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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 十四日目 深夜

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241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:13:00.34 ID:05DdPa2d0




運命が何を決定するのか。
――この瞬間こそが、我々のものだ。



(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!!」~助け屋グロウアップ~のようです



十四日目 深夜
『“生きている”ということ ――明日もし君が壊れても―― 』




242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:15:31.82 ID:05DdPa2d0


――その、刹那。
シナーの鋭い眼光が「助け屋」を射抜いた。
三月も終わりの穏やかな気候。逆らうように周囲の温度が下がっていく。

( `ハ´)「……ほう。なるほど、なるほど。私達の権利を侵害しようとしますか……」

(,,゚Д゚)「…………」

( `ハ´)「主等、……ここで死ぬか?」

頭領は明らかに怒っていた。
当たり前だ。攫われたのは彼の屋敷の小間使いであり、それを取り戻すのは当然の権利だからだ。
本人の気持ちは二の次に、だが。

( ^Д^)「……『本草綱目』」

( `ハ´)「!!」

( ^Д^)「ああ、図星ですか。縄張りを奪われるのとどっちかな、と思ってたんですけど」



243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:15:43.25 ID:D+xaT02dO
まだあるかwww

支援


244 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:18:27.37 ID:05DdPa2d0
――『本草綱目』は中国最大の薬学著作である。
神仙思想の発達により生まれた学問、本草学の代表的書物だ。
そこには草木を用いる薬物は勿論のこと、“人体の”薬物利用についても書かれているという。

( ^Д^)「『半妖』なんて珍しいもの、是が非でも欲しいですよね」

o川;゚ー゚)o「え? じゃあ、駆け落ちしようとしてたのって――」

( ^Д^)「ええ。……水魔としての悪い癖がでましたか?」

( ノAヽ)「…………」

三メートルもない体躯の竜は沈黙する。
……蛟は水神であり、水竜だ。しかし同時に水魔でもあるのだ。川辺で洗濯中の少女が蛟の子を孕んだ、という話も伝わっている。

当然、その伝承の幾つかは――あるいは、ほとんどは――人々の生み出した与太話に過ぎない。
純潔性の保持を重要とした時代。
婚前の交わりや、強姦などによる妊娠の言い訳として語られる御伽噺。

( ノAヽ)「…………」

けれど。
生殖機能を持つ蛟は、時折幸運にも――または不運にも、人との間に子供を作ってしまうことがあったのだ。



245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:21:33.07 ID:05DdPa2d0
イ从゚ ー゚ノi、「あとは。その子供に対する恐怖。もあっただろうな」

有名どころでは、坂田公時――いわゆる「金太郎」だ――も竜神が授けた子である。
また、以前刃を交えた陰陽師も「葛の葉」では狐の化身の子とされている。本当かどうかは誰も分からないが。
竜に限れば西洋での『ドラゴンメイド』だろうか。「龍の王」という、醜い龍の子が産まれる話もある。

( `ハ´)「……ふん」

この狭い地域。
少しでも強い力を持つ者が現れるのは避けたかったのだろう。

(,, Д)「そんなのって……っ」

( ^Д^)「ご主人。これが、『魔法使い』ってもんですよ」

歯噛みするギコに、冷静にプギャーが告げる。
魔女狩りや宗教戦争にリアルタイムで遭遇している彼にしてみれば、このぐらいは可愛いものなのだった。
当時は――本当に罪のない普通の人間まで、殺されたのだから。


( `ハ´)「そう、感情的にならずとも」

目的を暴露されながらも仮面のような表情を崩すことはない。
シナーは、やはり、徹頭徹尾の『魔法使い』だった。



247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:24:28.55 ID:05DdPa2d0
( `ハ´)「誰だって穢らわしい半妖が――人間のフリをしているだけの化物が近くにいるのは、嫌でしょう?」

(,,゚Д゚)「俺の仲間を好き勝手言わないで下さい」

そう言いながらギコは、でぃの手を握った。
何の理屈もなく、何の思惑もなく。ただ――握りたかったから握った。
痛くて苦しいぐらいに繋がっていて、「一人じゃない」ということを分かっていて欲しかったから。

( `ハ´)「これは失礼を。……しかし、ならば尚更よく分かるでしょう」

(#゚;;-゚)「……なにがですか? 分からないのです」

( `ハ´)「貴女のような存在は、とても普通に適応できず、普通の幸せなど手に入れられないことを」

今でさえ、人間同士でさえ、差別がある。科学と文化が進歩した現代でも、変わらず。
そう考えれば――人と龍の子なんて幸せになれるはずがない。
まともな人生など、無理なのだ。

( `ハ´)「……そうは思いませんかね」

:(# ;;-):

猫又の少女の心が揺さぶられる。
普段冷静である分――ある一点だけは、弱い。



248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:27:53.39 ID:05DdPa2d0
(,,-Д-)「……大丈夫だから。大丈夫」

(# ;;-)「はい……」

あの時と同じように、安心させてくれる声が心の奥まで染み渡る。
それだけで――もう大丈夫だった。



その光景を見ていたシナーは何とも言えない表情をした。
そして今度は、ギコに負われている女に向けて。

( `ハ´)「……二十年前。捨てられた貴女を私が拾っていなければ貴女は死んでいました」

i!iiリ; -ノル「……ええ、分かって、います」

( `ハ´)「貴女は独りです。貴女の味方など――何処にもいません。ここで静かに暮らしていくことが、最も幸せなことです」

わかっているのですか、と。シナーは強調するように――繰り返す。
それは、自分に言い聞かせているようでもあった。
――自分の目を、強いて、そして敢えて、現実から逸らそうとしているようでもあった。




250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:30:31.22 ID:05DdPa2d0


――しかし。
それでもギコ達は、退かない。


イ从゚ ー゚ノi、「最初の二十年が普通ではなかったなら。幸せではなかったのなら――残りの七十年で取り返せばいいだけだ」

時間も過去も巻き戻せないけれど。
まだ、人生は幾らでも残っているのだから。


(#゚;;-゚)「家族がいないと言うのなら――母親も父親も兄も姉も弟も妹も、全部、全部、全部。……私達が、やればいいだけのことなのです」

どんな境遇でも、どんな状況でも。
自分がかつてそうやって愛してもらったように。


ミ,,-Д-彡「そもそも“人を愛する”ってことはよ――世界中の誰が敵になっても、最後までソイツを信じてやるってことじゃないのか?」

同じ所を大切にし、違う所を受け入れる。
誰かと一緒に生きていくとはそういうことだろう。



251 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:33:30.72 ID:05DdPa2d0
( ^Д^)「答えろよ、ノーネ。お前は誰でも良かったのか? それとも――」

o川*゚ー゚)o「男見せてよね」

(  A)「…………ってる」

それは残酷なまでに悲痛。
この痛々しく愚かしい感情を、知らないならば教えてやりたいと思った。

 ――そうだ。
 好かれなくても良かった。選ばれなくても――良かったんだ。
 

i!iiリ^ ヮ^ノル「なぁに? 小さくて、聞こえないよ……?」

(#ノAヽ)「――分かってるって言ってんだよ!!」

状況を理解しているのか分からない、にっこりとした微笑にまた――心を奪われる。
言葉なんていらなくても――言わなくてはならない。


 熱く、深く、甘く、苦く。
 切なく、儚く、愚かしく、哀しい――この感情の名前を。




252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:36:32.02 ID:05DdPa2d0


(  A)「お願い、します……」

ノーネは、掻き消えそうな声で懇願した。
身体が汚れるのも気にせず、ただひたすら実直に――頭を下げた。


 俺は。
 俺は、ほんとうに。


(  A)「――俺は、ソイツのことが好きなんです」

( `ハ´)「…………」

:(  A):「だから、だから――」


想いの最後は――言葉にならなかった。
立ち向かう勇気も。失う怖さも。全部――失くしたくなかった。
傍に彼女がいてくれないと――もう自分は、駄目なのだ。





254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:39:31.41 ID:05DdPa2d0


(,,゚Д゚)「……そういうことですよ。だから、」

言って、ギコは呼吸を整える。
大きく息を吸い込む。

そして――、


( #゚Д゚)「二人のヒトが愛し合って――ハッピーエンド以外はありえないでしょ!!!」


――それは、シナーに向けたというよりも。
自分達や当事者である二人。あるいは、傍らで休んでいる“普通ではない”高校生達に向けたものだった。

克己であり決意。
守れるかどうかは分からないけれど、それでも精一杯を誓う――宣言だった。





255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:42:38.91 ID:05DdPa2d0
……………


( `ハ´)「――して、貴様らいつまで人の領地に居座るつもりだ?」

それは、長い長い沈黙の後のこと。
背を向けた当主は、平然とそう言い放つ。

i!iiリ;゚ ヮ゚ノル「あ、あの、私……」

( `ハ´)「誰だ貴様は。そのようなみすぼらしい格好のガキを私は知らないぞ」

i!iiリ゚ ヮ゚ノル「えっ……?」

何処へでも行ってしまえ――と。
吐き捨てるようにシナーは言った。そしてそれきり、何も言うことはなかった。
何も言うことは――なかったのだった。

感涙し、頭を下げる。
泣きながら礼を述べる二人に代わり、ギコが訊く。




257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:45:30.44 ID:05DdPa2d0
(;゚Д゚)「……あの、シナーさん……」

( `ハ´)「話しかけるな平民が」

取り付く島もない態度。
ぞろぞろと配下を引き連れ、屋敷に引き上げるのをやっとのことで引き止める。

(;゚Д゚)「あの、さっきは『味方なんていない』って言ってましたけど……少なくとも、一人はいるでしょ?」

( `ハ´)「…………さて。誰のことだ?」

(,,^Д^)「ギコハハハ。分からないなら、いいです」

途端に笑顔になったギコール・ハニャーンを、馬鹿にするように鼻で笑う。
だが、それは嘲笑と言うよりも、――自分の選ばなかった道を進む人間への手向けに思えた。

( `ハ´)「――なんにせよ、子のことを思わぬ親はいないと言うことだ」

(,,゚Д゚)「え?」

( `ハ´)「お前を守る神とて――それは同じだろうよ」

あの酷い威圧感は感じられない。これは、ギコに喩えさせるなら……いや、言わないでおこうか。
それは魔法使いの沽券と――父親のプライドに関わることだ。



259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/05(土) 23:48:30.28 ID:05DdPa2d0



十四日目 深夜



四月。季節は春だった。
依頼が同時に二つ。上の兄貴二人からと、末っ子一人から。

春なのに、春だから。
どうかお別れになりませぬよう?



…それはまた、次のお話であるのだが。






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