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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 十日目午前

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:23:04.26 ID:BZmZXZXC0
第二部だよ。
まとめは、面白蛇屋さん、ブーンがまとめブログを武器にさん、そしてくるくるくーるさん。


何が変わったのか、と言われると悩む。
雰囲気はコメディに戻ります。多分。



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:26:13.75 ID:BZmZXZXC0
【本日出てきそうな主な一行人物紹介】
(,,゚Д゚)…主人公。
(,,〃Д゚)…↑の基本人格のようなもの。

( ^Д^)…策士。
(#゚;;-゚)…少女。
o川*゚ー゚)o…色欲者。

【本日のその他】
(-@∀@)…親友。
(*゚∀゚)…異端医。

|゚ノ ^∀^)…未熟。
lw´‐ _‐ノv…鍵。
( -∀・)…“正体不明”。

【今宵のテーマ】
予断を許さぬ余談。

【あまったスペース、本日の一言】
そういや「主人格」と「基本人格」って何か分かりますか?


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:29:13.89 ID:BZmZXZXC0


どこかの世界の、いつかの時間。
弱虫ですぐ泣いて、ほんの少しだけ変わっていて、……何よりとても優しい男の子がいました。
彼の周りには人も人じゃないモノも沢山いて、みんな彼と同じく“ほんの少しだけ”普通ではありませんでした。

…でも。きっとそういうものなのでしょう。
人には言えない事情や取り返せない過去なんて、誰でも一つぐらいは持っているものです。
変わることも、進むことも、強くなることも、中々できないもので。


――それでも今日も、きっと明日も明後日も、彼等は助け合って生きていきます。
「もしかすると人間も人間以外もあまり変わらないんじゃないのかなぁ?」
……これは、そんな物語。


(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!!」~助け屋グロウアップ~のようです



十日目 午前
『もう一回?“病院”と書いて“フリダシ”と読ませたい……!』


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:29:44.77 ID:rrKau+NL0
本物?
タイトルが変だけど


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:32:10.52 ID:BZmZXZXC0
――どこかの世界のいつかの時間。
というか、具体的に言ってしまえばVIP州西部のとある診療所の二階の一番奥の部屋にて。
「助け屋」の社長であるギコール・ハニャーンは目覚めた。

(,,-Д-)「うぅぅ……」

( ^Д^)「ああ、お早うございます、ご主人」

(,,゚Д゚)「…うん。なんかさ、物凄く身体がダルイんだけど」

( ^Д^)「気のせいです」

(,,゚Д゚)「……あと、質問なんだけどさ」

( ^Д^)「はい」

(,,゚Д゚)「なんで俺、包帯とギプスだらけでベッドに寝てるの?」

( ^Д^)「…………」

烏の濡れ羽色の髪。質素な和服に身を包んだ八咫烏、――プギャーはしばし黙り込む。
ヘタレてない方のギコの言葉を思い出しながら考える。
目の前の童顔で人の良さそうな感じの青年は、あの稀代の魔法使いとは何かが違う。


6 :あと一回はタイトル変更するって言いましたよ?:2010/02/27(土) 20:35:43.77 ID:BZmZXZXC0
( ^Д^)「(……やっぱり、『DID』かよ)」

つまり、解離性同一性障害。
虐待などの強い心的外傷から逃れようとした結果として、解離により一つの身体に二人以上の人格が宿る精神疾患。
明確な治療法はなし。……というよりも、“何を以て完治とするか”が元より不明確。

(,,-Д-)「……今何日?…うぅん、でぃちゃんと買い物に行って、呼び出され……――呼び出された?…誰に?」

ギコール・ハニャーン。
主人格である彼は、どうやら基本人格であり保護人格の“もう一人の自分”と記憶は共有していないらしい。

従者で保護者なプギャーは色々考えた。
深く、深く考えた。

――結論として。

( ^Д^)「………ご主人」

(,,゚Д゚)「?」

( ^Д^)「……それは気のせい、です」

誤魔化してみることにした。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:38:12.87 ID:BZmZXZXC0
(;゚Д゚)「…………えぇ~」

納得のいかないギコ。当たり前である。
記憶の抜け落ちと少なくはない怪我を全て「気のせい」で片付けられたわけだから。

( ^Д^)「――ってねぇ、ご主人。あなたの中にはもう一人“自分”がいるなんてこといきなり言われて信じるわけ――」

(,,゚Д゚)「……え?それってギィちゃんのこと?」

( ^Д^)「信じるわけ――、………え?」

今、なんて言った――?
“ギィちゃん”のこと――?

(,,^Д^)「ギコハハハ~。語尾に『ゴラァ』とかつける怖い人なら、たまに何か囁きかけてきたりするよ。時折ツッコミも」

( ^Д^)「…………」

(,,゚Д゚)「そっかー。てっきり夢の発展系か何かだと思ってたけど外に出れたんだね~」

…どうやら、ギコの中では“もう一人の自分”については既に片付いた問題だったらしい。
なんか知っていた。妙なニックネームまでつけていた。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:41:15.50 ID:BZmZXZXC0
(,,^Д^)「そうかそうかー。ギィちゃん、やっぱり存在したのか。幻聴だと思ってちょっと怖かったけどこれで安心――って、アレ?」

( ^Д^)「…………」

(;゚Д゚)「…アレ?」

沈黙。沈黙。沈黙。
沈黙――。

(  Д)「……ふぅ」

息を、吐く。
そして。大きく息を吸い込み――

( #^Д^)「知ってんなら最初から言いやがれこの馬鹿ご主人がァァァアア!!」

バチコーン!

(,,;Д;)「ぎに゛ゃぁぁぁっ。なんでぇ!?」

――怒鳴った。及び、ブン殴った。
八咫烏のプギャー。この三日、――レモナとの一件からの総睡眠時間、およそ四時間ほど。
…その不眠の理由は彼の名誉の為に聞かないであげて欲しい。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:44:01.61 ID:rrKau+NL0
本物か支援


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:44:12.84 ID:BZmZXZXC0
……………


(-@∀@)「……どうしたの?」

(,,;Д;)「なんでもないでず……」

理不尽とも言える怒りから主人に手を挙げた真っ黒な男は、「煙草買いに行きますっ」と乱暴に言い残して出て行った。
……その頬は僅かに綻んでいたわけだが、アレがでぃちゃんの言ってた男のツンデレか、と思ったりもしたギコ。
他の奴等がどれほど心配したかも知らずのん気な奴だった。


閑話休題。
眼鏡をかけた中性的な顔立ちの、華奢な部類に入る青年。
朝比奈そよ。学生時代からのギコの友達で、現在は大学生をやっている。

(-@∀@)「ま、いいけどさ。……大丈夫なの、その後は」

(,,うД゚)「よく分かんないケド……。ギィちゃん、引き篭もりだから」

基本人格ではない人格を「引き篭もり」と称するのが妥当かどうかは置いておいて。
簡素な椅子に腰掛けたアサピーは、ふぅん、と適当に返事をした。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:47:11.71 ID:BZmZXZXC0
ちなみにギコがもう一人の自分のことを受け入れられているのは、一重にアサピーのおかげだったりもする。
高校時代。初めて内側からの“声”を聞いた際のこと。

(;-Д-)『こないだね、心の奥の方から変な声が聞こえた気がして……』

(-@∀@)『大丈夫。僕のお兄ちゃんも常時そんな感じだったから』

(,,゚Д゚)『え、ホント?』

(-@∀@)『呪力線が沢山の人と繋がってるから思考が流れ込むんだって。召喚師だし、そういうのもあるんじゃない?』

(,,^Д^)『な~んだっ。良かった』

――そんなある日の文芸部での会話。以降、ギコはとりあえず流すことにした。
両者共、馬鹿極まりなかった。
その時何かしらのアクションを起こしておけば、先日の出来事は防げた気がしないでもない。

ただ。

(-@∀@)「…………いいけどさ、別に」

彼は何か違うことを思っていたのかもしれないが。
座る青年の眼は、その眼鏡の所為か、――伺い見ることはできなかった。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:50:11.59 ID:BZmZXZXC0


(-@∀@)「ねぇ、ところで」

――この話は終わり、と言わんばかりに立ち上がる。
帰り支度をしながらアサピーは小さな声で一言。

(-@∀@)「……扉のトコでニヤニヤしてるのがいるんだけど……アレ、何?」

(,,゚Д゚)「へ?」

病室の扉。が、僅かに開いていた。
そしてその隙間より――

(# ;;ー)「…えへ、えへへへ……」

(;゚Д゚)「うわっ」

――何か、物凄く良い笑顔で、何かが室内を覗いていた。
猫耳を頭の上に乗せた「清楚」という表現が一番よく似合う少女……の、はずなのだが……
本日はとても、清々しいほどやらしい笑みを満面に湛えている。揺れる尻尾からもご機嫌具合が嫌と言うほど伝わってきていた。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:53:12.31 ID:BZmZXZXC0
(;-Д-)「ああ、アレね……」

半ばウンザリしたように、小声で事情を説明し出す。
くれぐれも、あの猫又のハーフには聞こえぬように気を使いながら。

(;゚Д゚)「…でぃちゃん、あの……いわゆる、」

(-@∀@)「腐女子?」

(;-Д-)「に、近いものなのかも……。違うかな?」

――猫耳尻尾。貧乳で着物好きで淫魔。不幸で奥ゆかしい女の子。そんな属性の塊のような少女の性癖は、特殊だった。
“男の娘萌え”という何とも度し難くもあり、「腐女子」と表現できないこともないが、何か色々色んな意味で間違っている……そんな。
草食系男子が好みだと言えば聞こえはいい。…けれどピンポイントに“女装させられた男の子”が好きな彼女はもう駄目かもしれない。

(-@∀@)「なるほど……。じゃあ、僕は逃げることにするよ」

(,,゚Д゚)「逃げる?」

うん、とアサピーは返す。
そして溜息をつきながら言った。

(-@∀@)「………ここにいると僕まで巻き添え食らうし。じゃあね、ギコ。気をつけて」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:56:12.78 ID:BZmZXZXC0
……………


――親友の言葉を図りかねたままのギコ。
その隣に、今度は話題に上っていた猫又少女が座っていた。

(#゚;;-゚)「……浮気を、してしまいました。いけない子なのです」

腰掛けた彼女は開口一番、そんな言葉を零した。少なからず驚くギコ。
無論驚いた理由は、つい数秒前まで世俗に塗れ過ぎな感じだった彼女が一瞬でいつも通りに戻っていたからだった。

ギコは、特に発言の意味も考えず続きを促す。
対しでぃは肩を竦め、申し訳なさそうに背中を丸めて、じっくりと言葉を選ぶように話し出す。

(#゚;;-゚)「当主様に、会いました。それで――」

(,,゚Д゚)「――生きてたっけ?」

(#゚;;-゚)「…………」

――根本的な疑問だった。
そりゃそうである。今の主人であるギコール・ハニャーンは夏ごろ、件の「当主様」の墓まで見ている。
しかも頻繁に生前の話を聞いていたせいで、すっかり過去の人だという認識だったのだ。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 20:59:09.72 ID:BZmZXZXC0
ギコがちょっと心の奥へ押しやられていた間に起こった騒動。
その、うっかり自分が自分の知らないところで死に掛けた事件に一枚どころではなく噛んでいた当主様を、当然、ギコは見ていない。

…それは彼女だって分かっている。
連日連夜人外達で会議を行ったりもした。今後どうするか、について。
しかし、それをギコが知るはずもない。あの日から眠りっぱなしだったのだから。


つまりは事の顛末を説明しなければならないわけだが。
どうするかでぃは悩み、結局――。

(#゚;;-゚)「…………さぁ?」

(;゚Д゚)「ええぇ~、またその曖昧パターンなの?」

――とりあえず、適当に誤魔化してみることにした。
俺って墓石に負けたのかな……、と落ち込みかけるギコを見かねて流石に悪いと思ったのか、簡単に説明し始めるでぃ。

(#゚;;-゚)「死んだ、と思っていたら生きてました」

(,,゚Д゚)「良かったじゃん」

(#゚;;-゚)「と思ったら、やっぱり死んでいたみたいです」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:02:11.20 ID:BZmZXZXC0
(,,゚Д゚)「…幽霊ってこと?」

(#゚;;-゚)「と、思ったら、ただでさえ滅茶苦茶だった思考形式と戦闘能力が桁外れに、神様のように昇華されていました」

(;-Д゚)「幽霊になって強くなったの?」

(#゚;;-゚)「と思ったら名前呼んだだけで“人間”に戻ってしまわれました。刺しました」

(;-Д-)「(…刺した?)……生き返ったの?」

(#゚;;-゚)「と思ったら、どうやらわざと負けてくれたらしく、ついでに最初から錯覚させていただけで人間だったみたいです」

(;゚Д゚)「…………結局、生きてたの?」

要領を得ない、されど一抹の正しさを含んだ説明に結論を求める。
でぃはゆったりと目を閉じ、長い思案。愛しい人を思い浮かべ、じっくりと、考えた。
そして――。

(#゚;;-゚)「……さぁ?」

(;-Д-)「結局そこに戻るのか……」

――何も、進まなかった。


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:05:10.56 ID:BZmZXZXC0


(,,゚Д゚)「……ところでさ、小指どうしたの?」

――突然、気づいたギコが問い掛ける。
視線の先には白。包帯が巻かれた小指があった。

(#゚;;-゚)「これは……その、浮気の件で………」

(,,^Д^)「ギコハハハ!駄目だよ、でぃちゃん。小指ってのは運命の人と赤い糸が繋がってるんだから大事にしないと」

(# ;;-)「――――っ」

“今の主人として”の、今月一番の空気の読めない発言だった。
その言葉を聞き、何かから逃げるように顔を逸らした少女。そして黙って目を伏せた


でぃは、思う。
…分かっている。そんなことは、わざわざ言われるまでもなく分かっている、と。
分かっていて、だからこそ小指を折ったのだ。




18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:08:11.11 ID:BZmZXZXC0
――運命の赤い糸。
一般的に、由来は北宋時代に編纂された類書である『太平広記』による『定婚店』とされる。
その逸話に登場する冥界の住人の「月下老人」は、現世の男女の足首に決して切れることのない赤い縄を結び、婚姻を取り決めたと伝わる。

それがいつの間にやら遊郭女の「指きり」、――小指を切り落し不変の愛を誓う行為とも混じり、『運命の赤い糸』となった。
また月下老人は『晋書』の縁結びの神である「氷上人」と合わさり、仲人を意味する「月下氷人」という言葉も生まれた。


(# ;;-)「…………御主人様の、ばか」

――だから、彼女は小指を折ったのだ。
察しない“今の主人”に聞こえない程度の小さな声で呟いた。


たとえ運命の相手ではなかったとしても、簡単には諦められなかった相手。
簡単に諦めて良い出逢いではなかった想い人。
合わせ鏡の恋人には劣るし初恋かもしれない人には勝てないし最初の友達には遅すぎて彼が恋焦がれた親友とは比べることさえ馬鹿らしい。

それでも、少しは信じていた。
…その彼と繋がっているかもしれない小指を折った。
つまりは――。

(# ;;-)「なんで、気がつかないのです……」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:11:10.90 ID:BZmZXZXC0
――つまりは、それは主張だった。
「私の想い人は今のご主人様」という紛れもない愛の告白。
少女は悔しそうに形の良い唇を噛む。かあっと頬を朱色に染めながら

(# ;;-)「…それにちょっとぐらい……嫉妬してくれたって……」

(;゚Д゚)「え?なに?」

どこがとか、何がとか、――そんなものは関係ない。
泣き虫で全然カッコ良くないし、いつまでも気持ちには気づかないし、本当になにもできないけど。
けど――

(;^Д^)「い、いやぁ。でもアレだよね、でぃちゃんと話してると落ち着くっていうか。安心感みたいな、“家族”だし、あの……」

(#//-/)「――っ、もう知りませんっ!知らないのです!!」

(;゚Д゚)「え、なんで?なんで怒ってるの?ねぇ、」

けれど、そんなものは人が人を好きになることに何の関係もないのだ。
恋に狂うとは間違いだ。それはそもそも狂気なのだから。とてもとても神聖な、――優しく甘い精神(こころ)で狂気。

そんなわけで、でぃは今日もそれなりに幸せだった。
…恋する者にとっては、愛する行為自体が幸福なのだから。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:14:10.33 ID:BZmZXZXC0
……………


(# ;;-)「……ぁ」

(,,゚Д゚)「でぃ、ちゃん……?」

――唐突に。本当に、何の前触れもなく訪れた。
簡素な椅子に腰掛けていたでぃの意識が飛んだのだった。

すっと、何かに憑かれたように。
誰かが意図として奪ったかのように。

(;゚Д゚) ゾクッ

寒気。
しとしとと降り続く雨の所為ではない。
感じたのは背筋が凍るほどの、甘ったるい恐怖。

幸せな悪夢のような。
人を殺し尽くす幻想曲。

それは――、


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:17:13.31 ID:BZmZXZXC0


――顕現した。

「……ふぅ」

どこにでもいて、どこにもいない。
鮮明なる“アンノウン”。
音もなく静かに。虚無の如き軽やかさで。何事もなく当然のように。

(;゚Д゚)「だ、れ……」

世界が――跪いた。
いや、違う。ギコの目の前にいきなり現れた青年は、“世界そのもの”と言って違いなかった。
強くなる雨音。比例するように濁った黒い瞳は微動だにしない。

幽雅で寂しげな憂いを帯びた顔立ち。心地の良い声音と飲まれそうな雰囲気。かつてと変わらず、そこにある。
そして、何より――

( -∀・)「にゃおん、なーんて」

――何故か、猫耳をつけてヒトラーユーゲントの制服を着ていた。
もはや思考回路が“正体不明”だった。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/27(土) 21:20:13.91 ID:BZmZXZXC0


十日目 午前 終



最後の邂逅はギコと『正体不明』の何か。
一方的に「?」な一人。やたらめったら馴れ馴れしい一人。
数年前の大戦の主犯とされた青年は一言。「忘れ物、しちゃってね」と。



…それはまた、次のお話であるのだが。




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