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◆( ^ω^)仮面ライダーVVのようです 第二話 二人で一つ、Wで変身/平和を愛する熱血少女 後半

前の話/インデックスページ/次の話

1 :◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:40:07.03 ID:p3HTvCYr0
http://boonsoldier.web.fc2.com/vv.htm
http://kurukurucool.blog85.fc2.com/blog-entry-433.html



これまでのお話。


从 ゚∀从「来るか、仮面ライダー!!」


強敵、タブードーパントとの戦いで内藤は窮地に立たされる。


ζ(゚ー゚*ζ「マキシマムドライブを使えば……」


Vメモリの力によって、辛くも撃退。


ノハ*゚⊿゚)「仮面ライダーさん……どんな人なんだろう…」


内藤に異常な憧れを抱く少女、ヒート登場。


ξ゚⊿゚)ξ「おい、せめて聞こえないようにしゃべれ」


そして、舞台は日常ロマンス街道へとまっしぐら。



2 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:41:57.72 ID:p3HTvCYr0

( ・∀・)「まあいいじゃないか、だってほら、今はこうして……」

そう言って、モララーは下卑た笑みを浮かべて横を見る。
内藤もそれに習い、当社比2倍の笑顔で横へと視線を移した。

ζ(゚ー゚*ζ「?」

そんな視線に込められたHENTAI心を知ってか知らずか、少女は首をかしげるばかり。

店内には普段のBGMとは変わり、ラジオが野球の世界大会の様子をアナウンスしている。
ツンは呆れ気味に溜息を一つ、少女を見据えながら少し前のことを思い出していた。

ξ゚⊿゚)ξ(そういえば、あれからちょうど一週間か……)


……。




3 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:43:09.24 ID:p3HTvCYr0
一週間前。

あの戦いの後、どうにか敵を退けた内藤達は謎の少女デレを連れ、再び喫茶VIPへと戻ってきた。
そして内藤は少女からこれまでの経緯を聞かされる事になる。

( ^ω^)「―――-じゃあ、君も組織から抜け出してきたのか」

ζ(゚ー゚*ζ「うん」

( ^ω^)「しかも、VIPメモリを持ち出して……」

ζ(゚- ゚*ζ「本当はもう一つも必要だったんだけど……そっちは無理だったんだ、ごめんねブーン」

( ^ω^)「そんな事はいいんだよカノンちゃん、それより…たった一人で抜け出してくるなんて、なんて無茶を……」

内藤は少女の両肩にそっと手を置き、諭すように言う。
なんとなく背景にキラキラしたものが流れそうになるが、そこに割り込む声があった。

(;・∀・)「ちょっとごめんよ、もう一つだって…?!
      デレちゃん、そのメモリってもしかして……『S』と描かれた物じゃ?」

ζ(゚- ゚*ζ「S……?」


( ^ω^)チッ

ξ゚⊿゚)ξジー

Σ(:^ω^)


4 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:44:57.65 ID:p3HTvCYr0

( ・∀・)「……どうなのかな?」

ζ(゚- ゚*ζ「……いえ、違いますよ、現存するもう一つのVメモリは『F』」

ζ(゚- ゚*ζ「雄々いなる牙、『野生』の記憶を秘めたメモリです」

(  ∀ )「F……そう……そうか、違うのかい」

(;^ω^)「……店長? どうかしたのか?」

ζ(゚- ゚*ζ「……ただ、そのSには心当たりがあります……以前に消失したメモリの中に、スk」

少女が口にする話の最中、ふと表情に影を落としたモララーはその言葉を遮るように手を上げた。
そして影を払うように首をふると、また穏やかに笑みをつくる。

( ・∀・)「ありがとう、それだけ分かれば充分だ」

(;^ω^)「怪しさ満点だな、どうしたってんです?」

( ・∀・)「ははは、何でもない、としか僕には答えられないな」

(;^ω^)「またそれか……第一、そもそも店長がVドライバーを持ってた理由もまだ聞いてないんですけどね」

( ・∀・)「言ったろう? 何でもない、としか答えられないと」


5 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:46:17.13 ID:p3HTvCYr0

そんな答えに、内藤は肩を落として溜息をこぼす。
と言うのも、このモララーという男、なかなかどうして謎が多い。

件のVドライバーを所持していた事もそうだが、ガイアメモリの知識が妙に豊富であり、
ドーパントを脅威ではなく敵として認識している節がある。これは大きな一般人との違いだ。

それを知りながらも、内藤は深く追求しようとはしなかった。
語らないという事は話したくない、あるいは語れない事だからと、待つことを選んだのだった。

( ・∀・)「ほら、そんな事よりさぼってないで働いた働いた」

( ^ω^)「うぃ」

ξ゚⊿゚)ξ「……」

『ザワザワ空振りー! 空振り三振ーーーー! ワーワー 五回の攻撃も終わりまして――』

ζ(゚ー゚*ζ「…? どうしたんですか?」

ξ゚⊿゚)ξ「いや、こっちのヒーローは不調か、ってな」

箱型の塵取りを持った少女が問いかけると、ツンは入り口のドアに手をかけたまま答えた。
ラジオから流れるのは野球中継、普段は音楽を流している店内だが、今は特別にこっちを流している。
何故なら今は、世界中が注目する大きな大会の真っ最中。そして彼らも例に漏れず、関心を向けていた。



6 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:48:32.48 ID:p3HTvCYr0

( ^ω^)「全然打ってないんだっけ」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、騒がれてた割にはどうもパッとしないぜ」

(#・∀・)「ちげーし! まだ帰国したばかりで本気じゃないだけだし!」

( ^ω^)「まあ、期待されてるのが明白な分、プレッシャーもあるだろうな」

ξ゚⊿゚)ξ「イッチローも人の子か」

と、その時。

『――番組の途中ですが、ドーパント情報です』

MCの鬼気迫る声が、穏やかな空気を一変させた。
モララーが内藤へと目をやると、内藤は頷くことで意思を示す。
そしてツンは場所を譲るように入り口から身を引いた。

『場所はニューソクプラス街、付近にお住まいの方、運転中のドライバーの皆様は十分ご注意ください』

( ^ω^)「行ってくる」

ζ(゚Δ゚;ζ「待ってブーン! 私もいく!」

( ^ω^)「駄目だお、カノンちゃんはここでお留守番だお」(イクとか…………ハァハァ)



8 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:50:45.75 ID:p3HTvCYr0

ζ(゚Δ゚;ζ「でも…相手がどんなメモリかも分からないんだよ、だから、私も一緒にいくの!」

少女は内藤の腕へすがるようにしがみつく。
すると内藤は優しく笑みを浮かべ、もう片手でデレの頭を撫でた。

( ^ω^)「カノンちゃん…君がすこし特別なのはわかるよ、メモリに詳しい事も」(一緒にいく、一緒…ハァハァ)

ζ(゚Δ゚;ζ「なら…いかせて、お願い…! きっと役に立つから…!」

( ^ω^)「でも駄目だお、わざわざ君を危険な目に合わせるわけにはいかない」(そう、まだいくには早いよ、ふ、ふふ)

ζ(゚Δ゚;ζ「私なら大丈夫だから…ねえ、だから一緒に…」

( ^ω^)「駄目だお……これは、カノンちゃんだから、特別だから言ってるんじゃない」(来たね、これは来た、股間に)

ζ(゚Δ゚;ζ「え……?」

( ^ω^)「カノンちゃん、君がどう思っても、あくまでも君は僕にとって一人の女の子なんだお、
       今ここに居て、僕が守りたいと思う、この街に生きる一人なんだお」(うおお静まれ三本柱マンーー!)

その時、背後から飛んできたコーヒーカップが内藤の頭に直撃。
盛大な音を立てて割れた破片がパラパラと落ち、デレは突然のことに身を縮ませた。

ξ゚⊿-)ξ「静まったか?」

(  ω )「……」


9 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:53:50.75 ID:p3HTvCYr0
ζ(゚Δ゚;ζ「ぶ、ぶーん!? 頭から血が! 血がっ!!」

(メ^ω^)「そして僕は…できる限り、すべてを守りたいと思ってるんだお、だから、君もそうだ」

ξ;゚⊿゚)ξ「む、何事もなかったように続けやがった、なんて野郎だ」

( ・∀・)「僕も神に感謝することがある、内藤君が敵にまわらなかった事だ」

(メ^ω^)「だから待ってて、大丈夫、心配要らない」

ζ(゚Δ゚;ζ「だ、大丈夫なの……?」

(メ^ω^)「もちろん…何故なら僕は仮面ライダー…人々を守る、正義のヒーローだお」


それだけ言い残し、内藤は喫茶VIPを出るとバイクにまたがり颯爽と駆けていった。


( ・∀・)「締まらないねぇ……何が足りないんだろう」

ξ゚⊿゚)ξ「突込みだな、ボケてばかりだから駄目なんだ」

( ・∀・)「成程……誰か、熱く突っ込んでくれる子さえ居ればねぇ」


………。




10 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/12(金) 23:56:50.64 ID:p3HTvCYr0

( ^ω^)「これは……」

ラジオが告げた現場に到着した内藤だったが、
そこに人の気配は既になく、街には静寂ばかりが広がっている。

普段ならば人の行きかう繁華街だったその場所は、もはや見る影もない。

だが、まずそれ以上に気がかりなのは。
吐息を白く濁らせるほどの異様な冷気と、地面を踏むたびに割れ音を立てる凍った大地。

そして内藤はバイクから降りると、辺りを探るように歩き始めた。

(  ω )(誰も居ない……遅かったか……)

街路樹は雪化粧をほどこされ、歩道は氷の塊が作る傾斜に飲み込まれている。

車道を分かつ線上には、いくつもの氷の粒がわずかな光を受けて煌く。

そして、まるで雪降る夜のような静寂。そんな街並みはいっそ美しくもあった。



11 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:00:10.03 ID:p3HTvCYr0

やがて内藤は道の先にある物を発見し、表情を強めた。

それは、大きな氷塊の内側、ピンクに濁った氷の先、うっすらと浮かび上がる人型。
見るも無残に引き裂かれた布地と、おかしな方向に曲がりすぎて千切れかけた手足。
素肌の露出した部位の皮はあます事無く剥がれ、赤が全身を染めていた。

(  ω )「…………っ」

ふと、内藤はかつての事を思い出した。
『人が争うことの無い世界を目指す』
『その為には―――――――――』

(  ω )(これが、こんなのが……正しいって言うのか)

(  ω )(一方的な理由を押し付けて、一方的に苦しみを与えて……)

(  ω )(そんなものが…)

(#^ω^)「こんな事の上に成り立つ世界が……正しい訳ねぇだろジョr…!」

その時。パリン、と。

(;^ω^)「!?」

誰にともなく放たれた激情に反応するように、内藤の背後で足音が響く。
とっさに振り向いた内藤の視界に、長い髪を翻し、ビル影へと消えていく姿が映る。


13 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:02:20.18 ID:NN2543xx0

(;^ω^)「ちょ、君!!」

生き残りか、あるいは犯人と関係があるのか、それは分からないが放ってはおけないと、
内藤は怪しまれないようヘルメットを外し、その姿を追いかけた。

そして、人影が消えた路地へと足を踏み入れた先で見たものは、「うわ!? うそこっち来」

(;^ω^)「ちょっと待っ………て?」

ノハ*゚Д゚)「わ、あわ、あわわわわ…!」

幕ノ内一歩を彷彿とさせる、見事なピーカブースタイルで驚きの声をあげる女の子の姿だった。
そして赤みがかった茶系の色をした、肩にかかる程度の長さの髪型に、内藤は頭の上に疑問符を浮かべる。

(;^ω^)(……あれ? なんか違う…?)

ノハ*゚Д゚)(ど、どどどど、どうしようーーーー! 見ちゃった上に声かけられちゃったよおおおお!?)

(;^ω^)(……すげえ挙動不審……)

(;^ω^)「えと……君は?」

ノハ*゚⊿゚)「あ、は、はい! 私は柊、柊 灯子です」

ノハ*>⊿<)「でもでも、みんなからは『ひー』とかってよく呼ばれて……
     って、やだ、ごめんなさい! 何言ってるんだろ私!」



14 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:04:51.30 ID:p3HTvCYr0

(;^ω^)「はぁ……それで、君はこんな所で何を?」

ノハ*゚⊿゚)「それは……その、えっと」

ノハ*゚Д゚)o(仮面ライダーさんに会いたくて!)

ノハ*>⊿<)o彡゜「そんなの……だめ、言えないよーーーーー!!!」

(;-ω-)(なんでだろ……怪しい通り越して無関係な気がしてきた……)

( ^ω^)「…ところで、ここで髪の長い女の人を見かけなかった?」

ノハ*゚⊿゚)「え? ああ、黒髪の人ですよね、さっきこの路地を抜けていきましたけど」

( ^ω^)「…そっか」

ノハ*゚⊿゚)「顔は覚えてないですけど、なんかすごい速さで逃げていきましたよ!」

( ^ω^)(となると……もう追いつくのは無理か)


18 :◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:08:37.18 ID:p3HTvCYr0
路地の先を見据える内藤を、少女は呆けた表情で見つめていたが、
ふと、その額に赤い何かの跡を見つけてしまう。

ノハ;゚⊿゚)(これ……血の跡だ! きっと戦ってたんだ、さっきまで…!)

ノハ;゚Д゚)(そして……さっきの女の人がきっと鍵になるんだ…!!)

当然ながら、これは出かける前のコーヒーカップ隕石衝突の痕跡なのだが、
彼女にそれを知る術もなく、その妄想に更なる磨きがかかっていく。

ノハ:>⊿<)(私の馬鹿! 隠されてるキーワードを見逃してしまうなんて!!)

( ^ω^)「…とりあえず、ここはまだ危ないから、早く逃げな」

ノハ;゚⊿゚)「はっ……え、あの!」

何かを言いかける少女だったが、遠巻きに反響するサイレンによってかき消され、
内藤はもう一度だけ早くここを離れるよう告げると、逃げるようにその場を後にした。

そうして一人残された少女は、余韻に浸るように呆けた表情のまま、
やってきた警察の人間に声をかけられるまで、走り去った彼の向かった先を眺めていた。


………。




19 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:10:19.13 ID:NN2543xx0

街の一角を襲った、謎の凍結事件はすぐに噂となって広まった。

そして現場は数日が過ぎた今でも、立ち入り禁止区域として閉鎖されている。
あれから同じ事件こそまだ起きていないが、尾ひれのついた噂は尚のこと人々の恐怖心を煽る。
誰もが不安を抱え、やがて一つの希望を口にするようになった。

ノハ*゚⊿゚)「ここで、ほんとに会ったんだなぁ……仮面ライダーさんと」

('、`*川「分かった分かった、分かったからもう行くよ」

从;'ー'从「そ、そうだよ~……危ないよ~」

立ち入り禁止のロープと、見張りの男がにらむ街角で、女生徒たちがたむろしていた。
人通りはまだほとんど見当たら無い為、その三人は特に目立つ。

事件後の現場だから、と言えば聞こえはいいが、実際にはまだ死体が片付けられていない、
という事実が閉鎖されている本当の理由であり、それを不気味に感じた人々は近寄ろうとはせず、
訪れるのは遺族たちか、興味本位の人間くらいのものだ、が。言うまでもなく、彼女らは後者だった。



22 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:14:45.53 ID:NN2543xx0

('、`*川「大体ヒート、いくら憧れの人に会えたからってさ…ちょっと不謹慎だよ」

ノハ;゚⊿゚)「ぅ……それは確かに……」

氷漬けにされた遺体は、下手に取り出そうとすれば氷もろとも砕けてしまう為、
まだ全ての人を解放できておらず、被害者の身元すら把握できていないのが現状であった。

そして三人は黙祷でもするかのように口を閉ざし、しばらくしてからその場を後にした。

元々は遊びに出かけていたのが、この現場を前にしたせいだろう、
すっかり気分も沈みこみ、誰からともなく今日は帰ろうかという流れになった。

そうして、駅へと続く通りを行く三人だったが、やがて一人は思い出したように口を開く。

从'ー'从「そういえば~、ひっちゃん道場のほうはいいの~?」

ノパー゚)「うん、今日は休みなのだー」

('、`*川「なんだサボタージュか」

ノハ;゚⊿゚)「ちげーし! 何なら今からだって行くし!」



23 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:16:11.97 ID:NN2543xx0

从;'ー'从「今からって……元気すぎだよ~」

ノパ⊿゚)「疲れた時こそリズミカル!!」

そう叫びながら、空手に掴んだ物を振りまわすジェスチャーを始めた彼女に対し、
一人はやれやれと肩を落として呆れ顔、もう一人は愛想笑いを返していた。

('、`*川「何が面白いのかねぇ」

ノパ⊿゚)「別に面白いわけじゃないぞ」

('、`*川「はあ? 面白くも無いのにやってんのかあんたは?」

ノハ-⊿-)「うん、だってそういうのじゃないんだよ、楽しいとか楽しくないとかじゃなくて、
    なんていうのかな、あの張り詰めた空気と、それを裂くような自分の鼓動とか、
    そういうのが………えーと、」

ノハ;゚⊿゚)「好き……とはまた違くて、気持ちいい、というのも何か違うし……
     それにほら、構えたときとか、撃ち込んだ瞬間とかも、こう何かが弾け飛ぶような……」

ノハ;゚⊿゚)「だからえーと……なんだっけ?」

('、`;川「うんうん、もういい、わかった、私が悪かったよ」

ノハ;゚⊿゚)「ちち、ちょっと待って! 今考えてるから!」



25 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:18:49.22 ID:NN2543xx0

从'ー'从「じゃあ、最後に何か食べながら考えよう~」

('、`*川「そうねえ、どこ行く?」

从'ー'从「……あんまり、人目が少ない店がいいかな~」

('、`*川「ああ…隠れ家的ってやつね、ていうか何でさ?」

从;'ー'从「えーと~…」

ノハ#゚⊿゚)「そう、あれだ!! 心を鍛える為にやっているのだあああああ!!」

('、`*川「……成程ね」

こうして、三人は通りを抜けて裏道へと入っていった。

やがてどれだけ歩いただろう、その先に、一つのこじんまりとした喫茶店を見つける。

場所のせいもあるだろうが、英単語三つからなるその変な名前の店に客は見当たらず、
小奇麗な店先から覗く店内では、二人の女の子が椅子に腰掛け、店主と思われる一人と談笑していた。



26 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:20:15.45 ID:NN2543xx0

('、`*川「ここでいいんじゃない? まさに隠れ家って感じだし」

从'ー'从「びっぷ……でいいんだよね~」

ノパ⊿゚)「前から思ってたんだけど、こういう店って経営どうなってんだろ」

('、`*川「まあ、金持ちの道楽なんでしょ」

扉を開ければ、穏やかなBGMとコーヒーの香りが出迎え、
カランカランと鳴るベルの音と共に、店員と思わしき女性の声が響く。

ξ゚ー゚)ξ「いらっしゃいませ」

从'ー'从(わ、綺麗な人~…)

('、`*川(どんな化粧水使ってればこんな肌になるんだ……)

外からでは判別できなかったが、金色の髪を二つに纏めたその女性は大層美しく、
むしろ、それだけでも一部の客を呼べるのではないかとすら思わせる。

だが、やはり中にも客は一人も見当たらない。

思わず「営業中ですか?」と聞きたくなるような店内は、どこか空気も違っていた。
三人は奇妙な緊張を感じながら、促されるままにカウンター席へと腰掛けた。


27 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:22:10.38 ID:NN2543xx0

すると差し出されるのは、メニューとお絞り、そしてほのかに湯気を立てるコーヒーだった。

( ・∀・)「やあ、新顔さんだね、まあゆっくりしていってよ」

店主と思わしき人物は、三つのカップを静かに置きながらそう口にする。
それはまるで、自宅へ招きいれたお客をもてなすような仕草だった。

('、`*川「あ…どうも」

ノハ;゚⊿゚)「い、いただきます…」

流石にこの穏やかな空気にのまれたのか、はたまた緊張故にか、
先ほどまで元気にはしゃいでいた女の子も、礼儀正しく座っていた。

しかし、ふとカウンターの奥へと目をやれば、棚の影に隠れるように、
金色の髪を揺らしながらお皿を運ぶ、小さな姿があった。

ζ(゚ー゚*ζ「~♪」

('、`*川「ん? 子供…?」

( ・∀・)「ああ、うちのバイト君その三だよ」

从;'ー'从「え、ええ~っ?」イイノ!?

けれど、話を始めてみれば固かったのは最初だけ。
三人はすぐに打ち解け始め、しばらくの時間をそこで過ごした。


29 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:25:12.16 ID:NN2543xx0

そして陽も傾き始める頃。

( ・∀・)「近頃はいろいろ物騒だからね、暗くならないうちに帰ったほうがいいよ」

ノパ⊿゚)「……ドーパント」

( ・∀・)「まあ…そうだね、ニューソクであんな事があってばかりだし」

元々は都市伝説として扱われていた、ガイアメモリが起こす事件だったが、今や誰もが知る物、
そして近頃はその認知度に比例するように、被害もより大きな物が増えていた。

どこかで船が沈み、沢山の人が死んだ事でさえ対岸の火事であった人々も、
自分がよく知る場所や、居場所で起きた事件とあっては話が違う。

一応は警察なども見回りや警備を強化しているが、事件の起きる場所に規則性は存在せず、
さらに相手が人ならざる存在である以上、不安や怖れもあり、大々的にも動けずに居た。

( ・∀・)「実はこの辺りでも、見かけたって話があるんだよね」

ノハ;゚⊿゚)「そ、それも、氷の怪人が!?」

( ・∀・)「いや、なんでも……ババコンガが居たとか」


30 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:27:32.67 ID:NN2543xx0

ノパ⊿゚)?「ばば……」

( ・∀・)「…うん、キングコング、だね」

ξ゚⊿゚)ξ「女を捕まえてビルに登ってたとか、そういう話があったんですよ」

从;'ー'从「へ~知らなかったです~…」

('、`*川「なんか映画であったなそういうの…」

( ・∀・)「まあ、とにかくそんな話もあるから―――」

と、そこで外から聞こえてくるのは、バイクが鳴らす排気音。
それは店のすぐ横で停車し、メットを外した男が入り口のベルを鳴らした。

お客だろうか、と横目に見る三人を尻目に、小さな女の子はぱっと笑顔を浮かべ、
ただいま、と告げる声を出迎えた。そして、その男の顔を見るなり、一人が驚いた風に声を荒げた。

ノパд゚)「え………」

('、`*川「ん?」

( ・∀・)「バイト君その二が帰ってきたね」


31 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:29:43.21 ID:NN2543xx0

从'ー'从「ああ~言ってた人ですね~」

ζ(゚ー゚*ζ「おかえりブーン」

( ^ω^)「ただいまだお、カノンちゃん」

ζ(゚- ゚*ζ「もー! まだカノンって言う!」

(;^ω^)「てか、めっずらしいな……お客さんが居るじゃん」

ξ゚⊿゚)ξ「ああ、こりゃ明日は雪が降るぜ」

(;・∀・)「君らね……」

ノハ;゚Д゚)「ぁ、ぁ、あーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!???」

そして突然、奇声を上げながら立ち上がり、椅子を後ろへ転げさせながら指を向け、
何事かと動揺する周囲を気にも留めず、続けざまにこう言った。


ノハ*゚Д゚)「仮面ライダーさん!!!!!」




32 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:31:12.70 ID:NN2543xx0

ξ゚⊿゚)ξピク「………」

ζ(゚ー゚;ζ「!」

('、`;川「はあ!?」

从;'ー'从「ええーっ?」

( ^ω^)「……? ああそうか、こないだの子か」

ξ゚⊿゚)ξ「なんだ、知り会いなのか?」

( ^ω^)「いや、現場でちょっと会ったんだよ」

ξ-⊿゚)ξ「ふーん? 正体不明のヒーローさんが、そんな簡単にばれていいのかい?」

( ^ω^)「なるべく、隠してただけだって」

ノハ*゚⊿゚)「こんな所で会えるなんて……私、感動です!!」

('、`;川「いやいやいや、いや、ちょ、ちょっと待って!?」

从;'ー'从「ほ、本当なんですか~……?」

ζ(゚ー゚*ζ「ほんとだよ、ブーンは仮面ライダーって呼ばれてる人だよ!」


33 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:34:46.71 ID:NN2543xx0

交通ルールを守っていると、わざわざ外す必要が無い。
そうして戦っている内に、気づいたら仮面ライダーと呼ばれていた。
気付けば、引っ込みがつかなくなっていた。

男は緊張感なく笑いながら、暢気にそう言う。

('、`;川「じゃあ、その……やっぱり、あなたもドーパントなんですか?」

( ^ω^)「ああ…まあ、ね」

('、`;川「……」

从;'ー'从「……」

( ^ω^)「同じ怪物だから、怖いかな」

从;'ー'从「そ、そんな事は……ない…ですけど」

('、`;川「……じゃあ、どうして、戦っているんですか?」

( ^ω^)「どうして、か……」

その質問に、男は少しだけ笑顔に陰りを見せた。
しばしの沈黙があって、男は続ける。


34 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:37:29.95 ID:NN2543xx0

( ^ω^)「……火狐、ファイアフォックスの件は、知ってるお?」

('、`*川「豪華客船フォックス号、謎の炎上によって沈没……ってやつですね、聞けばあれもドーパント絡みだとか…」

( ^ω^)「それそれ、それで…君らはその事をどう思う?」

ノパ⊿゚)(……許せないよね)

('、`;川「えーと、まあ……酷いなぁ、と」

从;'ー'从「私は怖いと思います~…」

('、`*川「それが何か…?」

( ^ω^)「俺はね……それが、許せないって思う」

ノハ*゚⊿゚)「!」

( ^ω^)「あの事件の事もそうだけど、その結果として、誰かが悲しみ、誰かが泣いている、
       そして君らみたいにただ平和に暮らす人まで不安にさせて、この街さえも泣かせているんだ」

('、`*川「…………」

从'ー'从「…………」

( ^ω^)「そんなのが正しい筈がない、これ以上、繰り返させたくない、だから―――」


35 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:39:32.57 ID:NN2543xx0


………。


斜陽の影が続く、オレンジの街並みを横目に、三人は再び駅をめざした。
なんとなく、暖かな感情に浸りながら、特に言葉も無いまま足音と喧騒だけが響くが、
やがて前を向いたまま、誰にともなく一人が言った。

('、`*川「やれやれ……なんていうか、絵に描いたようなヒーローっぷりだったわね」

ノハ*´⊿`)「……うn」

从'ー'从「よかったね、ひっちゃん~」

ノハ*´⊿`)「…うn…うn」

('、`*川「駄目だこりゃ」

从'ー'从「メルアドもゲットだもん、これでいつでも会えるね~」

ノハ´⊿`)「……?」

('、`*川「そうねぇ…しかし、その辺はずいぶんと軽かったわね内藤さん」


36 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:42:53.12 ID:NN2543xx0

ノハ; ⊿ )「……???」

从'ー'从「え~? 何かあったら教えてって事でしょ~?」

ノハ; ⊿ )「……め?」

('、`*川「や、まあそうだろうけどさ、仮にも正体不明のヒーローよ?
     そんな簡単に連絡先を教えていいものなのかと……ん?」

从'ー'从「ひっちゃん~? どうし」

言葉も途中に、目を血走らせた彼女に両肩を掴まれ、渡辺は挙動不審に陥った。
しかし、それ以上に挙動不審なヒートは、そのまま掴んだ体を激しく揺すりながら叫ぶ。

从;'ー'从「わわわわーーー!」

ノハ;゚⊿゚)「メルアドってなに!??!?!? どういうこと!?!??!??」

どうにか答えようとする渡辺だったが、がくんがくんと頭を揺すられ言葉にならない。

ノハ#゚Д゚)「いつでも会えるってなんだああああああああああああああああああああああああああ!!!」

从;'Д三д';从「あうあうあうあ~~~~」

('、`*川「落ち着け」


37 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:46:26.50 ID:NN2543xx0

と、そんな一言と共に放たれたのは、後頭部を貫く衝撃、いわゆる突込み的なチョップである。
そしてヒートは思いの他痛かったのかその場でうずくまり、渡辺はふらふらと壁に衝突した。

ノハ;⊿;)「痛い」

('、`*川「二つの意味であんたが悪い」

从;@ヮ@从「ひっちゃん~呆けて聞いてなかったんだよ~」

ノハ;゚⊿゚)「な、な、なにしてるだァーーーーーーーー!!!!!!」

('、`*川「ほれ、アドあげるから携帯だしな」

ノハ;゚⊿゚)「……!! 要らない!!」

('、`;川「なんでよ?」

ノハ;゚⊿゚)「そんなの駄目だもん!! 私、自分で言わなきゃ、そうでなきゃ、ただのアドレス泥棒だよ!!
      だから駄目! そんなの仮面ライダーさんに失礼オブジイヤーだよ!!」

('、`;川「いや、内藤さんもそれでいいって言ってたけどな…」

ノハ;⊿;)「本名で呼ぶなあああああああああああああああああああああああああ!!!」


38 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:48:01.15 ID:NN2543xx0

('、`;川「泣くなよ……」

ノハ#゚⊿゚)「もう知り合い気取りか! 仮面ライダーと言ったら「ああ、内藤さんね」とか言っちゃうのか!!
     そんで「え、知ってるの?」とか言ったら「まあ…ちょっとね、ふふっ」とか言うんだなああああああ!!??
     くそ、なんだこの、いいなちくしょう! いい気になりやがって! ぺっぺっ!」

('ー`*川(なんかめんどくさくなってきた…)

从;'ー'从(いっちゃん……絶対、めんどうくさいとか思ってるよ~…)

ノハ#゚⊿゚)「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお、覚えてろよおおおおおおお!!!!」

('、`;川「って、どこ行くんだ!?」

ノハ#゚⊿゚)「もらってくる!! ここは私に任せて先に帰るんだ!!」

こうしてヒートは一人、来た道を駆けていく。
人ごみは夕暮れ時というのもあって、皆駅の中を目指していた。
残された二人も、そんな彼女の背中をしばらく見送ってから構内を目指す。



39 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:49:43.60 ID:NN2543xx0






そして、そんな中に一人。






( ><)

道行く人々を眺めながら、卑しく笑みを浮かべる男が居た。
ジーンズの前と後ろを膨らませ、主に見るのは制服姿の女生徒たち。

やがて、男は立ち上がると、駅へと向かう人の流れの中へと消えていった。

第二話 おわり




40 :二話◆aYo30Ks4N6:2010/02/13(土) 00:52:59.68 ID:NN2543xx0
庭には二羽鶏が居て二話もここまで
続きは今日中には投下できるかも、でも夜にはなるよ
おやすみなさい


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 00:59:26.43 ID:oDMh3Gg50
乙!!
続き期待してる!


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/13(土) 01:26:32.46 ID:li7/W4PN0
   `・+。*・     (´・ω・`)
     。*゚  。☆―⊂、  つ  
   。*゚    :     ヽ  ⊃
   `+。**゚**゚       ∪~


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