    | |
              / /     | |
  .        / / /∧_∧ ./ /
            / / ;´_ゝ`)/  妹者、何年ぶりか分からん他界他界だ
          / |      / 
            |    /
            |   /⌒l
             ヽ   | /
           / | ゙ー'| L
        /     |  /(__ヽ
         / / ノ  
       /  / /
     /   (_ヽ

   
< 兄者あああああああああああ! 待てコラ!

< ちょ、兄者、いい加減止まれニダ!



52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:52:09.54 ID:IXTgRVAyO
他界他界ー…



53 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:53:10.60 ID:5bcWh1Dy0

<ヽ;`∀´>「分かった! ウリも止まるニダ! だから兄者も止まってくれ!」

(;´_ゝ`)「わかた! 俺も走る!」

<ヽ;`∀´>「ちょ……頼むから……」

(´<_`#)「待てって言ってんだろ!」

l从・∀・ノ!リ人「高いのじゃー」

後ろから追ってくる二人を眺めながら、私はこの状況を楽しんでいた。
「待て」と言われてもおっきい兄者は走り続け、
息切れしてスピードが落ちてきたとき、私は宙を舞った。

最初、何が起きたのか分からなかったけど、
反転した世界を見て、おっきい兄者の手から放り投げられたのだと分かった。
おっきい兄者は、姿勢を崩してちょうど前のめりに倒れようとしているところだった。

私はくるくると回転して空高く飛び、やがて重力に引っ張られて地面へと近付いていく。
「妹者あああああああ!」とちっちゃい兄者が叫んでいるのが聞こえた。
ゆっくりと地面へ落下していく途中、道路の方から軽トラがのろのろとしたスピードで走ってきた。



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:55:37.36 ID:rHutDrt9O
…え



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 22:56:39.10 ID:gRJXZAS50
dkdk



56 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 22:57:44.00 ID:5bcWh1Dy0

ぼすん、と軽トラの荷台に積まれた空の段ボールに、私は背中から着地した。
立ち上がってみても、体はどこも痛くなかった。
昔と同じようにまた空を飛べた、と私は懐かしく、そして面白く思った。

(;´_ゝ`)「妹者あああああ! 俺に構わず走れ! 走るんだ!」

地面に顔を貼り付けていたおっきい兄者が、こっちを向いて言った。
おっきい兄者は起き上がるなり走り出した。
後ろの二人との距離はどんどん縮まっていた。

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃー」

のろのろと走る軽トラの荷台から飛び降り、私は走り出した。

<ヽ;`∀´>「ハァハァ……待っ……」

(´<_`#)「馬鹿野郎! もうちょっとで妹者が怪我するところだっただろ! いい加減観念しろ!」

(*´_ゝ`)「へへーん! 俺は50メートル8秒台なんだぜ! 捕まえられるもんなら捕まえてみろ」

私はおっきい兄者の言葉通り、おっきい兄者に構わず全速で走る。

(;´_ゝ`)そ 「妹者はやっ! 全然追いつけないぞ!?」



57 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:02:03.54 ID:5bcWh1Dy0

(´<_`#)「こ……の……捕まえたぞ」

(;´_ゝ`)「ぎゃああああああああ! 妹者逃げろおおおおおおおお!」

<ヽ;`∀´>「ゼェゼェ……ハァハァ……」


l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、家で待ってるのじゃー」


ちっちゃい兄者に腕を捕まれ、おっきい兄者は再び転んでいた。
私はおっきい兄者の言った通り、逃げた。
おっきい兄者はちっちゃい兄者に怒鳴られていた。



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:03:03.46 ID:C39zWVrG0
もちぐま手に入んなくね?



59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:03:10.74 ID:UsdkgvT9O
ああ、びっくりした…
支援



60 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:05:34.13 ID:5bcWh1Dy0

走り続けて、やっと家に帰ってきた。
リビングに母者がいたので、おっきい兄者に連れて行ってもらった場所、
それからさっきの追いかけっこのことを話した。

l从・∀・ノ!リ人「そーかがっかいって所はお菓子がいっぱい食べられるのじゃ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「……」

母者はなぜか無言で、怒っているようだった。
どうして怒っているのか、私は分からなかった。

母者は黙ったまま玄関の前に腕を組んで立っていた。
私も兄者たちの帰りを待つために、母者の隣に座った。しばらく待っていると、
鼻血を流しているおっきい兄者と、疲れた様子のちっちゃい兄者が帰ってきた。

(´<_`;)「ただいま……」

(;´_ゝ`)「ただい──」

家の中に足を踏み入れようとした瞬間、母者がおっきい兄者に襲いかかった。
すごいスピードで、残像が見えたような気がした。



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:08:40.99 ID:FKari/aAO
母者こわい



63 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:08:42.94 ID:5bcWh1Dy0



_, -=''"" ̄ ̄""=-―,.、   
  _,=、            ̄=.、 
   彡             "" - ,      
    >                ヽ
   :"  .__=__  ̄=.、   \
  /  彡⌒  | |@@@=--,、    ヽ        .'  , .. ∧_∧ 
  /彡" /~ニ | @# _、_@  "ヽ     ヽ    .∴ '      (    ) < ぐぼぁっ!
 /   ( /_/  |(#  ノ`) <ジェノサイドカッター ・,‘ r⌒>  _/ /
     ヽ ミ  .|ヽ,- ^ ⌒ヽ. ,_   ミ   ,i      ’| y'⌒   ⌒i
       ̄| ミ   ノ|ヽ Y|三)  ヽ  .|        |  /  ノ |
       |  |   / \_ノ    |ミ  ij       , ー'  /´ヾ_ノ
       ヽ ヽ  |         |  |i       / ,  ノ
        "ー、  |        |   ノ     / / /
           ヽ ヽ      ノ / /     / / ,'
            ヽ ヽ    // /   /   /|  |
            /   )    / /    !、_/ /   〉
           / /    /           |__/
          |  |
          \_|



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:09:42.53 ID:C39zWVrG0
あらら


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:09:58.90 ID:uVpKDshnO
ざんねん! あにじゃ の じんせい は ここで おわってしまった!



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:10:08.98 ID:UsdkgvT9O
ルガール直伝かwww



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:12:13.29 ID:C5+4ZGQeO
おもしろい



68 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:13:01.81 ID:5bcWh1Dy0

あー死ぬかと思った
          ∧_∧
    ∧_▲  (´<_` ; ) いい感じにボコられたな
   ( ノ_ゝ`) /   ⌒i
   /|   \      | |    〃'´⌒` ヽ
  /  \ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |.  〈((リノ )))i iヽ
__(_I I Iつ/  FMV  / .| .|   l从∀・ ノ!リ人  なんでなのじゃー?
    \/____/ (u ⊃ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:14:33.63 ID:FFIb6keM0
レイモンドなつかしす



70 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:15:58.31 ID:5bcWh1Dy0

(#)メ_ゝ`)「あ、メール」

おっきい兄者は携帯電話を開いて、メールをチェックした。
すると突然「なんだってえええええええ!」と大声をあげた。

l从・∀・ノ!リ人「どうしたのじゃー」

(#)メ_ゝ`)「ニダーの野郎、親切にも俺が顔を出してやったというのに、もちぐまの件断りやがった」

l从・∀・ノ!リ人「え……」

(´<_`;)「おい兄者、まさか草加の連中に頼ろうとしてたんじゃないだろうな」

(#)メ_ゝ`)「そうだが」

断られたということは、つまり、もちぐまが手に入らない……?
どうして、ふにふにでもちもちでふわふわで……

(´<_`#)「馬鹿野郎、あんな訳の分からん連中の何が絶大な権力だ!
      どうすんだよ! 今から探したって絶対に見つからないぞ!」

ちっちゃい兄者が、おっきい兄者に怒鳴った。



71 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:18:24.47 ID:5bcWh1Dy0


       ⊂≡
(#)メ_ゝ`(⊂≡l从・∀・#ノ!リ人<おっきい兄者のばかー!
   ∧   ⊂≡
ちょ、妹者、母者ばりに殴らないで!
 痛い! いてぇ! マジ痛い!



(´<_` )「妹者、好きなだけ殴っていいぞ」

おっきい兄者を信じた私が馬鹿だった。
気が済むまで叩いていると、いつのまにかおっきい兄者は床に倒れていた。

きっともちぐまは手に入らないだろうから、怒りに任せてしまった。
少しやり過ぎたかな、と思った。

l从#・∀・ノ!リ人「もう知らないのじゃ!」

私はほっぺたを膨らませて、兄者たちの部屋を出ようとした。
「何とかするから!」とおっきい兄者が言ったけど、私は無視してドアを閉めた。



72 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:21:59.16 ID:5bcWh1Dy0

l从・∀・ノ!リ人「姉者ー」

私は姉者の部屋にやって来た。

∬´_ゝ`)「どうしたの、妹者」

l从#・∀・ノ!リ人「おっきい兄者が約束守ってくれないのじゃ。
          このままじゃ、もちぐまが手に入らないのじゃ」

∬;´_ゝ`)「ああー……母者から聞いたわ。
       妹者、草加学会っていうのは怪しい宗教でね、絶対に関わっちゃダメよ。
       ホントに兄者は……」

l从・∀・ノ!リ人「だから姉者にとびっきりおいしいケーキを作ってもらうのじゃ!」

∬´_ゝ`)「任せなさい。兄者から貰ったパレットナイフ、早速使おうかしら」

そういえば、姉者にはプレゼントがあったのに。
私のプレゼントはきっと買えない。

l从#・∀・ノ!リ人「おっきい兄者のプレゼントなんて使わなくてもいいのじゃ」



74 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:25:12.27 ID:5bcWh1Dy0

∬´_ゝ`)「兄者は馬鹿だけど、根はいい子だから、きっと何とかしてくれるわよ。
      だから、あんまり怒らないで。妹者の為を思ってやってくれたんだから」

l从・へ・ノ!リ人「むー、姉者がそう言うなら分かったのじゃ」

思えば、プレゼントを貰う方が怒るのは大人げない、私はまだ子どもだけど。
怒って部屋を飛び出したのだから、今すぐ機嫌を直して戻るわけにはいかない。
誕生日まで、私はおっきい兄者に冷たくすることにした。何となく、恥ずかしいから。

∬;´_ゝ`)「それにしても草加学会はないわよね……」

それから姉者は草加学会について詳しく教えてくれた。
「信者を支持母体にして政権を獲得しようとする悪の組織」、「敵と見なした者にはどこまでも嫌がらせをする」、
「仏教ではなく名誉会長を讃える変人の集まり」、などなど。

姉者の話を聞いて、草加学会は悪者だということが分かった。

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者はアホなのじゃ」

∬´_ゝ`)「アホねぇ……」



75 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:26:52.96 ID:5bcWh1Dy0

次の日から、兄者たちはもちぐまを求めて自転車で街中を走り回ってくれた。
けれど、やっぱりどこにも売っていなくて、兄者たちは汗をかきながら手ぶらで帰ってくるばかりだった。

期待を込めて、ちっちゃい兄者に質問してみても、

(´<_`;)「ダメだ……どこにも売ってない。すまん妹者」

と返事をされた。

l从・∀・ノ!リ人「ちっちゃい兄者、ありがとうなのじゃ」

おっきい兄者ではなく、ちっちゃい兄者に私は言った。
もちろん、おっきい兄者にも心の中で感謝していた。


──私の為に走り回ってくれるおっきい兄者が嬉しかった。



77 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:28:40.60 ID:5bcWh1Dy0

結局、誕生日当日になってももちぐまは手に入らなかった。
夕方に姉者が帰ってきて、ケーキを作り始めてくれた。
母者は気合の入った料理を作ると言って、台所で姉者と並んでいた。

夜になって、汗だくの兄者たちが帰ってきて、それから父者も帰ってきて、
家族が全員揃って私の誕生日会が始まった。

母者の作ってくれたローストチキンを頬張っていると、おっきい兄者が言った。

( ´_ゝ`)「妹者……ごめん。今年は無理だったけど、来年は必ずプレゼントする。約束だ」

l从・∀・ノ!リ人「分かったのじゃ。来年楽しみにしているのじゃ」

今度はちゃんと約束したから、きっと守ってくれる。
私はそう思って、おっきい兄者に笑いながら答えた。

(*´_ゝ`)「鶏うめぇwwwww流石母者wwwwww」

おっきい兄者はローストチキンにかぶりついていた。



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:30:05.24 ID:C39zWVrG0
流石流石母者



80 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:30:39.66 ID:5bcWh1Dy0

豪華な晩ご飯を食べ終わると、今度は姉者のケーキが出てきた。
丸太のようにチョコレートでコーティングされていて、とても甘そうだった。

∬´_ゝ`)「はい、丹精込めて妹者の為に作ったわよ」

(*´_ゝ`)「うひょー、美味そう! 俺が求めてたのはこれだよ!」

(´<_` )「流石姉者だな」

l从*・∀・ノ!リ人「すごいのじゃ! 早く食べるのじゃ!」

∬´_ゝ`)「兄者から貰ったパレットナイフ、使わせて貰ったわ。ありがとね」

(*´_ゝ`)「いえいえこちらこそ、こんな素晴らしいブッシュドノエルをありがとう」

(´<_`;)「何畏まってんだよ」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「大したもんだね、そんじゃ切り分けるよ」



81 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:33:00.43 ID:5bcWh1Dy0

母者の切り分けてくれたケーキを、フォークで刺して口に運んだ。
噛むと最初に外側のチョコレートがサクサクして甘い香りが広がり、
内側のふわふわした生地とホイップクリームが程よい滑らかさだった。

l从*・∀・ノ!リ人「うんまーい! 姉者! すっごくおいしいのじゃ!」

∬´_ゝ`)「そう言ってもらえると作った甲斐があるわ。ありがとう」

こんなおいしいケーキを作ってもらえて、私は最高に幸せだった。

(´<_` )「やっぱ本職は違うな……家族にパティシエがいるとか自慢出来る」

(*´_ゝ`)「うめええええええええええええ!」

兄者たちも、母者も父者もみんな「美味しい」と言っていた。
おっきい兄者はバクバクとケーキを頬一杯に溜めていた。

(#)゚_ゝ゚)「ん……ぐ……い、いき……が……」

おっきい兄者の顔がだんだん紫色になってきた。
ケーキを喉に詰まらせているみたいだった。

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「何やってんだい兄者」



82 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:35:11.53 ID:5bcWh1Dy0

              .,__    ., \
           ‐-;-.,_ "''=;- .,_\ \\
             "‐ニ‐-> "`"'-' \
      ______二)  \      ヽ 
         ̄"'''─-、             ヽ        ‐ ‐ ― ――= =≡≡≡二
           -─                ヽ,        ‐ ‐ ― ――===∧_∧三、==三
           三 ≡               ヽ;   ‐ ‐  ― ――==三三∩#)゚_ゝ゚)'ノ≡
            @@    _  - ― = ̄  ̄`:,  |     ‐ ‐ ― ―― === 丶  .  /二=
           ,#-''´―'' ̄     __――=  i     ‐ ‐ ― ――= =≡丿   ノ≡三
         /   -―   ̄ ̄ ̄"'" .       !    ‐ ‐ ― ――= =≡∠ _  三
        /   ノ    ヾ、 _、          |   ― ―― ―――― === ∨二=
       /  , イ )     ヾ./_     _   //.`
       /   _, \   、ー`、-、ヾ、、,  、, /i/
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       j  /  ヽ  |   /  / / /
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                       / ー7 . ̄   ̄ / / ̄  /__   _/ /__/
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                      / /      / ̄ ̄_/      V l__」   ̄



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/11(日) 23:35:55.54 ID:C39zWVrG0
なぜwwwwwwwwwwwww



84 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:37:51.05 ID:5bcWh1Dy0

母者は背中を叩こうとしたのだろうけど、力が強すぎておっきい兄者が吹っ飛んでいった。
おっきい兄者は廊下の壁に激突して床に倒れた。
生きているのだろうか、と私は心配になった。

..彡⌒ミ
(;´_ゝ`)「母者……兄者を殺そうとしちゃいかんよ……」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「何言ってんだい、背中叩いてやっただけだよ」

(´<_`;)「おーい、兄者生きてるかー?」

..彡⌒ミ
( ´_ゝ`)「そうだ妹者、お小遣いをあげよう。誕生日おめでとう」

父者はそう言って、財布から取り出した五千円札をくれた。

l从*・∀・ノ!リ人「わーい、父者ありがとうなのじゃ!」

(´<_`;)「現金とは……流石だな父者」



87 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:39:51.58 ID:5bcWh1Dy0

( ´_ゝ`)「妹者、今から良い場所に連れて行ってやろう」

廊下で寝ていたおっきい兄者が起き上がって、そう言った。

l从・∀・ノ!リ人「どこ行くのじゃ?」

( ´_ゝ`)「とっておきの場所だ。というわけで姉者、頼んでおいた通りに連れて行ってくれ」

∬´_ゝ`)「はいはい、車出してくるわね」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)「早く帰ってくるんだよ。姉者、兄者のことちゃんと見張っときな」

∬´_ゝ`)「了解」

(´<_` )「また変な場所じゃないだろうな」

( ´_ゝ`)「今度は大丈夫だ」



88 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:42:16.43 ID:5bcWh1Dy0

姉者の運転する車の窓から、私は外を眺めていた。
海岸沿いの道で、窓を開けると潮の匂いがした。
真っ暗な海は何も見えず、波の音が聞こえるだけだった。

(´<_` )「どこに行くんだ?」

( ´_ゝ`)「んー、俺のお気に入りの場所があってな。眺めが綺麗なんだ。
       もちぐま買えなかったし、せめてもの気持ちとして」

l从・∀・ノ!リ人「楽しみなのじゃー」

∬´_ゝ`)「まったく、兄者はもっと計画性を持ちなさい」

( ´_ゝ`)「すまない。姉者、ありがとう」

私たち四人を乗せた車は走り続け、やがて曲がりくねった道の多い山を登っていた。



89 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:45:11.51 ID:c5wYlHO/P

∬´_ゝ`)「ここで合ってるかしら」

( ´_ゝ`)「うむ、間違いない。一度聞いただけで正確なルートを辿るとは、流石だな姉者」

車は山を登りきった頂上で止まった。
辺りはとても静かで、りんりんと鳴く虫の声が聞こえてくる。
外に出ると夜の風が冷たかった。

(´<_` )「ほう……どうして兄者はこんな所を知っているんだ?」

( ´_ゝ`)「昔、愛自転車のバイたんで来たことがあるんだ」

(´<_`;)「自転車でここまで来たのか……」

l从・∀・ノ!リ人「うー、寒いのじゃ」

( ´_ゝ`)「ジャケットを貸してやろう」

おっきい兄者は上に着ていた黒いジャケットを脱いで、私の肩にかけてくれた。
私はお礼を言って、おっきい兄者の後をついていった。



90 :>>89 下から二行目、「来ていた」を「着ていた」に訂正◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:47:14.12 ID:c5wYlHO/P

少し歩いた先に、展望台のようになっている場所があった。
その場所に着いたとき、おっきい兄者が言った。

( ´_ゝ`)「よし、着いたぞ。妹者、見てみろ」

ベンチの先に手すりがあって、その先を覗いてみると、

l从*・∀・ノ!リ人「うわーキレイなのじゃー」

きらきらと輝く街のネオンが見えた。

(´<_` )「これは、良い眺めだな」

∬´_ゝ`)「へぇ……知らなかったわ。隠れスポットね」

下を眺めれば街がきらめき、上を見ればまぶしい程の星空が広がっていた。
とても、キレイな場所だった。



92 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:49:43.41 ID:c5wYlHO/P

l从・∀・ノ!リ人「おっきい兄者、ありがとうなのじゃ。
         もちぐまのこと、全然怒ってないのじゃ」

( ´_ゝ`)「ああ……ありがとう。きっと来年は手に入れるから……。
      それと、お楽しみはまだあるぞ。ちょっと待ってるんだ」

おっきい兄者は姉者から車の鍵を貰って、何かを取りに行った。
戻ってきたとき、ビニール袋を片手に持っていた。

(*´_ゝ`)「じゃーん! 冬も近いけど花火やろうぜ!」

おっきい兄者は、季節外れの花火を提案した。
夏はもう終わってしまったけど、花火はいつ見てもキレイだから、私は賛成した。

( ´_ゝ`)「夏、大量に買って余ったのと、改造したもんがあるんだ。最後にデカイのをやろう」

(´<_`;)「ああ、あんときの……まだ残ってたのか」

( ´_ゝ`)「背中にロケット花火喰らって死ぬかと思ったな」

∬´_ゝ`)「火使うんだから、気をつけなさいよ」



94 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:51:45.69 ID:c5wYlHO/P

⊂ニニニ(*´_ゝ`)ニ⊃「ブーーーーン!」

(´<_`;)「おいこら、花火持ったままこっち来んな!」

∬;´_ゝ`)「兄者! 危ないからやめなさい!」

l从*・∀・ノ!リ人「キレイなのじゃー」

それから、たくさんあった花火にどんどん火を付けた。
ちっちゃい兄者がロケット花火を発射して、おっきい兄者の背中で「ぼうん」と破裂した。
おっきい兄者は「あちいいいいいい!」と叫んで倒れた。

姉者が兄者たちを怒って、二人とも反省していた。

私はその様子を見て笑っていた。
本当に、面白くて、楽しかった。



95 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:55:03.06 ID:c5wYlHO/P

( ´_ゝ`)「よーし、最後にドラゴンで締め括ろう」

最後の線香花火がぽとり、と落ちたとき、おっきい兄者が言った。
ドラゴンといえば地面に置いて、空に向かって噴き上がる炎がキレイな花火だ。
おっきい兄者は手に持ったドラゴンをアスファルトの上に置いて、火をつけた。

(´<_` )「市販のやつってショボいんだよなあ……」

( ´_ゝ`)「安心しろ、俺が手を加えて改良したもんだぞ」

(´<_`;)「兄者なら改良じゃなくて改悪しそうな気がするけどな」

l从・∀・ノ!リ人「あ、火が出てきたのじゃ! すごいのじゃ!」

だいだい色の火が弱々しく噴き上がり、次第に勢いが強くなっていった。
やがて色は真っ赤になって、炎の勢いはものすごいことになっていた。



96 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:56:09.55 ID:c5wYlHO/P

(´<_`;)「おい、なんか火柱が高すぎないか……?」

l从・∀・ノ!リ人「すごい迫力なのじゃ」

「ゴオオオオオオ」と音を立てて空に向かう炎は、かるく五メートル以上の高さまで届いていた。

( ´_ゝ`)「そりゃあ、火薬を倍以上増やしたからな」

(´<_` )「……え?」

∬;´_ゝ`)「ちょっと、これ、マズいんじゃない?」

そのとき、強い風が吹いた。
ごうごうと火を噴き続けるドラゴンがゆれて、倒れた。


「ぎゃあああああああああ」とみんなが声を上げた。





97 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:58:33.95 ID:c5wYlHO/P

──それが、おっきい兄者が高校一年生の時の話。
私の誕生日までにあった、懐かしくて、嬉しくて、楽しかった日々。

その後、倒れたドラゴンの近くにいたおっきい兄者は軽い火傷を負った。
幸い、私達は襲い来る炎からいち早く逃げ出し、何ともなかった。
おっきい兄者は姉者に怒られて、家に帰った後も母者に怒られていた。

その年、もちぐまは手に入らなかったけど、物なんかよりもずっと大切なものを貰った。
それが何なのか、詳しくここには書かない。とにかく、貰ったのだ。


本当におっきい兄者はアホだ、とおっきい兄者のお気に入りだった場所で夜空に輝く星を見上げ、
約束を果たしてプレゼントしてくれたもちぐまを抱きしめながら、私は思った。





98 :◆CoolAlxu6k:2009/10/11(日) 23:59:45.52 ID:c5wYlHO/P

今日の投下はここまでです。
妹者の一人称という鬼門に挑んでしまいました。

読んでくれた方、支援してくれた方、ありがとうございました。

次回は姉者パートです。



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 00:00:35.71 ID:kE2wU0DAO
乙!


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 00:03:06.29 ID:gzIGsI+d0


 _
( ゚∀゚)o彡゜姉者! 姉者!



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 00:04:37.40 ID:Bq8WUcZN0
乙!なんか続きが気になるが怖い・・・ 



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 00:06:01.50 ID:UKB91n0HO
乙!
過去形で綴られてるのがなんか怖いな
どんな展開になるのか……続きwktkして待ってる!



106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/12(月) 00:08:49.15 ID:C6dsuJj/O
乙!
楽しみにして待ってるw



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