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◆ノパ⊿゚) Channelers のようです 第一○話 『 爆炎・ラクエン・RIVERSIDE ── VS. クー③ 』

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:06:47.23 ID:hTqQzLdy0
 
まとめ: http://boonfestival.web.fc2.com/channelers/list.html
素早い対応に感謝。
 

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:10:08.47 ID:hTqQzLdy0
 
(;⌒) 「げぼ……ぶ……が……!」


 ” タカラ ” の顔は白いあぶくで包まれ、見えなくなった。
 もがき声が、水のマスクを通して苦しそうにごぼごぼ響く。

 これ以上の ” 水 ” を操られるのはマズい。
 間に合わなくとも、せめて、俺がヤツの肌に触れなければ。
 その能力を ” リセット ” しなければ──ギコが!


('A`;) 「うわぁぁああああ!」


 が、しかし。
 まるで駆け寄る俺の動きを遮るかのように、


川 ー )


 ばしゃあ、と。
 中空へ弾け散った大量の水しぶきが、女の邪悪な笑みを覆い隠してゆく。


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:13:08.86 ID:hTqQzLdy0
 
Σ川;◎-◎) 「!!」


 ──しかし、それは女の能力によるものではなく。

 彼女が水面へと手を伸ばした、そのほんの数十センチ先──。
 そこに巨大な水柱が上がったためだった。


川;゙゚-゚) 「な、な……」

(゚A゚) 「!!」


 そして、波紋の中心からぷかりと浮かぶ白いベンチ。
 驚いて振り返れば、そこには土手の斜面を駆け下りてくる一つの制服姿があった。


('A`;) (い、いつの間に土手の上へ……?)


 ベンチを投擲したのは彼女に違いない。
 スーツの女は目を丸くして、駆け下りてくるしぃちゃんをただ凝視していた。

 ……あれ?
 なんか、この光景にデジャブを感じるのだが。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:16:24.34 ID:hTqQzLdy0
 
 もしかしたら、さっき俺を助けてくれたときの。
 あのとき上がったでかい水柱も……ひょっとして……。


(゚A゚;) 「……あ」


 視線を上げた途端、俺は気づいてしまった。

 川原にやって来たとき、土手の上の……俺がいた辺りにあったはずの、バス停が。
 正確には、ベンチと共にバス停に設置してあるはずの、それ。
 ポール。


 ──ベンチの片方と標識柱を失ったその場所は、既にバス停ではなくなっていた。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:19:08.93 ID:hTqQzLdy0
 
●第一○話 『 爆炎・ラクエン・RIVERSIDE ── VS. クー③ 』


 ふたたび川原へ降りたしぃちゃんは、速度を殺すことなく、そのまま女のもとへ疾駆する。


川;゚ -゚) 「ちっ……」


 虚を突かれた女は、一度は川のほうへ目を落としたものの、
 間に合わないと判断したのであろう、攻撃を避けるべくその場に立ち上がった。
 事実、そのとき既にしぃちゃんは女の眼前に迫っていたのである。

 彼女はフィギュアスケートのジャンプさながら、両腕をぐるんと回しながら女に踊りかかった。


Σ川;゚ -゚) 「ぬおっ!?」


 長い制服の袖が、今しがたまで女のいた場所を通過する。
 紙一重でかわしたはずの女の眉間には深い皺が刻まれていた。

 スカートを翻し、着地と同時にブレーキをかけたしぃちゃんは、
 そこからすぐに地面を蹴って追撃へ移行した。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:22:00.56 ID:hTqQzLdy0
 
(* O ) 「あ」

(* ∀ ) 「ひゃ」

(*゚∀゚) 「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁ!」


 ……前言訂正。
 彼女は既に ” しぃちゃん ” ではなかったようだ。


川;゚皿゚) 「ちィっ……!」


 大振り気味に放たれたパンチを左手でいなす。
 しかし、 ” つー ” の身のこなしは鋭く素早く、女に反撃の機会を許さない。
 身を屈め、片手を付いた姿勢からのソバットが女の腕を掠めた。


Σ川;゚ -゚) 「くっ」

(,,|||^Д^) 「ぶはぁっ!?」


 タイトスカートの端が裂け、スーツの袖がだらりと垂れ下がる。
 その直後、女が自らそうしたのか、瞬間的に制御を失ったのかは定かではないが、
 タカラの顔面を覆っていた水の塊は、力なくそこから滑り落ちた。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:25:11.15 ID:hTqQzLdy0
 
 地面に落ちた水はボールのように一度弾んで、そのまま女のもとへと飛行してゆく。


川#゚ -゚) 「っしゃ、喰らっ……」

(*゚∀゚) 「あっひゃひゃーぁ!」 ブン

Σ川;゚ -゚) 「「なぁっ!?」」 Σ('A`;)    (^ω^ )


 が、そこで振り向き様のムーンサルトキック炸裂。
 つーの頭上まで迫っていた水の塊は勢いよく空中で弾けた。
 あと、縞々だった。


(,,;^Д^) 「げほっ、げっほ……」

(,,;^Д^) 「たーすかったぁ。 さんきゅっ」

(*゚∀゚) アヒャ?

(*゚∀゚) 「礼なんていらねーよ?」
    ,,,+
(*゚∀゚)∩ 「オレ、ただ遊んでただけだしィー」


 そう答えてにんまり笑う彼女の腕には、まるで猛禽類の鉤爪のように──。
 長い袖の端から覗く、銀色の刃が三本。 夕日を反射しぎらぎら輝いていた。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:28:30.66 ID:hTqQzLdy0
 
(,,^Д^) 「……さぁーて、と」

(*゚∀゚) 「あひゃー☆」

川;゚ -゚))) 「ちっ……」


 想定外の戦闘能力を持つ兄妹と対峙し、流石に旗色の悪さを悟ったのだろう。
 ダメージ自体はそうでもないようだが、 ” つー ” の連撃によってスーツはボロボロ。
 頼みの綱である水のストックも切れたらしく、女はじりじり後退する他なかった。


(;'A`)


 一応、川の方向は俺が見張っている。
 あれから水によるアシストがないところを見るに、
 やはり ” 事前に水に触れる ” という動作が能力の発動に不可欠だという俺の仮説は正しかったようだ。


( ^ω^) ムシャムシャ
  つ¶

 ブーンは芝生に腰掛けてチキンをむさぼり食っている。
 つーか、いったい何しに来たんだお前は。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:31:33.26 ID:hTqQzLdy0
 
川;゚ -゚) 「ひ……」

川;゚ -゚)9m 「卑怯だぞお前ら! か弱いお姉さん一人に寄ってたかって!」


 この期に及び、女は臆面もなくそう言ってのける。
 一歩間違えれば人を殺そうとしていたくせに、どの口がそういう事をのたまうのでしょうか。


(;'A`)ノ 「二人とも、そいつは何かヤバい組織のヤツらしくて……」

(;'A`) 「俺の持ってた、例の ” 箱 ” が狙いらしいんだ」

(,,^Д^) (*゚∀゚) 「!」


 その言葉で、二人の間に動揺が走る。


(*゚∀゚) 「……アヒャ。 ビンゴぉ」

川;゚ -゚) 「お、お前らグルなのか? 少年窃盗団か何かなのか?」

(*゚∀゚) 「マンビキなんてツマんないコトやんないよー?」
    ,,,+
(*゚∀゚)∩ 「ヨノナカ、もーっと愉しいコト、イッパイあるからナー☆」


 女の息を飲む音が、後ろの俺にもはっきりと聞こえた。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:34:17.48 ID:hTqQzLdy0
 
(,,^Д^) 「ま、オイラは暴れられればなんだっていいんだけどねー」


 肩をぐるぐる回しながらギコ、いや” タカラ ” がそう呟く。
 今や主導権は完全に俺たちにあった。


川;゚ -゚)ノシ 「しょ、しょれ以上近づくと、痴漢に襲われたと騒ぎ立てるぞッ!」

(*゚∀゚) 「やってみればぁ?」

(;'A`) (まあ、俺一人とか男集団だけならそれでアウトなんだろうけどさ……)


 世の冤罪はこうやって作られていくわけで……。 今までに泣かされた人間はどれだけいたのだろうか。
 しかし、しぃちゃん(今は ” つー ” だけど)の存在は限りなく大きい。

 例え警察沙汰に発展したところで、詐欺まがいの強引な訪問販売業者に対し、
 品行方正(たぶん)な高校生の言い分となれば、こちらに分がありそうだし。


(゚- ゚;川 彡 「ち、ちィっ!」

(; ^ω^) !
  っ‡

Σ(゚- ゚;川 「!!」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:39:43.50 ID:hTqQzLdy0
 
 逃げ出そうとしたのだろう、女は素早く踵を返したが、その先には座っているブーンの姿があった。
 彼女はその場で硬直し、大袈裟とも思える素振りで一歩後ずさる。


(((゚- ゚;川 「くっ……!」

(; ^ω^) ドキドキ
  っ‡

 俺の目にはどうあってもチキンを食っているだけの豚にしか見えないが、
 ” タカラ ” や ” つー ” と一緒にやってきた上、同じ学校の制服を着ているこいつを、
 同等の戦闘能力を有する仲間かと警戒するのも無理からぬことだろう。


ミ川;゚ -゚) 「……」

川;゚ -゚) 「 ” な、なぁ、頼む…… ” 」
  ∩∩


 女は再度こちらに振り向くと、途端に、
 話せばわかる、だから落ち着け、とでも言いたげなジェスチャーで、明後日の方向を見ながらそう言った。


(,,^Д^)9m 「ぷぎゃぎゃwwwww もう降参なのか~?」

川;゚ -゚) 「 ” しょうがないだろっ! こんな状況なんだからっ! ” 」

(;'A`) 「……そういう状況にしたのは誰だよ」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:43:03.83 ID:hTqQzLdy0
 
(*゚∀゚) 「しぃも許さないって言ってるゼ。 とにかくジョウホウを聞き出さなきゃナー」

川;゚ -゚)ノシ 「 ” ……だーかーら。 ここで捕まるわけにはいかないんだって ” 」

川;゚ -゚) 「 ” お前もそのくらいわかるだろう! ” 」


 狼狽し、若干声を上ずらせている様子から、彼女の焦燥がこちらにも伝わってくる。
 繰り返される拷問に死を覚悟したあの時の俺のように、今の彼女もただただ必死だった。


川; - ) 「 ” そりゃぁ一種の賭けじゃああるが…… ” 」

('A`) 「?」


 ……ん。
 賭け?  賭け……って、なんだ。

 芝居がかった女の口調と、俺たちの誰とも交差しない虚ろな視線。
 なんだか様子がおかしい。
 命乞いというよりは、まるで時間稼ぎをしているような。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:44:20.17 ID:IdY5/vubO
クーうざすぎワロタ


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:45:18.27 ID:hTqQzLdy0
 
Σ(,,;^Д^) 「あ、まさk……」

Σ(*゚∀゚) 「ドクオ、そいつを捕まえろッ!」

(;'A`) 「え?」

川;゚ -゚) 「……” つってももう遅い ”。
      ” 私はしばし引っ込むからな ”」


「 ” あとは、頼んだぞ ” 」


 そう言った瞬間、女の瞳がぐるんと反転し、上体が大きく仰け反った。
 そこでようやく俺は違和感の正体に気づく。
 しまった。  こいつが話していた相手は、目の前にいる俺たちじゃなく……。


(,,;^Д^) 「 ” 切り替わる ” ……!」
      .,,,
      ∩
三(#*゚∀゚)彡 「しゃ──!」

Σ(;'A`) 「あ、おい!」


 制止する暇もなく、 ” つー ” が女に飛び掛かった。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:47:48.76 ID:hTqQzLdy0
 
(( 川 ⊿ ) )) 「う、あ……」

川 ゚⊿゚) 「……あ」
    .,,,+
    ∩
(#*゚∀゚)ノ 

川;゚-゚) 「!!!」

川;゚□゚)⊂ヽミ 「うわああああ!!」


 その鬼気迫る様相に、女が叫んで身を屈めた瞬間のことだった。


   ※  ※
  ※    ※
   ※∩※
 (*゚∀゚)′


 『 ボン 』 という音とともに、振り上げられていた ” つー ”の袖の先から刃が弾け飛んだ。

     .∩
Σ(;*゚∀゚)′「なっ」


 折れた三本のメスは落下し、からんからんと地面に転がる。


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:50:11.54 ID:hTqQzLdy0
 
 突然の出来事に当惑したのは ” つー ” だけでなく、女のほうも同様だった。


Σノハ;゚⊿゚) 「ひ、ひぃぃっ!?」

ノハ;⊿;) 「うわぁああああ!!!」


 髪を逆立て、女は悲鳴にも近い絶叫を上げた。
 すると、まるで追い撃ちとばかりに ” つー ” の横から爆音が上がり、
 制服の肩が勢いよく燃え上がったのである。


Σ(;*゚∀゚) 「あひゃ!?」


 続けざま、” タカラ ” の目の前でも同じように爆発が起きた。


Σ(,,;^Д^) )) 「わわっ」

(( <ノハ;⊿;)> )) 「うわあぁぁ!! ふわぁああああ!!!」


 怯えたように頭を抱え、その場に蹲る女の様子は、傍目にも異常としか表現し難いものだった。
 叫ぶ度に、周囲の空間が景色を巻き込んで収斂し、
 ボン、ボン、と、女を中心とした小爆発が何度も起こっていた。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:53:50.37 ID:hTqQzLdy0
 
(;'A`) 「な、なんだぁ!?」

(,,;^Д^) 「こ、これじゃ近づけないッ……!」

三(;*゚∀゚)ノシシ 「そゆのいーカラ! ちょ、これェっ」


 肩に炎を灯した” つー ” が、あたふたと辺りを駆け回る。
 最終的に彼女は 「ちくしょおっ」 という台詞と同時に川へダイブした。


(,,;^Д^) 「えええー……」

(;'A`) 「ど、どうすれば……」

 
 俺は困惑した。
 川岸の一端に蹲って泣き叫ぶ女、なおも周囲で引き起こされる小爆発現象、
 ぶるぶると頭を振りながら川から這い上がる、濡れねずみの女の子。

 そして次第に、しかし確実に集まりはじめている通行人たちの奇異の視線。
 この惨状には、女だけでなく、俺自身だって頭を抱えたい気分でいっぱいだ。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:56:35.60 ID:hTqQzLdy0
 
(;'A`) 「くっ……」


 なんというか、うかつだった。
 Channeler であれば当然有しているであろう、
 ” もう一人の人格と、もう一つの超能力 ” に気が回らなかったなんて。

 一見劣勢に見えても、後ろ手に切り札を隠し持っている可能性は充分残っており、
 優勢の側は、常にそれを警戒する必要がある。
 今更だが、これが Channeler 同士の争いの形なのか。


(;'A`) ハッ


 ……ん、切り札?
 そうか、よくよく考えてみると ” 別人格(アナザー) ” の存在は彼らの専売特許ってワケではない。
 こういう事態を想定し……というのは嘘だが、
 あれ以来ポケットには常にいちごオブラートを忍ばせてあるのだ!


Σ(;'∀`) (よ、よし!  ここで俺が女になれば……!)

('∀`)

('A`) チーン


 いや、なったから何だっていうんだろう。


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 22:59:50.89 ID:hTqQzLdy0
 
(,,^Д^) 「ドクオちゃん! あいつの能力を ” 封じて ” ッ!」

三(;'A`)ノ 「よ、よしきた!」


 ボン。


(;゚A゚))) 「無理」

Σ(,,;^Д^) 「役立たずー!」


 正直、近づく事が不可能な時点で俺にはお手上げだった。


(( <ノハ;⊿;)> )) 「うわあぁぁ!! いやぁ! わぁああああ!!!」


 甲高くヒステリックな叫び声が河川敷に響き渡る。

 連続する爆発は至って小規模で、市販の花火の打ち上げの際に生じるような程度のモノではあった。
 とはいえ、衝撃波の起こる瞬間にその中心に居ればどうなるかは、
 折れ曲がったメスの刃を見れば容易に想像がつく。


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:02:15.91 ID:hTqQzLdy0
 
(;'A`))) 「うわっ」


 目の前の空間が爆ぜ、爆風が顔を圧迫した。
 女がキレながら襲い掛かってくるような様子はなかったが、爆発の起こる範囲は確実に広まりつつある。


(,,;^Д^) 「ど、どうしよっか、これー?」

(((*i|i゚∀゚))) 「しらねーよっ! てかさみぃいい」 ガタガタブルブル


 ボン、ボン……。  一向にやむ気配のない大気の爆発現象。
 夕間暮れの川土手は妙な雰囲気に包まれていた。
 和やかに夕暮れ時を過ごしていたはずの人々は残らずこちらを注視しているし、
 土手の上からはあからさまにこちらを指差す野次馬たちの姿もちらほらと。

 状況を収める術が見つからず、
 もはや女を放置して逃げようかという考えが脳裏に過ぎった、そのときのことだった。


「……あいや待たれい」

('A`) 「?」


 重い一言と、肩をすり抜けるように横切る大きな人影。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:05:37.99 ID:hTqQzLdy0
 
( ФωФ) 「我輩に任せておけ」

Σ(;'A`) 「ぶ、ブーン?」


 俺の後方からぬっと姿を現したのは、他の誰でもない俺の弟、ブーンその人だった。
 そのまま緩慢に、しかし堂々とした足取りで女の方へと向かっていく。


( ФωФ) 「落ち着け、そこな女よ」

Σノハ|||゚⊿゚) 「……」

(( <ノハ;⊿;)> )) 「やぁああぁああああ!!!」


 女は近づいてくるブーン……いや、 ” ロマネスク ” にびくりと反応する。
 穏やかな声で諭す彼に対して、何か恐ろしいものを見るような表情を向けると、
 一歩、二歩と後ずさり、すぐさま橋のほうに向かって駆け出した。
 
 泣き喚き、つまづきながらも走る女の周辺で、幾度も幾度も炸裂音が響く。
 やはり異様な光景だ、と俺は思った。
 満を持して登場した筈の女の ” 別人格 ” からは、戦意と呼べるものが何一つ感じられなかったのだ。


((( ФωФ) 「どうどう、どうどうどうどうどうどう」

(;'A`) (馬かよ)


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:08:45.00 ID:hTqQzLdy0
 
 とはいえ、起こってしまっている事態はひとつの事件と呼んで差し支えないシロモノだ。
 収めなければならない義務はないが、このまま無関係で済ませるのも忍びない。
 後々面倒を抱え込むことになりそうだし、
 俺の身に降りかかった災厄についても、何一つ解決しないままだ。

 数十メートル先、再び蹲って震える女に向かって ” ロマネスク ” が言った。


( ФωФ) 「いいから落ち着くのだ。  これ以上周りに迷惑をかけるのではない」

Σノハ|||゚⊿゚)彡 「ひっ……!」

(( ノハ;⊿;) )) 「く、くるなッ!  くるなぁアア!!」


 いやいやとかぶりを振る女、その周りを取り囲むような爆発の連弾。
 彼女の精神状態にも関係があるのだろうか、能力の範囲は確実に広まりつつあった。

 それが証拠に、ある程度離れた場所からも爆発が起きるようになっていた。
 空間が弾け、枯れ草が舞い、川から勢いよく飛沫が上がる。
 事態はちょっとした花火大会かと見紛うような様相を呈していた。


( ФωФ) 「落ち着くのだ」


 しかし。
 ” ロマネスク ” は、そんな状況を意に介す素振りすら見せず、一歩一歩女のもとへと近づいてゆく。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:12:05.85 ID:hTqQzLdy0
 
( ФωФ) 「何を怯えておるのかは知らんが、我輩はお主に危害を加えるつもりはない」

ノハ;⊿;) 「うわぁああ!! イヤだ、来るな!」


 女がかぶりを振った瞬間、” ロマネスク ” の左肩付近の空気が弾けた。
 爆風が髪を揺らす。  だが、彼は特に動じる様子もなく歩を進める。
 続けて胸、そして脇腹、右太腿と、まるで袈裟懸けに切りつけるような順序で小爆発が巻き起こった。


( ФωФ) 「信じろ。 我輩を信じるのだ」


 ぼん、ぼんという音とともに、こめかみ辺りで続けざまの爆発。
 さすがにノーダメージというわけにもいかなかったのか、” ロマネスク ” の首が横方向に傾ぐ。
 さらにその直後。


  从人
 人人从 ボッ
( ФωФ)


 彼の頭上に、炎が勢いよく立ち上った。


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:14:42.23 ID:hTqQzLdy0
 
 しかし、それでもなお ” ロマネスク ” の歩みは止まらなかった。


(;'A`) 「お、おいっ……!?」

  从人
 人人从
( ФωФ)

  从人
 人人从
( ФωФ) 「ん」


 パッと見た限り、炎は燻るとかトロ火とか、そういうレベルじゃない勢いで燃え盛っている。
 髪がちりちり音を立て、焦げ臭い空気が俺のほうに漂ってきた。

 普通の人間であれば七転八倒だろうが、
 当の本人は対岸の火事……いや、その火事すらどこ吹く風って、そんな。


ノハ;⊿;) 「ひゃあぁああ! うわぁあ! びゃぁああ!!」


 子供のように泣きじゃくる女は、
 もはやどう見てもエージェントとか異能力戦闘員なんて大層なものではなく、
 一人のだだっ子そのものだった。
 ……もっとも、” 子 ” と呼ぶにはちと大きすぎるような気もするが。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:15:58.84 ID:OdfgEpqEO
髪の毛はダメっすよねwww


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:17:28.93 ID:hTqQzLdy0
 
 そんな喧騒の中を悠然と闊歩し、” ロマネスク ” はとうとう女の前に辿りついた。
 幾度もの爆風をその身に受け、頭上に焔を宿しながら。

 本来であれば、我々はなんらかの形で彼のフォローをすべきなのだろう。
 しかし俺達は動けなかった。 
 落ち着き払った彼の足取り、その泰然自若とした物腰は、
 我々に、固唾を呑んで成り行きを見守る他ない、そう思わせるだけの風格を漂わせていたのだ。


  从人
 人人从
( ФωФ) 「もう充分だろう。 その辺にしておくがよい」

Σノハ#;⊿;)ノ 「いっ、いやぁぁああぁっ!!」


 女が手を上げた刹那、その掌を中心として後ろの景色に歪みが生じた。
 巨大な空気が渦を巻きながら収束してゆくのが俺にもわかる。


Σ(;,,^Д^) 「さ、さすがにアレは……!」

Σ(;'A`) 「やばいんじゃあ……!」

(((*i|i゚∀゚))) 「しゃむい」


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:20:20.80 ID:hTqQzLdy0
 
 が、瞠目した次の瞬間には ” ロマネスク ” が女の手首を掴んでいた。


  从人
 人人从
( ФωФ) 「やめるのだ」

Σノハ;⊿;) 「ひいぃっ!?」

  从人
 人人从
( ФωФ) 「怖がることはない……大丈夫、大丈夫だ」

ノハi|i;⊿;)ノシシ 「あう、うう、うぁ……」


 彼はもう一つの腕でぽんぽんと女の肩を叩いた。
 視線が交差し、そのまま二人はじっと見詰め合う。


::ノハ#;⊿;)ノ:: 「あばば……う……がぁ!」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:23:16.33 ID:hTqQzLdy0
 
  从人
 人人从
( ФωФ) 「我輩がお主を守ってやる」

Σノハ;゚⊿゚) 「う……?」


 そして、寸時の迷いもなく、真摯な表情で。
 我が弟は、まるでプロポーズするかのような口調で、女へそう言い放ったのだった。


ノパ⊿゚) 「あ……」

川 ;⊿;) 「うう……あぅ……」

(;'A`) (,,;^Д^) (*i|i゚∀゚) (おおおおっ!?)


  从人 メラメラ
 人人从
( ФωФ) キリッ

 
 ……とはいえど。
 正直な話、” ロマネスク ” の伝えている内容が俺には全く理解できそうにない。
 というより、目の前の出来事全てが奇妙で不可思議で、常識の範疇を超えていて……。
 もはや何がなにやらといった状況だ。


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:26:06.82 ID:hTqQzLdy0
 
 けれど、それでもはっきりと言える事が二つある。

 ひとつは、あんなに怯えていた女の ” 別人格 ” の表情が、心なし柔和になってきたこと。
 もうひとつは、連発花火さながらに巻き起こっていた周囲の爆発現象が──そこでぴたりと収まったこと。


  从人
 人人从
( ФωФ) 「よしよし、もう大丈夫だ……」


 非常に目まぐるしく、予想のつかない展開だった。

 新たに生まれたヒーローは、女の肩を抱くようにしてその場に起立させる。
 未だ不安げな表情の彼女に向かって、安心させるかのようににっこりと笑いかけ。


  从人
 人人从
(#ФωФ) 「御免!」

Σノハ; ◇ )∵;`; 「うごッ」

(;'A`) 「あ」


 そのどてっ腹に、
 鮮やかなボディブローを叩き込んだのだった。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:29:43.94 ID:91GZcKh4O
ロマひでぇwwwww


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:30:20.56 ID:hTqQzLdy0
 
  从人
 人人从
( ФωФ) 「案ずるな、軽い当て身に過ぎん」 



 そう言いながら、” ロマネスク ” は片手で女を担ぎあげる。


:::川i||i⊿ )::


  从人
 人人从
( ФωФ) キリッ


(;'A`) (勢いで浮き上がったように見えたんですけど……)




 ── 一撃で気を失ったらしく、女は白目で泡を吹き、ぴくぴく痙攣していた。
 

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:33:06.51 ID:hTqQzLdy0
 
~~~
 
 ……” ロマネスク ” の頭に川の水をぶっかけて鎮火すると、夕暮れの河川敷はその静けさを取り戻す。
 辺りの空気が急速に弛緩してゆくのがわかった。

 それと同時に、もう一つの問題が我々の前に立ち塞がってくる。


(,,^Д^) 「はいはーい、見世物じゃないよ~」

('A`) 「……どいたどいたー」

(*゚-゚) ン?


 そう、それは辺りを取り囲む野次馬たちの存在である。
 とはいえ、爆発現象によって容易に近づける状態ではなかったため、
 事の顛末を一部始終把握できた者は居なさそうだったが……。


(*゚△゚) ファ、ファ

(*>⊿<)∵;`; クシッ

('A`) 「お」

(;*゚ー゚) 「あぅ……いくら寒いからって、ずるい!」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:35:52.60 ID:hTqQzLdy0
 
 無数の視線に耐え、土手を半分ほど登りかけたところで気が付いた。
 ぶるりと身震いする ” つー ” の眼の奥からは、刃物のようなぎらぎらとした光が無くなっている。
 どうやら彼女は、元の人格である ” しぃちゃん ”へと戻った様子だった。


('A`) 「大丈夫? とりあえず、濡れた制服を……」


 脱いじゃったら? と口にしかけてどうにか踏みとどまる。


(;'A`) 「あ、えと……じゃなくて、その」

(;'A`)ノ 「よ、良かったらこれ着てよ」 サッ

(*´△゚) 「あ、ありがとうございます。 そうしよっかにゃふぁ……」

(*>∩<) クシュン

(;'A`) 「礼なんてとんでもないよ。
     もし君らが助けに来てくれなかったら、俺は果たしてどうなっていたか……」


 俺は上着を手渡しながらそう言った。
 無論、それは紛うことなき本心だった。


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:38:47.65 ID:hTqQzLdy0
 
(;*´∩゚) 「ううん。 気にしないで下さい」

(,,^Д^) 「てゆっか、おいしいトコはアイツに持ってかれちゃったけどねっ」

('A`) 「ああ……」 チラッ


(((( ( ФωФ)-)


 アイツとはもちろん、功労者の一人である我が弟の事だ。
 未だ人格が戻ったという様子はなく、女と自分の鞄を抱えたまま、悠々坂を登ってゆく。
 彼がいなければ、俺たちはとっくにこの場から逃げ出してしまっていたことだろう。


('A`) (ブーン……ありがとな)


 しっかし、いくら人格が交代していたとはいえ、まさかあのブーンがなあ……。
 と、俺がそう漏らしかけた瞬間のことだった。


『 う、うわあぁっ 』

('A`) 「ん?」


 突如、橋の下のほうから喚声が上がったのだ。


61 :>>60訂正:2009/11/05(木) 23:43:55.59 ID:hTqQzLdy0
 
(;´W`) 「ほわぁあああ! だ、だれかー!」


 振り向くと、見覚えのある風貌の男が芝生に倒れ込み叫んでいる。
 そして彼の後方、ブルーシートの数箇所から無数の火の手が上がっていた。


Σ(;'A`) 「なっ」


 ──先程までの混乱、つまり爆発現象の余波に違いない。
 
 おそらくはダンボール製であろう男の城は瞬く間に燃え上がり、
 もうもうとした煙が河川敷一帯に立ち込めるまでにさしたる時間は要さなかった。


(,,;^Д^) 「ちょ、どうするぅ?」

(;'A`) 「どうするも何も……」


 事態の原因はいまブーンが担いでいる女だが、その一端は俺達にある……はず。
 流石に黙って見過ごすというわけにもいかない。
 ロマネスクには先に帰るよう指示し、俺達三人はふたたび、河川敷のほうへと駆け下りてゆく。

 橋台のあたりでは、既に数人が川の水を使ったバケツリレーの体制に入っていた。
 バケツは近隣の住民によるものか、はたまた釣り人の所有物か。
 まあ、今はそんなことはどちらでもいいのだが。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:46:30.56 ID:hTqQzLdy0
 
三 @@@
三@#_、_@
三 (  ノ`)  「ちょっと待っちょらんね──!」


 まごついているうち、近所のおばさんが消火器を片手にダッシュしてきた。

 駆け寄る主婦の後を追うように、遠くから消防のサイレンの音が響いてきた。
 恐らく、スーツの女が泣き叫んでいた時には既に誰かが通報していたのだろう。


三 @@@ て
三@#_、_@ そ
三 (  ノ`)ノノ  「ふおおおおお!?」 ガッ

(;,,^Д^) 「わわっ」


 我々の見ている前で、サンダルのつま先が見事に石へと引っかかり、
 おばさんは華麗に芝生をスライディングしてきた。
 彼女の持っていた消火器が、これまた華麗に宙を舞う。


Σ(;'A`) 「わ、あぶな……」

(*゚ー゚)つ ヒョイ

(;'A`) 「ナイスキャッチ」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:49:18.90 ID:hTqQzLdy0
 
(;*゚-゚) 「それより……だ、大丈夫かな?」


 『 ポイ捨て禁止 』 の看板で止まったおばさんは、
 起き上がるや否や、目の前のそれを力いっぱい引っこ抜き、辺りをきょろきょろ見回している。

 そのうち消火器の行方を見止めると、看板の先をこちらに向けて叫んだ。


 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)  「おじょーちゃん! はよーそこの栓ば抜いて!」

Σ(*゚ー゚) 「あ、え、えと」

 @@@
@#_、_@
 (  ノ`)  「ホレ! アレにガーッてして! ガーッて!」


 そう言いながら、あちらの人だかり……燃え盛るダンボールハウスのほうを看板で指す。


(;*゚ー゚) 「は、はい!」

('A`) (大丈夫かな)


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:52:09.86 ID:hTqQzLdy0
 
 彼女の指示通り、おたおたしながら消火器の栓に手をかけるしぃちゃん。
 どことなく頼りない彼女に向かって、 『 代わろうか 』 と申し出ようとした、その時だった。


(((*゚⊿゚))) 「……ひっ」 ムズムズ

('A`) 「ん?」


 消火器? 消火器、か。

 なんだろう。
 なんだか、言い様のない感覚が走った。 
 ……何かが、そう、おぼろげなイメージが脳裏へ蘇ってくるような。

 豚に真珠、猫に小判。
 しぃちゃんに……消火器?


『 ふぇっ 』


('A`) 「───!」


 瞬息ののち、その予感は現実のものとなった。
 

65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/05(木) 23:58:01.51 ID:hTqQzLdy0
 
   「へっ」
    ∩
(*´□`)ノミ

(*>皿<) ≡≡≡≡≡≡「っっっくしゅんっ!」
  ⊂彡


 @@@ て
@#_、_@ そ
 (  ノ`)    (i||゚A゚) (i||,,^Д^) 「あっ」


Σ(;*゚ーi゚) 「はわ!?」
                                \バッシャァァア/


 川の中央から、本日三度目の水柱が噴き上がった。


 顔を見合わせた俺達は、その直後。

 近づいてくるサイレンの音色をBGMに、勢いよくその場から駆け出したのだった──。


-----
----
---


70 :>>68訂正:2009/11/06(金) 00:02:35.08 ID:hDJIMQye0
 
~~~


('A`) パクパク

モシャモシャ


『 8時になりました。 ニュースをお伝えします 』


('A`) 「……」 パクパク


 俺は画面を見て嘆息すると、無言で冷めかけた弁当を口に運ぶ。


『 今日夕方ごろ、VIP市▲▲町にある橋の欄干付近でボヤ騒ぎがあり、
 消防車が出動する事態が発生しました── 』


 そこに映し出された光景はやはり、あの川土手周辺のものだった。


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:05:07.83 ID:hTqQzLdy0
 
(;,,゚Д゚)】 「んぁー、まあこっちは心配ねえから、うん」

('A`) 「……大丈夫だったのかな」


 長い長い溜息のあと、俺はぽつりとそう呟いた。


「まあ、いくら心配したところで始まらんだろう。 それよりコレ」

('A`) 「……」


 ……俺は箸を置き、そちらへと向き直る。
 かけられた声の主に向かって、返事の代わりに、可能な限りの冷めた視線を投げ返してやった。


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:07:35.22 ID:hDJIMQye0
 
川 ゚ -゚)っ旦 「おう、茶ぁおかわり」

('A`) 「……」

川 ゚ -゚)っ旦 「聞こえんのか? おかわりと言っているだろう」

('A`) 「おま、なんでそう……」


 見事なまでに、この空間に溶け込んでるんだよ。


(;'A`) 「くつろぎすぎでしょ? あんた悪者でしょ? わかってんの?」


『 火は10分ほどで消し止められ、怪我人などはありませんでした 』


川 ゚ -゚)σ= 「何を言う。 私をお持ち帰りしちゃったのはそっちだろうが」

('A`) 「その言い方はやめろ。 あと箸で人を指差すのも」

川 ゚ -゚) 「ハッ。 こんなダイナマイトセクシーを捕まえておいて……」

(,,゚Д゚)】 「ああ、とにかく暖かくして寝ろよ。 じゃーな」 ピッ


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:10:09.12 ID:hDJIMQye0
 
 あの後。
 ロマネスクは、失神した女を病院や警察に運ぶことなく、結局そのまま家まで連れ帰ってきたらしい。
 確かに 「 先に帰っててくれ 」 と伝えた気はするが……馬鹿正直というかなんというか、だ。
 そして何故か、今こうして同じちゃぶ台を囲み、一緒に飯を食っている次第である。

 まあ、彼女とはギコを交えて ” 箱 ” のことを問いただす必要もあるし、
 これがベストな選択だったのかも知れないが……。


川 ゚ -゚) 「私みたいなハイパー美女と食事する機会なんて、二度と訪れないぞ。 断言してやる」

('A`) 「……」


 このアパートに帰る際、彼はどのくらいの人に目撃されたのだろうか、なんて考えてしまうのは、
 ひとえに河川敷から逃げ出した負い目からくるものだろう。
 どうあっても、小太りの男が女性を拉致って家に連れ込んでいるようにしか見えなかっただろうしなあ。


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:13:05.96 ID:hDJIMQye0
 
川 ゚ -゚) 「本当は嬉しくて仕方ないんだろう?  ああん?」

川 > -゚)ゞ -☆ キラッ

('A`) 「……で、しぃちゃんは大丈夫なの?」

(,,゚Д゚) 「風邪は引いたらしいけど、まあ心配はないだろ」

(;'A`) 「し、心配ないって……」

(,,゚Д゚) 「2~3日もすりゃケロリとしてるから。  あー、つーかこの塩サバうめー」

川 ゚ -゚)ゞ 「……聞けよ」


『 詳しい出火原因はわかっておりませんが、
 スーツの女性と高校生らしきグループが花火で遊んでいたとの目撃証言もあり── 』


 キャスターの言葉を受け、ギコが素っ頓狂な声を上げた。


(,,;゚Д゚) 「有り得ねー! これどうあってもオレ達が疑われてンじゃねーか! つーか制服着てたし!」

(;'A`) 「そりゃあまあ……なあ」

川 ゚ -゚) 「報道の怠慢だな。 ちゃんと ” スーツ姿のクレオパトラ ” と呼ばなきゃだろう」 モグモグ


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:16:08.90 ID:hDJIMQye0
 
(,,;゚Д゚) 「くそっ、なんで逃げるような真似をしちまったんだよー!」

(;'A`) 「真っ先に 『逃げろ──っ!』 つって走り出したのはギコだった気がするんだけど……」


 事態を放置して逃げ出す羽目になったのは、彼の一言によるものが大きい。
 まあ、正直それも責任転嫁ではあるんだけれども。


(,,;゚Д゚) 「お、” オレ ” はンなこと言ってねえ! アレはタカラが勝手に……」


『 なお、現場では同時に、
 近くのバス停の標識柱とベンチが根こそぎ川に投げ込まれるというイタズラも発生しており── 』


(;'A`) (,,; Д ) 「……」


 うーむ……。.
 ……コレ、果たしてイタズラで済まされるんだろうか。


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:19:08.04 ID:hDJIMQye0
 
川 ゚ -゚) 「さーて! 私ァひとっ風呂浴びてくっとするかー!」


 さらに深々と溜息をつく俺達を尻目に、クーが至って暢気な口調で言った。


('A`) 「……一応聞くけど、その風呂ってウチの? ねえウチの?」

川 ゚ -゚) 「当然だろう。 ま、覗いたらコロすけど」

('A`) 「なんで親切に貸してあげることが前提なんだよ」

(,, Д ) 「違ェんだよ……火事ほっぽって逃げるなんて……そんな……」 ブツブツ


川 ゚ -゚) 「貸してくれないの? ちょっとしたセクシーハプニングとか期待せんの?」

('A`) 「……期待しないし、コロされるんでしょ?」

川 ゚ -゚) 「無論。  骨まで磨り潰す」

('A`) 「絶対貸さない」

(,, Д ) 「有り得ねェ……このオレがンなことするワケねえし……夢だし……」 ブツブツ


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:22:06.72 ID:hDJIMQye0
 
 放心するギコの後ろから、スリッパのパタパタという音が聞こえてくる。
 そして、今回の一番の功労者による、もっとも間の抜けた声が居間に響き渡った。


「みんなー、おナベの準備できたおー」


三 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
三(::::::::::::::::::::::::::::)
三(:::::::::::::人:::::::::ノ
三(::: :( ^ω^):ノ ニュッ


('A`) 川 ゚ -゚) (,,゚Д゚)


 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::人:::::::::ノ
(::: :( ^ω^):ノ


('∀`) 川 ; -;) (,,*゚Д゚)  「ぶはははははははははは!!」


 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::人:::::::::ノ
(::: :( ;ω;):ノ 「笑うんじゃないお!!」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:24:44.78 ID:rMih7nWQO
OH funky


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:24:57.58 ID:hDJIMQye0
 
川 ; -;) 「ぶはははははは!!!」

(;∀;) 「wwwwwwwwww」


 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::人:::::::::ノ
(::: :( ;ω;):ノ 「誰だお! その顔じゃ誰だかわかんねーお!」



川 ; -;) 「ぶはははははは!!!」

(,,*゚Д゚) 「まあまあ、ハゲなかっただけ良かったじゃねーか」


 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::人:::::::::ノ
(::: :( ;ω;):ノ 「ちっとも良くないお!!」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:26:21.64 ID:hDJIMQye0
 
川 ; -;)9m 「ぶはははははは!!!」

 ,.:::.⌒⌒:::::ヽ
(::::::::::::::::::::::::::::)
(:::::::::::::人:::::::::ノ
(::: :(#;ω;):ノ 「笑うなお!! 元はと言えば全部アンタのせいだおおお!!」


 ……と、まあ。
 以上が今回の事件の顛末であり、そして。


川*; -;)ノシΣ 「ぶはははははは!!!」 バンバン


(( ,.:::.⌒⌒:::::ヽ ))
(((::::::::::::::::::::::::::::) ))
(((:::::::::::::人:::::::::ノ ))
(((::: :(#;ω;):ノ )) 「ぢぐじょおおおおおおおおおおおおお!!!」


 ブーンが美容室というお洒落ゾーンを初体験するに至った、その経緯であるのだが。

 ──とりあえず、それはまた別のお話。



 (続く)


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:26:58.66 ID:1h8dxxSAP



93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:28:07.27 ID:hDJIMQye0
支援ありがとう。 規制に巻き込まれた人が早く解除されるよう願っている。


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:32:46.29 ID:rMih7nWQO
未だに規制中の俺から最大級の乙


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:36:54.79 ID:ABjNZ1qsO
乙ですた


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:38:09.66 ID:p8fV4jdL0
ファンキーwww
乙!!


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 00:50:11.99 ID:eC+cGQlFO
ゾフィー隊長を思い出したのは
俺だけかもしれん




99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 01:16:28.78 ID:IskvB+XHO
ファイヤーヘッド乙


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/11/06(金) 05:59:07.00 ID:Mkh0CLwc0
今一番続きが気になる作品が来てたw

乙です。


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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    ふぁんきーぶーん
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