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◆('A`)ヘイヘイ、マイマイのようです 第三話「レットイットビー」

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22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:06:44.06 ID:SkjYAtV8O
第三話「レットイットビー」

ペニサスさんとの電話の後、俺はなんとも言えない胸糞悪さを感じながら準備にかかった。
持っていくのは数日分の衣服と適当な本、CD。

('A`)「多分十日はかかるだろうなあ……」

以外にもあっさりした荷物を見て呟く。
生まれ故郷のラウンジまでは距離的にはもっと近いのだが色々と遠出には制約がある。
途中で衣服は洗濯する必要がある。

川 ゚ -゚)「待ち合わせは二丁目だったな」

('A`)「おう、まだ一時間ぐらいは余裕あるな」


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:13:22.76 ID:SkjYAtV8O
川 ゚ -゚)「お茶を煎れてくるよ」

('A`)「ん、悪いな」

そう言って湯を沸かし始めたクーの背中を眺める。

('A`)(しかしどうなんだろうな……)

別に俺は自分の母親がどうなろうがあまり関心がない。
そもそもほとんど会ったことがないのだ。
俺にとっての母親はペニサスさんだと言っていいだろう。

('A`)(加えて分からないのは……)

目の前で今ティーパックを湯に浸し始めたクーのことだ。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:21:50.89 ID:SkjYAtV8O
昨日あんなことがあっての今日。
往復で約二十日も俺と彼女は離れることになる。

クーも一緒に連れていけばいいのかも知れないが、ペニサスさんは誘わなかったしクーも何も言ってこない。
きっとそれは互いに気をつかってのことだろう。
でもそれでもクーは来たがるんじゃないかという思いも少しはあった。

川 ゚ -゚)「ほら、熱いぞ」

('A`)「ありがとう」

それに彼女は電話の内容を細かくは聞いてこなかった。
今から帰省をする、というのは理解しているようだがそれ以外はどうだろう。

そもそも俺は彼女に自分の出身地も言っていないように思う。
やっぱりある程度は俺から伝えるべきなのだろうか。

川 ゚ -゚)「じゃあ聞こうじゃないか」

('A`)「……おっと」

なんだか最近急に歯車が合ってきた気がするな。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:27:08.33 ID:SkjYAtV8O
('A`)「うーんとだな……」

さてどこから話したもんか。

('A`)「俺には父さんと母さんがいてだな」

川 ゚ -゚)「誰だってそうだろ」

ああん、ツレない子。
M属性を持たない俺には少し厳しい。

('A`)「……ガキの頃に事故があった」

川 ゚ -゚)「…………」

('A`)「父さんは死んだ、母さんは寝たきりになった」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:33:22.51 ID:SkjYAtV8O
('A`)「それから俺はペニサスさんに育てられた、大事にね」

川 ゚ -゚)「そこは聞いたことがあるな」

そうだったっけか、記憶が曖昧だ。
こいつと時間を共有しだしてからも大分経つ。
少しぐらい忘れることもあるだろう。

('A`)「そんなある日、ラジオから一つの曲が流れてきた」

にわかに背中辺りが汗ばんでいる気がする。
今は夏だったか冬だったか。
それともそんなものはないのかも知れない。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:41:17.35 ID:SkjYAtV8O
('A`)「弱々しい声で生き方がどうの、ロックンロールがどうのと歌っていた」

川 ゚ -゚)「私もその曲は好きだ」

そうか、確か初めてこいつと会った日にも歌っていたな。
そういうことはまだ覚えている。
まだ、大丈夫だ。俺は、まだ

('A`)「聞き終わったあとに何故か無性に何かをしたくなった」

('A`)「そして隊商の車にこっそり乗り込んでVIPにきたんだ、それが七年前」

ペニサスさんに謝罪を込めた置き手紙をしてね、と小さく付け加える。

VIPとアートサロンが音楽で賑わっているのは俺も知っていた。
その隊商がVIPから来ていたことも。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:47:10.42 ID:SkjYAtV8O
('A`)「大事なことを忘れていた、俺の故郷はラウンジだよ」

今更意味のあるつけたしには思えないがとりあえず加える。

川 ゚ -゚)「知っているぞ」

('A`)「えっ?」

これには思わず情けない声を出す。

('A`)「そんな馬鹿な」

川 ゚ -゚)「君の衣服も一回洗濯すればきっかり着回せるように計算しているよ」

('A`)「あっ……」

確かに数えるとその通りだ
だがいつ伝えたのだろうか……思い出せない。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 01:53:13.39 ID:SkjYAtV8O
('A`)「まあいいや……それで全てだ、薄っぺらいだろ?」

半分自分に言うようにしてクーに聞く。
これで終わり、と言わんばかりに手付かずの紅茶を飲んだ。

(;'A`)「アチッ!!」


川 - )「嘘つき」


('A`)「え?」

川 - )「嘘つき」

('A`)「…………」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:01:50.39 ID:SkjYAtV8O


――こういうときに俺は一体どういう顔をすれば良いんだろう。

さっきのペニサスさんの時みたく顔にシワをつくって降参すれば良い?
いつもみたいにおどけたり茶化したりすれば良い?
それとも目の前の彼女みたいにむくれっ面をすれば良いのかな?

違うだろ

('A`)「ごめんな」

('A`)「確かに登場人物が一人、足りなかったな」

川 - )「…………」

でも、俺にはそいつを加える資格が無いんだ。
いや、やつはすぐに加わることだろう。
本当に歯車が回りだしているなら。


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:09:34.76 ID:SkjYAtV8O
('A`)「少し早いけど行くよ」

まだ紅茶からは湯気が出ている。
そしてクーは俯いたままだ。

('A`)「きっと何かを見つけてくる、そして結果を出すよ」

気休め代わりにそう言って、俺は荷物を持った。

('A`)「じゃあね、愛してるよ」

「からっぽになって帰っておいで」

後ろからクーの声がしたけど、何が言いたいのか全く分からない。
でもきっと、立派な言葉なんだろう。
彼女が言ってるんだから。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:14:46.55 ID:SkjYAtV8O



('A`)「あっ」

二丁目の交差点が見え始めたときになってようやく俺は気がついた。

('A`)「なんで俺ギター持ってきてるんだ」

左手には荷が詰められたバッグ、そして右手には愛用のハードケース。
どうやらいつもの癖で持ってきてしまったらしい。

('A`)「……まあいいか」

返しにいくのも面倒だし俺はそのまま交差点に向かう。


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:23:47.81 ID:SkjYAtV8O
('A`)「…………」

交差点に着き、辺りを見回す。

俺には確実に同行者がいるし、その目星も大体はついている。

('A`)「どこだよ……」

と、不意に遠くから一台の車が近づいてくる。
見覚えのあるそれを発見した俺は自らもそれに近付く。

目と鼻の先にある路肩に駐車した車の左前方にある窓をノックする。

窓が開ききらないうちから声がする。

「久しぶりだな」

('A`)「ようクソ兄貴」

( ・∀・)「ははっ相変わらずだな」

ほらクー、欠けていた登場人物はここにいたよ。
このクソにやけ面がきっと俺の全てなんだ。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:28:41.66 ID:SkjYAtV8O
( ・∀・)「早く乗れよ」

兄貴のことは無視しつつ、後部座席に荷物をほうり込むと、黙って助手席に座る。

('A`)「ちゃっちゃと行こうぜ」

お前と同じ空間にいたくない、なんてのは言うまでもないことだ。

( ・∀・)「…………」

そんなことは分かってると言わんばかりアクセルが踏まれ、車は走りだす。
俺はくるくると姿を変える景色を見ながら、ギターがなければ後ろに座れただろうかなんて考えていた。


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:33:18.91 ID:SkjYAtV8O
しばらくすると《入出場口》が見えてきた。

('A`)「…………」

ここを出るとVIPの外、《庭》が見えてくる。

( ・∀・)「出るぞ」

兄貴が小さく言った。


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:43:03.97 ID:SkjYAtV8O
――《庭》は、分かりやすく言えば灰の大地だ。
草の根一本ない灰色が延々と続いている。

( ・∀・)「景色が同じだから退屈だな」

そう言って兄貴はハンドルから手を離し、音楽をかけた。

流れてきたのはビートルズで、俺はささやかな反抗のつもりでサティスファクションを無理矢理曲に被せた。

('A`)「さーてぃすふぁーくしょぉん」

歌いながら外を見る。
俺はこの旅の意味を理解しだしていた。

自分探しでも母親の見舞いでもなく、当然兄貴との楽しい二人旅でもない。

これは俺の清算とけじめと始まりの旅なのだろう。
まるで種明かしの済んだ推理小説を読むかのような倦怠感が肩にのしかかる。

('A`)「あーいきゃんとげっとのー」

灰色はまだまだ途切れない。

第三話 終わり



42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/23(水) 02:44:58.21 ID:SkjYAtV8O
本日の投下は以上です、支援等ありがとうございました。

多分わけの分からないところが多いと思うんですが、あとから改修するつもりです。

それではまた


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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    兄との確執?
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