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◆( ><) Channelers のようです 第一一話 『 進め!烏合の探索隊  ── VS. ワカッテマス① 』

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:41:47.80 ID:qcj4S1PE0
まとめ: http://boonfestival.web.fc2.com/channelers/list.html


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:44:59.79 ID:qcj4S1PE0
 
 ──『 プルースト効果 』 と呼ばれる現象がある。
 ある特定の匂いが、それに纏わる記憶を呼び覚ますというものだ。


( ^ω^) 「ふんふ~ん、ふふんふ~ん」


 今ここに、アニメキャラのロゴ入りの包みを抱え、ぽてぽて帰路を辿る少年がいた。
 ご機嫌なその足取りは、すぐにでもスキップし始めるのではないかという軽快さであった。


(* ^ω^) 「むほほほwww特典も問題なくゲットできたお。 早く帰って視聴するお」


 そう呟いて、若干暑苦しい、肉付きの良い頬を綻ばせる。
 彼の浮かれぶりは、学校帰りにそういう類のショップへ立ち寄り、新作アニメのブルーレイを購入したことに起因する。
 少年はいわゆるオタクという人種の一人であり、その体重は同年齢の男子平均を少々上回っていた。

 繁華街の隅までやって来た途端、彼は懐かしい匂いに出くわし、足を止めた。


( ^ω^)゙ クンクン

( ^ω^) 「お? これは……?」


 その少年・内藤ホライゾン──通称ブーンは、そこでくるりと振り返る。
 彼の視線は、隣を通り過ぎた男がかぶりついていた、とある物体へと注がれていた。


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:47:10.42 ID:qcj4S1PE0
 
( ^ω^) 「むほ、そろそろ肉まんの恋しい季節……」 

(* ^ω^) 「おっお。 一個買って行こうかお」


 ブーンは独りごち、意気揚々と角のコンビニへ向かっていった。

 自動ドアを抜けると、ケースに並んだ目的の品々がすぐさま彼の目に飛び込んでくる。
 それらはまるで、ブーンが買ってくれるのを待ち望んでいたかのように、白い柔肌を上気させていた。


(* ^ω^) 「ふほほ……ついでに飲み物も買っちゃおうかお」 ポテポテ


 彼は満足げに呟くと、棚を曲がってレジの反対側へ向かおうとする。


( ^ω^) 「お……?」

( ^ω^) (ハテ、この香水のニオイ、どっかで嗅いだことがあるような)


『 てゆーか、マジでヤベェんだって! 』

『 うそー! なにそれー 』

『 ありえなくなーい? 』


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:49:16.16 ID:qcj4S1PE0
 
( ^ω^) 「……あ」

(,,゚Д゚) 「ん」


 あと、ほんの少しだけ。
 彼の 『 匂いの記憶 』 が鮮明であったならば。
 そしてそれが、彼の中の 『 危機感 』 と結びついていたならば。


(・∀ ・) 「でさァ、オレのセンパイが言うには……あん?」

||‘‐‘||レ 「……誰?」

o川*゚ー゚)o 「ギコ、知り合い?」


 この出会いは、回避できていたのかも知れない。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:51:28.83 ID:qcj4S1PE0
 
●第一一話 『 進め!烏合の探索隊  ── VS. ワカッテマス① 』

===
==


(; ´ω`) 「ほへえ……なんだかすっごい疲れたお……」

(,,゚Д゚) 「ばっか、行く前からそんなにバテてどーすんだよ」


 抜けるような青空のもと、駅へ向かう路上にて。
 電柱にもたれ掛かりながら、ブーンはふうと溜息をついた。


(,,゚Д゚) 「しっかしよー、お前があんなに格ゲー上手いとは思わなかったぜ」

(; ^ω^) 「……お。 ま、まあそれほどでもないお」

(,,゚Д゚) 「オレのテクが全く通用しねェとはなー。 いったいどんだけやり込んでんだよ」

(,,^Д^) 「すげーじゃねーか!」


 そう言いながら、ギコは片手でブーンの背中を叩く。
 『 ぷげっ 』 と情けない声が路上に轟いた。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:53:31.48 ID:qcj4S1PE0
 
(,,゚Д゚) 「けど、そン後でやったアレはキメェの一言だな。 ヒくわ」

(; ´ω`) 「げほ、げほ……ひどい言い草だお」

(,,゚Д゚) 「ま、あそこにしぃ達が居た事のほうが驚いたけどな」

(; ^ω^) 「おっお……斉藤くんにはどう伝えればいいやら……」

(,,;゚Д゚) 「いやいや、そこは黙ってろって。 アイツには絶対言うんじゃねえぞ」

(; ^ω^) 「……把握したお」


 のどかな日曜日の午後。
 歩道を並んで歩く彼らは、先だってゲームセンターで時間つぶしをした後、とある場所へと向かっていた。
 

( ´ω`) 「……はふう」


 もっとも、その陽気とは裏腹に、ブーンの足取りは重かったのであるが。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:56:36.62 ID:qcj4S1PE0
 

==
===


 三日前──つまり木曜日の夕方、冒頭の時間まで遡る。
 コンビニの中でギコ達に出くわしたブーンは、包みを抱えたまま硬直し、その対応を決めあぐねていた。


(; ^ω^) 「お、お……」


 というのも、彼は見た目よりずっと繊細なヲタだったからである。

 人にはそれぞれの性質に見合ったテリトリーというものが存在する。
 ブーンは当然ながら、学校ではヲタクのグループに属し、どことなくダークなオーラに身を委ねている。
 友人どもは例外なく二次元を崇拝し、仮想現実の世界に思いを馳せる同好の士、どどめ色の仲間オンリーだ。


(,,゚Д゚) 「……」


 対するギコは、学年でもそこそこの人気と知名度を誇るリア充ボーイであった。
 知り合う前からちらほら名前は耳にしていたし、それに加えて、遠くからでも目を惹く整った容姿。
 身長こそ低いものの、スポーツ万能で、クラス合同の体育科目では何度もその活躍を目にしている。

 学校行事や移動教室などで見かけた際も、
 男女問わず煌びやかな仲間が取り巻いており、その周囲は常に明るい雰囲気を漂わせていた。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 01:59:27.63 ID:qcj4S1PE0
 
(; ^ω^)


 たまたま一緒にファミレスに行ったり、帰り道で一緒に戦う羽目になったとはいえ、
 学校という社会的枠組みの中で、彼らは普通であれば交わる機会のない、別次元の人種だったのだ。


||‘‐‘||レ 「……」

o川*゚ー゚)o 「……」


 ギコの友人と思われる女の子たちが、値踏みするかのようにブーンを眺め回した。
 次の瞬間、顔を見合わせ、二人揃って眉を顰める。
 後ろにいた男子生徒がその釣り目を細くした。


(|||^ω^) (……うーん……)


 リア充グループの中でも花形のギコが、自分との接触を快く思うはずがない。
 ……よし、見なかったことにしよう。 軽い会釈でもして大人しく立ち去ろう。
 ブーンがそう考えた矢先のことだった。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:01:16.42 ID:qcj4S1PE0
 
(,,゚Д゚) 「よォ、ブーンじゃねえか!」

Σ(; ^ω^) 「あ、あう」


 ブーンは即座にその考えを恥じ、
 同時に、ろくに挨拶もなく帰ろうとしていた自身の行動を情けなく思い、身を強張らせた。


(・∀ ・) 「……なァギコ、誰? ダチ?」

(,,゚Д゚) 「おうよ、ダチダチ。 隣のクラスの内藤っての」

(・∀ ・) 「……あー…ね。 ……そーなんだ」

(; ^ω^) 「お……」


 男子生徒はそれを受け、口を開けたままなんとなしに頷く。
 ブーンは困惑した。
 その歯切れの悪い相槌は、
 『 なんでこんなもっさいヤツと? 』 そういった言葉を押し殺しているように思えたからだ。


||‘‐‘||レ 「へー、そうなんだぁ」

o川*゚ー゚)o 「ギコってアレじゃん、コーユーカンケー広いよね~」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:03:29.99 ID:qcj4S1PE0
 
(・∀ ・) 「よな、だよなw」


 そう言うと、彼らは顔を見合わせて笑い声を上げた。
 三人とも例外なく何かしらの装飾品を身に付け、香水の匂いを漂わせている。


( ^ω^) 「……」


 嘲笑されているような雰囲気に加え、追い撃ちの如く店員の舌打ちが重なった。
 ブーンの辟易は想像に難くない。
 そんな彼の様子を知ってか知らずか、ペットボトルをレジカウンターへ乗せながら、ギコが言った。


(,,゚Д゚) 「ブーン、お前もなんか買うんじゃねえのか?」

(; ^ω^) 「お、そうだったお……」


 ブーンは当初の目的を果たすべく冷蔵ショーケースへ向かう。
 そこから500mlのコーラを取り出してレジに戻ると、会計を済ませたギコ達がドアを出るところだった。


( ^ω^) 「肉まんを三つくださいお」


 直後、その集団から一斉に噴出す音が聞こえた。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:05:46.98 ID:qcj4S1PE0
 
(・∀ ・) 「・・・ ・・・!」

(,,゚Д゚) 「・・・? ・・・!」

||‘‐‘||レ o川*゚ー゚)o 「・・・www」

( ´ω`) (……なんかテンション下がっちゃったお……)


 コンビニを出ると、半ば当然のように彼らは駐車場にたむろしていた。
 ブーンは今度こそ「それじゃ」と告げて退散するつもりだったが、


(,,゚Д゚) 「おうブーン、こっちこっち」


 ギコに機先を制され、なんとなくその場に留まる形になってしまった。


(; ^ω^) 「お……な、なんだお」


 ブーンはどうしようもない居心地の悪さを感じたが、ギコ以外の三人は彼のほうを一瞥しただけで、
 すぐに会話へと戻る。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:08:12.67 ID:qcj4S1PE0
 
(・∀ ・) 「でよ、マジで出るらしいんだよ、そこ」

||‘‐‘||レ 「え~?」

o川*゚ー゚)o 「ありえねーし!」

( ^ω^) ムシャムシャ


 そちらに耳を傾けたところ、彼らの話題はもっぱら、
 隣の市にあるという 『 幽霊屋敷 』 についてのことだった。


(,,゚Д゚) 「コイツの先輩がさー、そこにいっぺん行ったことが有るんだってさ」

(・∀ ・) 「もう二度と行きたくねェ、とも言ってたなw」

||‘‐‘||レ 「うそ~。 やだ~」

( ^ω^) 「……」 ムシャムシャ


 その存在については、ブーンも耳にしたことがあった。

 居住者が引っ越したのち、とある建築会社が買い取ったというその洋館は、
 ホテルに改築されるとの噂があったものの、計画の頓挫により、依然放置されている状態らしい。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:10:52.62 ID:qcj4S1PE0
 
 噂には尾ひれがつくもの。
 もともと居住していた資産家の凋落、建設会社による謎の放置……というキーワードからの連想か、
 その洋館が ” 曰くつきの物件 ” として認知されるのにさしたる時間は要さなかった。

 ついにはその内部へ無断侵入する輩も現れ、
 最近はそこが心霊スポットとして、一部の間で話題になっているというのだ。


(・∀ ・) 「……つーワケで」


 立ち上がった男子生徒──ブーンは既に心の中でギコ友Aと呼んでいる──は、
 尻をはたきながら言った。


(・∀ ・) 「今から行ってみようぜ、そこ」

(,,゚Д゚) 「……」

(,,;゚Д゚) 「ハァ?」

o川*゚ー゚)o 「えー? マジぃ?」

||‘‐‘||レ 「何言ってんのよー、マタちゃん」


 ギコ友BとCは素っ頓狂な声を上げつつも、まんざらでもないといった様子である。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:13:42.53 ID:qcj4S1PE0
 
(,,゚Д゚) 「ムリムリ無理むりムリ。  今からじゃ、着くの夜になっちまうだろ」

(・∀ ・) 「ちょーどいい時間じゃん!
      それともナニ?  ギコ、ビビってんの?」

o川*゚ー゚)o 「そーなん?」 クスクス

(,,;゚Д゚) 「べ、別に怖くなんか……」

||‘‐‘||レ 「で、でも、そこって隣の市にあるんでしょ?
      行って帰ってくる事を考えると……明日も学校あるんだよ?」

(,,゚Д゚) 「交通費だって手持ちじゃ足りねェよ」

(・∀ ・) 「……あー……」

( ^ω^) (はぁー……リア充どもの考えはわからんもんだお) ムシャムシャ


 ブーンは傍らで彼らのおしゃべりを聞きながら、
 なぜこうもくだらない事に熱狂できるのだろう、と考えていた。

 第一、好き好んで怖がりに行こうなんて発想自体、彼にとっては理解に苦しむものだ。
 遊園地のお化け屋敷などもそう。
 恐怖という感情の提供に対し、彼は一銭の対価も支払いたいとは思わなかった。
 同程度の金額を使えば、肉まんとコーラという形のある満足、確かなシアワセが手に入るというのに。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:17:07.64 ID:qcj4S1PE0
 
 場に諦めムードが漂った途端、ギコ友Cが身を乗り出し、言った。


o川*゚ー゚)o 「じゃあさ、今週の日曜日にしない? そこ行くの」

(,,゚Д゚)

(,,;゚Д゚) 「……はぁあああ?」

||;‘‐‘||レ 「ナオ、マジで言ってんの?」

o川*>ー<)o 「だってぇ! 面白そーじゃん!」

(・∀ ・) 「だろwwwじゃ、決まりな!」

(,,;゚Д゚) 「マジかよ……」


 彼女の鶴の一声により、日取りまでもが決定事項となったのだった。


o川*゚ー゚)o 「待ち合わせはどーしよっか? 駅前に朝10時くらい?」

(;・∀ ・) 「……は? どこの世界に朝っぱらから心霊スポット行く奴がいンだよ」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:19:56.60 ID:qcj4S1PE0
 
||‘‐‘||レ 「でも、夜中に行くのは流石に……」

o川*゚ー゚)o 「あーちゃん門限キビシーもんね。 じゃ、12時?」

(;・∀ ・) 「それでも着くの昼過ぎだろ! ぜんぜん雰囲気出ねーじゃん!」


 暗くなってから行くべきだと躍起になる友Aに対し、早い時間を主張する残りの二人。
 やいのやいのと口論しあったのち、間を取って夕方ころに到着出来るよう、14時集合で皆が合意した。


(・∀ ・) 「よーし、それじゃあみんな遅れるんじゃねーぞ」

||‘‐‘||レ 「はーい」

o川*゚ー゚)o 「アンタが一番遅刻の可能性高いっしょ!」

(・∀ ・) 「うっせ。 ギコも遅れンなよ」

( ^ω^) (……せっかくの休日に、ご苦労様なことですお) グビグビ


 話がまとまったことによって、なんとなく解散ムードも漂い、ブーンがホッと一息ついた時のことだった。


(,,゚Д゚) 「おう。 ブーンもな」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:22:31.51 ID:qcj4S1PE0
 
( ^ω^) ピタッ

( ^ω^) 「……え?」

o川;゚ー゚)o ||;‘‐‘||レ (;・∀ ・) (……こいつも!?)    (^ω^ ;)


 ギコの一言で、その場になんとも言えない空気が流れた。


(・∀ ・) 「んあー、えーっ……と」

||‘‐‘||レ 「内藤クン……だっけ?」

(; ^ω^) 「……お」

o川*゚ー゚)o 「え、来るの?」

(,,゚Д゚) 「いいじゃねえか、人数は多いほうが盛り上がるだろ」

o川*゚ー゚)o 「あーっ! やっぱコイツ怖いんだ!」

||‘ー‘||レ 「はは~ん、なるほどねぇ~」

Σ(,,;゚Д゚) 「だだだからそうじゃねえって!」


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:25:08.18 ID:qcj4S1PE0
 
(; ^ω^) 「お……いやその、僕は」


 遠慮しときますお、と告げようとしたところで、
 隅のほうで口を尖らせていたギコ友Aが、ハッと顔を上げて言った。


(・∀ ・) 「じゃあさ、しぃちゃんも誘おうぜ!」

(,,゚Д゚) 「……しぃを?」

(・∀ ・) 「それなら男3・女3でちょーどいーじゃん!
      おおー、オレって頭い~!」

(; ^ω^) (……何が ” ちょーどいい ” んだお?)

o川*゚ー゚)o 「マタちゃん、あんた狙いバレバレだから!」

||‘‐‘||レ 「だね」

(;・∀ ・) 「は? ナニ言ってんだよ! ちげーし!」

(・∀ ・) 「な? な? ギコ頼むよー」


 そう言って、彼は拝むように手を摺り合わせる。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:27:17.29 ID:qcj4S1PE0
 
(,,゚Д゚) 「わーったわーった。 んじゃ今夜メールしとくから」

(・∀ ・) 「っしゃー! 決まりな!」

(,,;゚Д゚) 「一応言っとくけど、まだあいつが来るって決まったわけじゃないからな」


 はしゃぐ友Aに聞こえないよう、ギコがブーンに耳打ちした。


(,,゚Д゚)∩ (……見りゃわかるだろうけど、多分こいつ、しぃのこと狙ってンだよ) ボソボソ

(; ^ω^) (……お、そうなのかお) ボソボソ


 事態にかこつけて、しぃのことを誘いたかったわけか……そうブーンは納得する。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:29:26.95 ID:qcj4S1PE0
 
 ちゃっかりしているものだと溜息をついたところで、彼は当の友Aに両肩を叩かれた。


(・∀ ・) 「んじゃ日曜はよろしくな、な・い・と・う!」 ポン

( ^ω^) 「お……よろし……」

( ^ω^)

(; ゚ω゚) (えええええ!?)


 「3×3で、しぃを誘うため」 という口実が出来てしまったところで、
 既に自分は人数として囲い込まれており……。

 もはや逃げられないのだという事を、彼は瞬時に悟ったのだった。


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:32:05.62 ID:qcj4S1PE0
 
===
==

 
 街路樹の立ち並ぶ通りを歩きながら、ブーンはぽつりと呟いた。


( ´ω`)-3 「……どうしたものかおー……」 ハフウ

(,,゚Д゚) 「溜息つくなって! んーとにお前は怖がりだな」


 当然ながら、ブーンの消沈は心霊への畏怖などではない。
 これからまたギコの友人たちに会わなければならない、その事実に対する抵抗感である。


( ^ω^) 「……外藤くんは怖くないのかお?」

(,,;゚Д゚) 「お、おれぇ? 俺に怖いモンなんてあるわけねーよ!」

( ´ω`) 「まあ……そうだろうお」

(,,゚Д゚) 「つーかさ、ギコでいいっつっただろ! あんまケンソンすんなって」

(; ^ω^) 「おー……は、把握したお」

( ^ω^) (確かに、こないだそう言われた気がするお)


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:34:11.73 ID:qcj4S1PE0
 
 こないだ、というのは、先日の河川敷における騒動のことである。


( -ω-) (ユーレイなんかより、生きてるニンゲンのほうがよっぽど恐ろしいお……)


 ブーンは、その時出会ったスーツの女──クーのことを思い出していた。

 あの後、ブーンの用意した鍋をつつきながら彼女が語った内容。
 それは驚くべきことに──、
 ……彼らの状況を進展させる要素、これらがほとんど含まれていなかったのである。


~ ~ ~


川 ゚ -゚) 『 私は組織の末端なんかではなく、単独で動いているいちセクシーに過ぎん。
      依頼主の名前も知らないし、仕事を持ちかけられたのもたまたまだ 』

川 ゚ -゚) 『 私だけでなく、複数の人間が ” 箱 ” の捜索に動いている、とは思うがな。
      というより、これはまともな ” 仕事の依頼 ” ではないのだ 』

(,,゚Д゚) ('A`) 『 ……どういうことだ? 』

川 ゚ -゚) 『 何時なんどきまで依頼の品を探せ、その労働に対して賃金を支払う……、
      といった探偵業務ではなく、
      何らかの情報を入手したり、もし運良く箱そのものを回収出来たら連絡をくれ、といった感じだ。
      私にとっては副業の副業に過ぎん 』


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:36:37.80 ID:qcj4S1PE0
 
川 ゚ -゚)b 『 つまり、ブツや情報と引き換えに報酬を渡す、ってワケさ。
       ま、ウラの取れない情報なんて二束三文にもならないし、そんなもんリークする奴はいないがな。
       ショーバイは信用第一だし 』

(;'A`) 『 ……よく言うぜ…… 』

川 ゚ -゚) 『 仕事というよりは、宝探しと懸賞金みたいなものだ。
      ブツの流通経路や所在そのものの情報を得たとしても、
      回収が容易であれば、自分で動いたほうが手っ取り早く、確実に報酬ゲットできる 』

(;'A`) 『 既に我々は賞金首ってわけか…… 』

(,,#゚Д゚) 『 言っておくが、俺達が持ってるってことを誰かにバラそうもんなら、タダじゃおかねえぞ 』

川 ゚ -゚)ノ 『 わかったつってんだろ。
       まったく、ラッキーだと思ってたらとんだ災難だ……。
       あ、ご飯おかわり 。 大盛りで 』


~ ~ ~


 すなわち、自分は箱そのものについて詳しいことは知らない、の一点張り。
 ドクオ達、特にギコは両親のこともあって執拗に食い下がったが、肩透かしな結果に終わったのだった。

 ただし、「仕事を持ちかけてきた情報屋を含め、知り合い筋には一応探りを入れてみる」
 ……との約束を取り付けることには成功したが。


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:40:22.04 ID:qcj4S1PE0
 
 当然、ドクオの持つ ” 箱 ” もクーに渡してはいない。
 そこまでの信頼に足る人物ではない、という三人の総意からである。

 しかしそれを気にする様子もなく、どんぶり片手にあぐらをかき、ふんぞり返っていたクー。
 不意に、その姿は昨日出会ったギコ友たちのそれと重なった。


( ^ω^) (やっぱり女は二次元に限るお。 惨事はこれだからダメダメだお)


 ブーン達は公園を経由し、正面の歩道橋を渡る。


( -ω-)-3 (どっかにデレたんみたいな女の子はいないものかお……)

(,,゚Д゚) 「元気出せって! どーせ幽霊なんてい、いやしないんだからよ」


 そう言って、ギコは軽くブーンの肩を叩いた。


( ^ω^) 「お……おっお(そういうのは別にどうでもいいんだけどお)」


 目つきが鋭くぶっきら棒な彼は、当初は近づきがたいイメージがあったものの、
 付き合ってみれば、竹を割ったような性格に加え、悲愴な過去を感じさせない明るい態度。

 ブーンは、彼の周りに人が集まってくるのは、きっと当然の事なんだろうな、と感じた。


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:42:48.96 ID:qcj4S1PE0
 
 多くの人間が行き交う駅前広場には、構内へと続く入り口の正面に、巨大なアーチ状の看板がある。
 そして、その足元にて待つこと数十分。

 待ち合わせ時間の五分後に女の子二人、
 さらにその十分後、最後の一人の男子である友Aがのっそり姿を現した。


(・∀ ・) 「うーっす」

o川#゚ー゚)o 「おっせーよ!」

||;‘‐‘||レ 「ちょっとー、遅れるなって言ったのはどこの誰だっけー?」

(・∀ ・) 「悪りっ……。 いやいや、ちょっとワケがあんだって」


 ギコ友A──斉藤またんきは悪びれる様子もなく、そう言って頭を掻いた。


(,,゚Д゚) 「あんだよ理由って」

(・∀ ・) 「なんかそこでさー、シューキョー? の奴ら? みたいのに捕まっちってよー」

o川*゚ー゚)o 「そんなん、ちゃっちゃっと追っ払えばいーじゃん」

(・∀ ・) 「あんまジャケンにはできねーじゃん。 やっぱやさしーから? 俺?」

o川*゚皿゚)o 「言ってろ!」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:45:23.90 ID:qcj4S1PE0
 
||‘‐‘||レ 「まあでも……最近よく見るよね、あーゆーの」

(・∀ ・) 「いやー、最初逆ナンかと思っちゃってwww」

o川#゚⊿゚)o 「サイアク」

( ^ω^) (お……)


 そのことにはブーン自身も思い当たる節があった。
 近頃は駅前や繁華街、果ては学校や病院の近くでも、
 宗教関係と思われる者たちの勧誘や、街頭演説などに出くわす機会が増えたように感じられる。

 それらは一見しただけでは勧誘とわからない場合も多く、
 ブーンは一度、コスプレした可愛らしい女の子三人組に話しかけられ、
 何かのイベントと勘違いし、着いて行きそうになった経験もある。


(・∀ ・) 「つーか! ギコぉ、しぃちゃんは?」

(,,゚Д゚) 「だーかーら、あいつは今日は来れないって」

Σ(;・∀ ・) 「なんで!?」

(,,゚Д゚) 「今日は別に用事が……って、昨日オメーにメールしただろうが」

(-∀ -) 「はー……マジかよ。 使えねェ」

(,,#゚Д゚) 「うっせぇ」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:48:06.88 ID:qcj4S1PE0
 
 「3×3じゃなくなっちゃったねーw」 「るっせーよ」  ……などといったやり取りを交わしたあと、
 ギコ以外の三人の視線は自然とブーンに向けられる。


(・∀ ・) o川*゚ー゚)o ||‘‐‘||レ 「……」

( ^ω^)


(・∀ ・) o川*゚ー゚)o ||‘‐‘||レ 「……ぷふっw」

( ´ω`)


(,,゚Д゚) 「?」


 ストリート・ファッションに身を包んだ四人に対し、ブーンの私服は生粋のヲタクスタイル。
 「場違い」という言葉を飲み込んだかのように小さな嘲笑を残し、
 ギコの仲間たちは駅構内へと足を踏み出した。

 ブーンは肩を落とし、猫背で、とぼとぼと後に続いたのだった──。


38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:50:19.62 ID:qcj4S1PE0
 
~ ~ ~


 ──これは余談ではあるが、
 彼らが去ってから一時間ほどのち、ブーンの立っていた場所には、
 大型スクリーンを見上げる一人の男の姿があった。
 

( ´_ゝ`) 「……マジで? この近くじゃねえか」


 男の目線は、地域商店街のCMを背景として、その下方を流れるテロップに注がれていた。


 ──VIP市内○○町・クオリティデパートにて、男が買い物客を人質に立てこもり──。



42 :>>40誤字修正:2009/12/03(木) 02:54:51.67 ID:qcj4S1PE0
 
~ ~ ~


 VIP駅から電車で40分、さらに歩きで30分。

 「まだ着かないの?」 「本当にこっちで合ってるの?」

 ひっきり無しに垂れ流されていた女の子たちの不平不満も、
 眼前にその姿を見止めた途端、面白いほどにぴたりと止み、
 代わりに唾液の嚥下音が複数、木々のしじまに溶けて行く。


o川*゚ー゚)o 「うっ……」

||‘‐‘||レ 「わー……!」

(,,;゚Д゚) 「……」


 住宅街のはずれ、森に囲まれた高台にその屋敷はあった。

 さすがに 『 洋館 』 と呼べるほどの規模ではなかったが、
 それでも個人の住居としては充分すぎるものだった。
 広大な敷地の中心に、洋風建築の邸宅がどっしりと腰を据えていた。


(; ^ω^) 「おおお……」

(・∀ ・) 「……ほえー」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 02:57:51.65 ID:qcj4S1PE0
 
 ところどころ崩れた煉瓦造りの塀、その上方には、格子状の鉄柵が伸びている。
 壁の隙間から覗く邸宅の庭は相応の荒れ様を見せており、
 蔦と雑草が、枯れた樹木の間を埋めるかのように群生していた。


(・∀ ・) 「すっげぇな、雰囲気バッチリじゃん」

||;‘‐‘||レ 「こ……ここ、ホントに誰も住んでないの?」

o川;゚ー゚)o 「いいのかな? 勝手に入っちゃっても」

( ^ω^) 「……お」


 良いワケないじゃん、という反射的な突っ込みを、ブーンはぐっと飲み込んだ。


(・∀ ・) 「今更なーに言ってンだよ。 じゃなきゃとっくに引き返してるし」


 ここへ来る途中には、スプレーで落書きされた 『 私有地により立ち入り禁止 』 の看板が立っており、
 彼らはそこに張られるロープを越えてきたのだった。


(,,;゚Д゚) 「でもさ、入るっつってもどうやって……?」


 当然ながら、正面の門は堅く閉ざされている。


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:00:27.07 ID:qcj4S1PE0
 
( ・∀ ・)σ 「あるじゃん。 そこ」


 またんきはそう言い、壁が崩れて低くなっている部分を指差した。
 女の子達の表情が途端に険しくなったが、彼は特段、意に介す素振りもなく続ける。


(・∀ ・) 「よっと」


 そうして壁に手をかけ、ひょいと庭へ侵入する。
 四人は顔を見合わせ、ひとつ溜息をつくと、渋々彼のあとに続いた。


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:03:06.37 ID:qcj4S1PE0
 
 これまた当然のことながら、玄関の扉は堅く閉ざされていた。

 周囲を探るように散策していくと、南方の一角にテラスがあった。
 館の規模に比べてどこか小ぢんまりとした印象を受ける上、
 そこに突き出した出窓は半壊し、見るも無残な姿を晒していた。

 引き倒されたテーブルの他、窓の横には白い椅子が転がっており、
 こちら側には殆どガラス片が落ちていない。
 ゆえに、人為的に外側から破壊されたものであることが窺い知れる。


o川*゚ー゚)o 「……誰がやったんだろうね、コレ」

||‘‐‘||レ 「私たちみたいに、ココに遊びにきた人たちだろうね~」

(・∀ ・) 「ま、直そうとしない管理会社のタイマンってことで」


 ぽっかり口を開けた出窓からサンルーム、その奥の部屋へ侵入すると、辺りは途端に薄暗くなる。


o川*゚ー゚)o 「ひゃー! ナニコレ、暗っ!」

||;‘‐‘||レ 「怖っ!」

(・∀ ・) 「内藤! カーテン開けて、カーテン」

(; ^ω^) 「お……わかったお(なんで僕が……)」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:05:39.98 ID:qcj4S1PE0
 
(,,;゚Д゚) 「うわっ……なんだこれ、すっげぇな……」


 破損したサンルームから続いていたこともあるだろうが、
 もとは客間らしきその部屋、高価そうな家具の並ぶ室内の惨状は目を覆うものがあった。

 床には枯葉や土が散乱し、カーペットもズタズタで、さらに三つあるテーブルの一つがひっくり返っていた。
 高級そうな装飾のついた長椅子はボロボロで、綿がところどころはみ出している。
 壁の一面は落書きに覆われ、置かれていたであろう調度品が持ち去られた形跡もあった。


||;‘‐‘||レ 「ホントにお屋敷だったんだね、ココ……。
       今はもう、なんかぐちゃぐちゃーって感じだけど」

(・∀ ・) 「ははは。 やっべー! すっげーなー!」


 暖炉へ歩み寄り、脇のロッキングチェアーを蹴飛ばすと、またんきは言った。


(・∀ ・) 「うっしゃ、次の部屋行こーぜ!」

||‘‐‘||レ 「う……うん」

o川*゚ー゚)o 「出るって! これ絶対なんか出るってー!」

(,,;゚Д゚) 「や、やめろよ、そういう事言うの……」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:08:25.77 ID:qcj4S1PE0
 
(; ^ω^) ドキドキ

o川*゚ー゚)o 「よっし、開けるよー?」


 はしゃぎまわるギコ友C──ナオと呼ばれていた女の子がドアノブを捻り、五人は部屋の外へと踊り出た。


o川*゚ー゚)o 「おっ邪魔っしまーっ!」

o川*゚-゚)o 「……すっ……」

(; ^ω^) 「お?」

||;‘‐‘||レ 「やっ……!?」


 赤いカーペット敷きの長い廊下。
 採光用の窓が点在しているためか客間よりも明るく、
 代わる代わる両側を振り向けば、エントランスホールから屋敷の奥まで見渡すことができた。

 床には埃が目立つものの、白を基調とした周りの壁は落書き一つなく、
 荒らされていた客間の惨状からは想像もつかないような美しさを保っていた。

 ──が、しかし。


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:11:09.65 ID:qcj4S1PE0
 
(,,;゚Д゚) 「……なんだ……コレ」 クンクン

(;・∀ ・) 「……な、なんかちょっと、臭わないか!?」

(;|||^ω^) 「うぇ……」


 最初に感じたのは、鼻の奥を刺激する、なんともイヤな臭いだった。

 そして次に、彼らの体は言いようのない不快感に包まれる。
 例えるならば悪寒、体を蝕む倦怠感、眩暈を催す疲労感。

 既に、その館の異常性は全員が肌で感じていた。
 筆舌に尽くし難い『 嫌な感じ 』 が、全身にねっとりと絡みついてくる。


(|||・∀ ・) 「な、なんか……体が重いっつか……」

((o川;゚-゚)o)) 「寒ーい……やだ、鳥肌が……」

(,,|||゚Д゚) 「……」


 皆一様に顔を顰めたが、
 いくら鼻を摘んでも、口元を覆っても、
 鼻の奥底で燻るかのように、記憶された臭いは消えず、体を覆う寒気も治まることはなかった。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:14:46.16 ID:qcj4S1PE0
 
(||| ^ω^) 「ゆ、ユーレイの仕業なのかお……?」

Σ(,,|||゚Д゚) 「ひっ! ば、馬鹿言ってんじゃねえっ!」

(|||・∀ ・) 「そ、そう言えばさ」

(|||・∀ ・) 「できるだけ盛り上がってからにしようと思って……その、言ってなかったんだけど」


 ──この屋敷には、最初の主の死体が眠っていて
 ──それを探そうとするヤツは

 ── 主の亡霊に呪われて、一生苦しみ続けるらしいぜ


(((,,||| Д ))) 「おいっ! ちょっ、おまっ、やめろっ!」


 そうやって廊下で騒いでいるうちに、
 女の子の片割れが上半身を抱え込み、その場でぺたんと両膝をついた。


|| i||i‐ ||レ 「……うう……」

Σo川;゚-゚)o 「あーちゃん! し、しっかり!」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:17:33.16 ID:qcj4S1PE0
 
o川 ;-;)o 「出よ! ココ、なんかやだ! 早く出よう!」

(;・∀ ・) 「ええ? ま、マジかよ……」

o川#;-;)o 「早く! あーちゃんがどうなってもいいの!?」

(;・∀ ・) 「わ、わかった……」


 もう一人の剣幕に押され、またんきは客間のドアに手をかけた。
 ナオは、相棒を担ぐようにして立ち上がらせ、その肩を抱きながら元の部屋へと引き返す。
 またんきとブーンがそれに続くと、ギコも震える手でノブを引っつかんだ。


(,,|||゚Д゚) 「ま、待ってくれ、俺も……」

Σ(,,゚Д゚) 「……!?」

(; ^ω^) 「お、大丈夫かお、早くこっちに来るお」

(,,;゚Д゚) 「……これは」

(;・∀ ・) 「おい! 何やってんだ、置いてくぜ!」

(,,゚Д゚) 「あ、ああ」


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:20:08.53 ID:qcj4S1PE0
 
 外枠の歪んだ窓を通り抜け、彼らは折り重なるように屋敷の外へと出る。

 すると不思議なことに、鼻腔の奥に留まっていた臭気がぴたりと感じられなくなり、
 全身を包んでいた気だるさもすぐに治まりをみせた。


(; ´ω`) 「お……? なんだかだいぶ楽になったお」

(;・∀ ・) 「な、なんだコレ? いったいなんだったんだ?」 

o川*;-;)o 「あーちゃん! しっかり! ねえ!」

|| ‐;||レ 「だ、大丈夫……もう大丈夫」

(;・∀ ・) 「大丈夫か? い、行けそうか?」

o川*゚ー゚)o 「マタちゃん! いいからちょっと休ませてあげて……」

|| ‐;||レ 「……」


 肩を掴むまたんきの問いかけに対し、
  ” あーちゃん ” と呼ばれた女の子は、大きくかぶりを振った。


(( ||゚-゚゙i||i ||レ )) 「いや……私もう、二度とあの中には入りたくない」


 それは、少なからずこの場の全員が感じていることだった。


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:21:07.30 ID:ecMtE1xnO
緊迫してるのに…
またちゃんに何かわろた


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:24:46.98 ID:qcj4S1PE0
 
o川;゚-゚)o 「アタシも……ねえ、帰ろう? みんな帰ろ?」

(; ^ω^) 「……異議ありませんお」

(;・∀ ・) 「で、でもよー、せっかくここまで来たのに……」

o川#゚ー゚)o 「マタちゃん!」

Σ(;・∀ ・) 「わ、わかったよ……歩けるか?」

||‘‐‘;||レ 「う、うん……」


 肩を貸そうとするまたんきを左手で制し、女の子はよろよろと立ち上がる。

 屋敷の内部に漂う臭気と ” 得体の知れない、何か ” は、
 彼らの心中に不安の種を撒き、畏怖せしめるだけのインパクトを有していた。


(;・∀ ・) 「しかしよー、なんだったんだろうなあの臭い」

o川;゚-゚)o 「ガスかな? アレ絶対ヤバいことやってるよね」

(; ^ω^) 「お、本当だお」


 ブーンは、汗を拭き拭き言った。


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:27:16.75 ID:qcj4S1PE0
 
( ´ω`) 「ちょっと吸っただけなのに、なんだかすごくイヤーな臭いだったお。
       まるで魚の腐ったような……」

o川*゚ー゚)o 「は? そんなんじゃないっしょ? ガスっしょ!」

(; ^ω^) 「お……まあ、腐ればガスが出るお、たぶん」

(,,゚Д゚) 「……!」


 その言葉を受け、ギコはハッとした表情を上げる。


(,,゚Д゚) 「……うっし」


 そして小さく拳を握り締めると、高らかに宣言した。


(,,゚Д゚) 「中に忘れ物してきた。 俺、ちょっと探してくる!」

Σo川;゚ー゚)o 「え?」


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:29:16.72 ID:qcj4S1PE0
 
(,,゚Д゚) 「お前らはココで待つか……いや、もしアレなら先に帰っててくれ」

||;‘‐‘||レ 「な、な?」

(;・∀ ・) 「はあ? いったい何を言ってるん……」

三⊂(゚Д゚,,) 「ブーン、お前も来い!!」

Σヾ(; ^ω^> 「ええ!?  あ、ちょっ」


 仲間たちの制止も空しく、ギコは再び出窓を潜り、屋敷の中へと踏み込んでいったのだった。
 ……未だ汗だくのブーンを引きずりながら。


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:30:16.42 ID:qcj4S1PE0
 
 ギコには確信があった。

 ──この事態は、幽霊の所為ではなければ、呪いなんかでもないと。


(,,-Д-) (あの瞬間、確かに感じたんだ)


 ⊂(^ω^;>


(,,゚Д゚) (全身の毛穴が収縮し、肌が粟立つような、例の ” 感覚 ” )


 三三三⊂(^ω^;>



 ── ” ちゃねらー ” の、仕業だと。



 (続く)
 

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:31:39.23 ID:qcj4S1PE0
  
補足: モブキャラのフルネーム

o川*゚ー゚)o :九鳥栖ナオ  ||‘‐‘||レ :春日アル


覚える必要性皆無。 支援どうもありがとう。
 

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/12/03(木) 03:32:54.88 ID:ecMtE1xnO
こちらこそ投下ありがとう
そして乙乙!


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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    ドックンドックン~!ふぅん!にゃーんにゃーん
    ブーン…
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