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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 十一日目 午後

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:00:55.34 ID:tsVWVuI50
去らぬ三月。
まとめは、面白蛇屋さん、ブーンがまとめブログを武器にさん、そしてくるくるくーるさん。


春なのに…


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:03:09.92 ID:tsVWVuI50
【本日出てきそうな主な一行人物紹介】
( ^ω^)…一番・キャッチャー。野球中継はよく見る。
(#゚;;-゚)…二番・セカンド。やったことないけど万能。
( ^Д^)…三番・ピッチャー。一時期AA(北米マイナーリーグ)に所属。
ミ,,-Д-彡…四番・センター。子供の頃は大得意だった。
( ´_ゝ`)…五番・ライト。商店街チームキャプテン。
(´<_` )…六番・レフト。上記副キャプテン。
o川*゚ー゚)o…七番・サード。できないことはない。
川д川…八番・ショート。“遊撃手”は余りだと思っている。
(,,゚Д゚)…九番・ファースト。とりあえずボールは捕れるし、投げられる。

【本日のその他】
「No Datum」…“No.33”。シベリアホワイターズのエース。

( ´_>)…二枚目半。公立西部VIP中等教育学校・新聞部連合(準決勝敗退)の一員。
(ノリ*^ -^ノリゝ…欺瞞白拍子。上記メンバー。茶道部員。

「―――」…駅前公園火雨霧糲洲連盟の助っ人達。
( ,'3 )…キャリア二十年のベテランホームレス。駅前公園火雨霧糲洲連盟の中心人物。


イ从゚ -゚)…“Deep Blood”。高校生。



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:06:13.55 ID:tsVWVuI50




(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!!」~助け屋グロウアップ~のようです



十一日目 午後
『もしもし、今すぐ来て?……ピンチヒッターにっ!』






4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:09:15.97 ID:tsVWVuI50
――どこかの世界のいつかの時間。
具体的に言うならば、VIP州西部――かつては朝比奈家が所有していた地域の、ある野球場。
現在、時間にして午前九時前。プレイボールはもうすぐだ。


…ここまでの経緯を簡単に説明しよう。
今より十一時間ほど前。洒落たバーにて小洒落た双子が頼んできたのは「町内野球大会の助っ人」である。
決勝戦の助っ人。どういうことかと言えば、


( ´_ゝ`)「…ん、まぁ昨日も説明した通り、相手も助っ人がいるらしくて。それが恐ろしく強いらしいのよ」

(´<_` )「なんてったって準決勝で我等が弟を破ったらしいからな。VIP校新聞部連合を」

――つまりは、対抗策。
プロ野球の外国人選手みたいな扱いなのだ。
…いや国籍どころか種族が違う奴等を“助っ人”にするのはどうかと思うが。人じゃないし。

o川*゚ー゚)o「なーんか、すっごく卑怯な感じねー」

感じ、と言うよりかは卑怯そのもの。
完全に金目当ての「助け屋」は、場合によればご法度な魔術技行使も辞さない考え。


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:12:12.85 ID:tsVWVuI50
( ^ω^)「他の正規メンバーは納得したのかお?」

( ´_ゝ`)「だいじょーぶ。『STSC』の仲間達は二つ返事でオッケーしたぞ」

(,,゚Д゚)「……昨日から気になってたんですけど、えす・てぃー・えす・しー、って?」

(´<_` )「流石兄弟・と・商店街の・チーム。その略だ」

……色々と無茶苦茶なネーミングである。
よく納得したものだ。


そんな彼等を尻目に、グラウンドを眺める。
うっすら白いグラウンドを。

o川*゚ー゚)o「二つ返事でオッケー、ね……」

(;^ω^)「…まぁ、仕方ないお。この天気じゃあ」

――霙。盛大に、みぞれだった。
コンディション最悪である。手入れされた芝生に霜が降りている。
アパートに残ったいづなが「寒い。こんな日に野球など。馬鹿ではないか」と言うのも頷けた。


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:15:09.40 ID:tsVWVuI50
川;д川「普通こういう場合って延期じゃないんですかー?」

( ´_ゝ`)「まぁ、普通はな。それで商店街の奴等も来なかったわけだし」

(´<_` )「でも主催者側がなぁ……」

「町内野球大会」と銘打ちながら、その実、誰でも参加できるという大会。しかも驚くべきことに賞金あり。
地域振興事業の一環だ。高校生チームなども出るので、親子対決になってしまったりもする。
事実、末者の新聞部チームが勝ち抜いていれば兄弟での決勝戦になっていただろう。


――さて、かのようなそれこそ小洒落た大会を企画したのは、と言えば。
流石兄弟の目線が一人の少女に集まる。

( ´_ゝ`)『――犯人はお前だ』(´<_` )

(;#゚;;-゚)「はにゃっ?」

そうなのだ。
今大会の主催者は――でぃの実家、朝比奈家である。
そもそも現当主の彼女以外なら普通野球大会に賞金を出そうなどとはしない。
朝比奈捺。基本的にノリで生きています。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:18:13.90 ID:tsVWVuI50
( ´_ゝ`)「朝比奈家の当主様は妥協を許さぬ人」

(´<_` )「だから延期なし、延長なし、抗議さえ認めぬ理不尽な大会がここに開催したわけだ」

(;#゚;;-゚)「え、いや……」

とばっちり。
ほとんど絶縁のような状態なのに、こういう場合だけ被害を被る。
ギコなんかからすると、

(,,-Д-)「(少しぐらい親元に抗議してもいいんじゃないかなぁ……?)」

…とか思ったりするが、家族がいない自分が言えたことではないので黙っていた。
心の繋がりと血の繋がりでは勝手が違うのだろう、と納得させる。


…ちなみにあの事件以来、ギコが『家族』というワードを出す度人外達は必死で誤魔化している。
――覚えていないのだ。

彼は“もう一人の自分”と違い、思い出すことができない。
もし思い出せば、“自分が自分でなくなる”恐れがあるからである。
当然のことながら本人は知らないが。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:21:11.96 ID:tsVWVuI50
――話は戻って。

( ´_ゝ`)「そこでだ。俺達には責任を取ってもらう権利があると思う!」

(´<_` )「断固主張する!」

( ^ω^)「…………何の責任?」

o川*゚ー゚)o「さぁ?この寒い中競技しないといけない人件費とか?」

自由参加の大会に人件費があるものか。
いや、ない。普通にない。

( ´_ゝ`)「だから、これだ!」

…で、兄者が何処からともなく取り出したのは、大変動きやすそうな服。
体操着。末者の学校指定の白い体操服と――問題が下半身。紺色で、バレーとかでは頻繁にお目にかかる、密着した感じの――、
――もう平たく言えば、

(;#゚;;-゚)「あっ、にゃ、それ……ブルマなのです!」

ブルマでした。
ショーツ型ブルマ。衰退した素晴らしき日本文化。


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:24:09.76 ID:tsVWVuI50
(´<_` )「着れ!!」

(;#゚;;-゚)「そっ、そんなの無理です!無理なのです!」

( *´_ゝ`)「ご安心!尻尾を出せるように穴を開けておいたよ!」

( ^ω^)「限りなく嫌な感じの気遣いだお。……つか、セクハラじゃね?」

セクハラどころかちょっとした性的暴行である。
無茶苦茶だ。

(´<_` )「ふふ……良いではないか、良いではないか」

(;゚Д゚)「ちょっ、ちょっと待って下さい!」

着物ではなくジャージ姿のでぃを拘束しようとする二人に立ちはだかるギコ。
彼女からしてみると、かつてないほどに――あの仮面の女と対峙した時以来の頼もしさ。

(#// -/)「御主人様……」

(,,゚Д゚)「――それは流石に寒いでしょう!可哀想です!!」

(;#゚;;-゚)「んにゃっ!?何かツッコミポイントが明確にズレているのです!!」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:27:10.16 ID:tsVWVuI50
( ´_ゝ`)「ご安心。なつかしのルーズソックスもここに」

(´<_` )「そして包帯。さ、巻き給え」

(,,゚Д゚)「あっ、じゃ……まぁ」

(;#゚;;-゚)「“まぁ”!?まぁ、って御主人様!!」

…どうやら心配だったのは、本当に“風邪を引かないかどうか”だったらしい。
少女の羞恥心など意に介していないギコはあっさりと引き下がる。

( *´_ゝ`)『お覚悟!』(´<_`* )

(;#゚;;-゚)「だっ、だれか……」

残念。声は空しく響くのみ。
三人により抑え付けられ、強制的に服を脱がされ――

o川*゚ー゚)o「……アレ?」

( ^ω^)「一人多いお」

三人?


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:30:46.71 ID:tsVWVuI50
(´<_` )「兄者!まずは上からだ!!」

( ´_ゝ`)「任せとけっ!!……しっかり押さえてろよ?」

ミ,,゚Д゚彡「よっしゃあ!」

(;#゚;;-゚)「やだ!やだやだやだぁ!!」

ジタバタ抵抗する猫又少女。
取り囲む三人。

(#// -/)「無理ですっ!こんなの無理だよぉ!!」

……三人。
兄者と、弟者と、――狼男。
その後方の少し離れた場所にて。ちょいちょい、とキューを呼ぶ八咫烏。

( ^Д^)「……キュー。…………殺って、よし」

o川*>ー<)o「やったねっ」

――かくして。
でぃの貞操は守られることとなった――。


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:33:13.15 ID:tsVWVuI50


(;´_ゝ`)「(ちっくしょう、あの女プロだな……)」

(´<_`;)「(服着たら分からないところを痛めつけやがった。内臓器官が、ヤベェ)」

ミ;メメ-Д(#)彡「(――そして何故か俺は分かりやすくボコられたんだぜい。何、この格差?)」

ツンデレっぽい対応とも取れなくはないが、割とガチで殴られたのでそうは思えなかったらしい。


――閑話休題。
ポジション……というか、ルールの確認をしよう。
正直な話、戦力になるか分からない寄せ集めのメンバーなのだ。

( ^Д^)「ルールが分からない人ー」

川;д川ノ オロオロ

( ^Д^)「……一人?じゃ、大丈夫だろう」

根拠なき自信によりスルー。
普通、ルールが分からない人間は出場させないが、今日ばかりはそうもいかない。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:36:11.56 ID:tsVWVuI50
( ^ω^)「一番心配な人が手を挙げてないわけだけど……」

(,,^Д^)「ギコハハハ!これでも、前は三人でよくやってたんですよ!野球」

( ^ω^)「三人?ああ、文芸部のおね。なんか時かけみたいだお」

――楽しげにギコは語る。数少ない友達との思い出話を。
「徳弧ならず必ず隣あり」と。確かにそうではあるのだが……何分、ギコはアレなので深入りしてくる人間は少ないのだ。
貴重な友人達だった。とてもとても大事な繋がりだったのは、誰の目にも明らかだった。

けれど。

( ^Д^)「…………さ、じゃあ、そろそろアップでもしましょうか」

…さもすれば「それ以上語らせたくない」という意思が読み取れるような調子で、プギャーは言った。
いや。事実そうであった。
そうでしか、なかった。それだけだった。

(,,^Д^)「……楽しかったなー。あの頃は」

今も楽しいんだけどさ、と誰に向けるでもなく呟き、ギコは笑った。
しかし、皆分かっている。偽物だらけの世界に完全な代用品はないということを。今と過去では『楽しい』が、違う。
嫌と言うほど理解しているからこそ――誰も、二の句を継ぐことはなかった。


20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:39:15.32 ID:tsVWVuI50
……………


――午前九時。
町内野球大会決勝戦スタート。
…が。

(,,゚Д゚)「来ないねー……」

( ^Д^)「ですね。かろうじて審判はいるらしいですけど」

相手が来ないのだ。
厳密に言うと来たのが代表一人だけ。

( ,'3 )「……そう焦らずとも」

敵側ベンチで詰め将棋を行っているのが件の男。
決勝戦の相手、駅前公園火雨霧糲洲連盟の代表者、キャリア二十年のベテランホームレス、中嶋さん。
駅前にある公園のホームレスの中ではカリスマ的存在であり、ここまで勝ち進めて来れたのは彼の手腕故と言っても過言ではない。

過言ではない、と言うか。
ただ助っ人を雇っただけなのだが。


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:42:12.17 ID:tsVWVuI50
:(# ;;-):「焦らず、というか……寒い……」

( *´_ゝ`)「よし!俺の胸に飛び込んでおいでっ!!」

(´<_` )「待て、兄者!俺が先だっ!!」

セクハラ兄弟が何かやっているがもはや誰もツッコまず。やたらでぃに執着するのは起伏の乏しい肉体と――猫耳尻尾であろう。あと薄幸加減も。
以前の鵺の件でもそうだが、どうやら彼等も異能を知る人間らしかった。

( ^Д^)「羨ましいのか?」

o川*-3-)o「べっつにー」

恨めしそうに光景を見つめていたキューに「助け屋」の狂言回しが声をかける。
銀狐の彼女だがフラフラ揺れる尻尾を見る限り、嫉妬……のような感情を抱いているのは確かだった。
可愛いし良い女だが、面倒。そんな女狐。

o川*>ー<)o「ギコ君がいるもんっ」

(;゚Д゚)「えぇっ?いや、あの……」

野生動物に飛び掛られ、ドギマギどころか若干の恐怖を覚えるギコール・ハニャーン。
たとえ狐でも人間サイズだと割と怖い。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:45:09.67 ID:tsVWVuI50
それを見ていた流石兄弟は、

( ´_ゝ`)『年増に興味はないのだよ』(´<_` )

o川#゚∀゚)o「キシャーッ!!」

(;^ω^)「尻尾っ!尻尾出てるお!!」

…えらく失礼なことを口走り、追い回されるハメになった。
しかしながら元来「年増」という単語は二十歳過ぎを指した言葉であり、土地神たるキューを表すには“大”をいくつ重ねればいいのやら……
大体彼女は確かに数百年前から生きているが、起きていた時間は精々百年ほど。
つまり基本寝ていたので……まぁ、若くはないが若輩者なのだ。


川д川「あ、来ましたー」

――タッチアップの説明を受けていた貞子が指を指す。
高校生程度の女の子が二人。女装が似合いそうな青年が一人と、二十過ぎの男が一人。そして三十ぐらいのツナギ姿の……って、

(;゚Д゚)「…………アレ?」

ここぞと言わんばかりに「あれれー、おかしいぞー」という顔。
何か見たことある面子が……


24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:48:09.43 ID:tsVWVuI50
( -∀・)「…え、ねぇマジでこれ被るの?」

lw´‐ _‐ノv「似合う似合、う。イケて、るよ」

N| "゚'` {"゚`lリ「男は度胸」

('(-∀-∩「女は愛嬌ってさ」

( ・□・)スチャ「被るよ、被るけどさ……」

|゚ノ*^∀^)「アハハッ!お兄ちゃんよく似合ってるよー!!」

( ・□・)「帰りてぇ……。こんな民族衣装じゃなくて、どうせなら夜店で売ってる感じのG3マイルドのお面が……」


( ^Д^)「…………」

しばしの無言。そして、

(; Д)o川; -)oミ,, Д彡『帰りてぇのはこっちだよ……』(Д )(ω ;)

満場一致。そりゃそうである。
仮にも殺し合いを演じた相手と楽しく野球なんてできるはずがない。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:51:08.55 ID:tsVWVuI50
(;^Д^)「あの、今回の依頼はなかったということに……」

(;´_ゝ`)「それは困る!なんでさ?」

(;-Д-)「なんでさ、って言うか……。――ぶっちゃけありえない?」


|゚ノ ^∀^)「――僕もプリキュアは初代が好きだよ!ギコお兄ちゃん♪」

(,,;Д;)「…なんでだろう……。記憶が定かじゃないのに、涙が止まらないよ……」

|゚ノ*^∀^)「一緒一緒!僕も、ギコお兄ちゃんとまた会えて嬉しくて涙が出ちゃいそう♪」

一緒ではない。
レモナは嬉し涙かもしれないが、方や恐怖によるものである。

(,,;Д;)「ぎこーん……。赤屍さんに追い回される銀ちゃんの気持ちが分かった気がする……」

( ^ω^)「あるいは匂宮出夢にじゃれつかれる零崎人識」

|゚ノ ^∀^)「好敵手と会えて楽しいなっ、みたいな感じなのかな?」

(#゚;;-゚)「これは確信を持って言えますが絶対違うのです……」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:54:12.02 ID:tsVWVuI50
( ^Д^)「……超カッコ良く退場したって聞いたんですが」

('(-∀-∩「退場はした。けど、物語から退くつもりはないんだよ。気になるし」

“気になる”のは「助け屋」の行方だろうか。
――それとも純粋にいづなの未来だろうか。どちらなのかは、プギャーには分からなかった。

( ・□・)「…へぇ。貞子、貞子ねぇ……」

川;д川 「な、なにか……?」

( ・□・)「別に。――ただ世の中って狭いなぁって」

意味深な発言を全身ツッコミ待ちの『正体不明』が。
もっとも未だに髪色が黒なのを見るに、『正体不明』ではなく『朝比奈もらの』という呼称の方が正しいのかもしれない。
今の彼に大した力はないのだ。

(#゚;;-゚)「ところで、そのお面って……」

( -∀・)「お嬢が半殺しにした――ってか殺す寸前で僕が止めたんだけど、……まぁそんな感じの相手から奪った戦利品。結構可愛い娘だったよ?」

「また手を出したのか」と。…思ったが皆言わなかった。
……なんにせよ、そろそろ野球を始めよう。あんまり長びくと本当に風邪をひきそうだ。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 20:57:08.18 ID:tsVWVuI50
……………


五回勝負の延長なし。本来七回までだが、コンディションを考慮した結果である。
双方共に補欠がいないので欠員が出た時点で終了。
また特例により交代した選手の再交代もアリだ。


第一回。
先攻。商店街チーム、もとい「助け屋」メンバー。
一番キャッチャー。西川。

( ^ω^)「……色々ツッコミたいところがあるお」

lw´‐ _‐ノv「な、に」

相手側の投手はシュール。そして、捕手は『正体不明』だ。
ファーストは飯綱使いでセカンドが陰陽師。ショートがホームレス中嶋。サードがキャプテンのレモナ。
…それはいい。ただ――、

大 大 大 ←外野。藁人形A、B、C。

(;^ω^)「…なんで外野が全部藁人形なんだお……」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 21:00:08.15 ID:tsVWVuI50
わらにんぎょうAがあらわれた!
わらにんぎょうBがあらわれた!
わらにんぎょうCがあらわれた!

……全長170センチ。等身大の藁人形×3。
それらが外野で棒立ちしている。いや、普通に立っているだけでおかしいのだが。

N| "゚'` {"゚`lリ「式神だ」

( ^Д^)「それは見れば分かります」

( -∀・)「…どうせ外野まで飛ばないし、別にいいかなーって」

野球のルールブックには「式神の使用を禁ずる」とは書いてはいない。
…当たり前である。

( ^ω^)「いいけどお……」

lw´‐ _‐ノv シュッ

――構えた西川。そしてボールが投げられた。
ド真ん中のスローボール。ひどく、遅い。それでも高校生の女の子にしては速いのかもしれない。


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 21:03:09.03 ID:tsVWVuI50
( ^ω^)「よっ――っと」

キィン、という音。ヒット性の当たりはサードの真横に向かい――跳ねた。
それを、

|゚ノ*^∀^)「アハハッ!!」

恐るべき反応速度でレモナが捕る。バッターは既に走り出している。
少女はボールを送らなければ、と大きく振り被った。

|゚ノ*^∀^)「えいっ」

チュン

――可愛らしく投げたのだが、その瞬間、何かが焼け焦げたような音がした。
そう。その効果音を分かりやすく表すと小型のレーザー兵器を使用した時に鳴るような音。

あえて厳密に。
かつ、分かりにくく表現すれば――、

('(∀ ;∩「ぐわばっ!!」

ガシャァァァアン!!


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 21:06:09.94 ID:tsVWVuI50
――音速を超えた送球が摩擦熱でボールを焼かれながらも空気を切り裂いていく音、である。
埒外な力により球は原型と留めていないが、それでも衝撃波は生きていた。
…即ち直後に聞こえた「ガシャァァアン」という轟音はその波動が健気に捕球しようとした一塁手を力任せに観客席にブチ込んだ音、であった。

(;゚Д゚) ポカーン

|゚ノ*^∀^)「……えへ。やり過ぎやちゃった♪」

ドジッ娘アピールか、舌を出して微笑む天使の少女。
災難な飯綱使いは微動だにしない。もしかすると死んだかもしれない。

川д川「昔ジャンプで見たような感じですねー」

o川*゚ー゚)o「ああ、テニプリテニプリ。あの名言のちょい後のやつ」

選手の着弾地点より煙が上がる、という現実味の欠片のない光景を見ながらの会話。
そして、黙ったままだった投手が一言。

lw´‐ _‐ノv「……リミッターの掛け方、を、間違え、た」

(,,;Д;)「もうやだ!こんな野球!!」

――そんなわけで“超”野球、スタート。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/20(土) 21:09:08.50 ID:tsVWVuI50


十一日目 午後 終



――死と隣り合わせの“超”野球がここに始まった。退路に絶望、進路にも絶望。
「…とりあえず人間のレベルに準じたものを……」
というギコの泣きの願いにより、結構まともな勝負になってきたが……?



…それはまた、次のお話であるのだが。




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