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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 十三日目 深夜

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63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 22:20:35.62 ID:aNle1FRK0



 己が狂気を世界に誇れ

  己が脅威を世界に示せ

   己が恐怖を世界に刻め


……自分が自分である為に



|゚ノ*^∀^)「もしもし○○?今すぐ来て!!」~助け屋グロウアップ~の、外伝のようです



十三日目 深夜
『オリオン ――相思相愛、相思相殺―― 』





64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 22:23:33.19 ID:aNle1FRK0
――奇跡は起きない。
そんなものがなくても世界は平然と回る。


ヽiリ *゚∀゚ノi「あはははははは!!あはははっあはははははっはははははは!!!」


的は百と一つ。
単純に戦闘を終わらせるだけならば一つ――スパムの身体を完膚なきまでにバラバラにすればいい。
同時に化け物を祓いたいのなら、配置された百枚の銅鏡を吹き飛ばせばいい。

そして。
“スパムを救い”かつ、“化け物を祓う”為には。


・少女の身体を傷つけず、
・攻撃を避けつつ、
・無数の鏡の最初の一つを探し出し、
・一撃で粉砕すれば良い。


言葉にすれば一文だが至難の業と言えよう。
これが『正体不明』ならばやってのけるだろうが……生憎、今日の主役はレモナだ。
しかも右腕は動かない。肋骨は二本ほどはみ出している。出血多量で倒れない為に血液を造り続けているので、能力が最低限ときた。


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 22:26:33.82 ID:aNle1FRK0




――しかし、この無茶苦茶とも言える注文もハンディも。
『弱さ』という『悪』を持たないレモナにとっては、なんてことはなかったのだ。


|゚ノ*^∀^)「――あはっ♪」


 意外なほどにあっさりと、
 呆気のない決着が、
 しかも一瞬でついてしまうことになった。


あっさりと。呆気なく。一瞬で。
どうにも色をつけることのできない単純なことで――。







66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 22:29:33.44 ID:aNle1FRK0


その時、レモナは下を向いていた。
真下。自身の身体から噴き出す血液が紅い円を広げていく過程を黙って、見ていた。

|゚ノ ∀)

辺りの景色が写っていた。
夜空の月と星々が。それはただの水溜りと同じように世界を映し出す。
ただし、一つだけ違うことがあった。


 そして、
 
 レモナは、
 
 ――飛んだ。


|゚ノ*^∀^)「――みぃぃぃぃぃけたぁぁぁああ!!!」


一気にトップスピードまで加速し、右腕をポケットに突っ込んだまま。
血を垂らしながらも全身をくまなく使い――夜空へ跳ね上がる!!



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:00:25.39 ID:aNle1FRK0
ヽiリ *゚∀゚ノi「なんじゃ!狂ったか!!?」

まだ、もう一匹の化け物は気づいてはいなかった。
レモナが何をしたのかを。

|゚ノ*^∀^)「やっぱり!世界はっ!!――あたし、れじぇんど!!!」

目線は下を向いたまま。
狙うべき神獣鏡は眼に映っていない。


――否。


ヽiリ ;゚∀゚ノi「――っ!そういうことかっ!!?」


左腕を大きく振り被る最強が見ていたのは――噴水の中。
寒空を反射する水面という大きな鏡だった。

月と星空が揺らめくその鏡の中には、無数の呪物など存在していない。
“ただ一枚のみ”
たった一つ。一つだけ、化け物の本体が浮かんでいた。



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:03:34.76 ID:aNle1FRK0
――遥かな昔より、霊力を持った特別な鏡とは「真実を映し出すもの」と位置づけられてきた。
魔法の鏡が登場する童話があるように“向こう側”を見せる鏡は神聖なものだった。鏡が割れると不吉とするのはその名残だ。
有名なのは『浄玻璃鏡』というもので、これは閻魔が裁きを下す際に使う水晶性の鏡。

そして、真実を映し出すということに限れば――簡単なものが、一つ。
即ちは“満月が写った水面”だ。陰陽思想において陰の属性を付加されている月が写った水は、立派な魔術の道具である。


|゚ノ*^∀^)「僕は知らない!僕は分からない!――でも、そんなのどうでもいいやっ!!」

 血溜まりは大雑把な位置を把握する為。
 不自然なほど高く飛んだのは――噴水に写った真実を見る為。

ヽiリ ;゚∀゚ノi「やめろ、やめろぉぉぉおおお!!」

――眩し過ぎて知覚することすら叶わぬ翼。
七色に煌く魔力結晶も今宵は一対のみ。だが――飛距離を稼ぐ為だけなら十分だ。


|゚ノ*^∀^)「僕に負けるってのは結局その程度だったってことだよ!あははははっ!!!」


がしゃん、という音。左の拳。大きく振り被って打ち出されたストレートが鏡を粉砕した音だった。
直後に断末魔が夜の公園に響き渡った――。



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:06:34.56 ID:aNle1FRK0
……………


――数秒で終了した戦闘の後だった。
目を覚まさない少女の脈をペニサスが計っている。

|゚ノ ∀)「……これは、多分気休めになっちゃうんだけど」

ぐったりとしているのは今日の功労者。レモナ=アルテミス=エルシール。
『構築』の特異点能力者であり、最強である天使。
そんな彼女は、ぼんやりと夜空を見上げながら――呟く。


|゚ノ ∀)「僕は『アルテミス』で、あそこに見えるのは『オリオン』だけど……お兄ちゃんに言わせるとね、」

ギリシア神話のオリオンの死因には諸説ある。
その中の一つには、恋仲だったアルテミスとの話も勿論あった。

|゚ノ ∀)「オリオンは、さ……必ずしも、不幸じゃなかったんだって」

アポロンの罠に嵌められ恋人に殺されることになったオリオン。
生き返ることを許されなかった彼は、星座となることで永遠にアルテミスを慰めたという。



71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:09:55.80 ID:aNle1FRK0
|゚ノ ∀)「それは――」

('ー`*川「――それは、『愛する人が最後だったという時点で十分に幸せだから』……でしょ?」

|゚ノ ^∀^)「うんっ♪」

脈を取り終わったペニサスが繋いだ。
白む空に、そろそろ、星座も見えなくなってくる頃である。

|゚ノ ∀)「両親のことは残念だったけど……でも、あんまりヤケにならないでね」

スパムが聞いているのか、いないのか。どちらでも構わない。
全く論理的ではない主観の見解で、しかもそれを言っているのはレモナだ。説得力など皆無だろう。

――けれど、


|゚ノ ^∀^)「――星は、毎日見えるんだから」


見えるというのは――見られているということ。
少女が両親を愛していたように、きっと。両親も少女のことを愛していたのだ。
奇跡がなくとも世界が回るのなら、せめて……それぐらいの希望的観測はあって然りだろう?



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:12:39.41 ID:aNle1FRK0
……………


|゚ノ;^∀^)「ただいま~……」

それから、しばらく後のこと。
ズタボロの身体を引き摺り、マンションに辿り着いたのは早朝のことだった。
逆ギレして出て行った身である。てっきり怒られるだろうと思っていたのだが――、

( -∀・)「……おかえり」

|゚ノ;^∀^)「あ、あう~……ただいま」

何とか返事を。
リビングの椅子に座っていた『正体不明』の保護者はレモナにつかつか歩み寄ると。
黙って、ぎゅっと――抱き締めた。

( -∀・)「……心配した」

|゚ノ*^∀^)「ええっ? ああ、あぅ……ごめんなさい…」

(  ∀)「本当に、心配した……」

正直、結構強い力で抱き寄せられたので折れている肋骨が痛かったが……
痛みよりもレモナは違うことを感じていた。


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:15:41.89 ID:aNle1FRK0
――それは全然論理的なんかじゃなく、
支離滅裂の滅茶苦茶で、訳の分からない、説明不能の感情。

('(-∀-∩「ふぁぁ~……おかえり~」

N| "゚'` {"゚`lリ「また一段と酷い怪我じゃないの。昨日の今日で」

|゚ノ*^∀^)「ただいまっ!あと、これは勲章だよっ!!」

あってもなくても日常生活にも非日常生活にも支障は無い。
むしろ、時折はない方が楽なんじゃないかと思ったりもしてしまう、難解かつ面倒で……それでいて暖かい想い。

|゚ノ*^∀^)「お兄ちゃん!アベさんっ!なおちゃん!」

目の前の彼等がいつかいなくなってしまったら、また“あの痛み”を経験するんだろうか。
身を裂かれるような苦痛を、僕は感じることができるんだろうか。
少しだけレモナは気になった。


|゚ノ*^∀^)「――みんな、いっつもありがとう!僕、みんなのこと大好きだよっ!!」


――対する三人の答えは一緒だった。
…それが何だったかは、もはや言うまでもないことである。


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:18:38.13 ID:aNle1FRK0



十三日目 深夜



時は三月。場所はボロアパートの近所。
ギャルゲ的に纏わり憑かれながら、買い物をしていたギコール・ハニャーンは“何か”を感じた。
漠然とした不安に駆られ、動き出すが……



…それはまた、次のお話であるのだが。





75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:21:35.88 ID:aNle1FRK0


補足となるおまけ


十三日目 それは、太陽がない日で


ミ*゚∀゚彡「『公卿姫御子』ね……」

|゚ノ ^∀^)「お願いできる?」

ミ*-∀-彡「わかった。生徒会役員という名目で、『運営』で面倒を見る」

――生徒会室。屋上に近い場所にある“旧”生徒会室だった。
話題は天涯孤独となってしまった少女だ。
レモナのコネで秘匿機関の『運営』にて、預かってもらえることになった。

ミ*-∀-彡「……データには知能障害と書いてあるけど」

|゚ノ ^∀^)「んー、僕と話してる時はそんなことなかったし、多分ちょっとずつ直ると思うよ?」

ミ*゚∀゚彡「そうか。なら、いいや」



76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:24:36.58 ID:aNle1FRK0


ミ*-∀-彡「しかし……『姫御子』ね、くくっ」

書類に目を通しながら笑う生徒会長。
小首を傾げるレモナに少々呆れたように説明し出す。

ミ*゚∀゚彡「『姫御子』は、むかーしのある国の女王様。祈祷をしてた人の本来の名前と言われてるもの」

|゚ノ ^∀^)「本来?」

ミ*-∀-彡「うん。今はちょっと違うけどねー」

その女王は鏡を好んでいたと伝わる。
「この鏡を私と思って大事にしなさい」などと言ったらしい。
近隣の大国から銅鏡を百枚ほど貰ったこともあり、今でも発掘されることがある。

ミ*゚∀゚彡「どこの国でも変わらず権力者の墓って大きいけど、彼女の場合は奴隷が沢山生き埋めにされたらしいね」

|゚ノ ^∀^)「ふーん……」

ミ*-∀-彡「死、なんてものは『最強』に馴染みないかな? なーんて」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/01(土) 23:27:37.74 ID:aNle1FRK0
ミ*゚∀゚彡「それで、その女王様だけど、王の仕事が大変で会えるのは家族たった一人だけだった」

|゚ノ ^∀^)「…………」

ミ*-∀-彡「寂しかったのかな、とか思うよ。僕なんかは」


――もしかすると、あの化け物もそうだったのではないか?
スパムの両親が死んだのは暴走でもなんでもない――ただの嫉妬からくる行動だったのではないか?
彼女が言っていた『目的』。それはああして暴れることなんかじゃなく、単に自分の墓を見つけて欲しかっただけなんじゃないか?


|゚ノ ^∀^)「……どうでもいい、かな」

レモナは『最強』だ。
彼女は誰にも何にも滅多に興味を持たない。

けれど、

|゚ノ*^∀^)「せめて、その家族に天国で会えればいいな、って願っちゃうのは……感傷かな?」



十三日目 それは、太陽がない日で



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/02(日) 00:01:24.83 ID:LUtzNEmZ0
ご支援ありがとうございました。
そして、お久しぶりでございます。


十三日目は時系列が少しややこしいです。
整理しておきます。

 第一部終了 → ギコ入院中(十日目) → 退院(十一日目) → クリスマス → 年明けて今三月

これの、十日目の直前の話が十三日目です。ギコが昏睡状態だった三日間の話。
プギャーに急に謝ったりだとか、聖夜にデレたりだとか。
……そこら辺の理由は今日の一件にあったのかもしれません。




次回は、蛟であるノーネの話。
彼はここ三ヶ月ぐらい、ぱったりと出ていないわけですが……色々あったのです。
その最後に「助け屋」がちょっとだけ絡みます。



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/02(日) 00:11:54.26 ID:owxvWMHt0
おつー


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