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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです ―――日目 朝4つ 巳の刻

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29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:17:06.36 ID:GHeTsR6l0
補足説明的番外編
―――日目 朝4つ 巳の刻
『アンコール!その男、ゼロからのスタート?』


――殺しちゃえよ。

どうせ生きてても仕方ない連中だって。

取るに足らない奴等だよ。幾らでも替えが効く、どうでもいい存在。

この世界を穢すだけのいらない人間達、さ。

だったら壊しちゃえ。

奪われたモノの復讐の為に。

…殺しちゃえよ。

どうせ……――


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:20:05.40 ID:GHeTsR6l0
……………


――特務機関FOXの新人隊員、周囲からその甘さを茶化すように「仔犬ちゃん」と呼ばれている青年には、ある痛烈な思い出がある。
この組織に入るキッカケとなった記憶だ。今から数年前のある出来事。

< _・> 「っ……」

青年は、――いや、当時まだ「少年」という呼称が相応しかったコイヌは雨の中、地面に這いつくばっていた。
ドロドロと嫌な暗闇が広がる夜。汚れた地面に落ちていた。もはや、生物としてあるべき精気などほとんどない。

…平たく言えば『有り触れた悲劇』の被害者になっただけだった。
借金の形に家族を売られた。気弱な父も、優しい母も、男勝りな姉も、奴隷として売り飛ばされる。それだけの単純な話だった。
それで彼は助かった。助かってしまった。

ボロ雑巾のように投げ出され、一番年下だから、という馬鹿みたいな理由で自分だけ逃がされた。
嫌だった。悔しかった。耐えられなかった。だが何もできないのも事実だった。

「いい夜だね」

――声が聞こえた。
耳障りの良い、優しげな、そしてどこか寂しそうな声だった。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:23:06.54 ID:GHeTsR6l0
「こんなにいい夜なのに、君は何をやってるわけ?」

残っていたほんの僅かな力で顔を上げた。
…目の前に居たのは一人の青年。夜の闇に溶けてしまいそうな艶やかな白髪と濁った大きな瞳を持った男だった。
百人が百人「美形」と認めるような、それでいて煩くない鼻梁の通った顔立ちで、見ているだけで引き込まれそうな魔力を持っている。

着崩した学生服。物鬱げに閉じた片目。それが特徴になろうか。
…青年はめんどくさそうに再度問いかける。

「何を、やってるの?」

< _・> 「……どうしろって、言うんだよ」

奥歯を噛み締め文句を言おうとした、まさにその時。ガシャン、という音と共に何かが足元に落ちた。
見れば、一振りのブレード。日本刀と違い飾り気のない武器だった。

「君のでしょ?」

確かにそうだ。これはコイヌの家にあったものだ。
逃げる途中に置いてきてしまったが、彼の物と言っていいだろう。
武器が可哀想だ、と男は告げた。
不思議に思い、謎の存在をもう一度見てみるも、やはり暗闇にトロトロと溶けているような印象しか受けない。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:26:05.94 ID:GHeTsR6l0
「どうせ、光の中へは戻れないんだよ?だったら――」

路地裏に足音が響く。のんびり絶望している間に追っ手が迫っていたらしい。
数にして十と少し。各々好きな武器を持ち、コイヌを捕まえんと躍起になっている。

「ふぅん」

――が、彼等は一瞬で消し飛んだ。
ある者は突如として出現した紅蓮の炎に。ある者は唐突に襲った突風に吹き飛び、隣に居た者には自然界ではありえない紫雷が落ちた。
また襲い掛かろうと得物を振り上げた者は腕を飛ばされ血の雨を降らせた。青年を狙った者は喉を握り潰された。

あらゆる災害が一気に訪れたような光景だ。
いや、『森羅万象』と言うべきか。周りのもの全てが敵に回ったような、そんな錯覚に陥る。

「…あは」

思わず笑みが零れていた。
返り血を大量に浴びながら、吐き気を誘う悪臭の中で、強くなり始めた雨の下、青年は笑った。

コイヌが声をかける前にブレードを足で蹴り上げ手に納める。残っていた追っ手達は咄嗟に銃を構えた。
しかし、銃弾は勝手に彼を避けていった。もしくは誤作動を起こし暴発した。辛うじて当たるかと思われた鉄の弾は剣で弾き飛ばされる。
まるで呼吸でもするかのように自然な、ノーモーションで。時間では刹那と言うべき高速の斬撃が次々と放たれる。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:28:13.98 ID:xUZ1Imt8O
地の文が長いのは苦手なんだけど、これは結構好きだよ。





初めて見たけど。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:29:05.13 ID:GHeTsR6l0
――勝負は、虐殺は数秒で終わりを迎えた。
気儘に散歩でもするかのように、もしくは幽雅に舞う様に。そんな調子で敵を殺し尽くした存在は笑った。
無邪気な、本当に無邪気な笑みと共に手を差し出す。

「ねぇ。どうせなら、こんなトコで潰れてないで……」

指先はこの惨劇を引き起こした本人かと思えないほどに繊細で美しい。
片方だけの黒い瞳にはいつの間にやら光が宿っていた。儚い光だ。
そして、翼。透き通った水晶のような、見る者全てを等しく魅了する三対の翼。まるで彼そのものだった。

青年は言った。
呼吸をするように人を傷つけてしまう彼は言った。
雨の中に光臨した一人の天使。正体不明の超能力者。光を愛せざる者。もしくは朝比奈家二十七代目当主。
自分の同類を残らず地獄へ引き摺り込んでやろうと蘇ってきた彼は、言ったのだ。

( -∀・)「――僕と一緒に全部壊しに行かない?」

帝都VIPで起こったある出来事。著名な魔術結社が一夜にして壊滅した事件。
…その影に『Unknowable Killer』と呼ばれる正体不明、理屈不要、解析不可能の天使がいたことはあまり知られていない。


―――日目 朝4つ 巳の刻 終



36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/21(土) 21:32:05.84 ID:GHeTsR6l0
ご支援ありがとうございました。
とんでもない勢いで伏線回収開始ですよ。

補足説明的番外編の意義がやっと出ました。
昔の師匠が敵になるって王道ですよね?どう考えても三人は多いけども。一人にいたっては前作の主人公だし。
その主人公クンに何があったのかは秘密ですが、十年経つと常時覚醒状態容姿はそのままで何故か白髪になってます。ストレス?

では、用事がありますので。
また来週。


>>15
なんか心臓とか左右非対称の場合は「内臓錯位」って言うらしいですよ。

>>34
僕自身、地の文が長いブーン系は苦手なので。
そんな感じです。


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