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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 補足説明的番外編 ―――日目 昼7つ 申の刻

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6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:25:05.64 ID:apKxPqXf0
補足説明的番外編
―――日目 昼7つ 申の刻
『Nostalgia ――過去に拘って悪いのか―― 』


――勝ち目のない戦いをしたことはありますか?

負け戦だと分かっていても戦い続けたことはありますか?

しかも、もう全て手遅れだとしても?


これはそんな物語。

希望も勝利もないと知りながら、
それでもずっと戦い続けた少女の、


誰も知ることのない物語――




7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:28:09.82 ID:apKxPqXf0
……………


 ……暗い。
 暗い。暗い。真っ暗だ。


(*-∀-)


 ――ああ、またこの“夢”か。
 何度目だろう? 二桁までは数えてたけど……よく覚えてないや。


 いつからだっけ。
 この夢を見るようになったのは。

 いつからだっけ。
 私が彼を好きになったのは。


 一体、
 いつの話なんだっけ――?


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:31:05.43 ID:apKxPqXf0




「――ここから、ちょっと先。屋根が見えるでしょ?」

(;*゚∀゚)「うん……」

「あそこ。裏口が開いてるはずだから、そこから中に入って――」


 ――その日もまた、雨が降っていた。
 私の故郷、VIP州西部は比較的温暖な気候だけど何かとつけて雨を降らす。
 きっと誰よりも雨が似合う人がいるからだろうなー、とそういう風に考えたものだった。


「別に大したことじゃないけど……覚悟はいいかしら?」

(;*-∀-)「…大丈夫。――うん、大丈夫だよ」


 「そう」と金色のツインテールを揺らし、彼女は微笑む。
 本当に瑣末な問題だと思っているんだ。今更ながらに実感した。


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:34:05.45 ID:apKxPqXf0


 ――私には好きな人がいる。
 もうその時には既に、記憶が曖昧になった後だったけど……『好き』という想いだけは残っていた。
 だから、“なにが”“どうして”好きになったのかを私は覚えていない。

 ただ――好きなんだ。
 報われることがないとしても、やっぱり――私は好き。


 …分かっている。
 彼は私のことなんて見ていない。
 周りには可愛い子も沢山いる。そもそも彼女だっている。

 でも、馬鹿な私は、諦められない。
 彼が何故あんなに悲しんでいるのかを知りたい。
 力になってあげたい。一番じゃなくてもいいから。友達としてでいいから。
 辛そうな顔をして欲しくない。笑ってて欲しい。幸せであって欲しい。

 だから――


(* ∀)「だから、ここにきた」


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:37:27.46 ID:apKxPqXf0




 ――うだるような暑さの日だった。
 雨が降り、湿気も溜まる、嫌な日に。彼に似合いそうもない雨の日に。

 私はただ指定された建物の中を覗いていた。

(;* ∀)「―――っ」


 中で展開されていた事柄は、間違っても思い出したくもないことで。
 つまり、その……
 “恋人同士のレイプ紛いのセックス”だったと、それだけの話。


 表現もしたくないほど――醜悪で。
 死にたくなるほど――混濁した。


 そんなものだったと思う。
 思う、というのは私が途中から目を背けてしまったからだ。


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:40:09.86 ID:apKxPqXf0


 だから、私は、

『ザクリ』

 そんな分かりやすい破局の音が聞こえるまで――私は気がつかなかった。
 ちょうど、助けを呼びに行こうとしたところだった。

(;*゚∀゚)「っ!?」

 振り返り、もう一度覗いて――絶句した。
 馬乗りになっていた男の方が落ちていたらしい何かで心臓を刺されていた。

 恋人の男は――本当に“恋人”であったのか疑問に思える男は真後ろにゆっくりと、倒れていく。
 驚愕に目を見開きながら。
 そして彼以上に驚いているのが、女性の方だった。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい――っ!!」

 ――身体を恐怖に震わせて。
 幾度となく、誰に向けるでもなく謝り続けていた。



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:43:08.34 ID:apKxPqXf0


 ――そして、

かつん、
かつ、かつ、かつ、かつ、かつ、――かつん。


 ……たおやかに“彼”が現れた。
 私の幼馴染が。

 休日にも関わらず学生服を身に纏い、
 中学生のくせに気取ったローファーを穿きこなして、
 右手をポケットに入れ、左手には小太刀を持ち、

( -∀・)「――酷い有様だ」

 軽く片目を瞑り睥睨しながら、
 目の前で人が死のうとしているのに気にするでもなく、

( ・∀・)「残念だよ」

 と、少しも残念そうでもなく、呟いた。


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:46:10.98 ID:apKxPqXf0


( ・∀・)「…はぁ、ふぅん。なるほどね」

 ――違う。
 今ならはっきりと分かる。
 その時の彼は、紛うことなく彼でありながら――私の知る“彼”ではなかった。


 震える女性に近づいて行く。
 途中、倒れた男に冷たい視線を向け、雑草でも抜くような手軽さで喉を踏み潰して。
 死に掛けていた男はその時しっかりと死んだ。

 人知れず吐いた私は、幸いまだ見つかってはいないらしい。
 彼は迷わず真っ直ぐに女性へ近づいて行く。


 黙って、手を差し伸べる。

( ・∀・)「大丈夫。君は、それなりによくやった」

 女性から恐怖を抜き去るように優しく抱き締めた。
 もう、彼女は震えてはいなかった。


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:49:08.44 ID:apKxPqXf0


 そして私は、
 彼が耳元でこう囁くのを聞いた気がした――。


(  ∀)『だから君は、ここで死ぬように』


 ……その女性は頷くと小太刀を受け取り、喉を掻っ切った。
 不思議と痛みはなさそうだった。幸せそうに微笑んで死んでいった。


 彼は、

( -∀-)「…………」

 軽く黙祷を捧げると、後始末をし、帰っていった。
 私はしばらくの間動くことができなかった。






15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/27(土) 20:52:10.30 ID:apKxPqXf0


 次の日、学校で会った時。
 彼は何も変わっていなかった。

( ・∀・)「どうした、元気がない気がするけど」

(;*-∀-)「い、いや別に……」

( -∀・)「ん~?」

 小首を傾げると自分の席に戻る。
 気づいていないのか、気づいてなお――あの調子だったのかは今では分からない。
 もうどうやっても分かりようがない。


 結局、私は聞かないまま。
 彼は――『朝比奈もらの』という幼馴染は死んだ。
 今となってはもう、白昼夢か何かだったのだと、割り切っている。


―――日目 昼7つ 申の刻



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