◆スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです 七日目 暁

前の話/インデックスページ/次の話

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:42:12.98 ID:ZfovguZj0
困った時は助けを呼ぼう。
電話のボタンをプッシュして、あの番号にかけるんだ。
彼が出たらこう言うのさ。

「もしもし○○ですか?今すぐ助けに来てください」

…ってね。
先日は実に勇敢に戦ったギコール・ハニャーンだが、慣れないことはするもんじゃない。
全身打撲でボロボロだ。
それで笑っていられるのだから、なんというか……


(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです


七日目 暁
『小休憩!闇の隣のインターミッション?』





14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:45:13.97 ID:ZfovguZj0
どこかの世界の、いつかの時間。
とある国の、とある町の、国営放送局のラジオ塔。その屋上。
その場所に二人の人間がいた。

从//ー'从「星が綺麗ね」

( ゚∀゚)「……いや、俺には見えねェけどな。心の眼かなんかかァ?」

白のワンピースを着た女性。先ほどまで、立ち入り禁止のはずのこの場所で歌っていた女性。
片目を覆った包帯と、抑揚のない静かな口調。
『渡辺』というこの国の歌手である。この放送局のラジオでは深夜番組も持っている。

( ゚∀゚)「…どーにも。アンタといると調子が狂う」

屋上の階段、扉。それに持たれかかったコートの男。
右目は三白眼。髪は茶色。いかにもな「不良」と言えば分かりやすいだろうか。
他人には『ジョルジュ』と名乗っている。

( ゚∀゚)「…それで今日は、良くないお知らせがあるンだが……」

バツの悪そうな顔でジョルジュが言う。



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:48:13.36 ID:ZfovguZj0
言葉を遮り、渡辺が代弁する。

从//ー'从「知ってる。…でも、お仕事なんだから仕方ないわよ」

ジョルジュは少しだけ驚いた顔をしたが、すぐにいつもの不機嫌そうな顔に戻った。
気分を変える為空を見上げる。自身が身に纏っているのと同じ淀んだ濃い群青色。
…しかし、やはり星など見えない。

从//ー'从「今収録が終わったところだから、朝までは遊べるわ。…私、鬼ごっこは得意なの」

( -∀-)「ご丁寧にどーも」

髪を軽く梳き、ヘアバンドを取り出し後ろで括る。
彼のお気に入りの髪型だ。剃られめの眉が目立つようになるので見た目完全に不良化。

対して渡辺はクルリとターンを決めると、なんともおかしげに訊ねた。

从//ー'从「…貴方は、私を友達の所へ連れて行ってくれるのかしら?」

…帝都では見えなかったが、星の綺麗な夜だった。
――本当に、星が綺麗な夜だったのだ。



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:51:12.96 ID:ZfovguZj0
……………


「助け屋」のメンバーは、朝比奈家本宅からの帰りの車の中でなんとも言えない空気になっていた。
その原因は諸事情により傷だらけな社長、ギコール・ハニャーンにある。

( *-Д-)「………」

(;# ;;-)「………」

借りた車の座席の都合により、彼と顔に大きな傷のある、和服の猫又(その実『半妖』)でぃは隣同士なのだが……
…様子がおかしいのだ。お見合い中の男女のようによそよそしいというか……
その後ろ。

o川*゚ー゚)o「………」

七本の尾を持つ銀狐、キューが座っているのだがこちらはこちらで気持ち悪いほど無口。顔は笑顔なのに。
冷房がかかっていないのに寒いのは一重に彼女の所為である。
その膝の上に乗る鎌鼬のいづなは不貞寝を決め込んでいる。

…どうしてこうなった?



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:54:13.26 ID:ZfovguZj0
(;^Д^)「(…どうして、こうなった?)」

そう心の中で漏らすのは、貸してもらった車を運転する燕尾服の男。
烏の濡れ羽色の黒髪がチャームポイントの八咫烏。プギャーだ。
…長い間(軽く千年ほど)生きてきたせいだろうか。空気が読める男である彼は、話題を提示することに。

( ^Д^)「ところでご主人。…その刀、なんですか?」

ミラー越しに見えるのは日本刀、――に見えるよう精巧に作られた竹光。同時に霊装でもある。
レプリカと言えど、朝比奈家の家宝だったはずなのだが……
対しギコは一言。

(,,゚Д゚)「…え?貰った」

(;^Д^)「貰った、って……。…それ、どれくらい危ないものか分かってます?」

(,,-Д-)「……木刀なのに何故か人が斬れるくらい?」

( ^Д^)「加えて『血の繋がりのない人間が使うと取り殺される』と言われる凄く危ないものなんですが」

恐ろしい木刀もあったものだ。
…そういえばギコール・ハニャーンが持っていると、カタカタ揺れているような気がしないでもない。



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 20:57:12.94 ID:ZfovguZj0
( ^Д^)「いやまぁ貰ったのはいいんですけど、それ、どうする気ですか?」

当然の問い。
『血の繋がりがある』ということは、『朝比奈家の血を引いている』ということだ。
…つまり、ほぼ当主の専用武器のはずである。

(,,゚Д゚)「…え?使うよ」

( ^Д^)「誰が」

(# ;;-)「…私が。…私が、使うのです……」

おずおずといった具合に話に加わったのはでぃ。
リアリストの烏は、「何言ってんだ」と言わんばかりの視線を向ける。
答えづらそうな彼女の代わりに社長が代弁。

(,,゚Д゚)「…なんか、でぃちゃん朝比奈家の血引いてるらしいから」

( ^Д^)「…………え?」

車はコントロールを失い畑に突っ込みかけた。
――つまり、プギャーが心の底から驚いたということである。珍しいこともあるものだ。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:00:13.05 ID:ZfovguZj0
……………


ハソ ^-^リ「…さぁ、今日のMVPにプレゼントだ」

――数時間前。朝比奈家の現当主である朝比奈捺はギコに向かい言った。
携えていた日本刀を手渡しながら、だ。
不思議そうな顔をするギコに、なちは大雑把に説明する。

ハソ -リ「それはうちの家宝さね。知っての通り本来、私の親父が死んだ弟に託したものなんだが……」

(;゚Д゚)「遺品じゃないですか!?」

ハソ ^-^リ「いやぁ、どうせもう戻ってこないんだし、使える人間が持ってた方が刀も喜ぶってもんだよ」

滅茶苦茶な理屈だが、一理あるとも言える。そんなわけで刀はでぃに持っていて欲しいそうだ。
なちによれば、「きっとアイツもそう望んでたはず」らしい。
姉が言うのだから正しいだろう、と自分自身を納得させるギコ。

(,,-Д゚)「…でも、いいんですか?」

ハソ ゚-゚リ「なにがだィ?」



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:01:23.15 ID:FC/6o+j/O
おー今日は良い日だなー
支援



22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:03:12.99 ID:ZfovguZj0
(;-Д-)「…あの、護身用にとか……」

思い出されるのは仮面の男。
実際は男ではないわけだが、まぁいいだろう。…いっちょまえに心配している、というわけだ。
なちは豪快に笑い返す。

ハソ ^-^リ「いいこと教えてやろう。私の実の弟二人は、学生時代この国で十指に入る剣士だったが……」

(,,-Д゚)「…が?」

ハソ ^-^リ「私は、その二人同時に敵に回しても勝てるぐらい強いのさ。…素手で」

ボソリと付け加えられた一言で恐ろしさが3倍増しである。
でぃから聞く限り、死んだ弟も、隻腕の弟も、そこらの殺し屋程度じゃ相手にならないぐらい強い……らしい。
無論それは誇張なのだろうが、それでも腕が立つのは確かだ。

…それを二対一で、あまつさえこちらは素手で勝てると豪語するのだから……
本気で目の前の女性は何者なのか。
家族に会いたいと思ってきた記憶喪失のギコール・ハニャーンだが、もしこんな姉貴がいたら泣かされっぱなしに違いないと軽い恐怖を覚える。

ハソ ^-゚リ「…あと、それに蓄えられてる魔力で、しばらくは淫魔として活動する必要もなくなるさァ」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:03:45.91 ID:WgVlZFl40
待ってたぜ支援



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:06:14.39 ID:ZfovguZj0
…どうやらそちらが真意らしい。
『残留思念』とも呼べる、刀に溜まった前使用者の膨大な魔力。確かにしばらくは持つだろう。
その間に結論を出せ、と言うことか。

難しい問題。
馬鹿なギコは先送りにする選択を選び、話題を変える。

(,,゚Д゚)「…質問なんですが、あの風とかはなんだったんですか?」

――あの時。なちが、ギコ達を助けに来た時。
彼女の言葉に呼応するように風が、重力が変化した。場は締め付けられるような妙な威圧感で満たされた。
…その種を、まるで申し訳なさそうに語り出す。

ハソ -リ「…『帝王の勅命<ロイヤル・オーダー>』という魔法だよ」

(;-Д゚)「ろいやる…おーだー……?」

ハソ -リ「…ああ。簡単に言えば『事象配置魔法』になる。神様達が使ったとされる、その場を支配する秘術さね」

つまり、「風よ吹け」と念じれば、それが現実となる魔法。
…どういう理屈かは分からないが相当に高度なものなはずだ。
使える彼女は誇っていいはずなのだが……



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:09:14.59 ID:ZfovguZj0
ハソ ^-^リ「私は『言霊使い』だからね。『コトタマ』じゃなく、『コトダマ』の方の」

(,,゚Д゚)「はぁ……」

…召喚師であるギコール・ハニャーン。違いが分からないらしい。
いたいけな読者諸君の為に説明しよう。

『コトダマ』とは言葉や単語に念を乗せたもの。
対し、『コトタマ』とは文字そのものが持つ力、清いものである。
似て非なるもの。

ハソ ゚-゚リ「…で、私の名前はなち――手偏に、奈良県の奈をつけた字なんだが……これどういう意味か知ってるかィ?」

(,,-Д-)「全然」

即答。
素直なのはいいことだが、もう少し考えて欲しいものだ。

ハソ ^-^リ「やっぱりねィ。…私の名前である『捺』は、『上から押さえつける』って意味なのさ」

『言霊使い』は言葉の持つ力を具現化させる存在。
まさにあの魔法向き、言霊使い向きの名前というわけだ。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:12:16.82 ID:ZfovguZj0
……………


( ^Д^)「…へぇ。噂通り凄い人ですね。あんな最悪の魔法を平気で使えるなんて」

――そうなのだ。
あの魔法は『最悪の魔法』と言っても過言ではない。
…上位の存在が下位の人間を支配する為に仕込んだ魔法。
どういうことか、分かるだろうか?

(  Д)「ガラクタで人を格付けする下種な魔法ですよ……」

…人間というのは、いや、生き物というのは簡単に順番をつけていいものではない。
それを家系、出身地、職業、種族、経歴、専攻、見た目……
そんなガラクタでカーストに当てはめ、支配してしまうのがあの魔法なのだ。
なちが紫の着物を着ていたのもその為だ。服装で自分の高位の事実を示していた。

あれを使うということは、言外に「お前は私より下の位だ」と決め付けているのと同義。
…無論、その人の人格など考慮せずに。

確かに最悪の魔法と言えるかもしれない。



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:13:43.89 ID:x+zaMJvVO
きてた支援



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:15:16.34 ID:ZfovguZj0
……………


――時は流れて。
愛しい我が家、忌み番号のボロアパートの一室に辿り着いた一行。
その時にはもうギコとでぃの余所余所しさは消え、キューやいづなのイライラっぷりも霧散していた。
一段落なプギャー。

川д川「皆さんお帰りなさいー」

(,,^Д^)「ギコハハハ!ただいまー」

今回留守番組のメンバーが総出で迎える。
…クックルがいないが、勝手に帰ってしまったらしい。自由人かな。

爪゚ー゚)「なに?なに?ギコ、名誉の負傷か?」

(,,^Д^)「大変だったーマジでー」

包帯が巻かれた部分を角で小突く。
先に帰っていたはずの、麒麟であるじぃもギコがいなくて寂しかったらしい。
チリンチリンと鳴る首輪の鈴の音もどこか嬉しげに聞こえる。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:18:15.71 ID:ZfovguZj0
ミ,,゚Д゚彡「…帰ってきたとこすぐで悪いが、依頼が来てるぜい」

ボサボサ頭のウールヴヘジンのフサ。
もうそろそろ秋が来る。彼には嬉しい限りだろう。

( ^Д^)「依頼?誰から」

ミ,,-Д-彡「…えっと……、帝都放送?だったかな……」

この国有数の放送局の名を上げ、悩むフサ。
国内全域で視聴可能な国営放送である。時たまギコも聞いている。
こんな小規模な事件屋に、そんな会社がなんの用だろうか。

川д川「確かですねー、『そこに勤める歌手の友達の親友の勤め先の上司の親戚のさる名家の姉妹の末っ子の亡くなった叔父の養子の可愛い女の子』の紹介だとかー…」

o川;゚ー゚)o「それってほぼ他人なんじゃ……」

貞子に言っても仕方ないのだが、一応突っ込む。
さて、誰だろうと頭を悩ませる「助け屋」基本のフルメンバー達。

――賢明な読者諸君なら、もう分かったであろう?



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/17(土) 21:21:14.67 ID:ZfovguZj0


七日目 暁 終



小難しいこと考えるのは止め。
とりあえず、その放送局とやらに行ってみることにした。
…の、だが。
「いやいやご主人。大勢で押しかけるのも悪いでしょう。人数を削りましょう」

…それはまた、次のお話であるのだが。





前の話/インデックスページ/次の話

■この記事へのコメント

    ■コメントの投稿

    管理者にだけ表示を許可する

     

    検索フォーム

    お知らせ

    管理人へメール

    トップバナー画像をうざったい感じにしてみました。

    カレンダー

    07 | 2017/08 | 09
    - - 1 2 3 4 5
    6 7 8 9 10 11 12
    13 14 15 16 17 18 19
    20 21 22 23 24 25 26
    27 28 29 30 31 - -

    Team 2ch @ BOINC

    待ち続けている人がいる。
    だから僕らは回し続ける。
    ~まだ見ぬ誰かの笑顔のために~

    banner-88.gif
    CPUの時間
    ちょっとだけ
    貸してください
    (BOINC Team 2ch Wiki)

    ブーン系“短編”小説更新状況

      プロフィール

      kuru

      Author:kuru
      特に何も無いよ。

      カウンター

      トータルアクセス:
      ユニークアクセス:
      閲覧者数:



      クリックで救える命がある。
      上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。