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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋ギコ~のようです 詰まる所のおまけ

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48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:42:18.09 ID:AEbCitwn0

詰まる所のおまけ 

いつか、月と太陽が入れ替わる時


――激闘の、少し後。
無機質な蛍光灯が照らす道、淡い雨の中を歩く者がいた。
夏用の学生服。黒の髪と日本人的で百人が百人「美形」と認める綺麗な顔立ちが目を引く。

( -∀・)「…ったくもう」

先ほどまで戦っていた男、『正体不明』だった。
蒼白い顔。口元には血が滲んでいる。なんとか、と言った感じに気だるく片目を閉じ、ひたすらに歩いている。
その足取りは重い。

何故なら。

|゚ノ -∀-)「スー…スー……」

背中に、主人であるレモナを背負っていたからだ。
どうにも本当に楽しい勝負だったらしい。満足げな表情で眠っている。
散々暴れた挙句眠り込んでしまうところは、やはり子供なのだろう。少し幼過ぎる気もしなくはないが。


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:45:15.89 ID:AEbCitwn0
――足が止まる。
首を少しだけ動かし、背中に乗った少女の寝顔を眺めた。
薄暗くともその整った容姿が良く見える。

( -∀-)「…………」

しばらくの後。
柄にもなく、見惚れてしまった自分を嘲笑するよう鼻を鳴らした。
一度、背負い直す。一瞬重力が加わり重さが増した。レモナは今成長期。あっという間に大きくなる。

|゚ノ -∀-)「スー……」

(  ∀)「……っ」

我慢できなくなり、右手を離して優しく頭を撫でた。
それを知ってか知らずかレモナの表情が惚ける。

――本当に、愛おしい。

…そう想いながら手触りの良い髪をニ、三度梳く。その存在を確かめるように。
視界に自らの腕が。右の手首に刻まれた、無数の傷痕が痛々しい。だが、そんなことどうでもいい。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:46:58.56 ID:HZIQ2cALO


これで第一部完か。次はしばらく先になるのかな

べっ、別に寂しいとか思ってないんだからね


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:48:16.19 ID:AEbCitwn0


――キリがないことに気づき、止めにした。
心なしか空が先ほどより明るくなっている気がする。

( -∀-)「…はぁ」

身体全体にかかる重さと柔らかさと暖かさ。
耳元には寝息がかかってこそばゆい。石鹸の香りが鼻腔をくすぐる。
首に回された両の手のせいで呼吸が苦しいが、というか割と吐血しそうだが、それは言わば「心地良い苦しさ」だと彼は思う。

( -∀・)「………そっか」

再び歩き出しながら、彼は同じようなことがあったと思い出した。
…いや、その時は逆だった。自分は背負われる方だった。時間帯は同じぐらいだったか。それも逆だったか。

『……やっぱり、人は暖かくて重たいですね』

――遥か彼方遠い昔の淡い記憶。
「自分はこういう風にしか生きていけない」と、はっきりと自覚したその日。
何かがおかしくなってしまったその日。

…思い出すと、溜息しか出ない。


52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:51:17.51 ID:AEbCitwn0


――だが、やり直すか?と聞かれれば断るだろう。

…悩むかもしれない。でもきっと、断ってしまうのだ。
そういう人間でそういう人生を送ってきたと自負している。

僅かに残った傷から血が流れ出る。
それは真紅の雫を作り、やがて落下していく。
…しかし地面に辿り着く前に光る砂となり、流され消える。


( -∀・)「――っ」

――がりがり、といきなり右脳と左脳の間で音がした。
思考を乗っ取られるような感覚。不快なものでは決してなく、滑らかに滑り込んできた。
その耳障りの良い『音』が。

『ほら、また』

( -∀・)「…………はぁ」

『……やっぱりあなたは憎らしいわ』


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:54:14.68 ID:AEbCitwn0
賛美歌のような声音。
平坦でありながら、この上なく心地良い。

『舞い散った羽と紅い閃光。…また、助けた』

( -∀-)「…………」

『――相変わらず優しいのね』

憎々しげに溜息を。あるいは、照れ隠しか。
この地上にいる限り、否、存在しえる限りに切れない繋がりからの声。
自分の代わりを、夢の続きをやってくれている彼女に。

( -∀・)「僕は、神様以上に気まぐれなんだよ」

それだけ言い残して通信を終える。
何故か無性にカラオケに行きたくなった。


――愛しているのに愛さない。
彼は、自分が幸せにできる人しか愛さない。だから、誰も愛さない。
もう隣には誰もいない。誰も――いない。


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 22:57:15.26 ID:AEbCitwn0


けれど。
けれど――。


立ち止まり、空を仰ぐ。
曖昧な瑠璃色の空。もうすぐ、本当にすぐに朝が来るだろう。
……三度背中のレモナを伺い見る。

|゚ノ -∀-)「スー…スー…」

( -∀・)「………はぁ、まったく」

確認すると、再び背負い直した。
腕でしっかりと抱き締め固定。強過ぎるほど強く。深過ぎるほど深く。暖か過ぎるほど暖かく。

――もう二度と、大事なモノを落とさないように。
もう決して、大切なことを忘れぬように。



九日目 いつか、月と太陽が入れ替わる時 終


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:00:15.45 ID:AEbCitwn0
…はい。敵側?のエピローグ的な何かです。ある作品を読んで頂いた方はよく分かったですかね。
あちらでは、夕方で話が終わります。こちらでは、夜明けで話が終わります。当主様の十数年続いた夜がやっと終わります。
多分、これからは幸せなんじゃないでしょうか。

とにかく傍に居たいという人間らしい弱者、相互の愛。
自分の隣じゃなくてもいいから、その人が笑っているだけで嬉しい強者、奉仕の愛。
…皆様どちらがお好みで?


【第二部・予告】
届かない異端医の話、町内“超”野球大会、蛟の懺悔談、流石な末弟の相談事、ギコとある子供の一日、レモナと愉快な仲間達の日常等々……
…そして。ギコの人生の中で最も大きな傷を残した、親友と後輩との運命の日。
予定は未定ですが、そんなラインナップでお送りします。


――最初に言っておきますよ。
バトル一割、ギャグ三割、残り全ては「遣る瀬無さ」です。
ギコがどうなるのか書かないといけないでしょうしね。

何かリクエストがあれば。
これからは更新頻度は落ちます。のんびりゆったり行くつもりです。


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:03:15.65 ID:AEbCitwn0
追伸です。
次回の投下は三月になるかと。普通に月一では投下します。
…この作品に何が求められているのかイマイチ分かりませんが、とりあえずバトル話はしばらくなしです。多分。


アレですよ。これから先は本当に「助け屋」な話なので。今までのように良く分からない話はなし。
色んな人に介入し助けます。おそらく死人は出ません。多分、出ません。多分。

そして、相当先になりますが二部のラストは『運命』の話。昔から企画だけはあったもの。
今度は「レインメイカー」とリンクしますので。
高校時代の話です。アサピーの秘密やらミセリの恋やら何やら。



ってか他の雑多の話は誰のやつをやればいいんでしょう?キャラが多過ぎてなんともね。
ラブコメがいいですか?ただし死亡フラグですよ。
ああ、あと時折物凄く哀しい話がありますので気をつけて。

まぁ、これからもジャンルは無茶苦茶ですが、お時間の許す限りどうぞよろしく。
ではこれにて。


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:07:15.28 ID:iQ8n/WcAO
ハッピーエンドがいいです


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:11:35.17 ID:AEbCitwn0
>>57
ご存知かもしれませんが、ネタバレ作者はハッピーエンドが凄く苦手です。
というか僕が考える「ハッピー」が皆様と食い違っているのです。
…でもまぁ、これでは大丈夫でしょう。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:18:45.15 ID:HZIQ2cALO
トソンと当主様じゃない方のモララーとの馴れ初めがちょっと気になります


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:22:59.51 ID:AEbCitwn0
>>59
ネタバレ作者の最後の作品となるであろう長編で詳しく。
あらゆる長編、短編、ブログ内作品のキャラが登場し、主義主張信念で殺し合いする話です。
…ただし、いつから投下し始めるか分かりません。
期待しないで下さい。


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/20(土) 23:45:14.42 ID:HZIQ2cALO
>>60
そっか、わかった
気長に待ってるぜ


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