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◆o川*゚ー゚)oは残像のようです 第一話 ディスティニー感覚

インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:15:20.30 ID:1fDyPVtN0
( ・∀・)「ふいー、到着っと」

自転車のスタンドを下ろして校門の前で一息つく。
すぐ横に置いてある「入学式」と書かれた大きな看板だけが、僕を出迎えてくれた。

( ・∀・)「しっかし……」

周囲に僕以外の人間はおろか、猫すらいない。
入学式の朝としてはなんとも異様な光景だ。

(;・∀・)「はあ……当たり前だよな……まだ6時半だし……」

カバンから四つ折りにした入学式の案内を取り出す。
広げたその真ん中には大きく『新入生は午前8時に登校してください』と書いてある。
ここにいる理由を思い出すと、幸せが逃げるとしても深いため息を吐かずにはいられなかった。

――昨晩――

(;・∀・)『いやいや、全然大丈夫だって! 30分も早く着くんだよ!?』

( ゚ω゚)『モララー、明日は入学式だお!?
      何が起きても変じゃない、そんな時代なのに覚悟が出来てないお!』

(;・∀・)『入学式に時代って関係あるの!?』

( ゚ω゚)『おっお、Tomorrow never knowsだお! とにかく明日は早く出るんだお!』

(;・∀・)『今気付いたけどさっきからミスチルっぽいよ父さん!』



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:16:39.00 ID:nCOqTvgQO
キューちゃん可愛い!

ブーン系のアイドルはキューちゃんだよね!!


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:17:03.06 ID:2k+O4uV9O
前の投下は総合短編だっけ?頭から?


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:18:49.36 ID:7bIXzYYr0
なんか一発ギャグのクソスレかと思ったのに


5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:19:10.13 ID:1fDyPVtN0
――――

( ・∀・)「心配なのは分かるけど早すぎだよ父さん……」

鬼のような形相で起こしに来た今朝の父さんの顔を、僕は一生忘れないだろう。

やる事もないまま、ぼーっと校門の前で立ち尽くす。
準備のためなのか、僕の横を在校生らしき人が通り過ぎて校内に入って行った。

(*・∀・)(やばい、人に見られると結構恥ずかしい……)

今頃羞恥心に目覚める。
もし同じ新入生にでも見られたら、

( ゚д゚ )『なにやってんだこいつ……』

という目で見られる事間違いなしだ。
それだけはなんとしても避けたい。

( ・∀・)(どっかで暇を潰そう……)

きょろきょろと辺りを見渡す。
白んだ空に照らされて神秘的にも見える校舎。
その横に一際目立つ色を見つけた。

タイミングを見計らったかのように、満開のピンク色。
近づいてみると、それは校舎内でなく隣接した小さな公園にあった。


6 :>>3 前は長編序章祭です。微妙に手直ししてあります:2010/06/19(土) 20:22:36.53 ID:1fDyPVtN0
ちょうどいい、桜を眺めていれば一時間なんてすぐに過ぎそうだ。
自転車を入り口に止めて、その横の自販機で暇つぶしのお供を品定めする。

( ・∀・)「お、レモンスカッシュ」

スカッとした飲み物で気分を晴らせ、神様がそう言ってる気がした。
乱暴に落ちて来た缶を拾い上げて、慎重に蓋を開ける。
情けない音を出しながら炭酸が抜けたのを確認すると、プルタブを勢いよく起こした。

( ・∀・)(もうちょい炭酸飲料に親切設計な自販機ってないもんかな)

そんな事を考えながら、一口。
口に広がる爽やかな檸檬の味を楽しみつつ、上を見上げた。

(*・∀・)(綺麗だなー)

そこにあるはずの空を、桜色が飲み込んでいた。
満開まではもう少しかかるとニュースで見た気がするのだけど。
おそらく、ここ数日で急に暖かくなったのが効いたのだろう。


( ・∀・)(ベンチにでも寝っ転がって見たら絶景なんだろうなー)

頭の中にその絶景を思い描いてみると、試してたくて仕方なくなってきた。
多めにレモンスカッシュを口に含むと、公園の中へと歩を進めた。


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:25:01.65 ID:2k+O4uV9O
序章祭りか思い出した、邪魔して悪かった支援


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:25:29.22 ID:1fDyPVtN0
さほど広くない公園だから、ベンチは入り口からすぐそばにあった。
だけど、僕と同じ事を考えていた人がいたようで、同年代らしき女の子が真ん中に座っていた。

( ・∀・)(ありゃりゃ……)

仕方ないけど奥のベンチへ行こう。そう思い歩き出そうとした矢先、ある事に気付く。

( ・∀・)(あれ、うちの高校の制服だよな……?)

間違いない。僕のブレザーと全く同じ校章も入っている。
真新しく見えるのはきっと同じ新入生だからだろう。

( ・∀・)(どんな子だろう……)

その場で立ち止まって彼女の横顔を注視する。
しかし、肩まで伸びた栗色の髪に阻まれてその表情は分からなかった。
正面に回り込もうかと考えたが、不審者扱いされる可能性に気付いて思いとどまる。

( ・∀・)(奥に行くときにちょっと見てみるか……)

もう可愛い可愛くないの問題ではなく、意地だ。
僕と同じようにこんな早い時間に、僕と同じ事を考えてた奴の顔を見てみたい。それだけだ。

意を決して右足を踏み出した。
一歩、また一歩と近づいて行く。
あと片手で数えるくらい近づけば正面、という時だった。

(;・∀・)「っ!?」

足音に気付いたのか、彼女が僕の方へと顔を向けた。


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:28:28.51 ID:1fDyPVtN0
いや、正確には僕の事を見ていた訳じゃなかった。



o川*゚ー゚)o



彼女はただ、桜色が舞うのを見ていた。



(*・∀・)(か、可愛い……)

思わず魅入って立ち止まってしまう。
丸くて大きな黒い眼は夜の海を連想させる。
髪の毛にいくつも付いた桜の花びらすら、僕には装飾品のように見えた。

そこまで考えて、僕が次の褒め言葉を探していた時だった。

o川*゚ー゚)o「あ」

( ・∀・)「」

短く発せられた驚嘆の声と共にぴたり、と視線が重なった。

( ・∀・)

(;・∀・)(やっべえええ気付かれたあああああ!!!)


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:31:21.53 ID:1fDyPVtN0
o川*゚ぺ)o「むう……」

さながら名探偵のように、顎に手を添え、口をへの字にして僕を見つめてくる。
見つめてくる、というより観察してくる、と言った方がいいだろうか。
瞳がせわしなく上下しては、時々何かを考えるように首をかしげる。

(;・∀・)(やばいやばいめっちゃ見られてるめっちゃ見られてる)

このままでは、
『入学式当日の早朝から人気のない公園で女の子をずっと観察してニヤニヤしてた変態』
というレッテルを張られたまま3年間を過ごす羽目になりかねない。

(;・∀・)(弁解するんだ! 唸れ、僕の脳細胞!)

血の気の引くような浮遊感を抑えて、頭の中の引き出しを開けたり閉めたり。
それでも、とても彼女が納得してくれるような言葉が見つからない。
それもそうか。こんな時に使うための言葉なんてわざわざ考えておく訳ないんだから。

o川*゚ー゚)o「分かったぞっ!」

(;・∀・)「ひゅえっ!?」

そう言って急に立ちあがった彼女に驚き、思わず情けない声が漏れた。
そんな僕の態度を意に介さず、勢いよく人差し指で僕を指し示す彼女。
例えるなら、漫画ならばビシッと擬音が当てられそうな勢いだ。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:34:27.17 ID:1fDyPVtN0
o川*゚ー゚)o「君はわたしと同じVIP高校の新入生だな!?
       そしてわたしと同じく昨日寝れなくなっちゃって、散歩してたらここに来た!
       そしたらなんと、公園に絶世の美少女キューちゃんの姿が!
       ついつい磁石のように吸い寄せられて見とれちゃってた訳ね!
       あ、キューちゃんってのはわたしの事ね」

( ・∀・)「」

落ち着け、落ち着くんだ僕。両親や身近な友人の顔を思い浮かべるんだ。
変態に加えて通り魔のレッテルまで張られるような事があったらみんなが悲しむ。
必死で自分を殺している間、彼女は僕の周りをくるくる歩きながら話を続ける。

o川*゚ー゚)o「おお、言葉も出ないくらいキューちゃんの推理は御名答だったようね!
       大丈夫、君くらいの歳だったらキューちゃんにメロメロになるのはしょうがないよ。
       だからそれを悔やむ事なんてないって。さあ、笑って……えーと、名前知らないや」

(#・∀・)「」

生まれて初めて、女性を本気で殴ってやりたいと思った。

o川*゚ー゚)o「うひゃあ、顔が怖い怖い」

(#・∀・)「とりあえずひっぱたかせろ」

o川*゚ー゚)o「もーう、イライラしたからってそんなことしちゃ……めっ! だぞ?」

苛立ちの原因はおちょくるような笑顔で下から覗きこんでくる。

(#・∀・)「ええい! このままじゃらちが開かない!」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:38:03.67 ID:1fDyPVtN0
こんなふざけた誤解をされたままで、向こうのペースに巻き込まれたままで黙っていられるか。
話を真面目に聞いてもらうにはうろちょろされては困る。
僕はまだくるくる歩いている彼女の肩を掴むべく、手を伸ばした。

o川*゚ー゚)o「んにゃ?」



しかし、伸ばした手は



(;・∀・)「っ!?」



彼女の肩に触れたかと思うと



(;・∀・)「うおっ!?」



そのまますり抜けた。


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:41:12.51 ID:1fDyPVtN0
(;・∀・)「……え?」

あっけにとられていると、視界が舞いあがった花びらで埋まるほどの強い風が吹いた。

(;‐∀・)「くっ……」

思わず一瞬だけ目を閉じる。
次に目を開いた時には、質量を持たない彼女は消えていた。

o川*゚ー゚)o

そして、その数メートルほど奥にはしてやったりと言わんばかりの表情を浮かべる彼女。
体のあちこちを彩る桜色が、確かにそこに存在する事を示している。

(;・∀・)「き、君は一体なんなんだよ!? 幽霊か何かなのか!?」

混乱する頭で絞り出した言葉がそれだった。
本来なら、初対面の相手にこんな事を言うのは失礼極まりないだろう。
だけど、この状況では常識を考える事自体が無駄に思えた。

(;・∀・)「……」

o川*゚ー゚)o「……」

つかの間の静寂の後、彼女は言い放った。
こういう時はそうするのが当たり前だ、と言わんばかりに。

o川*゚ー゚)o「初対面なんだから自己紹介するのが先でしょ!
       わたしはさっきしたから今度は君の番ねっ! はい、どうぞっ!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:44:05.79 ID:1fDyPVtN0
まともな自己紹介なんて何一つされた覚えなんてない。
そう言ってやりたかったけど、目の前の最重要懸案の方が今の僕には大事に思えた。
愚痴をぐいっと飲み込んで、今までで一番大きな声での自己紹介をした。

(;・∀・)「僕の名前はモララー!今年からVIP高校の一年生だ!
      さあ、僕は自分の事を教えたぞ! 今度は君の番だ!」

最初に彼女を見たときのように注視する。
あの時と違うのは、得体のしれない彼女への恐れを抱いていると言う事。
そんな僕の心情を知ってか知らずか。

o川*゚ー゚)o「あ、ごめんね! わたしちゃんと自己紹介してなかった気がする!
       んじゃ、改めて……わたしの名前は素直キュート! キューちゃんって呼んでね!」

にいっ、と口角を上げて本当に楽しそうに笑った。

o川*゚ー゚)o「でー、モララーと同じVIP高校の一年生! よろぴくっ!」

まるで親しい友人に向けられているかのような、そんな笑顔。

o川*゚ー゚)o「そんなキューちゃんの特技は―――――」

公園に明るく響いていた声が、途切れる。
笑顔のままで動きが、止まる。
僕の正面から一陣の風が吹いた瞬間、

o川*゚ー゚)o「残像を作る事、でっす!」

キュートは僕の目と鼻の先にいた。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:47:15.60 ID:1fDyPVtN0
(;・∀・)「……」

自然と全身の力が抜けて、地面にどさり、と座りこんでしまう。
きっと、僕の体はこの非日常から逃げる事を諦めたんだろう。

(;・∀・)「は、ははは……」

しばらく経って頭も受け入れる準備が整ったのか、ようやく声が出た。
これが笑うしかない、って状況か。身を持って知ったよ。

o川*゚ー゚)o「もしもーし、だいじょーぶ?」

その状況を作り出した張本人はいたって普通に僕に語りかけてくる。

(;・∀・)「ギリギリ……大丈夫かな」

o川*゚ー゚)o「そんなに驚いた?」

(;・∀・)「生身の人間が残像作っていたら、誰だってこうなるよ……」

o川*゚ー゚)o「えー? 見た人はみんなすごーい、とかかっこいー、とか言ってくれたよ?」

そっちの方が異常なんじゃないか、とでも言いたげな目で見てくる。
どうもキュートは幸いにも周囲の理解を得られて生きてきたらしい。
しかし、高校生にもなれば残像が作れるような人間の異常性をみんな理解するだろう。


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:50:12.22 ID:1fDyPVtN0
( ・∀・)「……」

o川*゚ー゚)o「どーした? 真面目な顔しちゃって。
        あ、分かったぞ。これからキューちゃんに愛の告白をするつもr」

( ・∀・)「キュート」

誰もやらないかもしれない。
それでも、誰かがやらないといけない。

o川*゚ー゚)o「や、やだなぁ……本気で?」

だったら、それはいの一番に関わってしまった僕がやらなければいけないのかもしれない。
例えほんの少しの差だとしても、今一番そばにいる僕が。

( ・∀・)「君のそばにいようと思う」

o川*゚ー゚)o「……へ?」

( ・∀・)「正直、今のところ君の事は嫌いだ。
      でも、ろくに理解もしないで結論付けるなんて事はしたくない。
      だから、今は暫定的にだけど君のそばで……君の味方でいようと思う」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:53:08.20 ID:1fDyPVtN0
なんかすごい事を言っている気がする。

o川*゚ー゚)o「ぷ……プロポーズ……?」

( ・∀・)

(*・∀・)

やっぱりすごいどころかとんでもない事を言っていた気がする。

( //∀/)「うおああああああああああ!!!! 」

o川;゚ー゚)oそ「ちょ、ちょっとモr」

( //∀/)「忘れろおおおお!! 忘れてくれええええええ!!」
       いやもう死ぬ! 君を殺して僕も死ぬ!」

風邪でも引いたかのように顔が熱くなる。
なんだか全身がむずがゆくて仕方ない。
これが俗に言う黒歴史ってやつなのか。

o川*゚ー゚)o「ぷっ……ぷぷぷ」

( //∀/)「いやあああああ! 笑っちゃやらあああああ!」

o川*^ー^)o「あはははははは! モララーって面白い!」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:56:17.51 ID:1fDyPVtN0
( //∀/)「らめええええええ……え?」

ふと聞こえたキュートの言葉。
面白いってどういう意味? 黒歴史的な意味?

o川*^ー^)o「びっくりした顔したり、真面目な顔したり、恥ずかしがったり……
        見てて全然飽きないよ!」

( //∀/)「は、恥ずかしいの見て笑ってたんじゃないの……?

顔を見るとまた悶えそうだから、目線を逸らしながら尋ねる。

o川*゚ー゚)o「笑えないよ……」

初めて聞くトーンの低い声で答えるキュート。
真面目な雰囲気に違和感を感じて、恐る恐る顔を見てみる。



o川*//ー/)o「あ、あんな真面目な顔で言われて……笑える訳ないじゃん」

僕と同じように、顔を赤く染めて目線を逸らしていた。
照れ隠しなのか、ぽりぽりと頬を掻きながら。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 20:59:07.92 ID:1fDyPVtN0
( //∀/)「~~~~!!」

さっきとは違うむずがゆさが僕を襲う。
耳たぶが赤く染まる音が聞こえたような気がした。

o川*//ー/)o「けけ結構言われて恥ずかしかったんだよっ!
         いくらキューちゃんがかかか可愛いからってさー! もー!」

顔は赤いままだけど、キュートの声の調子は元に戻っていた。

o川*//ー/)o「この話はもうおしまい! ね!」

(*・∀・)「う、うん……そうしよう。それがいい」

ようやく落ち着いてきて、お互いまともに喋れるようになってきた。

o川*゚ー゚)o「いやー、でもキューちゃんびっくりだよー」

( ・∀・)「何が?」



o川*゚ー゚)o「ひとめ惚れされたと思ったらまさかのプロポーズだもん」

( ・∀・)「」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:02:11.60 ID:1fDyPVtN0
それってまさか最初に僕がキュートを見ていた時の……

(*・∀・)「ちがっ……あれはそっちが勝手にひとめ惚れだと勘違いして……」

o川*゚ー゚)o「いいんだよ、モララー。人を好きになるのは全然恥ずかしい事じゃないんだよ」

( //∀/)「だああああああ!!! 違う! 惚れてない!」

o川*゚ー゚)o「わー、照れてる照れてるー」

( //∀/)「えええええええい! 話を聞けえええええ!」

冷やかすような口調で煽りながら、僕から走って遠ざかっていく。
その生意気な口を塞ぐべく、レモンスカッシュを放り投げて追いかける。

( //∀/)「大体な、僕は同じ時間を共有して少しずつ心の距離を近づけていくタイプ……
       って、何言わせてんだー!」

o川*゚ー゚)o「そっちが勝手に言ってるんじゃーん!」

( //∀/)「うるさーい! 捕まえたz」

言い終わる直前で、強い風が吹く。

o川*゚ー゚)o「残念! モララーが捕まえたキューちゃんは残像でしたー!」

( //∀/)「うわああああ! むかつくうううううう!」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:02:50.22 ID:jIw5b4rVO
おい嘘だろマジかよ、続き書いてくれたのか!

支援


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:05:32.52 ID:1fDyPVtN0
どれほどそうやっておちょくられていただろう。
ふと、聞こえて来たチャイムの音と共に鬼ごっこは中断された。
思わずその場に座り込んで、天を仰ぐ。

o川*゚ー゚)o「おおう、もうこんな時間!」

(;・∀・)「何でっ……呼吸ひとつ乱れてないんだよ……」

肩で息をしている僕とはまるで対照的だ。
何回も残像で逃げていたから、僕より運動量は圧倒的に多いはずなのに。

o川*゚ー゚)o「ふははは、モララーとは鍛え方が違うのでっす!」

腰に手を当てて胸を張り、したり顔でキュートは答える。
そう言われると、僕にも男としてのプライドがある。
ひとまず顔を下に向けて、呼吸を整え言い返す。

(;・∀・)「くっそ……そのうち絶対捕まえてやるからな……ってあれ?」

顔を上げると、さっきまでそこにいたはずのキュートはいなかった。
辺りを見渡してみても、どこにもいない。そこまで確認した時だった。

o川*゚ー゚)o「キューちゃんフリーズ!」

背後から聞こえたキュートの声と同時に、何かとても冷たい物が僕の首筋に押し当てられた。

(;・∀・)「ひょおおおおおお!!!」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:08:23.46 ID:1fDyPVtN0
その刺激に反射的に前方へわたわたと逃げ出すと、後ろから笑い声が聞こえて来た。
面白くて仕方ないとでも言わんばかりの大きな笑い声。
振り返ると、両手にレモンスカッシュを持って立つキュートがいた。

(;・∀・)「いきなり何すんだよ!」

o川*゚ー゚)o「あー、そんな事言っていいのかなー?
       せっかく キ ュ ー ち ゃ ん が お ご り で買ってきてあげたのに」

自分の名前とおごったという部分を強調して聞いてくる。
そう言われたら返す反応なんて自然と限られてくるじゃないか。

(;・∀・)「……ごめんなさい、ありがたく頂きたいと思います」

o川*゚ー゚)o「むふふ、よろしい」

悪代官のような声を出しながら、右手に持ったレモンスカッシュを差し出してくる。
さしずめ今の僕は越後屋だろうか。なんて事を考えつつもそれを受け取る。

o川*゚ー゚)o「おぬしもワルよのう、モララー」

( ・∀・)「いつの間にジュース貰うのが罪になったんだよ、この国は」

o川*゚ぺ)o「ノリ悪いなー、もー」


41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:12:34.97 ID:1fDyPVtN0
そう言いながら自分の分のレモンスカッシュの蓋を開けるキュート。
しかし、開けた瞬間に中身が噴水のように溢れだしてきた。

o川;゚ー゚)o「うひゃあっ! モララーヘルプミー!」

キュートが僕に助けを求めている間に、噴き出す勢いは収まった。
ずっと持っていたせいで両手はびしょ濡れになってしまっている。

o川;゚ー゚)o「あうう……」

(;・∀・)「あーらら、ひどいなこれは。手洗ってきな」

分かった、と言ってキュートは水道へと小走りで向かって行った。
それを見送って、自分のレモンスカッシュに視線を落とす。

( ・∀・)(買ってきたらしい時間からして、あのスピードで往復したんだろうな……)

だとすれば、当然中身は激しく振られる。
つまり、一緒に持ってきたこれも危ない。
その証拠に、アルミ缶のはずなのに力いっぱい缶を握ってもへこみもしない。

(;・∀・)(飲みたい……喉カラッカラだし……)

服にも被害が及ぶのを覚悟で、のどの渇きを癒すか否か。
小さいようで、非常に重要な決断を迫られていた。



~~~~~~


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:15:08.04 ID:1fDyPVtN0
o川*゚ー゚)o「~♪」

水道ではまだキュートが鼻歌を歌いながら缶を拭いていた。
どれくらい僕が判断を迷っていたかは知らない。
でも、女の子ってのは手を洗うのにも色々やる事があるんだろうか。

( ・∀・)「……」

o川*゚ー゚)o「ん、どうしたのモララー」

( ・∀・)「ああ……ちょっとね……」

o川;゚ー゚)o「んげっ! モララーもびちょびちょ……」

僕の状況を見るなり、キュートは慌てて蛇口のそばから離れた。
数分前の彼女同様、僕の手をレモンスカッシュでびしょ濡れになっていた。

( ・∀・)「ふふふ……でも僕の卓越した炭酸抜きテクニックでどうにか半分は死守したよ……」

o川;゚ー゚)o「……なんかすごいやり切った感が出てるよ」

慎重に慎重を重ねて炭酸を少しずつ抜いて行った結果。
約半数の尊い犠牲の果てに掴んだ勝利だった。


45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:18:07.36 ID:1fDyPVtN0
( ・∀・)「さて……」

手と缶を綺麗に洗って、待ちに待った水分補給をしようとした時だった。

o川*゚ー゚)o「タンマタンマ! その前にやる事があるでしょ!」

そう言うとキュートは自分の缶を僕の前に持ってきた。

o川*゚ー゚)o「まずはカンパイでしょ!」

( ・∀・)「……なんで?」

o川*゚ー゚)o「そりゃーふたりの新しい門出に、だよっ!」

その言葉を聞いて、頭の中にひとつの結論が浮かんだ。

( ・∀・)「……ふたつ買ってきたのってそのため?」

o川*゚ー゚)o「そのとーりっ!」

思えば、息ひとつ乱してなかったキュートが水分を補給する必要なんてどこにもない。
溢れて来た時だって、ずっと持っておく必要だってなかったのに。


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:21:07.67 ID:1fDyPVtN0
( ・∀・)「バカだなぁ、本当にバカだ」

o川*゚ぺ)o「むー! ひどーい!」

( ・∀・)「だから、やっぱり誰かそばで見といてやらないとな」

そう言って、キュートがしたように缶を差し出す。

o川*゚ー゚)o「……えへへ」

少し遅れてキュートの缶と僕の缶がかしん、と音を立ててぶつかった。
同時に口を付けて一気に飲み干すと、キュートが公園の時計を見て言う。

o川*゚ー゚)o「そろそろ行こっ! もうすぐ8時だし!」

( ・∀・)「そうだね、さすがにこの時間なら大丈夫だろうし」

空き缶をゴミ箱に捨てると、キュートは軽やかな足取りで入口へと向かっていく。
その様子を目で追いながら、僕も空き缶を捨てると彼女の元へと歩き出した。


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:24:24.62 ID:1fDyPVtN0













o川*゚ー゚)oは残像のようです

第一話 ディスティニー感覚

終わり














49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:27:18.77 ID:J28QrwZM0 BE:2371018368-2BP(1238)




50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:29:44.10 ID:1fDyPVtN0
指摘してくださる方がいましたが、
この作品はシベリアで行われた「長編序章祭」で投下されたものです。
そこで投下されたものとは微妙に改行などを直してあります。

そこで見ていた方は内容が分かっていて少々暇だったかもしれません。
なので、このまま続けて第二話も投下したいと思います。

ここまで見てくださった皆様、支援等ありがとうございます。
引き続きお付き合いしてくださると幸いです。


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:31:28.57 ID:2k+O4uV9O
乙!


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:33:34.92 ID:jIw5b4rVO
これ気になってたんだよ。

支援


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/06/19(土) 21:34:16.36 ID:2k+O4uV9O
お、このまま二話か支援


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    待ち続けている人がいる。
    だから僕らは回し続ける。
    ~まだ見ぬ誰かの笑顔のために~

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