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◆*(‘‘)*ふたりは!ディスガイザーのようですl从・∀・ノ!リ人 第4話「遇」

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 18:52:57.51 ID:QsO8VwuXO
だっいっりー


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:13:06.21 ID:BWHKpbEo0
>>1代理ありがとうございました
では、投下します

【注意!】

・萌えない
・今日はノー血飛沫(多分)
・ピンクがおぴんく

なんとびっくり、くるくる川 ゚ -゚) 様がまとめてくださっています
ありがとうございます
http://kurukurucool.blog85.fc2.com/blog-entry-374.html


~適当なあらすじ~

   〃'´⌒` ヽ  カタカタ    
  〆i i((リノ))〉/ ̄ ̄ ̄ ̄/  『5レンジャーや仮面ライダーは
  l从*・∀・ノ./  FMV  ./__ 敵を倒した後はどうなるのじゃ?』っと、
   ̄\つ\./____/

   〃'´⌒` ヽ               リアルな話すると多分政府側に消される
  〆i i((リノ))〉/ ̄ ̄ ̄ ̄/       あれほどのパワー持った個人が野放しとか危なすぎるし
  l从 ;゚д゚ノ./  FMV  ./__    ましてそれが政府側にたてついて来たら最悪のテロが発生する
   ̄\つ\./____/         放っておいたら国どころか、正義の味方で地球がヤバイ


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------
↑で視点が変わります


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:15:11.68 ID:BWHKpbEo0
視界はぐらぐら。
身体はふらふら。

普段は、こんな能力消えてしまえ、と思っていた読心術や予知力だけれど。
こんなにも急に消されてしまうと、なんて心細いのだろう。

しっかりと私を支えて並走してくれるピンクが、心配そうにこちらを伺う。


( <●><●>)「大丈夫ですよ……」

o川*゚ー゚)o「そうは見えないけど」


このまま、私が能力を失ってしまったら。

それでも常人より体力や身体能力は上だ。再生能力は、他のレンジャー達より遅いけれど。
手が千切れても脚が吹き飛んでも、何度だって再生できる。

でも、能力が、もう二度と戻らなかったら?

私は、それでも。レンジャーという、1つの家族のような組織に、居座る事ができるのだろうか?

考え事がぐるぐる。
耳鳴りがきんきん。

私が唯の人間だったなら、こんな事は考えないで済んだというのに。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:17:37.99 ID:BWHKpbEo0


*(‘‘)*ふたりは!ディスガイザーのようですl从・∀・ノ!リ人

第4話 「遇」



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:20:49.85 ID:BWHKpbEo0
ぐすぐすと。
まだ啜り泣いている妹者ちゃんと、私は、レッドにもう一度抱えあげられて、林の奥へと進んだ。

彼は、何処に行けばいいのか、大体見当が付いているようだ。
ひょいひょいと倒木を飛び越えて、木立はどんどん後ろへ飛ぶように過ぎていく。

ブーツの底に生やした刃物をスパイク代わりに。
地面だけでなく、傾いだ木々の上も足場にして、雑木林の中を駆ける。

耳の傍を通り抜ける風の音。
その向こうから、追いかけてくるような犬の鳴き声。
懐中電灯の光の帯が、時折近くの木々を照らす。


*(‘‘)*「本当に、ここからにげられると思ってます?」

(  ゚∀゚ )「あーあぅー」

*(‘‘)*「たくさん、おいかけてきますよ?」


つい心配してしまう私を、レッドは軽く笑ってなだめた。

憮然として前に向き直ると、目の前に、大きな熊笹の茂みが現れていた。
彼は助走の勢いを殺さないまま、その茂みを飛び越える。

私は半目状態だった瞼を限界までかっ開く。
溜息を吐こうとして吸い込んだ息を甲高い悲鳴に変えた。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:23:23.75 ID:BWHKpbEo0
茂みの向こうは、赤土のむき出しになった崖。


l从;д;ノ!リ人「いぃやぁあぁああああ!」

*(;゚ ゚)*「ひいゃあぁああああ!」

(  ゚∀゚ )「あうぁー」


腹の底がひゅうと持ち上がるような。
独特の感覚と共に、7m以上の高さから、レッドは軽々しく飛び降りる。

空中で叫び、足掻く私達は、レッドにがちりと押さえ込まれて
安全性の低すぎる絶叫アトラクションを体験させられる。


(  ゚∀゚ )「ヒャっあーう!」

l从;д;ノ!リ人「ふぇええええええん!!」


ノの字型に、急すぎる狐を描く粘土質な斜面に、例のスパイクが抉っていく。
スライディング体制で、急降下から、ゆっくりと滑り降りる事へシフトチェンジ。

急に落ち始める速度に、吐き出しきった息をようやく吸い込む。
何もしていないのに呼吸は激しく、心臓は胸郭をどんどん叩く。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:26:49.75 ID:BWHKpbEo0
(  ゚∀゚ )「う? アヒャ、アヒャァー?」

*(;--)*「せめて、もうちょっとゆっくり下りるとか……」

(; ゚∀゚ )そ「あうっ」


失禁しなかった私達を、誰か褒めていただきたい。
そのかわり妹者ちゃんは涙と鼻水を大放出して、放心していたが。

そうして下りていった崖下には、一台の白いワゴンが停車している。

ワゴンの横には『やまむらクリーニング』の文字。

レッドはそこで私達を地面に下ろし、手を引いて車へ近づいた。

後部座席のスモーク張りの窓ガラスをコツコツ叩く。


(  ゚∀゚ )「あーうー!」

『はいはーい? 合言葉はー、なんでーすかぁ?』

(; ゚∀゚ )「あぁうっ!?」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:28:48.19 ID:X82UWRnF0
おお、ブルーはワカッテマスか


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:29:10.59 ID:BWHKpbEo0
中から答える間延びした男の声に、レッドはぎくりと背筋を伸ばす。

千切れるほどに首を左右に振りながら、あーあーアヒャアヒャ、繰り返す。

それを中から見ていたのか、同じ声が笑っているのが聞こえる。


『あっはははー! 冗談ですーよぅ!
 レッドだってことはぁ、もう分かってますしー』

『おい、イエロー。あんまり遊んでやるな。
 疲れてるかもしれないだろう?』


幾分落ち着いたもう一人の声が続く。
はいはい、と最初の声が答え、がらりとワゴンのスライドドアが開いた。


( ゚д゚ )つ「お帰りなさぁーい、です!」

【+  】ゞ゚)「お疲れ様」


ドアを開けたのが、間延びした声の男。
その向こうで運転席に座っているもう一人も顔を見せた。


( ゚д゚ )「ん? 君達が、レッドに餌付けしたってゆー、女の子かなぁ?」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:32:48.20 ID:BWHKpbEo0
*(‘‘)*「えづけ……のつもりは、なかったんですがー」


へらりと緊張感の無い笑い方をする男は、件のコートにオレンジがかった黄色のマフラー。
色の薄めな茶髪の所為もあるのか、どこか大型犬をイメージしてしまう。


( ゚д゚ )「僕はぁ、イエローっていうんですよー。
     レッドとブルーと、ピンクにも、会いましたかぁ?」

*(‘‘)*「あ、うん」

( ゚д゚ )「その人と仲間なんですよぅ?
     あとねぇ、このオジサンもねー」


そう言って、運転席を示して笑う。

運転席の男は、黒いマフラー。
そして何故か、顔の右側を、目を隠すように幅広の布で覆っていた。

大きな眼帯のようだが、それにしては薄手で、面積が広い。
大部分が前髪で隠れているが、こめかみのあたりには十字架の刺繍があった。

その下の顔は、他のレンジャー達より少し年が上に見える。
オジサンと言うほどではないが、柔和な顔立ちとは言いがたい。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:35:14.93 ID:BWHKpbEo0
【+  】ゞ゚)「オジサンで結構だよ。……俺はブラックという。
        その、あんまり怖がらないでくれると助かる、な」

*(‘‘)*「ああ。妹者ちゃーん、おちついてー。
     ほら、ハンカチハンカチ」

l从;д;ノ!リ人「ううっ……ころ、ころされ……」


未だに泣いている妹者ちゃんを見て、ブラックが居心地が悪そうに身じろぎする。


( ゚д゚ )「泣いてる君、お名前はー?」

l从;-;ノ!リ人「ふぇ……さ、流石、いもじゃ……」

( ゚д゚ )「へぇ、妹者ちゃん。
     このオジサンも、レッドも、怖いのはぁ、顔だけなんでーすよ?」

【+  】ゞ゚)「レッド、俺の顔はそんなに怖いだろうか?」

(  ゚∀゚ )「あひゃー」


すんすんと鼻を啜っている妹者ちゃんの顔を、イエローがハンカチでそっと拭う。

彼は思い出したようにポケットをごそごそと漁り、何かを取り出した。


( ゚д゚ )「はーいはい、口あいてー?」


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:38:15.41 ID:BWHKpbEo0
l从;д;ノ!リ人「うん……?」


ぽかりと、素直に開かれた妹者ちゃんの口に、取り出した何かを放り込む。


l从;н;ノ!リ人「? あまいのじゃ……」


首を傾げる妹者ちゃんに、イエローは手の中の物を見せた。
掌に乗っているのは、緑と金色の缶。


( ゚д゚ )「ドロップでーす。舐め終わったら、泣き止んでくださーいよぅ?」


その問いかけに、妹者ちゃんはこっくり頷いた。
彼女の頭をくしゃくしゃ撫でて、彼は私にも1粒、缶から飴玉を取り出してくれる。


【+  】ゞ゚)「なんだか、手馴れているな。イエロー。
        ……人間も哺乳類に入るのか?」

( ゚д゚ )「そりゃぁ、勿論、入りまーすけど?
     そうじゃなくって。僕、妹がいたから、慣れてるんですーよ」


要りますか、と差し出される緑色の缶に、レッドが素早く手を差し出した。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:41:49.09 ID:BWHKpbEo0
( ゚д゚ )「はい、メロンでいいでーすか?」

(  ゚∀゚ )+「あうぅーっ!」

【+* 】ゞ゚)「ハッカあるか? ハッカ」


がらがら缶を揺する音が五月蝿い車内。
今日会う大人たちは、どうしてこう、落ち着きが無いのか。

口の中のイチゴ味をころころ転がしながら、私は考え込んだ。

ピーターパン症候群という奴なのかもしれない。


( ゚д゚ )「あっ、そろそろピンクとブルーが近づいてきてまーすぅよ?」


さっと車のドアを見つめたイエローが、朗らかに言った。

数秒立たない内に、窓ガラスがこつこつ、叩かれる。


( ゚д゚ )「合言葉は、なんでーすかっ?」

【+  】ゞ゚)「またそれか、イエロー」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:43:02.39 ID:QsO8VwuXO
ミルナのキャラに思わず噴いた
支援


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:44:51.02 ID:BWHKpbEo0
冗談めいた問いかけに、ドアの向こうで女性の声が嬉しそうに答える。


『今日のわたしの下着は紫でーす!』

【+; 】ゞ゚)「こらこらこら」


開かれたドアから、ブルーを支えたピンクが入ってくる。


*(‘‘)*「ダセェw女に抱っこされてきたんですかwww」

( <●><●>)「3分の1は貴女の所為ですからね?
        まったく……最近の子供は」

【+  】ゞ゚)「どうしたんだ、ブルー」

( <●><●>)「ちょっと変な装置にかけられました」

(;゚д゚ )「顔色が悪いでーすよ?」


車内の様子が、一挙にブルーを心配するそれに変わる。

私は、あの装置の効果が一過性のものだという事を、ついに言い出さなかった。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:47:06.27 ID:BWHKpbEo0
-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


『やまむらクリーニング』とポップ体で書かれた白ワゴンに戻ると
私の考え事など思いもよらない仲間達が、労ってくれた。

ふっと身体の力が抜けて、ぐらりと傾ぐ。

それを支えてくれたイエローが、最後部座席に私を引っ張り込んだ。


( ゚д゚ )「ちょっと横になってた方が、いいでーす」

( <●><●>)「座席を独占する訳にはいきませんよ」

o川*゚ー゚)o「膝枕してあげよっか?」

( <●><●>)「いや、いりません」


案外事態を重く見なかった仲間達に、研究所内の事をまとめて話す。
そこにピンクが追加で現場の惨状を説明した。

運転席のブラックが溜息を吐いて振り返る。


【+  】ゞ゚)「あ、それはやりすぎたな。
        その代償ということで、その頭痛は暫く引き受けておけ」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:50:11.73 ID:BWHKpbEo0
( <●><●>)「はい」


素直に頷く。


( ゚д゚ )「さって。じゃあそろそろ、お暇しましょーうかぁ?」

【+  】ゞ゚)「そうだな。犬は頼むぞイエロー。
        ニオイを追いかけて家まで来られたらかなわない」


冗談めかしたブラックに返事を返したイエローが、ワゴンの扉を開く。

そして、そろそろ冷たい夜風の中に、まるきり犬の遠吠えと同じ声を響かせた。
その声に、山彦のように、捜査犬のそれが重なる。

目を丸くしてそれを見つめる少女2人に笑いかけ、イエローは耳に手をあてた。


( ゚д゚ )「あ、もうすぐ、来ます」


言い終わるか、終わらないかと言った頃。
リードを付けたままのシェパード犬が1頭、車の前に躍り出た。

尾を千切れんばかりに振り回し、イエローに飛びつく。


( ゚д゚ )「よしよしー。この子がここの犬の中で1番偉いみたいですーよ?」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:53:03.41 ID:BWHKpbEo0
訓練済みの筈のその犬は、甘えた声を出してイエローの顔や手を舐める。
地面に横になって腹を見せた犬を、彼はは褒める様に撫で回した。


( <●><●>)「でしたら、今犬達が覚えているレッドのニオイを
        他のニオイに書き換えることは可能ですか?」

( ゚д゚ )「とーいうと?」

( <●><●>)「レッドを今後追いかけないようにしてください。
        それで、今は時間稼ぎに、他の方向へ誘導したいので」

( ゚д゚ )「あー、なるほど。
     誰のニオイを追いかけさせましょー?」


私はポケットから1本のヘアゴムを取り出し、渡した。


( ゚д゚ )「誰のですーか?」

( <●><●>)「技術者のヒキコモリですよ。
        帰りに失敬しました」

( ゚д゚ )「あー。これなら研究所に戻ってくれますーね」


1人納得した様子で、そのヘアゴムを犬の鼻先に差し出している。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:56:41.60 ID:BWHKpbEo0
くふくふとそのニオイを嗅ぐシェパード犬。

暫くすると、『後は任せろ』という事なのか、犬はヘアゴムを銜えて元の道を辿っていった。


( ゚д゚ )「あの調子なら、他のわんちゃんにも、ニオイを教えてくれます。
     捜査員さんもー、ヘアゴムはピンクが落としたモノとでも思うでしょ」

o川*゚ぺ)o「あらぁ。わたし、あんな味気ないの、使わないわよぅー?」

( <●><●>)「捜査員はそんな事知りませんからね」


ぷうと頬を膨らますピンクが助手席、イエローが私の隣に乗って、ドアが閉まった。


( ゚д゚ )「ブルー、ドロップ食べます?」


また、懐かしい物を取り出したものである。

車内の空気が甘ったるいと思ったら。
ほぼ全員が飴玉を舐めていたら、そうなるのも解る。


o川*゚ー゚)o「ブラックは? 何味舐めてるの?」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 19:59:01.37 ID:BWHKpbEo0
【+  】ゞ゚)「ハッカだが」

o川*゚ー゚)o「イエロー、ハッカ! ハッカ味ちょうだい?」


ピンクが振り返って言う。
それに頷いて、イエローは缶を覗き込んだ。


( ゚д゚ )「あ、はいピンク」

o川*゚ー゚)o「ありがとっ! ……ね、今わたしがブラックとちゅーしたら、同じ味だね!」


運転席にしな垂れかかった彼女が急に話題を振ると、ブラックが喉を妙な調子で鳴らした。


【+; 】ゞ゚)「ごほ……っ急に、変なこと言うなピンク。飴飲んじゃったじゃないか」

o川*゚ー゚)o「じゃあわたしが舐めてるハッカ味あげるー。
       はい、ちゅー」

【+; 】ゞ゚)「いらん、いらん。いりませんっ!」


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:02:09.50 ID:BWHKpbEo0
( ∩∀∩)「あう」

(∩д∩)「嫌ですーね。最近の若い人はぁ」

【+; 】ゞ゚)「俺はお前達より年上だ」


見た目と中身で年齢が違うというのは、中々厄介なものである。
特に困っているのが、最年少の私と、最年長のブラックだ。

私は酒が買えないし、ブラックは逆サバの疑いを掛けられる。


【+  】ゞ゚)「そんな事は、まあ、いいんだ。
        とりあえず出よう」


そう言って、眼帯男はワゴンのエンジンを起動させる。

なめらかな運転で進む車内。
私はイエローから貰った飴玉を口に含んだ。

オレンジの香りを伴ったそれは、甘さと一緒に、先程の妙な心配も溶かしていったらしい。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:05:39.14 ID:BWHKpbEo0
車が、来た時と同じガタガタ道を通る。

しかし、あれほど揺れなかった。
車体の大きさは変わらないのに。

暫く行くと、フロントガラスの向こうで何か光るものが見えた。

捜査員が2人、暇そうに並んで立っている。


【+  】ゞ゚)「ピンク、ちょっとあの辺りの重力を重くしてくれ。
       あの2人が腕を動かせないようにして欲しい」

o川*゚ー゚)o「はいはぁい」


運転したままのブラックがそう言うと、ピンクが軽く指先を動かす。

空中でピアノを弾くように、ぱらりと揺れる。

同時に、立っていた捜査員達は、急にその身を強張らせ、周りを見回した。


【+  】ゞ゚)「さて、ピンク、ハンドル頼むぞ」

o川*゚ー゚)o「お任せくださいなーっ」


軽い口ぶりで助手席からハンドルに手を伸ばすピンク。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:08:28.70 ID:BWHKpbEo0
スピードをゆっくり落としながら、ブラックは大きな眼帯を解いた。

そして、私達を振り返る。眼帯を外しても、右目をきっちりと覆っている。


(∩"_ゞ゚)「俺があいつらと話している間、ちょっと静かにしててくれ」


できるか? と静かに訊かれる。
2人して、首を前に倒した。


(∩"_ゞ゚)「良い子だ。ありがとう」


無表情を少しだけ和らげて、ブラックはそう言った。

顔面まで強張らせた捜査員達の前で、ゆっくり止まったワゴン。
ブラックが、運転席の窓を開け、並び立つ捜査員の顔を覗きこむ。


(;´・_ゝ・`)「な、何だ、お前達は……」

(;・ω・)「っ、車から、降り、ろ! ぼっこぼこにしてやんよ」


重い荷物を背負ってでもいるように、彼らの膝は震えている。
荒い息を吐き、苦しそうな顔。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:11:30.23 ID:BWHKpbEo0
ブラックは、覆っていた手をどけて、右目を開いた。


( ゚"_ゞ゚)「『こんばんは。やまむらクリーニング店です』」


ゆっくり、噛んで含めるように、ブラックは言った。
捜査員達は、急に顔を弛緩させ、間抜けそうに口を開ける。


(´・_ゝ・`)「え?」

( ゚"_ゞ゚)「『ここを通ったのは、いつも配達に来ている、やまむらクリーニングの車です』」

( ・ω・)「いつも、配達に?」

( ゚"_ゞ゚)「『中に乗っていたのも、顔なじみの者でした』」

(´・_ゝ・`)「あ……ああ」


ぼんやりと、ブラックの言葉を小さく鸚鵡返しにする。


(∩"_ゞ゚)「よし、ピンク。解放してやってくれ」

o川*゚ー゚)o「うん」


車内に囁き、ピンクの指がもう一度踊る。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:14:55.81 ID:BWHKpbEo0
捜査員達は、目が覚めたように頭を振り、再びブラックを見た。

私達は、当然ブラックが引き摺り出されて、車ごと捕まえられる事を想像する。
しかし、


(´・_ゝ・`)「ああ、やまむらさん、でしたか」

( ・ω・)「もう夜なのに、配達ご苦労様なんよ」

(∩"_ゞ゚)「いえいえ、仕事ですから」


今度は私達が、ぽかんと口を開けることになった。
ピンクが振り向き、くすくす笑う。

恥かしくなって下を向く。
その頃には窓を閉めたブラックが、アクセルを踏み込んでいた。

捜査員2人から見えなくなった所で停車し、眼帯を付け直している。


*(;‘‘)*「え、え、あれ……なんで?」

o川*゚ー゚)o「うふふー。凄いよねぇー?
       ブラックは魔法使いさんなのよ?」

【+; 】ゞ゚)「おい、適当な事を言うな」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:17:15.09 ID:BWHKpbEo0
後頭部でリボン状に眼帯の紐を結ぶ。
レッドとイエローがバケツなどを持って車を降りる。


【+  】ゞ゚)「『怪しい奴』から『顔見知りの業者』に記憶を書き換えただけだ。
       ……それより、君達は、家はどの辺りなんだ?」

*(‘‘)*「あ、あの、美府市なんですが」


私はその時、ようやくヒッキーがいっていた言葉を思い出す。

記憶を書き換えることができるレンジャーも、いる。

ブラックの事だったのか。
とすると、先ほどの犬から見て、イエローが動物を操れるレンジャーだろう。

ブラックに自宅の住所を告げながら、ぼんやりと考える。

車の外では、レッドとイエローが『やまむらクリーニング』の文字を雑巾とスポンジで擦りとっている。
油性マジックか何かで書いていたようだ。


( ゚д゚ )「今度は、何て書きますーかぁ?」

【+  】ゞ゚)「そうだな、美府市児童館とでも」

( ゚д゚ )「おまかせですー」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:20:27.41 ID:BWHKpbEo0
極太マジックを、白の車体にきゅっきゅと手早く躍らせる。

後ろで金属音がしたと思ったら、レッドがナンバープレートを手にして戻ってきた。


(  ゚∀゚ )「あう、あーあひゃ?」

( <●><●>)「コレでいいですか?」


ブルーが後ろから、別のナンバープレートを差し出す。
振り返ると、工具箱の中に、もう何枚かプレートが収めてあった。


(  ゚∀゚ )「アヒャー」


それを手にしたレッドがもう一度外へ出て行く。
ナンバープレートを取り付けに行ったのだろう。

私は感心した。
ここまでしていれば、なるほど、高岡達に捕まる訳がない。
寧ろ、今回レッドが追われていたことにびっくりだ。

作業を終えたレッドとイエローが車内に戻り、車は美府市に向かって走り出した。


( ゚д゚ )「レッド、髪伸びましたーね?」

(  ゚∀゚ )「ああう?」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:23:10.23 ID:BWHKpbEo0
私達の横に座るレッドが、自分の前髪をくいと引っ張る。
車内灯を付けて、よく見ると、確かに茶髪の根元が1cmほど、真っ赤な色をしている。


( <●><●>)「本当ですね。私も伸びているかもしれません」

( ゚д゚ )「どれ? あー、ちょっと目立ってきてますーよ」


ブルーは黒髪である。
地色の紫がかった青色が目立ちやすい。

イエローは名前からして黄色だが、金髪は目立ちにくい部類だろう。
目立ちにくいと言えば、ブラックは黒なのだろうか。


*(‘‘)*「あの、ブラックさんは?」

【+  】ゞ゚)「うん?」

*(‘‘)*「髪の毛、本当は何色なんです?」


私がそれを口にした瞬間、車内の時間が一瞬停止した。


【+  】ゞ )「……」


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:26:32.31 ID:BWHKpbEo0
(;゚д゚ )「あああ、あの、それは」

(;<●><●>)「そんな事、どうでもいいじゃないですか!
         ね、レッド!」

(; ゚∀゚ )「あひゃひゃー!」

【+  】ゞ )「……だ」


ブラックがぼそりと呟く。


*(‘‘)*「は?」

【+  】ゞ )「白だ」


白。全身の体毛が、白、と。


*(‘‘)*「それって、しらg……むぐっ!?」

(; -∀- )「あひゃう」


横のレッドに発言途中で口を塞がれる。
残った3人は必死にブラックを慰めていた。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:29:05.11 ID:BWHKpbEo0
(;゚д゚ )「いや、白って言うから、駄目なんでーすよ!
     銀髪とか言いましょーう。銀髪!」

(;<●><●>)「あ、あ、それ良いですね! カッコイイですよ!
        ゲームのCMなんかにも出てくるじゃないですか!」

o川;゚ー゚)o「そーそ。アルビノとかの人だっているんだから。
       真っ白も素敵じゃなぁい! 睫毛とかが白って、綺麗よ!」


一体何を言っているのか。
支離滅裂な上に、一生懸命すぎる。

私が踏んだのは、相当でかい地雷だったらしい。


【+  】ゞ )「当時、27だったのに……いや、今でも、まだ31だぞ?なの
       に、白って、白って……!おかしいだろう! どう考えてもおか
       しいだろうが!名前ブラックで、色がホワイトって、何処で間違
       えたんだ!? 名前をホワイトにされても困るがな、じゃあ色も黒で
       いいだろう!? そもそも名前にちなんで体毛の色を根本的に変え
       るって、それ必要なのか? 『ロボットらしさを強調するため』って
       ロボットとか未来人は髪の毛の色が違うだろうって考え方からし
       て既に前衛的すぎるだろ意味無いどころか非生産的で爆発しそ」

( ;д; )「ブラック怖いからもうその辺でー!」

【+  】ゞ゚)「あ、悪いちょっと取り乱した」


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:32:46.89 ID:BWHKpbEo0
ちょっとどころではない。
滑舌がアナウンサー並なのが余計に異質である。

右隣でじっと黙っていた妹者ちゃんは、まだフリーズ中だ。


o川*゚ー゚)o「ブラックはそんなに髪伸びてないしぃ、まだ染めなくて大丈夫!」

【+  】ゞ゚)「ピンクは全然伸びないな」

o川*゚ー゚)o「うん、伸びるの凄い遅いのよー。
       レッドは1番早いんじゃない? もう、えっち!」

(  ゚∀゚ )「あー?」


レッドが首を傾げる。


( ゚д゚ )「ああ、髪伸びるのが早いとエロイとか、そーゆーのですーか?」

o川*゚ー゚)o「そうそう。よく聞くじゃない?」

( <●><●>)「女性は逆に、伸びにくい人が性欲旺盛らしいですね」


ブルーの一言に、イエローが過剰に反応する。


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:35:01.38 ID:BWHKpbEo0
(*゚д゚*)「えええええ。そ、しょ、そそ、そんなこと聞きませんけどっ!?」

( <●><●>)「そうですか」


前方ではピンクが運転席のブラックに抱きついている。


o川*゚ー゚)o「んふふ~ブルーにえっちぃって言われちゃったぁー。
       今晩確かめてみる? ねえブラックぅ」

【+; 】ゞ゚)「ちょっ、俺達はそういう関係じゃ……
       あー、あー、やめなさいこら、子供が乗ってるんだから!
       抱きつくなっ! 首を舐めるなっ! うあっ、耳を噛むなぁあああ!」

(* д *)「ぶばーっ!!」

(;<●><●>)「あー! イエローまた鼻血!ティッシュ! うわ、空じゃないですかっ!」

(; ゚∀゚ )「あうあーっ!」


喧しい事この上ない。

  _,,
l从・∀・ノ!リ人「まったく、さいきんのわかいもんは……」


妹者ちゃんはドロップを舐め終わる前に復活していた。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:38:59.84 ID:BWHKpbEo0
-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


喧しく、一瞬たりとも黙らない車内。

窓ガラスにずきずき疼く額をくっつけ、私は喧騒を聞いていた。

本来ならそろそろ落ち着き始める年齢だが、私達はそんな物とは無縁である。

研究者の薬は成長を止めた。
私達の中身は、器の年齢を超えたことに気付きたくないのかもしれない。

だから、余計なことを考えなくても済むように、話す。

働き、動き、喧嘩し。

1個の家族のように、1つの場所に固まる。

暇な時には一緒にTVを見たり。
皆でゲームをしたり。
この年になって、揃って動物園に行ったりもした。

私達は馬鹿だ。
どうしようもなく、被害者だ。

全員が、失くしてしまった物を、それぞれ埋めあっている。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:41:16.27 ID:BWHKpbEo0
私達は引き離されては生きていけない。

人間は1人きりでも生きていけるのだ。
まして、改造された私達は言うまでも無い。

でも、私達は5人でないと生きていけない。
5人共、何かを奪われてきたからである。

だから、こんなに煩い。
子供っぽく、感情の起伏が激しく、不安定だ。

そうしないと生きていけない。

人間は、誰も自分の事を覚えていない世界に行くと、狂ってしまうらしい。

死んでいるのだ、私達は。
昔の友人や、家族さえ、私達はもう消えてしまったと思っている。
そういうことになっている。

私達は。
放っておけば、生きている、ということにすら疑問を持ち始めてしまうから。


-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:44:13.15 ID:BWHKpbEo0
数十分後。
ワゴン車は私達の家の近くの公園前に停車した。
サイドブレーキを下ろしたブラックが、振り向いて言う。


【+  】ゞ゚)σ「一応、言っておくぞ!
         今日見聞きした事は絶対に家族に言っては駄目だ」


ずびし、と指を差してまで確認されなくてもわかっている。
手袋を外していたブラックの立てた人差し指、爪の間に
思い切り伸びた爪をぶすりと突き刺してやった。


*(‘‘)*σ「んなコトわーってますよ!」

【+; 】ゞ゚)「痛ーッ! 何をする!」


私達くらいの子供の爪は、薄くて尖っている。
カミソリ並みである。
ETごっこには注意が必要なのだ。

ブラックは引っ込めた指の先を注視していた。


【+; 】ゞ゚)「血が出てる!
       爪の間を攻撃するとは、なんて小学生だ。えげつないなぁ」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:47:24.02 ID:BWHKpbEo0
o川*゚ー゚)o「舐めたげよっかー?」

【+  】ゞ゚)「結構だ。もう治った」

o川*゚н゚)o「ちぇっ」


問いかけに思い切り首を振りながら、ブラックはマフラーとコートを脱いだ。
他のレンジャーと違い、下にはスーツを着ている。

ピンクもロングブーツをパンプスに履き替えて。


l从・∀・ノ!リ人「何で着替えてるのじゃ?」

( <●><●>)「貴女方を家まで送りますからね。
        親御さんが心配しているでしょうし」


後ろからごそごそ出てきたのは、近くの有名進学校の制服を着たブルーだった。
アイスブルーを基調としたチェックのズボンに、紺ブレザーとリボンタイ。
その高校に通う生徒にしか見えない。

何故そんな服を持っているのかは分からないが、確かに親に不審がられはしないだろう。


o川*゚ー゚)o「妹者ちゃんは、わたしとブラックが送るわ。
       ここから歩いていきましょーうねっ」

l从・∀・ノ!リ人「わかったのじゃ」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:50:20.13 ID:BWHKpbEo0
( <●><●>)「ではこっちのちんちくりんは私が」


ちんちくりんとは失礼だ。


*(‘‘)*「テメェに言われたかねーよチビ男。
     ギョロ目がキモイからこっち来んな」

( <●><●>)「ははは。チビに言われても説得力がまるでありません。
        研究所でビビリまくって失語していた方がまだ可愛げがありましたよ」

*(‘‘)*「かわいげwペドロリ乙としか言えないわー。
     小学生女子にゆめみすぎwwwこどもはてんしwwwアホか」

( <●><●>)「天使のランドセルでも背負わせておかないと邪悪すぎて目も当てられませんからね。
        うわー子供とか本当無いです。何か餓鬼の臭いが不愉快なんですよ」

*(‘‘)*「はいはいはいでましたでました『自分こどもキライなんでーべつにー』てきな?
     見た目がキモイやつが何言ってもムダwwwどうせキモがられてシューリョーなんだよハゲw
     おさななじみがハツコイだったタイプですねわかります! ネクラくせぇwww」

( <●><●>)「貴女もどうせ年上(笑)の先生(笑)か町内のお兄さん(笑)に憧れて
        『恋してる私まぁぢ素敵大人すぎだぉ><↑↑』とかそんな展開でしょう。大人をからかう物じゃありませんよ。
        なかよしでもちゃおでも読んでなさい少女コミック世代(笑)」

( ゚д゚ )「日本語でおねがいしまーす」

(  ゚∀゚ )「あひゃあーう」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:53:18.83 ID:BWHKpbEo0
口喧嘩に夢中になっているうちに、私達は車から放り出され、2・3分の家路を辿った。
数メートル先には妹者ちゃん達3人組の後姿が見える。

ご丁寧にスクールバックまで担いだブルーが、私の家の前でドアチャイムを鳴らす。

ざざ、とノイズの後、何だか懐かしいママの声が聞こえた。


( <●><●>)「遅くにすみません。
        お宅のお嬢さんが児童公園の近くにいたので、もう暗いから、お送りしました」


よく言うよ。
べー、と舌を出してやる。

玄関のドアの向こうに慌てた足音と、鍵を開ける音が続いた。


(;><)「ヘリカルー!
      どこ行ってたんですか! 心配したんです!」

(*;ω; *)「こんな遅くまで! 何してたんだっぽ!」

*(‘‘)*「ごめんなさい、パパ、ママ」


サンダルをつっかけて飛び出してきた両親に、私はぎゅうと抱きしめられた。
ブルーに嗤われるかもしれないと思ったけれど。
あいつよりもパパとママの方が、大切だ。


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:56:02.94 ID:BWHKpbEo0
(*><)「あ、わざわざありがとうございましたなんです!
      娘が帰らないから、凄く心配して……」


パパがペコペコと何度もお辞儀をする。
ママは私を抱きしめたままだ。

その声に混じり、何かが地面に落ちる音がした。
ブルーの持っていたカバンが、アスファルトの上に転がっていた。


( ><)「ん、落ちましたよ?」


それをパパが拾う。
にこにこ笑って、ブルーに差し出した。

中々受け取らない彼に、パパは首を傾げていた。


(;<○><○>)「ビロードにい、さん?」

( ><)「えっ……?」


びっくりしたような声をあげた。

急に顔を上げたパパと、一瞬視線がかち合ったように見えた。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 20:59:23.57 ID:BWHKpbEo0
(;<●><●>)「っあ、う、いえ、あのっ……失礼しますっ!」

(;><)「えっ! あ、君っ」


ブルーはパパの手からバッグをひったくり、自分の足に転びそうになりながら
夜の暗闇の中走っていった。

何だったと言うのだろう。

パパは、暫くの間、そこに突っ立っていた。


*(‘‘)*「パーパ? どうしたですー?」

( ><)「ヘリカル、今のお兄ちゃんの……名前とか、聞きませんでした?」

*(‘‘)*「え?」


知らないよ、と首を横に振った。


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:02:06.98 ID:BWHKpbEo0
(*゚うω‘ *)「どうしたっぽ?」

( ><)「今の子、何だか。ワカッテマス君にすごく似ていました」

(*‘ω‘ *)「え」


何だか、聞いたことのあるような、無いような名前だった。
それを聞いたママも、目を丸くして、ブルーが走っていった方を見つめた。


*(‘‘)*「え、だれ?」

(*‘ω‘ *)「ん? ワカッテマスの事っぽ?」

( ><)「ヘリカルの叔父さんだった人ですよ。覚えてませんか?
      僕の、年の離れた弟です」


随分前に、病気で死んでしまったけど。

パパは、ゆっくりそう言った。
笑っていたけど、悲しそうだった。


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:06:02.20 ID:BWHKpbEo0
-----------------------×8--キ-リ-ト-リ--------------------------


闇雲に走った。
肺も強化されているはずなのに、死ぬほど息が苦しくて。

ぐらぐら。目眩がする。

道路の隅、うずくまって何度も咳き込んだ。
頭が痛い。座っていても目眩がする。

昔見た光景が、スライドのように脳裏をよぎる。
走馬灯? フラッシュバック?

瞼の裏に多角形の虹が散る。

後ろから足音が聞こえてきたと思ったら、もう一人を送った後のピンク達であった。

息が苦しい。
空気が吸えない。


【+; 】ゞ゚)「どうした、ブルー。おい息吐け! 吸うな!
       1度ゆっくり、吐いて!」


どん、と背中を叩かれて、肺の空気が少し出ていく。

何度も咳き込んで、やっと呼吸した。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:08:14.03 ID:BWHKpbEo0
o川*゚ー゚)o「どうしたの」

(;<●><●>)「あ。兄が」


声が上ずっていた。
2人が怪訝そうな顔をする。


( <●><●>)「私の兄が。あの少女の、家から」


5年ぶりにあった兄。その妻。

私は余計に酷くなる頭痛の隅で、思い出した。

そうか、あの少女。
沢近ヘリカル。

随分大きくなった物だなぁ。
見当違いな事を考えながら。

私の視界はゆっくりブラックアウトしていった。


第4話 「遇」 おわり



55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:10:10.45 ID:BWHKpbEo0
支援など、レスありがとうございました
何か質問や指摘など、もしありましたらお願いします


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:11:43.54 ID:QsO8VwuXO
乙!
次の投下予定は?


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:12:19.82 ID:BWHKpbEo0
>>56
一応、来週の同じ時間を予定しています
でも書きあがらなければ順次遅れます


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:19:21.84 ID:X82UWRnF0
乙だよ


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:21:47.66 ID:nhg7RTCNO

次回も期待する


60 :◆1Sb5PoZaUXZt:2009/11/18(水) 21:23:10.35 ID:BWHKpbEo0
見てくれた人お疲れ様です
とりあえず今日はこれで

あの、皆さん本当にありがとうございました
おやすみなさい


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/18(水) 21:41:31.73 ID:Gk6kknwAO
ふたなり乙


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