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◆*(‘‘)*ふたりは!ディスガイザーのようですl从・∀・ノ!リ人 第2話 「水」

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 20:51:45.06 ID:imjzfofy0
【注意!】

・萌えない
・ちょっとグロい
・バトルない

なんとびっくりくるくる川 ゚ -゚) 様がまとめてくださっています
ありがとうございます
http://kurukurucool.blog85.fc2.com/blog-entry-374.html


~適当なあらすじ~

ある日ヘリカルの家に無断侵入したアヒャ。
彼は、かつて地球を救ったヒーローの1人、レッドだった。
ヒーローを追いかける組織の目的を知るために。
妹者とヘリカルは怪しげな組織について行く事になったのだ。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------
↑で視点が変わります


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 20:53:59.41 ID:imjzfofy0
ひりひり。

心も体も限界である。
鼻水がずるずる止まらない。
涙がぼろぼろ止まらない。

当然の報いだと人は言うけれど、私が何をしたんだろう。
ただ彼を助けてあげただけじゃないか?


ティッシュペーパーをゴッソリ取って鼻をかむ。
花粉症の人のように鼻の下が擦り切れている。
あいにく『お鼻に優しいティッシュ』なるものは品切れであった。

水っぽい顔を丁寧に拭って、枕もとのスポーツドリンクを口にする。

ぐすぐす。
ずびずび。


私は憤った。
決して、許しはしない。

私にこんな仕打ちをした、レッドという男と、メンソレータムを!

……しばらくは。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ-------------------------------


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 20:57:32.90 ID:imjzfofy0



*(‘‘)*ふたりは!ディスガイザーのようですl从・∀・ノ!リ人

第2話 「水」





4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 20:58:20.40 ID:WLpHCF540
結局メンソ塗られたのかww


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:02:33.02 ID:imjzfofy0
震動で3重4重にダブっている風景。
腹の底から突き上げるような揺れは、もう15分も繰り返されている。
これは、何とも形容しがたい気持ち悪さを呼び起こし、


从;゚∀从「吐きそう」

*(#‘‘)*「あんたがはくんですか!
     なれてるんじゃないの!?」


4WDのワゴン車内。
ほぼ全員が顎を突き出し、蒼い顔をしていた。

特に酷い顔色なのが高岡。
乗る前は1番元気だったにも関わらず、どんどん元気がなくなっていった。
刈り取られた花のようだった。


从;゚∩从「う」
 _
(;゚∀゚)「ハイハイー! 車止めてー!
     高岡さんが臨界点だよーっ!!」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:07:46.13 ID:imjzfofy0
いち早く、唯一元気な眉毛が車を止めさせた。
後部座席のドアを開けて、高岡を下ろす。


从 ;∀从「ゴェエ! ガハッ!! ゴェェェエエエエ!!!」
  _
(;-∀-)「いーかげん慣れて下さいよゥ?
     もういい大人なんだから」


つい先ほどまで長岡も白目で倒れていたのだが。
随分偉そうな物言いである。


从 ゚∀从+「スッキリしてきた」
  _
( ゚∀゚)「よし。じゃあ後10分頑張りましょうね」

从 ゚∀从「ん、後10分もあんの?
      ありえないんだけど」
  _
( ゚∀゚)「ありえますよー」


やいやいと2人が騒いでいる間。
妹者ちゃんは開け放しのドアから顔を出して辺りを見回していた。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:12:10.70 ID:imjzfofy0
l从・∀・ノ!リ人「けしきがゼンゼンちがうのじゃ……」


住宅地の真ん中で乗せられたワゴン。
運転席と助手席以外からは外が見られない。
後部座席との間にもスモーク張りの仕切りがある。

TVドラマで見たことがある。
護送車、という奴に似ていた。

久しぶりに車内に流れてきた新鮮な午後の空気は、緑の森林の色。
舗装されていない、道無き道を辿るとあって、相当な過疎地であるようだ。


*(‘‘)*「コレゆうかいだったらヤバくねーです?」

l从・∀・ノ!リ人「これがウワサの『ろりゆうかい』なのじゃ」
  _
( ゚∀゚)「違ェーよ! 誘拐すんなら、もっとこう。
     バインでボインなお姉ちゃんだろが」

l从・∀・ノ!リ人「姉者じゃ!」
  _
( ゚∀゚)+「なにそれkwsk」

从 ゚∀从「貧乳? 違う! スレンダーだ!!」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:17:22.86 ID:imjzfofy0
やいのやいの。

遠足のバスのような喧騒である。

全員車内に戻り、また上下シェイクが繰り返され始めた。


从 ゚∀从「あばばばばばばばば気持ちわりィィイ!!」
  _
( ゚∀゚)「吐く前に教えて下さィよぉ?」


15分後。
私達はやっと目的地につく事が出来た。

ロスタイムの5分の内情は言わずもがな。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:22:33.12 ID:imjzfofy0
-----------------------×8--キ-リ-ト-リ-------------------------------


会議室の円卓。
周りを取り囲む5名。

上座の1人が口を開いた。


「えー。これより作戦会議を始める。
 報告がある者から!」

「あひゃぁ!」

「はいレッド」

「あうぅ、ひゃん! アヒャッ!」

「うんうん。……ブルー、何だって?」


ブラックは知ったかぶりで頷き、私の方をチラリと伺う。

溜息1つ。
私は先ほどまでレッドが体験したいた話を、かいつまんで説明した。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:27:05.99 ID:imjzfofy0
「……なるほど。由々しき事態だ」

「ひゃあ」

「ごめんなさい、だそうですよ」


「気にしなくていいのよ、レッド」


優しげな女性の声が響く。


「ピンクの言うとおりだな。
 無事で何より」

「僕だったらー逃げ切れてなかったかもですーよ。
 流石はレッドです」

「ね?」

「ひゃ」


レッドが安心したように笑顔を見せた。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:33:16.19 ID:imjzfofy0
「ちなみに、ブルーの泣き腫らした目はー、その件に関係あるんですーか?」

「ちょ、イエロー! 直球すぎるわお前!!」


レッドの笑顔はたちまちニヤニヤ笑いへと変化。
何がおかしい。実行犯め。


「レッドが私の目の周りにゴッソリとメンソレータムを塗ったので」

「「痛ってェェエエエエ!!!!」」

「ステキな事するわねレッド」

「アヒャヒャ!!」


会議室がにわかに騒然となった。
ピンクはいつもこうなので、私は構わないことにしている。


「私は追手から逃げ切るための手段を提案しただけなのに……
 あんまりです」

「あひゃぁーっ!」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:38:02.57 ID:imjzfofy0
レッドが抗議の声を上げる。


「確かに……私もちょっと遊んでましたけどね?
 まさか入浴中に小学生の女児に見つかるとは予想できませんでしたし」

「ひゃん! アヒャう、アーアヒャ?」

「そうですとも。私にだって分からない事はあります」

「あ、あるのか。そんな事も」

「ありますよ」


ただし、今日のピンクの下着の色くらいならお見通しですが。


「あら。何色だと思う?」

「紫」

「わ、当たりよー。ほら、見る?」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:43:25.61 ID:imjzfofy0
ぴらり。
短いスカートの裾がまくれ上がる。

もう分かっているものを見ても仕方ないので目を背けた。


「ぶばーっ!!」

「こらピンクー!! イエローが瀕死だー!
 ちょ、ティッシュティッシュ、あ、あ、鼻血垂れるっ!!」

「あら」

「あひゃひゃひゃひゃ!」


今日も、作戦会議にはなりそうも無い。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ-------------------------------


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:48:51.00 ID:imjzfofy0
ごつん、と音がした。

ワゴンのタイヤが滑らかな動きを取り戻し。
高岡の顔色もほんの少し人間らしくなる。


从 ゚∀从「ハァーッハッハッハインリッヒ!!!」

*(;‘‘)*そ「うおっ!」

l从;・∀・ノ!リ人「な、何なのじゃ!?」


薄っぺらい胸を精一杯に反らす。
両手は細く絞られた腰に当て、貫禄の仁王立ちであった。


从 ゚∀从「ようこそ! ちきゅうきゃんきょうしぇいじょうきょうきゃ……」
  _
( ゚∀゚)「高岡さぁん言えてねーす!」

从 ゚∀从「……地球、環境、清浄、協会っ! の! 極秘ラボへ!」


何故か車内に拍手が巻き起こる。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:52:41.03 ID:WLpHCF540
   \ オオウ… /


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:53:11.25 ID:imjzfofy0
「高岡さん! がんばりました!」

「噛まずによく言えました!」 

「偉い!」

「エロ……くはない! 貧乳!」

「まな板ー! 給料あげろ!」

从*゚∀从「えへへ。もっと褒めていいぞ!」


現実を見ろと小一時間。


l从・∀・ノ!リ人「ごくひらぼ」

从 ゚∀从「ん、そーよ! ココであたしらは色んな研究や発明をしてんのさ。
      実験も開発も、ココより自由に出来るところはないね!」

*(‘‘)*「じっけん? 怪人を作ってるのですか!」

从 ゚∀从「ん……。まぁ、付いて来なって」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 21:58:21.54 ID:imjzfofy0
車が正面玄関に横付けされるやいなや。
高岡はヒールの高いサンダルをコンクリートに叩きつけるように走り出す。


从 ゚∀从「こっちだァよー!」


慌ててその白衣を追いかける。
足の速さなら私達も負けてはいないハズである。


从 ゚∀从「ほらほらいそげ!」


正面玄関から続く太い廊下。
何本目かの十字路で、白衣がひょいと消えた。


*(;‘‘)*「あっ!?」


見失った。

右か、左か、一体どちらに


从;゚∀从「横っ腹いたい!」


……自分の年齢を省みろと小一時間。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:04:03.00 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「えー、まあ、ココがメインの研究室なんだけどもー」

*(‘‘)*「おお」

l从・∀・ノ!リ人「広いのじゃー」


息を吹き返した高岡が辿り着いた、観音開きの扉。
Tラボ、と書いたプレートが下がっている。


中には以外にも真っ白な天井と壁が広がり。
真ん中のテーブルを中心とした研究室が待ち受けていた。

壁際には何故か猫足のバスタブ。
床はタイルで、排水溝がやたらと多い。


20m四方程度の正方形の部屋は、奥に2つのドア。
CラボとHラボを更に控えているようだ。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:12:06.50 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「とりあえず、まぁ他のヤツを紹介するかぁ。
      ……おーい、出て来い人見知り共ーっ!」


高岡の呼び声に、奥の2カ所のドアが少しだけ開く。


从 ゚∀从「るーるるるー。怖くないぞー。
      ほーらこんなに小さな女の子!」

『噛まないー?』


ちちち、と猫の子を呼ぶように舌を鳴らす高岡。
それに問いかける声は、男女混合の脅え声。


从 ゚∀从「噛まないぞー! 引っ掻かないぞー!」

『火を噴かないー?』

从 ゚∀从「火も氷も噴かないぞー」


天岩戸はあっさりガチャっと開け放たれた。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:17:06.68 ID:imjzfofy0
ノハ*゚⊿゚)「女の子! やっとアレを実用に移すんだなぁああ!!!!」

(,,^Д^)「おやおや、女の子ですか。実装取り替えないとですねぇ」


左のC扉から、肩まで茶髪を靡かせた、スーツの女性。
右のH扉から、白いタオルを頭に巻いた、作業着の男。

2人はまず私達をじっくり値踏みするように眺めた。


ノパ⊿゚)「ああ、そう、こんにちは」(,,^Д^)

*(‘‘)*「こんにちわー」l从・∀・ノ!リ人


挨拶が遅い。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:18:31.50 ID:YZCh85xKO
あらやだおもしろいじゃない


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:19:01.49 ID:DDdcUncA0
( ^Д^)じゃない…


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:22:05.37 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「お前ら、上司は?」

ノパ⊿゚)「今良いところだからって言ってー」

(,,^Д^)「出るのヤダって」

从 ゚∀从「引っ張っておいでー」


男女は、それぞれの扉の奥に引っ込んだ。
25歳前後に見えたが、随分とまた子供のような仕草である。


从 ゚∀从「ん。ごめんなァ?
      ちょっとワーカーホリックとヒキコモリがいるもんで」

l从・∀・ノ!リ人「たいへんそーなのじゃ」


暫くの間大人しく待っている。

天岩戸の内側は、何かを崩したり引っくり返したりする音で大わらわ。

阿鼻叫喚と子守唄と金切り声と魔王のアリアの後に、再び左右の扉は開いた。

先ほどの男女は、それぞれデカイ荷物を引きずって。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:27:15.76 ID:imjzfofy0
川#゚ -゚)「放してヒート! 後少し、後少しだけで行程終わるんだからァァ!!」

ノパ⊿゚)「1行程終わったら、もう1行程始めちゃうだろぉー?
      今朝から何回言ってるんだ」

(;-_-)「ヤダヤダ! 外に出るのヤダヤダ! タカラ君僕死んじゃうよ~!」

(,,^Д^)「チーフ、そんな事無いですよ。
     ほーらね。まだ屋内じゃないですか?」

从 ゚∀从「元気そうだねーお前ら。
      ん、じゃ紹介するよ」


隅っこに棒立ちしていた私達は、高岡に背中を押され、4人組みの前へ押しやられる。


从 ゚∀从「この茶髪のお姉ちゃんがヒート。
      ヒートに羽交い絞めされてるのがクール」

ノパ⊿゚)「よろしくー! 来てくれて嬉しいぞー」

川 ゚ -゚)「あ、客人? 私の仕事の邪魔だけはしないで欲しいな。
     まあよろしく」


諦めたようにぐったりしたクールは、楕円型のフチなし眼鏡。
文句なしの落ち着いた美人だった。
ニコニコ明るいヒートの影のような印象である。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:32:12.15 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「タオル巻いてるお兄ちゃんがタカラ。
      タカラの脚に巻きついてるのがヒッキーだ」

(,,^Д^)「こんにちは、良い子のお嬢さん。よろしくね」


タカラが愛想よく手を振る。
何だか、格好以外は体操のお兄さんのような雰囲気。

その足元に目を落とすと、小柄な痩せた男が、まさに巻きついていた。
パーカーの上の作業着を除けば、ヒキニートの鏡のような男だ。
短髪のタカラと対称的に、ボサボサの長い髪を後ろでくくっている。


*(;‘‘)*「えぇと。沢近ヘリカル、3年生です」

l从;・∀・ノ!リ人「流石妹者。3年生なのじゃ……」

从 ゚∀从「はい、みんなと仲良くしてあげてねー」


仲良くしてあげなければならないのはこちらか。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:37:07.19 ID:s9qhgGeZ0
俺が三年生だった頃と比べるとかしこすぎるぜ


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:37:31.25 ID:imjzfofy0
((;-_-))「カエルカエルカエルカエルカエルカエr」

(,,^Д^)「高岡さん。そろそろチーフ限界なので、戻してきます」

从 ゚∀从「おう。順調にバグってんなヒッキー」


タカラは脚にヒッキーを巻きつけたままでHドアの奥まで戻っていった。


从 ゚∀从「ちなみにあのヒキもやし男、アタシの次に偉いからね」

*(‘‘)*「なんだと」

l从・∀・ノ!リ人「すげーのじゃ」

从 ゚∀从「その次にあの仕事中毒が偉いからね」

*(‘‘)*「どーしてこーなった」l从・∀・ノ!リ人


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:39:04.59 ID:liOkU4z+O
どうしてこうなった!


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:41:50.00 ID:imjzfofy0
-----------------------×8--キ-リ-ト-リ-------------------------------


「ふぅ……お遊びはここまでだ」

「ブラック、あの、そういう台詞は……
 貴方とイエローが鼻に詰めたティッシュを抜いてから言うべきでは?」

「まだ鼻血止まんないんですーよぉ」

「刺激が強すぎた?」

「あひゃひゃう」


会議室にはいよいよ血の臭いが漂っている。
もちろん鼻血のそれである。


「……まあ、とりあえず。向こうの意図を探らなければならないな」


ブラックがティッシュつめた間抜け面を晒しながら私を振り返る。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:45:54.47 ID:imjzfofy0
「ダメですね、全然読めません。
 もう少し接近するか、会話できれば可能かもしれませんね」

「うーん、難しいですーね」


5人全員が腕を組み、渋面をつくる。


「あ。あう」

「はあ、高岡が?」

「何よ?」

「高岡がレッドの接触した少女をラボに」

「なっ、ヤバイんじゃないですーか!? その子らーっ!」

「アヒャー、うひゃあう?」

「それしか無いですね」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:49:48.33 ID:imjzfofy0
何だ何だ、とメンバーが身を乗り出す。


「私とレッドがラボに乗り込み、少女達とコンタクトを」

「「「ダメー!!!」」」

「何故です?」

「ブルーには危なすぎるわ!」

「レッドもろとも死ぬ気ですーかぁ?」

「そんな泣き腫らした目で何する気だっ!」


ボロクソである。


「私が脆弱だというのは否定しませんが……目は関係ないでしょう」

「アヒャン。あひゃひゃあひゃー」

「そ、そこまで言わなくても良いじゃないですか」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:53:34.22 ID:imjzfofy0
「ゴホン、とにかくっ。彼女達をラボに残しておいたら大変な事になりますよ」

「た、たしかに、そうかもしれんが」

「あっひゃ!」

「ほら、レッドもやる気まんまんですし」


3人は渋っているが、どうせそれしか方法は無いのだ。

かつてのレンジャー用防護服に着替えるために部屋に戻る。
肩にかけるタイプのバッグに必要そうな物をつめて、すぐに会議室に戻った。

レッドは既にいつもの赤マフラーを巻いて、窓を開けていた。


「では行って参ります」

「無理はするなよ。ブルー、インカムは着けてけ」

「はいはい」

「あう!」


私も自分の青色のマフラーを首に巻きつける。
レッドの背中にぽいと乗り込み、インカムを装着する。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 22:58:06.75 ID:imjzfofy0
「重くないですか?」

「ア!」


レッドは窓枠に腰掛けて、何時も通り、足の裏から短い刃物を生やす。
比喩表現ではない。何度見ても痛そうである。
傷口も傷みも無いというから、それだけが救いだ。

ブーツの底を貫通した刃物は、コンクリートの外壁をバターのように切り込む。
言わば、強力なスパイク。

重力の言う事を聞かずに、レッドは強化された体力で壁面を走り出した。


( <●><●>)ノシ「晩御飯までには帰りますからねーっ!」

(  ゚∀゚ )「アヒャー!」


絶対に人が居ないと分かっている路地やビルを選び。
午後の白日の下、廃ビル街のアジトを後に、私達は出発した。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ-------------------------------


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:00:20.28 ID:s9qhgGeZ0
レッドの背中はなんだか温かそう


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:02:20.74 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「ん……さて、どこから話そうかなァ?」


高岡はTラボの中心にある大きなテーブルにつく。

Tラボは高岡。

Cラボはクールと、部下のヒート。

Hラボはヒッキーと、部下のタカラ。

それぞれの頭文字を取っているらしい。
他の職員や捜索班は、無印の会議・談話室や仮眠室などに待機している。


*(‘‘)*「えー。そーですね。
     レッドさんの事と、私たちのやる事を教えやがりなさい」

从 ゚∀从「ヘリカル、お前ネコ被ってるのは最初だけか?」

*(‘‘)*「かぶるひつよーねーでしょう?」

从;゚∀从「おおう。マジかよ」
  _,
l从・∀・ノ!リ人「ヘリカルちゃん。ダメなのじゃー」

*(;‘‘)*「はーいはい、大人しくしてるよぉ」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:06:55.25 ID:imjzfofy0
妹者ちゃんの顰めた眉に、私は素直に従った。
幼馴染の恐ろしさは良く知っている。

可愛い顔して、この子は割とやるのだ。

高岡はデカイ溜息1つして、私達を見下ろした。


从 ゚∀从「ざっと説明するけどな。
      まず、レッド。アヒャの事」

l从・∀・ノ!リ人「うん」

从 ゚∀从「あたしらが、アイツを一旦殺した。
      ココに運んで、改造したのさ。
      『昆虫』と戦わせるためにな」

*(‘‘)*「ころ……っ、ウソつくな!
     ちゃんと生きてましたよ!」

l从・∀・ノ!リ人「『昆虫』と戦ってたのはロボットなのじゃ!」

从 ゚ー从「アぁ、そうだな。
      まあ簡単に言えば……」


吊りあがった口角が少し悲しそうに緩む。
高岡は小さな子供のようにぶつぶつと切れ切れの説明を始めた。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:11:26.50 ID:imjzfofy0
元から優秀な人間を『不慮の事故』と称し、拉致する。

『昆虫』の病原菌に感染した、と遺族に説明。

彼らには、哺乳類の骨を詰めた骨壷を渡し、感染防止の為だと言い張った。


从 ゚∀从「ココまでは、あたし達じゃない。
      どこか別のセクションが担当してたんだ。
      あたし達がやったのは、もっと、鬼みてぇな事」

l从; ∀ ノ!リ人「もっと……?」


ラボに搬送された『死体』に、クールがメスを入れる。

脳に電極や、脳波を増幅させる機械を埋める。

機械類は全てヒッキーの手で作り出された物であった。


从 ゚∀从「怖ェだろう?
      でもな。本当にソレで、奴らは超能力を使えるようになっちまった。
      身体能力も格段に上がって、野生動物よりも良い動きだよ」

*(‘‘)*「うそ」

从 ゚∀从「嘘じゃねぇ」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:15:36.82 ID:imjzfofy0
高岡は話をやめなかった。
彼女の口から、どろどろ。嫌な言葉が漏れる。

それはスクリーンなんかの中の事じゃない。
私が合った、彼の身に起きた事。


肉を裂かれ、金属片を体中に埋め込まれた者。

頭骨を割られ、脳髄の全ての機能を開放された者。

喉と耳をえぐられ、動物の長とさせられた者。

脳髄を切り開かれ、物理法則を断ち切られた者。

眼球を嵌めなおされ、人の記憶にすら干渉させられた者。


从 ゚∀从「畜生の道に堕ちたのは、あいつらじゃない。
      あたしらさ。いや、正しくは、あたし」

*(;‘‘)*「う……」


まだ、この話は続く。
まだ終わらない。
天才たちの蹂躙は止まらない。


高岡は、遺伝子に作用する新薬を彼ら全員に投与した。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:20:38.69 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「何度でも細胞分裂できるんだ。完全な形でな。
      しかも全能性……どの細胞にも変化できる。
      再生速度も相当速くなる」


難しいか? と高岡は微笑んだ。

人間の腕は千切れたら生えてこない。
それを、いくらでも再生できるような遺伝子プログラムだと言う。

古くなった皮膚が次々再生するように。

眼球だろうが、脳髄だろうが、とにかく再生させる。


从 ゚∀从「こんなに……」


酷い事になるとは思わなかった。

高岡は声を震わせた。


そして、その遺伝子は大変な副作用を擁した。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:24:26.80 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「老化、衰えってのはな。
      細胞の出来損ないなんだ。
      できの悪い細胞が増えて、肉体が衰えるのさ」

l从・∀・ノ!リ人「あれ、それって……?」

从 ゚∀从「ご明察。
      新薬の遺伝子は、完全な細胞を作る」


不老の怪物。

彼らは、どこまで生きていられるのか、誰にも分からなかった。

肉体、能力。
更に防護スーツと特殊武具。

レッドだけじゃない。
5人のレンジャーが野放しである。


从 ゚∀从「『昆虫』さえ居なかったら、アイツら、唯の怪物さ。
      ココはまさに……怪人を作った研究所」

*(‘‘)*「そんな事しといて、どうしてその人たちをつかまえるの」

从 ゚∀从「政府にすりつぶされる前に、元の人間に戻したい。
      何とか全ての改造をなかった事にしたいんだ。
      あたし達のしてきた外道を、放置したくない」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:28:27.24 ID:imjzfofy0
ああ、高岡は子供なんだ。
千切れてしまったテディベアを、元の通りに治したいんだ。

縫い目が残る事に気づかないふりをして。


从 ゚∀从「アンタらに改造は施さない。
      外装と捕獲武具で奴らを捕まえて欲しいんだ」

*(‘‘)*「ふーん。あっそ」

l从・∀・ノ!リ人「つかまえたら、またぐちゃぐちゃにするんだ?」

从 ゚∀从「ああ、そうしないと。
      元に戻せない」

*(‘‘)*「そりゃつかまんねーワケですよ。
     私なら死んでもゴメンです」


乗り出していた身を引いて、高岡をじっくり検分する。
デカイ子供。
泣きそうな顔をして。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:32:38.23 ID:imjzfofy0
从 ゚∀从「何でだ? ココに来れば、人間に戻れて」

l从・∀・ノ!リ人「人間じゃないって思ってるのじゃ?
         自分で作ったのに」

*(‘‘)*「『てめぇの顔なんざ見たくねぇ』って思いますねぇ」


びくり。びくり。脅えた子供。
20を過ぎたか過ぎないかの女。

自分の白衣をぎゅうと握り締めて。


从 ゚∀从「……ああ、それでもいいさ。
      本当に政府に殺されるよりも、人間に戻してやらないと……」

*(‘‘)*「おい。アンタ、新しい薬なんか開発して。
     本当は保育園並みのノーミソだね、ゴミカス」

从 ゚∀从「何でもいい。奴らが殺されるより、あたしは」


テーブルの上の試薬ビンを、高岡は掴みあげた。

大きな詮を抜き、高く揚げる。


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:36:09.02 ID:imjzfofy0
*(‘‘)*「妹者ちゃん下がって!」

l从・∀・ノ!リ人「わかってる!」


投げつけてくると思ったガラスは、高岡の頭の上で引っくり返された。

たっぷり400mlは入った瓶。

沸騰するような細かい破裂音。

とろけていく、高岡の右上半身


,,,#゚;;∀从「ありゃひは……あ、わがァってル」


強いアルカリの溶液。
水酸化ナトリウム水溶液は、タンパク質の物を良く溶かし。

高岡の体から嫌な臭いが立つ。

髪が張り付いた頭皮が床に落ちて弾ける。
融けた頬から奥歯が露出する。
半分以上零れたような右目が、ぐるんと回る。


*(‘‘)*「何がしたいんだよ、お前」

l从;・∀・ノ!リ人「ふ。ちょっと人呼んでくるのじゃ」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:40:35.50 ID:liOkU4z+O
スーパーグロぼのタイムktkr


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:40:55.82 ID:imjzfofy0
妹者ちゃんがCラボの扉に手をかける頃。
高岡は両手で顔を押さえ、蹲っていた。


*(;‘‘)*「あぁあ。どろどろ」

,,,# ∩∀从「あぅえ、げぅ……こぼぉしたく、らぁい」

川 ゚ -゚)「ハイン。私の仕事の邪魔しないで」

,∩゚;;∀从「くぅーるぅ、ぁあいつあ、こぉさらいれ……」

川 ゚ -゚)「顔上げて。ほら」


大きな布で、クールは高岡の体をごしごしと擦る。
その後ろからタカラがやってきた。


川 ゚ -゚)「よし、タカラ。運んで」

(,,^Д^)「はい。失礼しますね高岡さん」

/∀从「う、わぁあ、うぇ、こぉさらいれ。」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:45:02.84 ID:imjzfofy0
布で包んだ高岡を抱え、壁際の場違いな猫足のバスタブへ。

彼はバスタブの真ん中へ包みを置いて、真上の大きな蛇口を捻った。

どうどう、水の落ちる音が部屋に満ちる。


川 ゚ -゚)「君達、ハインを虐めないでくれないかな。
     彼女はね、二重人格と言っても良いほどなんだよ。
     取り乱しては自傷するから、困ってるの」

*(‘‘)*「は? いつもこんなんですか?」

川 ゚ -゚)「たまにね。
      だからあんな、バスタブなんか準備してるの」


傷を洗い、手当てするため。

どうどう。どうどう。

薬品を洗い流し、バスタブの水位は上がる。


l从・∀・ノ!リ人「あれ、生きてるのじゃ?」

川 ゚ -゚)「当たり前じゃない」


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:50:10.97 ID:imjzfofy0
ばしゃり、と。

高岡の細い右腕が水を掻いた。

タカラがその腕を掴み、引き上げる。


(,,^Д^)「高岡さん。起きて」


つるりとした綺麗な白い肌を剥き出しにして。
力なく項垂れる高岡が、ゆっくりと顔を上げる。


从 ;∀从「あ、あぁ。ごめん……また……」


脱げた白衣と洋服。
半裸の女。

タカラにぶら下がってバスタブから引きずり出された高岡。

20前後の、若い。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:52:26.32 ID:imjzfofy0
川 ゚ -゚)「ハインはね、今年で30なのよ」

*(‘‘)*「……ああ、バカなんですか」

川 ゚ -゚)「そう。一体いつから、自分で実験してたんだろうね」


傷一つ無い高岡の頬は、ただの小娘の肌だった。

ぶら下げられた腕の内側には注射痕が大量に。


川 ゚ -゚)「新薬を投与されてるのはね。
     レンジャーとライダーの他は、私とハインとヒッキーだけ」


どうどう。どうどう。

バスタブからあふれ出した水が、排水溝目掛けて突進する。

どうどう。どうどう。

それは、高岡の目から零れた涙のように。


第2話 「水」 おわり



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:53:47.57 ID:imjzfofy0
支援など、レスありがとうございました

何か質問などがあればお答えします


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:57:52.29 ID:5nQSA9ix0
乙乙。応援してる


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/28(水) 23:58:40.26 ID:imjzfofy0
>>59
ありがとうございます


見てくれた人お疲れ様です
とりあえず今日はこれで

おやすみなさい


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:01:42.35 ID:g2Bzz4GmO
追いついたと思ったら終わっていた

次も楽しみにしてる


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/29(木) 00:21:43.03 ID:mMl6XoZsO
面白いな!
乙!!


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