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◆('A`)僕たちの遁走曲のようです 第1話

◆('A`)僕たちの遁走曲のようです インデックスページ

1 :◆rhxokPrS5A: 2009/05/17(日) 20:51:48.03 ID:QAGsy7oC0
いろいろと指摘を受けまして、加筆修正したものを投下したいと思います。
まとめも無く前回ご覧になった人も少ないと思いますので、どうか見ていってください。


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:53:07.94 ID:QAGsy7oC0
( ´∀`)「そうだ、お前ちょっと旅に出てくるモナ」

突然親父がそう言った。
窓の外に広がる空が、とても綺麗な朝だった。

いつもよりちょっと遅めに起きた土曜日の朝。
仕事が休みなので親父が家にいるのは至極当然のことなのだが、少なくとも今の状況は自然なものではないだろう。

('A`)「おはよう、親父」

( ´∀`)「おはようモナ」

('A`)「そう言えばなんで俺の部屋にいるの?」

( ´∀`)「お前がいつまでも寝てるから起こしに来たんだモナ」

寝すぎと言われてもまだ午前9時だ。
休日なのだからこのくらいまで寝ていたってなんの問題もないだろうに。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:54:01.99 ID:QAGsy7oC0
( ´∀`)「海のそばがいいモナ、なんせそろそろ夏だモナ」

('A`)「言われなくてもそろそろ起きるよ……」

('A`)「…………」

('A`)「……正気?」

(*´∀`)「もちろんだモナ」

爽やかな笑みで即答された。
ちなみに今は五月。夏の足音はまだ遠すぎて聞こえない。

('A`#)「…………」

その爽やかさがやけにムカついたので、手元にあった灰皿を投げ付けてみる。

( ´∀`)「フッ……」

華麗なステップでかわす親父。

( ´∀`)「息子ごときの攻撃を食らったら父親失格だモナ」

('A`)「俺はお前を父親だとは認めないから!」

俺の抵抗は空しくかわされ、あっという間に俺の旅立ちが決定した。



4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:55:31.98 ID:QAGsy7oC0



('A`)僕たちの遁走曲のようです 第1話




5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:56:47.27 ID:QAGsy7oC0
現在の時刻、午後3時。
あれから僅か数時間のうちに、車に積まれ飛行機に乗せられて
気がつけば、全く知らない土地に追いやられていた。
親父は「お金は結構用意したモナ!安心しろモナ!」なんて言っていたが。
そういう問題じゃない。むしろ用意してなかったら俺はその場で家を燃やしていたかもしれない。

('A`)「さて、ここはどこでしょう」

とても綺麗な場所だ。
見渡す限りに、人工的な建物は見当たらない。
鮮やかな緑と舗装されていない道に、少し潮の香りがする空気。

('A`;)「……本当に海まで来ちまった」

古ぼけた堤防の上に登ると、驚くほどきれいな砂浜が見下ろせた。
ごみ一つ落ちていない。
本当にここは日本なのだろうかと疑問に思うが、考えてみたら日本ではない可能性も捨てきれないのだ。

砂浜まで降りて行き、海を眺める。
どこの沖縄だよってくらいに透き通っている。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:58:20.46 ID:QAGsy7oC0
('A`;)「しかし……あづぃ」

まだ5月のはずなのに、とんでもない気温である。
何か飲み物がないかと思ってバッグを開けると、中には

『( ´∀`)常に鍛錬をおこたるなモナー』

と書かれたメモと、5kgのダンベルが二つ用意されていた。
思わず悪態をつくよりも先に力が抜けて、そのまま腰を下ろす。

('A`;)「あちぃ!!」

一日中凶悪な日光を浴び続けた砂は恐ろしい温度をしていた。

('A`;)「ちべたい!?」

慌てて立ち上がろうとして、今度は海水に足を突っ込んでしまった。
予想以上に冷たい水にびっくりして、そのまま倒れ込んでしまう。

('A`)「しょっぱい……しかも服がびしょびしょだ」

木陰になっているところまで移動して、服を乾かそうかな。
そんなことを考えた時だった。



8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 20:59:13.67 ID:QAGsy7oC0





音が、聞こえた。
波が奏でるそれとは違う、繊細な音色。

('A`)「近くに人がいるのかな?」

音を頼りに歩いて行く。
最初はかすかにしか聞こえなかった音が、だんだんはっきりと聞こえるようになる。
多分……ギターの音だと思う。

('A`)「やっぱりそうだ」

見つけた。
大きめの岩に腰を掛けて、ギターを抱えている女性。
足元には携帯用のアンプが見えた。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:01:45.62 ID:QAGsy7oC0
オーバードライヴに歪められたサウンドが紡ぐ、なじみのある旋律。
ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』第十二楽章『リモージュの市場』。
軽快に刻まれるリズムが、高みへと持ち上げられる。

それは頂上まで達したとき、突然断ち切られる。
確か次は第十三楽章『地下墓地』――――なんか物騒なだったので覚えてしまっていたのだが。

('A`)「あれ?」

次の音が刻まれることはなかった。

川 ゚ -゚)「すまないな、実はここまでしか弾けないんだ」

('A`)「うへぁ!?」

見れば、女性がこちらを見ていた。
さっきの独り言を聞かれてしまったらしい。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:04:18.56 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「まさかこの辺に人が来るなんてな。びっくりしたよ」

('A`)「あ……ごめんなさい」

とりあえず謝ってみた。

('A`)「すごいカッコ良かったです」

そして褒めてみた。
女と何かあったら、とりあえず褒めろ。
クソ親父の教えだった。

川 ゚ -゚)「そうか、ありがとう」

川 ゚ -゚)「ところで君は、こんなところで何をしていたんだ?」

見ない顔だけど、と疑問の目を向けられたので、
とりあえず、事の顛末を話してみたのだが――――



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:06:58.99 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「……嘘は嫌いだぞ」

('A`;)「ほ、本当ですって」

――――当然のように信じてもらえなかった。
まあ、あんな親を信じる方がどうかしているのかもしれない。
できれば俺も信じたくないし。

川 ゚ -゚)「ふむ……とりあえず信じるとして、だ。」

未だに釈然としてなさそうな声が返ってくる。
ちなみにまだ彼女は岩の上。そろそろ首が痛かったりする。

('A`)「はい、なんでしょう」

川 ゚ -゚)「これからどこで寝泊まりするつもりだ?」

('A`)「適当に旅館でも探そうかなと思って」

川 ゚ -゚)「あー……」

なぜか哀れみのこもった目で見つめられた。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:09:39.73 ID:QAGsy7oC0
はい、本当ですとも。

('A`)「それで、この辺りに旅館とかありますかね」

川 ゚ -゚)「無いな。そもそも観光客が来ることもない」

('A`)「それで、この辺りに獣が寄ってこない、風通しのいい場所ありますかね」

川 ゚ -゚)「最近熊が出るんだ」

妥協して野宿もできないのかここは!

('A`)「困った……」

川 ゚ -゚)「とりあえず、役場まで案内してやろう」

彼女は荷物をまとめると、軽快に踏み切って岩から飛び降りる。
まるで荷物などないかのように軽々と砂浜に着地をする。

川 ゚ -゚)「あ」

予定だったらしいのだが、盛大にコケていた。

('A`;)「だ、大丈夫ですか?」

川 - )「……足、くじいた」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:12:09.48 ID:QAGsy7oC0
私、鬱田ドクオはただいま快楽と苦行の境目をさまよっている。
背中に感じるのは、二つのやわらかな膨らみ。
女の人を背負っているのだから、当然だ。
歩くたびに微妙に形を変えるそれは、もはやこの世のものとは思えない神々しいアレだ。

だがしかし、一人の女性に加えて大きな荷物(親父の真心入り)とギターを担いでいる。
肉体的な疲労は、限界に達しようとしていた。

川 ゚ -゚)「いや、本当に済まんな」

('A`)「いえいえ、これくらい気にしないでください」

そう、仕方がないのだ。
涙目で俯くクーさんを見てしまったのだから、仕方がない。
荷物(ダンベル含む)にギターケースが増えたのも仕方がない。



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:14:42.51 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「本当にこのまま送ってもらってもいいのか?」

('A`)「いいんです、ギター聞かせてもらったお礼です」

ちなみに、この人のは素直空というらしい。

川 ゚ -゚)「あ、見えた」

30分ほど歩くと(我ながらすごい!)、ようやく目的の場所が見えた。
ここからでは頭の方しか見えないが、恐らくあれは……

('A`)「アパートですか?」

川 ゚ -゚)「んー、まぁそんな感じだな」

微妙な返事が返ってきた。
とりあえず、重量的にはもう一息でとりあえず楽になれる。
しかし、この神々しいアレを手放すのは少々惜しく思えたので、牛歩作戦を実行することにした。



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:17:41.44 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「ん……なんだか急に遅くなったな」

('A`;)「気のせいじゃないですかね」

あからさまにならないように、じりじりと速度を上げ許容される範囲まで足の回転数を上げる。
ここで、次の策を実行に移す。

('A`;)「あれれー飛行船だー」

川 ゚ -゚)「なに、本当か?どれどれ……」

クーさんが上を向こうと体を動かす。
すると、必然的に神々しいアレの位置も動くわけでありまして。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:20:16.50 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「む……どこだ?見あたらないぞ」

('A`*)「ほら、あっちの山の方……」

川 ゚ -゚)「あっちか?」

むにむに……

('A`*)「あ……あの木の陰に」

川 ゚ -゚)「んー?」

むにむに……
ひゃっほう!ここは天国だぜ!



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:21:55.19 ID:QAGsy7oC0
川;゚ -゚)「どこにもいないじゃないか、本当にみたのか?」

('A`*)「本当ですよー」

本当に、素晴らしい。

川 ゚ -゚)「嘘だったら許さないからな……ドクオ?」

本当に、

川;゚ -゚)「あれ?……ドクオ!?」

本当に、素晴らしい――――

川;゚ -゚)「      」


――――――おっぱいだ。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:22:46.53 ID:QAGsy7oC0
「お兄ちゃん、朝だよぉー?」

キュンキュンした声に反応して目を開けると、見慣れない天井があった。
あたりを見回すと、ここが8畳ほどの和室であることが分かる。

从*゚∀从「もーっ、たまには一人で起きれないの?」

('A`)「! ……そうだ、クーさん!?」

从*゚∀从「ほら、おはようのチュー……して?」

パッと見たところ、自分の体に異常はない。
すこしクラクラするけれど、問題ないだろう。
とりあえず、クーさんを探さないと――――



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:23:50.27 ID:QAGsy7oC0
从#゚∀从「シカトしてんじゃねーよコラ!」

ドガァッ

('A`;)「ぷろぁっ!?」

随分と強烈な蹴りを食らった。

('A`;)「な、なにすんだよアンタ!」

頑張って認識しないようにしてたのに!

从 ゚∀从「せっかく俺が萌え萌えキュンな感じで起こしてやったのに……」



23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:26:04.41 ID:QAGsy7oC0
無造作な赤い髪。
意志の強そうな瞳に、ニヤついた口元。
なんというか、不良のおねーさん……って感じの女だ。

从 ゚∀从「俺のは高岡ハインリッヒだ。ハインたんでいいぞ」

('A`)「ハインはん、よろしく。」

从 ゚∀从「おい、関西人みたいになってるぞ」

('A`)「ハインたま」

从 ゚∀从「もう原型がなくなってるじゃねーか」

('A`)「ハインたん。俺のは……」

从;゚∀从「あ、いざ言われると恥ずかしいや」

前言撤回。
この人結構おもしろいかもしれない。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:29:08.42 ID:QAGsy7oC0
从 ゚∀从「で、ドクオだろ? お前の」

('A`)「え、何で知ってるの?」

从*゚∀从「もー、お兄ちゃんのを忘れる妹なんていないんだよ?」

('A`)「   」

从 ゚∀从「せめてなんか言えよ」

('A`)「ごめん、脳が拒否した」

嘘ではない。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:31:47.07 ID:QAGsy7oC0
从 ゚∀从「クーが教えてくれたんだ。俺が来るまでずっとお前の看病してたんだぞ」

('A`)「なるほど……って、そうだ」

クーさんにお礼を言わないと。

('A`)「クーさん、どこにいる?」

从 ゚∀从「たぶん中庭じゃねーかな」

('A`)「んじゃ、行ってくる」

从 ゚∀从「おい、俺に対しての感謝は?」

立ち上がろうとするのを止められる。
ちょ、痛い痛い。どんだけ力強いのハインたん。



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:36:40.49 ID:QAGsy7oC0
('A`)「看病してくれたの?」

从 ゚∀从「うん」

('A`)「ありがと……じゃ」

从 ゚∀从「それだけ!?それだけなのねえ!?」

('A`)「どうすればいいのさ!?」

思わず大声で突っ込みを入れてしまう。
しかし、今はキレても許されると思う。

从*゚∀从「おはようのチューを……」

('A`)「これでも食らえ」

ダンベルをお見舞いして、部屋を出る(まさか役に立つとは思わなかった)。
あ、そういえばここはどこなんだろう……すっかり聞くのを忘れていた。
しかし戻るのも何かカッコ悪い気がしたので、そのまま廊下を進むことにした。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:39:29.12 ID:QAGsy7oC0
随分と広い廊下だった。
あちこちに絵やつぼが飾ってあり、本格的に旅館のような場所だ。

('A`)「でも、旅館はないって言ってたしな」

ならものすごい立派なお屋敷なのかもしれない。
だとしたら、クーさんは何者なんだろう……。
でもアパートって言ってたような気もする。
謎は深まるばかりだ。

しばらく廊下を進むと、やがてそれらしき場所が見えてきた。

('A`)「ここかな」

ちょうど半分開いている窓。
後、サンダルがいくつか並べてあったので拝借した。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:41:04.80 ID:QAGsy7oC0
('A`)「すげー」

目の前に広がる光景。
テレビでみた日本庭園と似たような景色が広がっていた。
前に見たそれと比べると少し小さい気がしたが、こんな立派な庭を見るのは初めてだった。
なんか池とか普通にあるし。

('A`)「錦鯉……かな?食えるのかなこれ」

(゚、゚トソン「食べちゃだめ」

('A`)「ですよねー」

('A`)「……誰」

いつの間にか、自分のすぐ後ろに女の子がいた。
俺の1つか2つ下くらいだろうか、すこし幼さの残るかわいらしい少女だった。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:42:45.90 ID:QAGsy7oC0
(゚、゚トソン「餌だよー」

どこか気の抜けるような声を出しながら餌をまく女の子。
あのまま落ちたりしないだろうか、心配だなぁ

(゚、゚トソン「あ」

なんて思った瞬間落っこちた。
まて、今なんも前触れがなかったぞ。

('A`;)「君、大丈夫?」

慌てて引っ張りあげる。
幸いそんな深い池ではなかったようで、危ないことにはならなかった。

(゚、゚トソン「……どちらさま?」

('A`;)「今!?」

どうやら、少々厄介な子のようだった。



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:44:26.61 ID:QAGsy7oC0
彼女のは、都村トソンというらしい。
ちなみに、池で元気に泳いでいる鯉のはペスというらしい。

('A`)「とりあえず、ここはどこですか?」

Tシャツの裾を絞っているトソンに問いかける。

(゚、゚トソン「えーと……」

やはりどこか間延びした声で思案するトソン。
見た目は全然そんな風には見えないのに。
落ちた時に頭を打ってないか心配になってきた。

('A`)「うんうん」

(゚、゚トソン「とりあえず、お風呂入ってくる」

長い溜めの後、その一言を残して歩いて行ってしまう。
やっぱ、頭を打ってるかもしれない。

('A`)「何なんだ……?」

しばらく茫然としてしまった俺が正気に戻れた時には、すでにトソンは視界から消えていた。



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:46:33.58 ID:QAGsy7oC0
('A`)「世の中にはいろんな人がいるんだなー」

独り言を漏らす。
プクプク、とペスが返事をしてくれた。
……虚しさ3割増しだよ畜生。

('A`)「と、いつまでも魚と話してたらまずいよね」

元の場所に戻ろうと思い、振り向きつつ立ち上がる。

川 ゚ -゚)「やあ」

('A`)「みゅ?」

変な声が出てしまった。

川 ゚ -゚)「何語だ?」

('A`)「チョミメン語」

よし。
突然の遭遇だったが、我ながら冷静に対応できたと思う。



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:47:52.00 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「その様子なら、大丈夫そうだな」

('A`)「はい、看病してくれたみたいで……ありがとうございます」

頭を下げる。
その時、足首に巻かれた包帯が目に入った。

('A`)「クーさんこそ、足は大丈夫ですか?」

川 ゚ -゚)「ああ、この通りだ」

ぴょんぴょんととび跳ねるクーさん。
しかしまだ痛いのだろう、やはりよろけてしまう。

('A`)「おっと、大丈夫ですか?」

昼間のこともあり、転ぶことは予測できていたので
余裕をもって受け止めることができた。
今ちょっと俺かっこいい?



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:48:44.85 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「全然」

('A`;)「心を読まないでください」

川 ゚ -゚)「声に出てたぞ」

台無しになった!

('A`)「そういえば、ここはどこですか?」

川 ゚ -゚)「私の管理している寮だ」

('A`)「あれ、アパートなんじゃ……」

川 ゚ -゚)「まぁ似たようなものじゃないか」

ぜんぜん違う気がします。



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:50:37.68 ID:QAGsy7oC0
('A`)「あと、やたら豪華ですよね?」

川 ゚ -゚)「ああ、もとは旅館だからな」

ひ○た荘ですか。
というか、この状況かなりラッキーなのではないか。

('A`)「あの……俺をここに置いてもらえないでしょうか」

川 ゚ -゚)「ん? ああそうか、行く場所がなかったんだな」

いざ言われると悲しいのはなんでだろう。

川 ゚ -゚)「そうしてあげたいのは山々なのだが……」

クーさんの顔が曇る。



43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:51:55.55 ID:QAGsy7oC0
('A`)「部屋がいっぱいとかですか?」

川 ゚ -゚)「いや、部屋はまだまだある」

川 ゚ -゚)「しかしな……実はここ、ほとんど女性しか住んでいなくてな」

('A`)「ひ○た荘かよ!」

声に出してしまった。
せっかく我慢してたのに!

川 ゚ -゚)「いや、そうでもないぞ景太郎君」

誰が浪人生だコラ。

川 ゚ -゚)「一応男の子もいるんだけど、住人のお兄さんでな」

('A`)「はぁ……」

川 ゚ -゚)「実は君をここまで運んでくれたのも彼だ」

そう言えば、倒れてからどうしたのか聞いていなかった。
あのままだったら危なかったよなぁ……後でお礼を言いに行かないと。



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:52:47.63 ID:QAGsy7oC0
('A`)「そうなんですか……」

川 ゚ -゚)「だからすまない、ここに置くのは難しいんだ」

別に彼女が悪いわけではないのに、頭を下げるクーさん。
そんなことまでされたら、出ていかない訳にはいかない。
妙な間が空いてしまう。
正直ちょっと気まずい。

('A`)「無理を言ってすみませんでした」

こちらも頭を下げる。

('A`)「とりあえず、役場とやらに行ってみます」

川 ゚ -゚)「ああ、今地図をもってこよう」

二人で、庭の出口に向かう。
と、そこには先ほどの女の子――トソンがいた。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:54:31.27 ID:QAGsy7oC0
(゚、゚トソン「これ……」

川 ゚ -゚)「お、地図を持ってきてくれたのか」

(゚、゚トソン「ふっ!」

ビリィッ!

川 ゚ -゚)「「あ」」('A`)

あっという間に地図は紙くずへと姿を変えてしまった。

(゚、゚トソン「このお兄ちゃんと、一緒にいたい」

トテテテ、と俺の側まで駆け寄ってくるトソン。
俺の後ろに隠れて、クーさんと対峙する形になる。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:55:19.92 ID:QAGsy7oC0
川 ゚ -゚)「そうはいってもだな……」

(゚、゚トソン「やだ、絶対一緒がいい」

('A`;)「あのー……」

川;゚ -゚)「困ったな……」

从 ゚∀从「いいんじゃねーの?」

後ろからやってきたハインに肩をたたかれる。
うわ、こいつ俺より背が高い。



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:56:13.39 ID:QAGsy7oC0
从 ゚∀从「そんなに長い間ってわけじゃないんだろ? みんなの了解を取れば問題ないだろ」

('A`)「ありがとう、ハインたん」

从*゚∀从「やめろ、ハズいから」

頬を染めながらチョップをされた。
上目線からのチョップってどうしてこうも腹が立つんだろう。

川 ゚ -゚)「しかしな、ハインたん」

从 ゚∀从「おい」

川 ゚ -゚)「すまない。でだ、了解をとるにしてもツンが留守だぞ」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:57:49.85 ID:QAGsy7oC0
从 ゚∀从「あいつなら大丈夫だろ、多分」

川 ゚ -゚)「それもそうか」

随分と扱いがかわいそうな人がいるらしい。
南無南無。

川 ゚ -゚)「じゃあ、あとはブーンか」

从 ゚∀从「むしろ男友達が増えるって喜びそうだな」

どうやら、ブーンという人が俺を運んでくれた人らしい。
会話を聞く限り、ツンって子かトソンか、どちらかのお兄さんなのだろう。

川 ゚ -゚)「一応了解を取らねばなるまい」

从 ゚∀从「うっしゃ、じゃあとっとと聞いちまおう」

そう言って、おもむろにトソンの方へと歩いて行くハイン。
うわぁ……なんかすごい悪そうな顔してるよ。



51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 21:58:47.74 ID:QAGsy7oC0
从 ゚∀从「ほーれほれ」

(゚、;トソン「痛い……」

そのままトソンのほっぺをグニグニひっぱり始めた。

(゚、;トソン「助けて、お兄ちゃん」

懇願される。
やばい、すごい助けたい。
が、ハインがものすごい形相でにらんでくるので、一歩も動くことができない。

(゚、;トソン「ブーン、助けてー!」

今度は少し大きな声で。
なるほど、ブーンとやらはこの子のお兄さんだったのか。
なんて考えた、その時だった。



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:00:56.06 ID:QAGsy7oC0
ダダダ、と廊下を走る音。
キュキィーッと音をたてて停止の後、反動を利用して庭に飛び込んでくる何か。

(;^ω^)「トソーン!」

(゚、;トソン「ブーン!」

('A`)「あー、あの人が」

綺麗に着地をするトソン兄。
 
('A`)「あー、そのせつはどうも……」

頭を下げようとする。
しかし、彼が認識しているのは涙目の妹と、それをいじめているドクオ。

…………あれ?



54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:01:58.32 ID:QAGsy7oC0
('A`;)「え!?」

从 ゚∀从「~♪」

見れば何食わぬ顔で離れた所にいるハイン。

( ^ω^)「お前が妹を泣かしたのか」

('A`;)「え?違……」

(#^ω^)「どりゃぁぁぁぁぁぁああ」

目の前に肌色のものが迫る。
それが彼の拳だと気づくのはもう少し後のお話。
正確には次に目を覚ます1時間と20分ほど後のお話

ともかく、俺の意識はここで一旦途絶えることになった。



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:02:39.60 ID:QAGsy7oC0
第1話 終わり







57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:03:58.84 ID:mpxj2NFDO
加筆前読んでないけど、面白かった
おつ


58 :◆rhxokPrS5A: 2009/05/17(日) 22:05:16.41 ID:QAGsy7oC0
こんな具合です。
加筆修正前と後、どちらが良かったのかはわかりませんが
個人的にハインたんとドクオの絡みは気に入っているのですが、いかがでしょうか?

現在テストなどで多忙のため、本日はここまでで失礼します。
支援を下さったかた、ありがとうございました。



61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:08:39.47 ID:sfngfptxO
修正後のが読み応えあって良い
ハインの絡みも良いとおも

けど

(#^ω^)つ)'A`)

欲しかったwww


62 :◆rhxokPrS5A: 2009/05/17(日) 22:29:10.72 ID:QAGsy7oC0
たくさんの乙ありがとうございます。

>>61
感想ありがとうございます。
嬉しいです。
次回はブーンも活躍する予定ですので、そのときにでもw



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 2009/05/17(日) 22:36:23.51 ID:sfngfptxO
>>62
加筆ってすごいなって思った
把握w

あと「~だった」ってのを「~だ」にしたのが締まる?感じがしなくもないかもしれないと思ったり思わなかったりすることもある感じ・・・・・・かな?


64 :◆rhxokPrS5A: 2009/05/17(日) 22:46:41.23 ID:QAGsy7oC0
>>63
もうほとんど癖みたいになってしまっていて。
自分でも書いているときに気づいて直そうとはしているのですが、やはりまだ目立ってしまうみたいですね。
次回からもっと意識してみます。

参考になりましたm_ _m


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