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◆('A`)「ラブレターのようです」 その1

インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 22:52:34.83 ID:mM7dGyuw0
 人が空を飛びたいと願ったとき。
 そのときから、その空は遠く、手の届かないものだと思っていた空は。
 自分たちの手のひらにあると、信じることができるものとなった。

 無理なものは無理だと思うよりは、信じてそれは自分の中にあるのだと思ったほう
がらくだから。だれかが、僕の記憶を構成する一部にいた人物がそう、言ってた気が
する。
 初めてそれをきいた時、なんだこのポジティブ野郎は…。と恐怖を覚えたものだっ
ったが、今となってはいい思い出だ。

('A`)「現実逃避」
 
 なつかしきそんな思いで。
 だから、ふとした切っ掛けだけど、それをなんとなく僕も信じてみることにする。
 開け放った、下駄箱のふたの中。

('A`)「……」

 さほどまだ、よごれの目立たない週末明けでのスニーカー。きれいに並べられて
おさまっていたその上に、なにやら見慣れないものが一つ乗っていた。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 22:54:24.53 ID:mM7dGyuw0

('A`)「よいしょっと・・・」

 さりげなく、何気なくそれを認識してないようにスニーカーを手に取ってみる。
 
('A`)「おっと…」

 だがそんな気遣いもむなしく、空気の抵抗でふわりと落ちるそれは、ゆっくりと
地面へと下降していく。

 かさり、と落ちたそれ。それ、それ。

('A`)「……」

 らぶれたー。だった。


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 22:58:31.15 ID:mM7dGyuw0
 気付けばそこは、保健室。
 学校がはじまれば、僕はいつもここにきている。
 理由は言わなくてもわかるだろうから言わないが、それでも昔に比べればまだマシだろう。

('A`)「……」

 このことを、保健室の先生に伝えたかったのだ。
 しかし、全く持ってそれは違っていたのかもしれない。
 僕自身、それに自信を持って断言できるほど何かしらわけを知っていっているわけでもな
いけど。それでも、僕はちっとも理屈としてそれを受け止めることはできなかった。

('A`)「恋ってなんですか」

 だからこそ、僕はこのような無粋な効き方しかできないわけで。
 でもだからって、言い訳を述べようとは思いもしなかった。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 22:59:40.00 ID:mM7dGyuw0
'、`*川「相手に幻想を抱いている、もっとも人間としての生涯で脆い時期のことよ」

 トドメ色をした得体の知らない液体が入ったフラスコを、じっくり観察するように見つ
めていた先生は、僕のいきなりの質問にとってつけたように、そう答えた。

('A`)「脆い、ですか?」

 僕は再度、質問を繰り返す。彼女は「そうそう、そうなのよ」とめんどくさそうに繰り
返し言葉を呟き、そっとため息をつく。なんだか、今日の先生はいつもよりもだるそうに
見える。昨日、先生に何かあったのだろうか。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:02:16.17 ID:yIDVVNqD0
教師と生徒の行けない濃い


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:02:35.70 ID:3mYtI4M10
先生が異空間にめり込んでる……!


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:02:49.73 ID:mM7dGyuw0
 気になったりしたが、まずは質問の回答を待つことに専念する。

('、`*川「人というのはね、まずは一人で生きることができない存在なのよ、うん」

('A`)「そうですかね」

 僕はその答えに納得できず、少しばかりごねる。
 一人はいやだけど、それでも一人で生きていくことは可能だということは、僕自身、
現在進行形で経験済みだ。
 そんな僕の心情に気付いたのか、フラスコから視線を離すと僕に向け、珍しくやさし
く微笑んだ。

('、`*川「まぁまぁ、君はその中でも別格よね。一人大好き?」

('A`)「大好きです」

('、`*川「私もよ」

 そうは見えないけど、とは僕は口には出さない。出していたら、多分、なにかしら文
句をいわれるのは必須だから。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:06:40.58 ID:mM7dGyuw0

 僕はちらりと彼女が使う机の引き出しを見つめ、流すようにまた彼女へと視線を寄せた。

('A`)「まぁ、僕と先生の愛称問題はいいとして……それで、人はなんなんです?」

('、`*川「そうね、そう。人はね孤独を嫌う。他と他の関係性を心から望む。それが人間、
変わらないものよね。昔も、今も」

('A`)「昔も、今も」

('、`*川「変わらない……そう、変わらない。変わることはしないから、人はどこまで
もどこまでも人としての概念を捨てることができないのよね。残念だわ」

 うんうんと、一人で頷き納得する先生。
 僕はその様子を旗から見て、まぁなんにせよこういう先生だとは分かっていたので何もい
わないでおく。改めていってもどっちにしろ意味無いような気がするし。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:11:08.29 ID:mM7dGyuw0

('A`)「先生の人の概念設定も僕にしてはどっちでもいいので……本題を」

 これより先生のワールドを発展させないようにけん制しつつ、彼女が持っていたフラスコ
をそっと奪ってみる。
 奪ってみたフラスコは、先生の肌の熱をもって、少しだけ生暖かく感じた。

('、`*川「割らないでね、掃除大変だからね。まぁ、してくれんなら割ってもいいけど、うん」

('A`)「割りませんよ、故意的には」

('、`*川「そうか、残念」

 なにがだよ、と心の中で突っ込みを入れて、フラスコを揺らす手を止める。
 そのなかにある液体は、よくみると所々、白く白濁色をした部分もあったり、よくわから
ない液体だなぁと僕はなるべく自分から遠い場所に、それを置いた。
 この保健室のセンセイ…まさか、まさかだよな。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:14:51.70 ID:mM7dGyuw0
('A`)「いきなり質問を変えますけど、先生は恋したことあるんですか?」

('、`*川「うーん……そうね、どう答えたものかしら」

 悩んだ。ちっとばかし意外だった。
 この先生ならば、なにかとハッキリ答えるものだと思っていたのに。それがあるなしかか
わらずとも。なにかしら言い難いことでもあるだろうか。

('、`*川「恋かどうか分からないけど、女の子と付き合ったことはあるわね」

 斜め横だった。
 え、なにそれ。どういうことなんだ。

('、`*川「意外そうな顔だね。いや、そうじゃない……予想通り?」

('A`)「いえ、まぁなんというか。ちょっと考えてたのとは違ったような気がする」
 
 もっと、ここに通学する男児学生(イケメン層)を全て網羅したようなそうじゃないよう
な気がしないでもなかった。
 この人、性格は変だが顔はとても美人だし


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:18:33.55 ID:mM7dGyuw0
('、`*川「いやぁねぇ…私、こんな顔だしさ。モテるって言えばモテたわよ。そりゃ」

('A`)「……では、その中でけっこうイケ面とかいたんでしょうに」

('、`*川「いたわ、腐るほど。そりゃ腐るほどいたわね、うん」

('A`)「じゃあ普通に男と付き合ってるんじゃ……」

('、`*川「つまらないじゃない」

('A`)「へ?」

('、`*川「だから、つまらないじゃない。普通の男となんかとつきあっても」

 この一言で、この人がなぜ男性との〝付き合いがない〟か理解できた。
 本当に性格面で残念すぎる、この人。こんな女性が彼女なんて、そりゃ最初のうちは
いいものの、そのうちその正体を知ってみな去っていくのだろう。
 コイツは、頭がイカレテルト。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:22:03.79 ID:mM7dGyuw0

('、`*川「なにやら失礼極まりないことを思われてるような・・・」

('A`)「いえ、それほどまでも」

('、`*川「否定しろよ」

 ったくよー、これだから男は安直なんだよ。と、彼女は白衣の胸ポケットにあるタバコの
箱(保健室だぞ…)を取り出す。だが中身がなかったのか、しばらく殻の箱を見つめた後、
ぐしゃりと握りつぶした。

('、`*川「ねぇ・・・」

('A`)「もってませんし、吸ってもいません」

('、`*川「くそっ…これだから草食男子はっ!」

('A`)「……えっと、むしろお肉のほうが大好きですけど?」

('、`*川「しゃべるな流行遅れ」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:26:54.70 ID:mM7dGyuw0
 くしゃくしゃになった箱を近くにあったゴミ箱に投げ捨てると、はぁ~と大きくため息を
はいた彼女は、所々錆びついたパイプ椅子へと深く座り込んだ。

('、`*川「なんだかねぇ~……あれよね、あれ」

('A`)「主語をお願いします」

('、`*川「授業もろくに出てない奴に言われてくないわ」

('A`)「なんか、さきほどから先生……口調変わってませんか?」

('、`*川「なによ、いまさら」

 ですよねーと。先生にはめずらしい気だるさ+大人しいモードは長くは続かなかったみた
いだった。素直に残念がる僕。本当に。

('、`*川「私の猫かぶりモードをみたいなら、素直に授業に参加して、行事等で私の姿を
みなさいな。感動するわよ」

('A`)「なににたいしてです?」

('、`*川「演技のうまさに?」

('A`)「性格の悪さに、ではなく?」

('、`*川「そう、それはあなたしか知らないしね」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:31:12.48 ID:mM7dGyuw0

 一瞬の間。そして理解する彼女のからかいの意味。

('A`)「…すっごい恥ずかしいですけどなんか」

('、`*川「純情ねー。女の人の、その隠された部分を自分だけが知っている…そこを指摘さ
れただけどその反応…」

 萌えね。萌え。
 うんうんと、なぜか渋い顔を作りながらうなづき続ける彼女はなにやら、年を感じさせる
雰囲気がすごかった。はっきりいえば、おばあちゃんみたいだった。

('A`)(お茶と煎餅あれば完璧だな……)

 あぁあ、しかし。
 なぜだろう。

('、`*川「ふわぁああ~……ねむい」

 どうして、僕は。
 この人を好きになったのだろう。

('、`*川「ねぇ、ドクオ。あんたコンビに行ってコーヒー買ってきてよ。暇でしょ?」

 いや、本当に。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:36:00.65 ID:mM7dGyuw0


 ねぇ。ドクオ。貴方はなぜ、そんなところでないているの?
 そのとき、あの時。あの場所で。あんな時間帯で。
 はじめてきいたとき、その透き通るような声は本当に、天使がいるのではないかと
勘違いしそうになるぐらいそれは、僕にとって素敵なものだった。

('、`*川「そんなところいると、私がタバコが吸えないんだけど?」

 その言葉の内容は、最低だったけど。

('A`)「……ごめんなさい…」

 だけど、そのときの僕は、そんなかのじょにたいして口出しすることなんてできず、
痛みだす打僕の方に意識は向いていた。

('A`)「すぐにどきますんで…あいてて…」

 集中的に狙われた腹部あたりを押さえつつ、僕は足早に立ち去ろうとする。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:42:15.77 ID:mM7dGyuw0
('、`*川「まちなさい」

 だがすぐに呼び止められる。
 だが、だがそれも予想済みだ。
 僕は無視して、その声をきこえないものとして歩く速さを早めていく。

('、`*川「まちなさいてば」

 だけどもいつまでもいつまでも、彼女の声は僕を追い続ける。
 逃げ出したいのに。その、きれいな声から逃げ出したいのに。
 
 こんな僕に対して、投げかけてほしくない声なのに。

('、`*川「延髄蹴り」

 そこまでは覚えていた。
 だが、なぜがその言葉を聞いた瞬間から、さっきまでの痛みよりさらに強い痛みに
よって僕の意識は吹き飛んで行った。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:47:32.90 ID:mM7dGyuw0

('A`)「……」 

 気付けばそこは、白い空間に僕はいた。
 視線だけを動かせば、白いカーテンが開けた窓から吹く風により揺れている。

('A`)「う~ん…ここは、あいてて…」

 どうやらベットに寝かされているらしい。
 起き上がろうとすると、なぜか異様に首が痛んだ。そっと手で触れてみるとこれまた
異様にでかい湿布が首をくくるように張られていることに気付く。


('A`)「保健室、か……」

 治療されてることからみて、それは正しいのだろう。
 では、なぜだろう。

~~-y('、`*川「ぷはぁ~……」

 ベットの隣でタバコをふかしている女性は。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:58:10.72 ID:mM7dGyuw0


 この女性がいることによって、僕の予想は大幅に外れることになる。
 もしやと思い、その女性が来ている白衣によって導かれるものを考えると……

('A`)「保健室、のセンセイ……?」

('、`*川「ぴんぽーん。回答から正解まで約三分でしたー。なかなかのアホずらだった
わねその間」

 ぷはぁと吐き出したタバコの煙。口先から出された煙は綺麗な輪っかになり、やがて
空気に溶けて行った。

('A`)「……ここ、保健室ですよね?」

('、`*川「そうよ。そして私は保健室のセンセイね」

 よろぴくー。となぜか小指を突き出してくる彼女に対して、僕はなにがなんだがわからず
とりあえず返すように僕も、小指を突き出し、絡め、力を込める。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:07:27.13 ID:3FLHicvJ0


('、`*川「はい、これで私と貴方は同盟ね」

 ゆっくりと離された小指を見つめていた僕は、その言葉で視線を上げる。
 彼女は小さくなったタバコを携帯用の灰皿に押し当て、ポケットへとしまった。

('A`)「……なんすか、同盟って。というかぼ…俺どうしてここで寝てるんすか」

('、`*川「無理に強がらなくていいからね。逆に弱弱しくって見てらんないから」

('A`)「へ?」

('、`*川「それと、君が……いや、これはもうだめか…うん」

 ひとりでうなづき、なにか納得したようすの彼女。
 
('、`*川「ドクオ君、今日から貴方は保健室に通うようにしなさいね」

 展開が早い過ぎて追いつけない。追いつけないというより、この人。

(;'A`)「アンタ…もしかして、俺のことを蹴り倒した人じゃないか……!?」

('、`*川「遅っ!?」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:14:41.51 ID:3FLHicvJ0
('、`*川「ここまできて、そこでその反応はないわー…いくら空気を読めないからって
ちっとはわかるだろうがこのチキン」

('A`)「……」

 なぜ、僕が責められているのだろう。ちょっとなにがなにやら理解の範疇を越えようと
したけれど。

(;'A`)「あたっ……!」

 いきなり腹部へと走り出す痛み。そしてつながる記憶。痛み。感情が毀れ出し、流れる
涙とよだれと悔しさと悲しさと、痛み。

('A`)「……そっか。あれですか?」

('、`*川「ん?なにが?」

('A`)「わかってますよ。保健室のセンセイ」

 ばさりと、膝元にかかっていた毛布をはぎ取り、上履きを探す作業に入る僕。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:16:46.71 ID:ANE/C0ug0
いいな この感じ。

支援


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:24:36.32 ID:3FLHicvJ0


('、`*川「こらこらー、いくら若いからって延髄を気絶させるまで強打されたんだから、
急に動くとあぶないわよー」

('A`)「いいでしょう。どうでも、これは僕のことなんだ。あんたには関係ない」

('、`*川「関係なくないけど。だってドクオ君が言った通り、私が貴方を蹴り倒したんだから」

('A`)「じゃあいいです。許します。それではさよなら」

('、`*川「そのほかにー。私はどうしてだか、ここでの傷、医療、薬品管理をまかせられてる
保健室の先生だったりー」

 その言葉に、僕の足が止まる。
 その僕の姿に、先生はよしと思ったのか言葉を続けた。

('、`*川「ほらほら、ね?せっかくだから私に傷を見させてよー。んでさー…」

 思いっきり。
 今まで、生きてきた十数年間出したこともないような力で。

(#'A`)「うるさいっていってんだ!!!!!!」 

 腹から叫んでいた


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:32:27.22 ID:3FLHicvJ0

 叫んだのはいいものの、あの彼女の言った通りなのかは知らないが。とてつもない眩暈が
体に襲いかかった。普段感じる立ちくらみよりもさらに、ひどくなったような。

( A )「なにもわかって…わかってないくせに……っ!」

 それでも、それでもこれだけは伝えたい。
 この目の前にいる、声の天使に。

( A )「僕は……確かに落ちこぼれで…だめなやつかもしれない…!」

(;'A`)「でもっ!……それでも、僕は大人は頼らないっ!自分でなにかをしなくちゃ…」

 いけないことぐらい、わかってる、わかってるつもりなのだから。
 暗くなる視界。傷の深さはともかく、元々体力のない僕は叫んだこと自体でそうとう
限界だったみたいだった。

('A`)「だから…先生には……ひとりなんて…いやだ…」

 見えない視界は、彼女の顔を見ることはできなかった。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:43:45.50 ID:3FLHicvJ0


('、`*川「……こうして、青臭き少年は、二度目の失神をしたのでした。めでたしめでたし」

川 ゚ -゚)「なんだそれ、終わりか?」

('、`*川「んー。私的にはここで終わりのほうが好きなんだけどね、彼がこれからどのよ
うに心を開き、分かち合い、考え、更生していくところなんて…なんか人間くさくて嫌な
のよねー」

川 ゚ -゚)「別に貴方の意見など聞いてない。私はその話の続きはないのかといってるんだ。
このニコチン中毒」

('、`*川「まぁひどい引き籠り残念娘」

 購買部で牛乳とパンを買って帰ってきたぼくは、開かれたドアの前で開かれる口論が終わ
るタイミングを計ってみることにする。毎度のことなので、その光景にはなれてしまったが
割って入るほどの度胸は僕には持ち合わせていない。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 00:50:52.45 ID:3FLHicvJ0




('A`)(もうここで食べて待とうか……)

 パンぐらいなら五分程度で食べ終わるだろう。そのうちにも喧嘩も終わって万々歳。
 なればいいけど、ならないと思うから予想に終わる。

川 ゚ -゚)「む。ドクオじゃないか、帰ってきたのなら早くいえ」

('、`*川「おードクオ虫。例のものは買ってきたか?」

('A`)「こんにちわ、クーさん。そしてなんだ虫ってなんですかおい」

 腕に抱えていた先生の昼飯を渡すと、私服姿のクーさん方へと近づいていく。

('A`)「今日はお元気で?」

川 ゚ -゚)ノ「ああ、なかなかにな。おまえは…相変わらずそうだな」

('A`)「それがなによりですよ」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 12:34:27.40 ID:y7r7LLdS0
 このクーさんという女性は、実は先生の友達らしい。
 だが年は結構離れていて、友達というよりは元、教え子みたいな関係みたいといった
感じだった。
 
('、`*川「どっくんっ!こりゃどっくんやーい!」

('A`)「……なんですか、先生」

 クーさん今日は何用で?と続けようとした僕はその言葉を飲み込んで、パンをくわえ
ながらこちらに手招きをする彼女へと視線を寄せる。

('A`)「ちゃんと願い通りのものをかったでしょうに・・またなんか文句ですか?」

('、`*川「ちがうわー。心から違うわー、うんうん」

 ……なんだろう、なにやら、先生のテンションが微妙に違う。今までの経験上、その
先生のノリはよくない展開になってることが多かった気が……する。
 いや、もうなってるのかもしれない。


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 12:43:33.43 ID:y7r7LLdS0


 もしや、もしやと思いながらも先生に近づく僕は、ひさしぶりに心臓がどきどきと
なっていることに気付いた。何緊張しているのだろう。いや、恐怖に心拍数がエライ
ことになってるのかもしれない。

('、`*川「うんとね…なんいていうのかね…」

('A`)「はい…なんでしょう」

('、`*川「あの頃のドクオ君……言っちゃった?」

 なぜに疑問形。少し、その意味が分からず呆然となる僕。
 うん、うんうん……うん?

('A`)「もう一度、はっきりお願いします……先生」

('、`*川「だからね、私ってばその場のノリで……」

 パンを口から離して、珍しくない、まったく見慣れた。
 なにか悪戯事を考えたような、茶目っけたっぷりの笑顔で。

('、`*川「あの時の、ドクオ君を全てクーちゃんに離しちゃった」


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 12:51:42.03 ID:y7r7LLdS0


('A`)「マジでですか?」

('、`*川「まじまじで」

('A`)「……どこまで?」

('、`*川「ドクオ君が私に叫んで二度目の気絶をするまで、かな?」

 確認するように、クーさんのほうへと視線を向ける先生。
 それと同じように、僕もクーさんへと視線を寄せると、こちらにおもいっきり聞き耳
をたててるクーさんがいた。
 二人に見つめられた彼女は、椅子から浮かしていた腰をゆっくりと下ろし、無表情の
まま、なにごともなかったように話を続ける。

川 ゚ -゚)「……そうだな。うむ、確かにそうだ。しかし、私はそれがドクオの話だとは
きいてなかった気が」

('A`)「先生」

('、`*川「ごめん☆そこまで配慮してたんだけど今になって墓穴掘っちた」

 わざとのくせに


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:04:21.28 ID:y7r7LLdS0

('A`)「話したことはいいです、もう何というか貴方のノリには慣れましたから…でも
なんでそこまでなんですか」

 そうだ。なぜそこまでなのだろう。
 そこまでだと、自分が惨めなところでおしまいだろうに。
 自分がこれから更生していく部分など、まぁたいして面白くないだろうし言わなくても
いいだろうが……。
 でも、それでも。そのあとのことを言ってくれても損はないじゃないですか。

('、`*;川「あ、ああ…それはね…私ってばほら人間臭いの…」

('A`)「だって先生いったじゃないですか…その時の僕、すっげーかっこい…ぐほっ!」

川 ゚ -゚)「首に本気気味のクロスチョップだとっ!」

 暗くなる視界。
 なんかとてつもなくデジャビュなんだけれども。

 今回は、どうしてだが暗くなる視界にて。
 先生の表情が見えたのは幸い、幸せ、なのだろうか。
 
 仕返しには、結構成功したみたいだった。


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:16:52.70 ID:y7r7LLdS0



('A`)「……う、ん…」

 気がつくと、そこはベットの上だった。
 視界いっぱいには、赤く染まったカーテンが風に揺れている。
 もう、夕方になっているらしい。時間の経過が速すぎるな今日…。

川 ゚ -゚)「起きたか、ドクオ」

 突然声がして、そちらに目線だけ向ければ、椅子に座って読書をしているクーさんがいた。
 僕はちらりとその本の表紙を見て、ゆっくりと起き上がる。

('A`)「どんぐらい寝てました…?まあ、なんとなく予想はできますが」

川 ゚ -゚)「五時間。あれだな、寝不足になった時があったらペニサスに頼めばいいな。安眠
療法にはもってこいだ」

('A`)「本気で言ってます?」

川 ゚ -゚)「あらかた嘘だ。だが…」

 ぱたりと閉じた本。
 しおりは挟まなくてもいいのだろうか。と、思ったがそれはいいのだろう。
 彼女がその本を読んでるのは、数えきれないぐらいみたことがある。


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:24:56.31 ID:y7r7LLdS0
 本の内容や順番、展開などはとうに熟知しているに違いない。
 それでもその本を読み続けるには、理由があるのだろうか。
 まぁ聞けやしないけど。

川 ゚ -゚)「おまえには、その方法は効きそうだけどな」

('A`)「なんです、毎回、あざを作りながらも就寝しなきゃならんのですか?」

川 ゚ -゚)「む、いや…それでも、どちらも幸せに見えるのでな」

 なにをいってらっしゃるのか。この人。僕はドMですか。
 先生のほうはわかるけど、僕が幸せというのは断じて否定したい。

川 ゚ -゚)「不服そうな表情だな、まぁそうか。私的には……ぺにさすと連れあってる時点
で相当なマゾっ気だと思うんだが」

('A`)「……それ、クーさんも入ってません?」


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:31:07.78 ID:y7r7LLdS0
川 ゚ -゚)「当然だ、私は完全なるMだぞ。君もだろう?」

('A`)「……いや、まぁ、そう言われると確かにそうですけど…」
 
 なぜにこう、面と向かって女性と二人っきりでMかSかの話をしているのだろう。
 普通は男同士で……いや、それも変か。ということは、クーさんはとてつもなく
変な人なんだろう。わかってたけど。
 …うん?そういば二人っきり?

('A`)「…そういえば、その肝心の先生はどこに?」

川 ゚ -゚)「あいつは、なんか部活動中に怪我したっていう報告が来たから行ったよ」
 
 なるほど。忘れていたが、あの人はここの学校の保健室の先生だった。
 平然と寝ている生徒の前でたばこをすってるからすぐ忘れてしまう。


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:38:38.07 ID:y7r7LLdS0
川 ゚ -゚)「くそ野郎、ドクオ君の顔にラクガキできないじゃんっ!って言いながら去って
いったなそういえば」

(ノA`)「……」ゴシゴシ

('A`)ノ「……」

 手のひらが真っ黒になっていた。

('A`)「よく、平然と僕と会話できてましたねクーさん」

川 ゚ -゚)「ん、いや私ってば表情があまり表に出にくいしな」
 
 その範疇を越えていると思う。というか、なぜ、そのことをまず最初にもってこない。


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:44:34.74 ID:y7r7LLdS0
('A`)「はぁ」

 僕はため息をつき、そして、風に揺れるカーテンを見る。
 くれない色に染まる白は、まるでなにかに照れているみたいに見えた。

('A`)「……」

 あのとき。暗くなる視界の中で。
 見えなくなりそうな視界の中で。

('、`*川「……」

(//、/*川「……」

( 川ミ バッ

 あの赤くなった表情は。
 僕は一生忘れないだろう。

('A`)「うん…まずかえったらそれを日記に書こう」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:48:04.55 ID:y7r7LLdS0
とゆことで。
今回はここで終わりたいです。

支援、保守ありがとです


 
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/21(水) 23:54:58.73 ID:vU96OZHLO
 華麗なる転身の人か?


>>28
違います。

ではこれで
おとしてもかまわないです

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:50:26.78 ID:y7r7LLdS0
訂正

>>77>>25当てに。

では本当にこれで ノシ


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 13:58:35.82 ID:wj6hPReA0
乙。楽しみに待つよ


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 14:09:20.37 ID:EymqbSOpO
乙です


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/22(木) 15:35:19.54 ID:qBOzSiv50
おもしろそうだなオイ


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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    今後の展開にwktk
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