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◆( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです <最終話(後)>

前の話/インデックスページ

1 : ◆BXpnga8YvJwe :2010/07/03(土) 22:07:10.84 ID:wU0bEbcD0
遅くなったよ
遅れた理由:寝てた

まとめさん
 くるくる川 ゚ -゚)
 ttp://kurukurucool.blog85.fc2.com/

 自作品置き場
 ttp://xcyv9xdvhq.sakura.ne.jp/

最終話(前)からの続きなので、(前)を読んでない人は↑で
非実在ちんぽ

※ショタホモ閲覧注意



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:09:33.73 ID:wU0bEbcD0
<最終話(後)>

                      - 6 -

明るい中庭には、三人の姿がある。
ジョルジュと、彼に手を握られたしぃ。
そして――しぃに猟銃を突き付ける、ギコ社長。

(#, Д )「ふッ……はあッ……!!」

荒い息遣いが、少し離れた二人の耳にまで届く。



――ジョルジュは、しぃを取り戻した。
   ドクオを退け、ギコ社長を人質にしぃと共に屋敷を出た。

   だが、まだ全てが終わってはいない。

   ギコは、彼らを追った。

   屋敷の中庭で二人を捉え、そして再びしぃに服従を命じる。
   その手には、猟銃がある。

   それに対抗する手段を、二人は持たない。
   そして二人は――
 
 
 



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:11:37.17 ID:wU0bEbcD0
ギコの眼は、怒りに狂っている。
その呼吸は荒く、ほとんど肩で息をしている。
そして目は据わり、しぃがいる辺りの中空を睨んでいる。
  _
(; ゚∀゚)「ッ……!」

(;゚ー゚)「あ、あ……」

しぃが眼を見開き、身体を強ばらせた。

咄嗟に、ジョルジュはギコの手元を見る。
引き金には、既に震える指が掛かっている。

撃つ直前以外、絶対に引き金に触れてはいけない。

人差し指は銃身に添えるか、さもなくば引き金の外側を囲う形で据え付けられた「用心鉄」
という部品に置かなくてはいけない。ジョルジュ自身が散弾銃の扱いを学んだ際の知識だ。

いつ暴発しても、おかしくはない。
  _
(; ゚∀゚)(俺は、何を――)




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:13:30.57 ID:wU0bEbcD0
撃ち返せるか?

それはできない。散弾銃はデコッキング――暴発を避け、未装填の状態に戻す動作――
を行なった後だ。しぃを庇ったまま抜き、ギコよりも再装填、発砲するなど不可能だ。

では、止めるか?

引き金を引かせなければ、発射を阻止することは可能だ。だがギコ社長との間には距離が
ある。そして、極度の興奮状態だ。下手に歯向かえば、その瞬間に発砲されかねない。

では、どうする。

自分ができることは――
  _
(; ゚∀゚)(――しぃッ!)



――それ以上考えるよりも早く、身体が動いた。


  _
(; ∀ )「――ッ!」

ジョルジュはギコに背を向け屈む。
そして、しぃの小さな身体を己の身体で覆い隠すように抱き込んだ。



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:15:31.34 ID:wU0bEbcD0
猟銃の威力など知らない。どんな弾丸が装填されているかすら分からない。
人間一人が盾になって防げるのかどうか、それすらも判断できない。

ただ、しぃの身を守る。
刹那、そのことだけが思い浮かんだ、その結果だった。

(;゚ー゚)「あ、……っ!」

ギコには、ジョルジュは見えていない。彼がしぃの身体を庇ったことなど無かったかの
ように、銃口をしぃの胸の位置に据えたまま息を吐き、再び言った。

(#, Д )「言え。お前は俺のペットだと。
     裏切りなどしないと、また俺のものになると……言えッ!!」

その声は。
泣き叫んでいるようにも聞こえた。

(* - )「……」

しぃは、答えない。
強張る全身を震わせ、しかし頷かない。

代わりに、両腕を上げ、己の身体を抱くジョルジュの背中に回した。
そしてその両腕に、強く力を籠めた。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:17:37.28 ID:wU0bEbcD0
早鐘を打つ心音が、密着する互いの胸に伝わる。

眼を閉じ、それを確かめた。

(*゚ー゚)(ジョルジュさん。ボク――)

しぃは、胸の内で呟く。
  _
( -∀-)(――ああ、いいんだ。いいんだよ)

そして、ジョルジュはそれを肯定する。

言葉は、交わしていない。だがそれでも、伝わった。
互いが何を考え、何を答えようとしているのかが。



――答えは、決まっている。



(* ー )「…………い」

口を開いた。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:19:47.26 ID:wU0bEbcD0
(*゚-゚)「……やだ、よ。ボク、帰らない」

答えた。

(#;ー;)「イヤ、絶対にイヤ!! ボク、帰らない!
     ギコさんの所には、ここには……もう、絶対に、戻らないッ!!!」

叫んだ。

はらわたを吐き出すように。
今まで虐げられ、抑え付けられてきたもの全てを、渾身で拒絶した。

(,, Д )「……」

その叫びは、低木と塀に吸われて消えた。
ギコは、ただその言葉を反芻するように、大きく何度か息を吐いた。

(,, Д )「……そうか。なら――」

猟銃を肩に構え直す。

(#,゚Д゚)「――死ねぇッ!!」

(; - )「ッ!!」

しぃのジョルジュの身体に回した腕に、力が篭もる。
ジョルジュも腕に残された力を篭め、力一杯にしぃを抱いた。



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:20:30.60 ID:CLow8t1YO
最初しぃが女だと思ってた俺の夢を返せ支援じゃこら


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:20:54.38 ID:niv+stxzO
来ない来ないと思ってたら寝てた…だと!?
支援


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:22:22.62 ID:wU0bEbcD0
  _
(; ∀ )「っ――!!」

互いの腕で互いの身体を支え、目を閉じる。

何も考えず、名前を呼び合うことすらできず、ただ歯を食いしばった。



――破裂音。

   それが、広い屋敷の中庭に響く。

   その音は――





13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:24:26.49 ID:VIzLHb3v0
ゴクリ……


14 :>>10ごめんね11>>ごめんね:2010/07/03(土) 22:24:44.03 ID:wU0bEbcD0
  _
(; ∀ )「……ッ、く!」

(; ー )「あ、あっ……!」

ジョルジュは、全身を固める。
しぃが息を呑み、両目を固く瞑る。



その音は――



(,, Д )「…………」



ギコが――両眉を上げた。
 
 
 


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:26:50.20 ID:wU0bEbcD0
その頭上から、砕けた、薄い素焼きの植木鉢の破片が。
粒度の細かいさらさらとした土が、日を照り返す鮮やかな黄の花弁と緑の葉が。

ギコの顔と、スーツの肩に、勢いよく降り注いだ。

猟銃が、その手から落ちる。
土を被って灰褐色になった額を、つ、と血が流れ落ちる。

(,, Д )「……な、に?」

途切れ途切れに疑問を発しながら、ギコは己の背後を振り返った。

从; -从「……っ」

背後には、高岡が立っていた。
高岡は両腕を振り下ろした姿勢のまま目を固く閉じ、震えていた。

破裂音は、発砲音ではなく、ギコの頭で植木鉢が砕ける音だった。

屋敷の裏手から現れた高岡が、壁沿いに置かれていた植木鉢の一つを手に取り、
それを彼の背後から頭に振り下ろしたのだ。

(,, Д )「お、ま――――か、ッ」

言いかけた言葉が途切れ、黒目が反転する。
身体を一度大きく震わせ、そのままギコは倒れた。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:29:06.27 ID:VIzLHb3v0
ギコざまぁみろ


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:29:15.26 ID:wU0bEbcD0
(;゚ー゚)「……ぅ、っ?」

固く目を瞑っていたしぃが、そろそろと目を開く。その身体をきつく抱いたままの
ジョルジュの身体に両手を這わせるが、負傷していると思しき箇所は見当たらない。

視線を前方に向け、そこに始めて倒れたギコと高岡の姿を認めた。

(;゚ー゚)「え、あ、た、高岡さんっ?」

ジョルジュもしぃの身体から腕を解き、立ち上がった。

己としぃの身体を見下ろし、どこにも傷がないことを確かめる。
ギコが倒れるとき、猟銃が暴発しなかったのは幸いだった。

从 ゚-从「……」
  _
( ゚∀゚)「ありがとう。助かった」

高岡は、軽く首を振る。
黙ってジョルジュの顔を見、そして表情を幾分和らげ、しぃを見た。
その目の中に彼は、自分自身と、そしてギコとも似た色を見た。

そう。それが、理由だ。

全ての。全員の。


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:32:15.18 ID:wU0bEbcD0
玄関のドアが勢いよく開かれる。
ドクオに肩を貸したブーンと双子の兄弟が、焦燥した様子で雪崩れ出てきた。

(; ^ω^)「しゃ、社長っ!」

从 ゚-从「……」

高岡は姿勢を正し、ジョルジュに向けて軽く頭を下げた。
その態度は、視線は、構うな、と言っている。そして、早くこの場から去れ、と。
  _
( ゚∀゚)「君は――」

高岡は、軽く微笑んで首を振る。
それはジョルジュの前で、始めて高岡が見せた笑顔だった。

从 -∀从「いいの。私は……」

続く言葉はない。彼は高岡に頷き返し、しぃの手を取った。
しぃは、戸惑いながらもその手を握り返す。

屋敷の門に向かう前に、最後にしぃは高岡を見る。

視線が交される。
一方は真っ直ぐに、他方は眩しげに、そして名残惜しげな視線が。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:34:59.15 ID:wU0bEbcD0
(*゚ー゚)「高岡さんっ、高岡さんは?」

从 -∀从「もう、戻って来るんじゃないよ。
      ……さよなら、しぃ」

問いには答えない。
ただ、弟に、妹に、そしてそれ以外の何かに、自分自身に、諭すように言った。

ジョルジュはしぃの手を引き、玄関に背を向けた。
背後では、ブーンが何事かを喚いているのが聞こえる。
  _
( ゚∀゚)「――帰ろう」

しぃは答えなかった。
代わりに、彼の手を小さな手で強く握り締めた。

二人はただ、無言で庭石を踏んだ。

全身が重い。

右肩には、発砲の反動で重い痺れが残っている。
だが痛みは、気づかない間に引いていた。

開かれた鉄扉の前で、ジョルジュはまた天を仰ぐ。
変わらず青い空の片隅、遠くで、パトカーのサイレンが鳴るのが聞こえた。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:36:00.97 ID:VIzLHb3v0
高岡……


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:38:50.90 ID:wU0bEbcD0

                      - 7 -

二人が事務所の階上にあるジョルジュの私室に着いたのは、それから一時間ほど後だった。
陽は、まだ高い。
  _
( ゚∀゚)「さ、着いたぜ――お帰り」

彼がそう冗談めかして言うと、しぃは俯きがちにではあるが、はにかんで返した。

(*゚ー゚)「うん……、うん。
     ただいま、ジョルジュさん」

おずおずと靴を脱ぎ、部屋に上がる。
再びキッチンシンクに積み上がり始めた食器類に視線を遣った。
  _
(; ゚∀゚)「あ、やべっ」

(*゚ー゚)「……こんな時にまで、怒ったりしないよ」

リビングに出ると、眼を細めて屋外の風景を見る。
そして胸に手を当て、感慨深げに室内を見渡した。


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:41:27.07 ID:wU0bEbcD0
(*゚ー゚)「ボク……帰ってきたんだ」
  _
( ゚∀゚)「ああ、そうだよ。
     もうどこにも、戻る必要はないんだ」

答えて、しぃの肩に手を置こうとする。
それに合わせ、しぃは身を翻してジョルジュに向き合った。
彼の手は空を切る。
  _
(; ゚∀゚)「お、っとと!」

(*゚ー゚)「ね、ジョルジュさん。ひとつだけ、いい?」

しぃは、薄く微笑んでいる。
彼が頷くと、少し黙り、間を置いた。

(* ー )「……」
  _
( ゚∀゚)「……」

やがて、遠慮がちに口を開いた。

(*゚ー゚)「あのさ。まだ時間早いけど……。
     ……お風呂。借りてもいい?」
  _
( ゚∀゚)「なんだよ、そんなことか。
     いいさ、洗ってくるから待ってろよ」


29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:42:44.91 ID:VIzLHb3v0
嫁にしたい、もとい婿にしたい


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:43:59.14 ID:wU0bEbcD0
(*゚ー゚)「ううん、自分で洗って入るから、いいよ」

頷き、振り返る。
浴室は、入り口からすぐ、キッチンの向かいにある。
  _
( ゚∀゚)「そっか。なら、ついでに頼むよ。
     洗剤なんかは洗濯機の上の棚にあるから、好きに使ってくれな」

(*^ー^)「うんっ。ありがと、ジョルジュさん」

軽く会釈し、手を振って浴室に向かう。
開かれたままの浴室の入り口からがたがたと棚を探る音が聞こえてきたのを確かめ、
ジョルジュはようやくソファに腰かけてタバコに火を点けた。

最初の一服は慌しく、ニコチンを摂取するためだけに貪るように吸う。
それが終わり二本目に火を点けると、ようやく深く煙を吸い込んでその味を楽しんだ。

昼間は、ほとんど吸っていなかった。

二本目に続き、三本目に点火する。
火を点けた瞬間の、葉を巻いた紙が焼ける微かに甘い匂いの煙が鼻をくすぐる。
  _
( -∀-)「はああ――っ」

棘のある煙が、気管を燻す。
重度の嗜好者にしか理解できない愉悦の時間だ。

目を閉じ、深い感慨と共にそれを存分に味わった。


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:46:24.57 ID:wU0bEbcD0
一段落すると、寝室に向かう。
スーツをベッドに放り出し、右肩のホルスターも外して無造作にベッドに置いた。
  _
( ゚∀゚)「……もう、使わないだろうな。
     しかしこれ、捨てるにはどうすればいいんだ?
     家電リサイクル……家電じゃねえか。ショボンの奴にでも聞いてみるか」

リラックスしたスウェットに着替え、リビングに戻った。
ソファに深く座り、また煙草を吸う。

開け放した浴室に繋がる戸から、水音が流れ続けているのが聞こえる。
シャワーの湯が床を叩く、細かく連続した音だ。
  _
( ゚∀゚)「あいつ、遅いな。
     まあ、女は長風呂だからな。しゃあないか。
     ……ん? 待てよ……いや、止めとこう」

意味もないことを呟き、壁に掛けられた時計を見る。
しぃが浴室に入ってから、二十分以上が経過している。

音からして、その間シャワーはずっと流したままのようだ。
僅かに、不安になる。
  _
( ゚∀゚)「あんまりメシも食ってなかったみたいだし、疲れてるのかな。
     ゆっくり身体洗いたいだろうしな。ちょっくら待ってみるか」

独りごち、煙草の煙を楽しむ作業に没頭する。



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:47:57.79 ID:niv+stxzO
意味深だww支援


35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:49:33.11 ID:VIzLHb3v0
女ってww


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:50:35.89 ID:9f0++mYV0
女wwwwwww


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:49:28.00 ID:wU0bEbcD0
さらに、十五分ほどが経過した。
シャワーの音は、止まない。
  _
( ゚∀゚)「……さすがに、気になるな」

煙草を揉み消し、立ち上がる。脱衣所に向かいながら、中に声を掛けた。
  _
( ゚∀゚)「おーい。しぃ?」

浴室は明るいが、脱衣所の明かりは落ちている。閉じた洗濯機の蓋の上に、しぃが脱いだ
給仕服が丁寧に畳まれて置かれているのが目についた。
  _
( ゚∀゚)「さすがはメイド。じゃねえや、元メイドか。
     じゃなくって、おい、しぃ! 聞こえるか?」

浴室の戸は閉じているが、擦りガラス様に加工されたアクリルの戸から内側の様子は見る
ことができた。戸の正面に肌色の人影がうずくまっているのが、もや状の模様に浮かび
上がって見える。
  _
( ゚∀゚)「しぃ。寝てんのか? それとも、のぼせたか?
     起きてんなら、返事してくれ。返事がないなら入るぞ?」

そのまま数秒待つが、やはり返事はない。
  _
( ゚∀゚)「しゃあねえな。こういうのも覗きになるのか?
     ……考えても仕方ねえか。おーい、入るからな!」

スウェットの裾を、乱暴に膝の下まで捲る。
浴室に声を張り上げて、ジョルジュは戸を開いた。


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:52:12.64 ID:wU0bEbcD0
シャワーを長時間流し続けた浴室には、濃い湯気が充満していた。
ユニットバスではないが、さして広くもない浴室だ。

入り口から正面、踏み込んだ彼のすぐ足元にしぃの小さな背中があった。
正面の鏡も曇り、入り口に背を向け体育座りの姿勢で座り込んだ少年の表情を映さない。

背中の傷跡の中に、最近付けられたと思われるものが増えている。
幾筋かの跡は、鮮やかなピンク色のみみず腫れになってそこに張り付いていた。
それは無視する。
  _
( ゚∀゚)「おい、大丈夫か? のぼせでもしたか?」

屈み、しぃの肩に手をかける。
濡れた髪がへばりつく首筋から、俯いたしぃの顔を覗き込もうとした。

しぃは、俯いたままゆるゆると首を振った。
  _
( ゚∀゚)「なんだよ、無事だったか。
     調子、悪いのか? どっか痛むのか?」

(* ー )「……」

また、首を振る。
  _
( ゚∀゚)「なら、ホラ。早く出ちまいな。ふやけちゃうぜ。な?」

(* ー )「……」


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:53:55.70 ID:wU0bEbcD0
しぃは、無言だ。
鏡の上で金具に固定されたシャワーから湯が降り注ぎ、頭と首を伝って流れ落ちる。
絶え間なく跳ねる飛沫が、しぃの傍らに屈むジョルジュの服にも飛んだ。
  _
( ゚∀゚)「なんだよ。どうした?」

(* ー )「……」

答えない。

(* ー )「……ジョルジュさん。
     始めて会った日の、夜のこと、覚えてる?」

逆に問い返される。

しぃと始めて会った日にも、彼はこの背中を見た。
そして、しぃが少女ではなく少年であることを知った。

そして――
  _
(* ゚∀゚)「あ、ああ。覚えてるぜ。それが、どうした?」

(* ー )「……。見たんだよね、ジョルジュさん。
     あの、ビデオ……も」

空気が重くなる。

あれを見せられたからこそ、彼はしぃを取り戻すことを決意したのだ。


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:56:05.22 ID:wU0bEbcD0
  _
( ゚∀゚)「……」

たとえ残酷な肯定になるとしても、答えない訳にはいかなかった。
  _
( -∀-)「ああ。見たよ」

しぃは、顔を上げた。
首を捻り、前髪を纏わり付かせた顔で彼を見る。

(* ー )「ジョルジュさん、言ったよね。ボクに教えてくれたよね。
     ああいうこと、本当に好きな人としかしちゃいけない、って」

水を吸い、目よりも下まで垂れた前髪の先端から、ぽたぽたと水滴が落ちた。

(* ー )「ボク……嫌だ、って、ちゃんと言ったよ。
     ギコさんにも、他の人たちにも、何度もお願いしたよ。でも、でも……っ」
  _
( ゚∀゚)「……」

(* - )「ボク、約束、守れなかった……よ。
     何度も、何度も、何人も。ビデオで撮られたようなことも、もっとひどいことも、
     たくさん、っ。ボク、痛くて、恥ずかしくて、っ」

肩に掛けられたジョルジュの手を掴み、頬を押し当てる。
跡が残るほどに強く握り締めた。


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:57:28.65 ID:9f0++mYV0
ドキドキ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:58:14.14 ID:wU0bEbcD0
(* - )「……身体。
     いくら洗っても、キレイにならないんだ……」

詰まる声で、喘ぐように言った。

(* - )「なんでだろ……今まで気づかなかったのに……ボクの身体、すごく、すごく、
     汚いんだ。どんなに洗っても、イヤなにおいも、感触も、全然、取れなくってっ。
     気持ち悪くて、吐き気がして……っ!」
  _
( ゚∀゚)「……おい、しぃ」

(*;ー;)「せっかくっ、ジョルジュさんが、っ、助けてくれたのに。
     ボク、汚くて、不潔だから、っ……ボク、ボク、はっ……!」

しぃは、ただ続ける。

言葉を掛けても、今のしぃには届きそうにない。
衣服が濡れるのも構わず、彼は両腕を伸ばしてしぃの両肩を抱いた。

後悔している。

だが、防げたはずはないのだ。ギコの所有物に過ぎず、何の力も持たない少年が、
何を防ぐことなどできるはずもなかったのだ。それなのに、自分を責めている。



45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 22:58:30.39 ID:VIzLHb3v0
おうふ……


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:00:13.55 ID:niv+stxzO
しぃ…


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:01:13.75 ID:wU0bEbcD0
(*;ー;)「やだよ、こんなの……ジョルジュさんに嫌われちゃうよぉ、っ。
     せっかく、また、会えたのにっ、嫌がられちゃう、やだよ……!
     そんなの、そんなの、やだ、っ……!」
  _
(  ∀ )「っ……!!」

彼に一喝され、泣きながら謝り続けた泣き顔。
責められ泣き叫ぶる、映像の中の表情。

そして、彼と肌を触れ合わせた時間の、悦びの表情。
それしかなかったのだとしても、自らが望んだ行為の。

それらが一気に思い出される。
  _
(  ∀ )「お前は、汚くなんかない!」

気付くと、彼自身も叫び返していた。

(*;ー;)「でも、でもっ!」

しぃを抱く腕に力を篭めた。全身でその身体を抱き込む。
シャワーを頭から被り、彼の全身も濡れる。
  _
(  ∀ )「そうしなきゃ……そうしなきゃ、生きていけなかったんだろ?
     お前は、それしか教えてもらえなかった。それでも必死に、
     今まで……今まで、ずっと、耐えてきたんだろッ?」

(*;ー;)「ボク、は、っ――」



48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:02:12.94 ID:9f0++mYV0
しぃ可愛いよしぃ


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:03:01.12 ID:7SENu0V30
  _
( ゚∀゚)「……おい、しぃ」

フイタ


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:03:22.88 ID:wU0bEbcD0
  _
(  ∀ )「生きるために必死でしてきたことを、汚いなんて思わない。
      お前は……ずっと耐えて、頑張ってきたんだ。
      嫌いになったりなんか、するもんか。絶対に!」

(*;ー;)「っ、う、うあっ……」

助けられなかった。

頭では分かっている。彼自身にも、他に手段はなかった。
ドクオとブーンに暴行を受け、傷だらけで戻ったあの日。
あの日、しぃが戻らなければ、彼は本当に命を落としていたに違いない。

けれど、それでも、その責から逃れることはできない。
今のしぃと同じように、だ。
  _
( ;∀;)「今まで……辛かったよな。
      すぐに助けに行ってやれなくて、ごめんな」

彼も、涙を流した。それを隠すこともしなかった。
額を撫で、目を隠していた前髪を除ける。
顔同士が触れ合うほどの距離で、その眼を見る。
  _
( ;∀;)「もう、いいんだよ。もう何も、気にしなくていいんだ。
      俺は何も変わったりしない。お前を、嫌いになったりしないから。
      もう、大丈夫だから……」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:04:00.73 ID:VIzLHb3v0
なんだろう、心が痛い


52 :>>49むずかしいんだよ・・・:2010/07/03(土) 23:06:03.17 ID:wU0bEbcD0
(*;ー;)「ああ……あああぁ、っ!」

彼の腕の中で、しぃが身体を起こす。上体を起こし、彼に向き直る。
細い腕で彼の胸にしがみつく。

(*;ー;)「っ……ボク……、汚くない……?
     ボク、っ、ボクのこと、捨てたりっ、しない?」
  _
( -∀-)「何度も言わせるなよ。お前は汚くない。
      捨てるなんて、バカなこと言うなよな」

(* ー )「ほんと、に?」

湯を被った頭を、何度も撫でた。
  _
( -∀-)「バカ。そんな嘘、つくかよ」

(* ー )「……うん」

俯いたまま、彼に抱かれたまま身体を引いた。
彼の濡れたシャツの胸としぃの胸の間に空間が開く。

前髪から流れる水滴が細い顎を伝い、薄い胸を伝う。
腹を滑り落ち、臍に付けられたボディピアスの青い石を濡らす。

(* ー )「……まだ……」

己の心を確認するように、しぃは呟く。


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:08:49.98 ID:wU0bEbcD0
(* ー )「怖いんだ。まだ、少しだけ。
     誰かが、急にボクを連れ戻しに来るんじゃないかって。
     また……ひどいこと、させられるんじゃないかって……」

言って、肩を震わせる。

(* ー )「たくさんの人の感触が、身体に残ってて、急に思い出して……怖いんだ……。
     目を瞑っても、ダメなの。目隠しして、怖いこと……たくさん、されたから」

伏せていた目を上げる。
彼に縋ったまま、その目を下から覗いた。

(* ー )「……」

睫毛が微かに震え、そこに乗った小粒の水滴を落とした。
ジョルジュの身体に緩く巻かれた腕も、同じように小刻みに揺れている。

(* ー )「……教えて」

彼に、そして自分自身に言い聞かせるように。
己自身に語りかけるような調子で呟いた。

(* ー )「お願い、ジョルジュさん。
     教えて。ボクがもう、ギコさんのものじゃないって。もう、自由なんだって。
     ジョルジュさんが……ボクに、教えて」

ゆるり、と、彼の身体に巻きつけていた腕を解く。
彼から身体を離し、へたり込むような姿勢で床に座った。
細く、緩やかな肩の曲線に沿って湯が流れ落ち、細かな水滴が霧のように飛んだ。



57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:09:58.23 ID:VIzLHb3v0
愛のある性行為っていいよね
した事ないけど


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:11:22.63 ID:wU0bEbcD0
  _
( ゚∀゚)「……」

彼は、自問する。
  _
( ゚∀゚)(俺……俺は)

しぃの身体は、細い。

未成熟な年齢ではあるが、その体格は女性のものとは違う。
やや骨が秀でた肩。乳房は、当然膨らんでいない。太腿も細く締まっている。
そしてその股間には、紛れもない男性の象徴が見える。
  _
( ゚∀゚)(やっぱり、おかしいのかな?)

だがそれでも、それはしぃだ。
彼と出会い、彼が助け、彼を助け、そして自分自身を救えず、彼に救いを求めた。

何度自分に問うても、答えは同じだった。

それは、変えようがないものだった。
  _
( ゚∀゚)(でも、ああ……そうだよな。
     やっぱり、そうだよな)

女性の衣服を身に着けた、年端もいかない少年。
身体に傷を付けられ飼い慣らされ、男と性交する術を教え込まれている。
何かを失っていて、救いを求めている。


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:11:47.53 ID:niv+stxzO
このしぃなら可愛いから余裕だな


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:13:06.66 ID:wU0bEbcD0
同情だけではなかった。
会いたかった。守ってやりたかった。離したくなかった。
救いたい、と、確かにそう思った。

そして。
  _
( ゚∀゚)「――へっ」

身を乗り出し、しぃに向かって手を伸ばす。

そしてその鼻を、指先で、ぴん、と弾いた。

(;゚ー゚)「ひやあッ?」

頓狂な声を上げ、しぃが浴室の床から腰を浮かす。

(;゚ー゚)「ひっ――ひどいよ、ジョルジュさんっ!」
  _
( ゚∀゚)「湿っぽいことばっか言ってるからだよ。オシオキだ。
     次はお尻ペンペンだからな?」

(;゚ー゚)「う、ううっ。だって、だって――」

最後まで言わせず、しぃの手を引き立ち上がった。

(;゚ー゚)「――わ、っ?」

しぃも、それにつられて立つ。髪が揺れ、臍のボディピアスが跳ねた。
流れたままのシャワーは、立ち上がったしぃのふくらはぎを洗う。


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:14:10.40 ID:VIzLHb3v0
性別って些細な問題だと思うんだ


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:15:46.38 ID:wU0bEbcD0
  _
( ゚∀゚)「あー……俺はさ、俺は……お前に助けられたんだ。
     その礼だ、お前が助けを求めてたから、って、そう思って助けに行ったんだ」

微笑む。
  _
(  ∀ )「でも、自己満足とか、義理とか……そんなの、全部、吹っ飛んでた。
     あの屋敷で見つけたとき、お前が死んでるんじゃないかって、俺は……」

しぃの身体を、抱きすくめる。
細く、温かい身体。

身をかがめたジョルジュの胸に、しぃの薄い胸が当たる。
鼓動が微かな感触になり、互いの心臓に伝わった。

ギコに猟銃を向けられた瞬間とは違う。
穏やかで、緩やかな感触だった。

その心音に従って、己の心を吐露した。
  _
( -∀-)「会いたかった。
     お前に、もう一度会いたかった」

(*;ー;)「っ――」

すぐ目前にしぃの濡れた顔があった。
水滴が伝う前髪の間で、泣き腫らした眼が見開かれる。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:16:49.12 ID:niv+stxzO
好きなら細けぇこたぁいいんだよ!


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:18:19.49 ID:9f0++mYV0
好きな人がたまたま同性だっただけなんだから何の問題もないよな


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:18:24.95 ID:wU0bEbcD0
しぃが二の句を継ぐ前に、彼は、その唇に己の唇を、触れ合わせた。
細い肩には、力は入っていなかった。

(* ー )「……っ、ん……」

見開かれた眼を、細める。
眉に皺を寄せ、震わせながら、ゆっくりとその両眼を閉じた。
シャワーの湯が床を叩く音だけが、狭い浴室を満たした。

(*///)「ぅ、あ……はあっ」

唇を離す。
しぃは息を吐き、崩れるようにジョルジュの胸に身体を預けた。
  _
( ゚∀゚)「これで……忘れられるか?」

頬を上気させ、こくり、と頷く。

(*///)「う、うん、っ。でも……」
  _
(; ゚∀゚)「でも、な、なんだよ」

ちらり、ちらり、と、彼を見上げて、言う。

(*゚ー゚)「もっと……キスして。触って。
     してくれたら、触ってくれたら……もっと、忘れるから」

甘えるような調子が、その声に戻っていた。
それに彼は安堵し、苦笑した。


68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:18:29.98 ID:VIzLHb3v0
ジョルジュイケメンすぎだろ……


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:21:18.82 ID:wU0bEbcD0

                      - 8 -

しぃの両肩に、ジョルジュは両掌を置く。
身を屈め、首を伸ばして、再びしぃの唇に口づけた。

(*///)「んぅ――っ」

湯に濡れたしぃの唇に、すべらかな感触を覚える。
しぃの唇は彼の唇を受け容れ、そしてさらに濃厚な接触を求めて、動いた。
柔らかな肉の盛り上がりがジョルジュの唇を撫で、さすり、そして貪る。

(*///)「ふぅっ、んっ、ちゅ、っ……」

離れ、また近付く。
唾液で湿った唇が、今度は僅かにぬめる感触を伴って彼自身の唇を愛撫した。
  _
( -∀-)「ふ……っ」

(*///)「ん、んッ。
     ジョルジュさんのくちびる……気持ち、いい」

二度、三度、そして四度。唇が合わさり、離れる。

(*///)「んん、っ、く……ふぅっ……」

しぃの頬は、瞬く間に紅潮する。
唇が触れ、離れる度に、両肩がぴくり、と上下に震えた。



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:22:18.64 ID:9f0++mYV0
えーろ!えーろ!


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:22:33.27 ID:VIzLHb3v0
俺もうホモでもショタコンでもいいや


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:23:41.59 ID:wU0bEbcD0
しぃの肩に掛けていた手を、ゆっくりと動かす。
上腕部を、そして肩から首に掛かるラインを、掌で撫でる。

愛撫というよりも、その感触を確かめる行為に近い。
だが、しぃの身体はそれにも敏感に反応した。

肌を晒し、ジョルジュに触れられる、そのこと自体が、今のしぃには快感だった。

(*///)「ふ、はぁ、っ」

しぃはジョルジュと唇を合わせたまま喘いだ。
上腕の柔らかい皮膚に、鳥肌が立っている。それを、彼は掌の感触で知る。
  _
( -∀-)「――っ」

繰り返し、撫でる。

(*///)「ふ、あッ……!」

堪え切れず、しぃは肩を竦め身体を震わせた。
全身を脱力させ、しぃの身体はジョルジュの腕から抜け落ちる。
  _
(; -∀゚)「と、とっ!」

よろけ、蓋を閉じたままの浴槽の縁に腰を落とした。


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:23:51.81 ID:niv+stxzO
エロきた!


75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:26:07.42 ID:wU0bEbcD0
(*///)「はぅ、は……っ」

不安定な姿勢で、大きく息を吐く。
全身を庇うことなく晒け出したしぃの身体を、ジョルジュは見た。

濡れ、顔に張り付いた髪。上気した頬。
彼と愛撫し合った唇からは、唾液が伝っている。

未発達な体格の少年に特有の、細く、僅かに骨ばった四肢は脱力し、腕は力なく
胸元に沿えられている。その前面には目立った傷はない。
湯に暖められ、首と手首の痕も消えている。

(*///)「う、うっ」

臍のボディピアスから下がる、薄いブルーのティアストーン。
そして、両脚を開き気味にしたその股間で、未成熟な、若い男性器が、確かに勃起して
上を向き、震えていた。

(*///)「や、やあっ。は、恥ずか……しい、っ」

両頬を一層紅潮させ、俯く。
両手で、股間ではなく、頬を覆ってしぃは声を上げた。

男性の、少年の裸を見ることにてらいはない。
だが、そこまで恥ずかしがられると話は違った。
  _
(* -∀-)「照れるなよな……俺の方が恥ずかしくなっちまうって」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:28:33.37 ID:wU0bEbcD0
(*///)「でもっ。ホントに、恥ずかしいんだもんっ!」

言いながら、片手を下ろして股間に沿わせる。
勃起した自身の肉茎を撫でるように覆った。

(*///)「ん……ふッ……。
     やだ、やだよぉ、恥ずかしいッ。こんな、っ……」

露出し、充血した股間を押さえるが、それが刺激になり、驚いたように手を離す。
しかし羞恥に耐えかね、脚をばたつかせ、息を呑んでまた股間を隠す。

(*///)「いっ……いつも、誰でも、こんなになるワケじゃ、ないんだよッ。
     ジョルジュさんに……見られてるから、こんなにっ」
  _
( -∀-)「……ああ。分かってる」

(*///)「ホント? ほんとに?
     ボクのこと、いやらしい子だって思ったり、しない?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。思ってない」

(*///)「っ、よかった。嬉しい……」

口元を緩ませる。
一度息を吐き、今度は縋るような目で、また彼を上目遣いに見上げた。
片手を上げ、臍のピアスに触れる。

(*゚ー゚)「これ……外して。
     ジョルジュさんの手で、外してほしい」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:30:23.56 ID:wU0bEbcD0
身体を飾る小粒の宝石は、しぃがギコの所有物であった証だ。
  _
( -∀-)「……ああ」

手を伸ばし、しぃの身体を貫くその金属片に手を伸ばす。
金具に触れるとその振動が伝わり、上体を屈め、押し殺した息を漏らした。

(*///)「ん、くッ」

敏感な皮膚に触れられる感触に、断続的な声を漏らす。
その度ごとに、伸ばした彼の腕の脇で肉茎を押さえる掌が、ぴくり、と動いた。

単純な構造のピアスだ。両端が球状になった、アーチ状に歪曲したバーベルの下端に
細い銀のチェーンと、ティアドロップのチャームが下げられている。
それがへその上部に空けられたピアスホールに潜り込み、収められている。

ピアスの本体は、細い。
ピアスホールを拡張することではなく飾ることが目的だからだろう。
  _
( ゚∀゚)「……」

(*///)「その……玉になってる部分、回すの。取れるから、っ」

ピアスはへその穴の上部から潜り込み、上端の球はその1センチほど上から体外に出て
いる。その上端の球を指して、しぃは言った。


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:30:33.37 ID:VIzLHb3v0
妄想余裕


79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:31:20.86 ID:9f0++mYV0
わっふるわっふる


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:32:35.85 ID:wU0bEbcD0
  _
( ゚∀゚)「ん……これか」

直径数ミリの小さな球を摘む。水で滑らないよう注意しながら、指先にじりじりと力を籠める。
ある程度の力を加えたところで、きりきり、と感触が代わり、球が水平に回った。
何度か回転させると、球は外れ、上部が棒状になったピアスがしぃの身体に残った。

チャームが下がった下側を摘み、ピアス本体のアーチに沿って、ゆっくりと引き下げる。

(*///)「ん、んッ」

僅かな抵抗を残して、ピアスの本体がしぃの身体から抜け落ちた。

小さな金属はジョルジュの手の中で滑り、床に落ちる。かつん、と音を立てて床のタイルを
転がり、シャワーの湯に洗われて押し流された。
  _
( ゚∀゚)「あ――」

声を上げそれを見送るジョルジュに、しぃは首を振った。

(* ー )「いいよ。もう、要らないから」

そして、吹っ切れたように微笑んだ。
浴槽から降り、ジョルジュの身体に腕を回す。

(*゚ー゚)「これで、もう、ギコさんのモノじゃないよね。
     ボク、誰のものでもないよね?」


82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:34:30.47 ID:wU0bEbcD0
彼は無言で頷き返し、低い位置にある頭を、くしゃり、と撫でた。
髪にまとわりついていた水滴が飛ぶ。

(*^ー^)「――うふふっ。
     でも、ボク、ジョルジュさんのモノになら、なってもいいかな」
  _
(; ゚∀゚)「……お前な」

(*^ー^)「ホントだよ? だって、だーい好きだもん。
     ジョルジュさんにだったら、何だってしてあげる。
     ジョルジュさんが喜んでくれたら、ボクだって嬉しいもん」

笑う。

(*゚ー゚)「身の回りのお世話も、お掃除も、洗濯も。
     お食事の支度も、お風呂も。それに……」

笑って、彼の胸に、濡れて肌に密着したシャツの上から、彼の胸にキスをした。
濡れた生地越しに、暖かく柔らかい感触が伝わる。

(* ー )「ん、ちゅ、ふっ……はぁっ……」

吐息を漏らしながら、続ける。
腰の後ろに回された手の指が、彼の腰の周囲をなぞり、撫でた。
僅かに、彼の背筋が震えた。
  _
(* -∀-)「っ……!」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:34:45.80 ID:VIzLHb3v0
感度いいな


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:36:30.79 ID:wU0bEbcD0
(*///)「んん、っ。んふぅっ、ちゅう……、っ、あ、ぁ……」

しぃの吐息に、熱が混じる。
腰の周囲を這う指は次第に動く範囲を大きくし、彼の腰から脇までを、彼の
存在を改めて確かめるようになぞった。

(*///)「ん……ふ、ふふっ……」

その手が、濡れそぼったシャツの裾に掛かる。
彼が制止する間もなく捲り上げられた。
  _
(* -∀-)「しぃ、お前……っ……!」

しゃがみ込み、露出した腹に、直接唇を沿わせる。
そこから漏れる息と共に、柔らかな粘膜が彼の身体を直接愛撫した。

スウェットの上から、太股に触れられる。
腹に顔を押し付けられ、舌で愛撫されながら、同時に腰の周囲を掌で撫でられる。
その手の動きは徐々に狭まり、彼の両脚の付け根、股間に届いた。
  _
(* -∀-)「っ!」

そこに、触れられる。

同時に、臍の窪みに温かい舌が潜り込んだ。
滅多に触れられない皮膚の薄い箇所を撫でられる感触に、奇妙な違和感を覚える。


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:38:55.73 ID:wU0bEbcD0
(*///)「ん、ふはッ、ふ……ふ、ッ」

細い指が、反応しかけた彼の肉茎に衣服の上から絡む。
徐々に充血し、硬直し始める過程の感触を楽しむように、軽く撫でる。
焦らすように、中腹をくるり、となぞり、先端を軽く押す。
  _
(* ∀ )「くっ……!」

シャワーの音に混じり、ぴちゃ、ぴちゃ、と、舌使いの音が浴室に響く。
舌と指とで刺激され、彼の肉茎は次第に硬く熱を持ち、スウェットを押し上げた。

(*///)「あ、あぁ……っ」

それを確かめ、彼の腹から顔を下ろす。
濡れたスウェットの、彼の股間の盛り上がりを、その上から唇でなぞった。
甘噛みにするように、啄むように、摘んでは離し、を繰り返す。

(*///)「ん……はぁっ。ジョルジュさん、ん、ふっ。
     ね、これ……脱いで……?」

唇で、彼のそこを軽く撫でながら言う。
ジョルジュはその言葉に従い、肌に密着するシャツを引き上げ、脱いだ。
濡れた衣服は、びしゃり、と音を立てて落ちる。

次いでスウェットの腰に手を掛ける。
しぃはそのジョルジュの顔を見、そして恥ずかしげに顔を伏せた。
  _
(* ゚∀゚)「お前……やめてくれよ。俺が照れるだろ」

(*///)「う……ごめん」


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:40:55.19 ID:wU0bEbcD0
一旦背中を向け、幾分躊躇いがちに、水を吸って重くなったスウェットを下ろした。
肌に貼り付いた下着も脱ぎ、床に放る。

向き直る。やや間が抜けた立ち姿だ、と自分の姿を想像する。

屈んだしぃの目の前で、ジョルジュは全裸で立った。
その股間を見て、またしぃが頬を赤らめた。

(*///)「ん、あ……。ジョルジュさん、の……」

手を伸ばし、露出した彼の肉茎に、おずおずと触れる。
その部分への感触に、ジョルジュの肩が震える。
同時にしぃも、自分自身が愛撫されているかのように、両足を震わせた。

(*///)「ッ……! ん、ふッ!」

腰を動かし、息を吐く。
五本の指を勃起した彼の肉茎に絡ませ、緩く動かした。
  _
(* -∀-)「っ、!」

太腿の筋肉が緊張し、肉茎が震える。

この数日は食べて寝るか、さもなくばしぃを助ける算段を練っていただけだ。
自慰も、当然性交もない。自分でも驚くほどに敏感になっているのが分かった。



87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:42:44.28 ID:wU0bEbcD0
しぃは片手を口元に当て眉根を寄せて、困惑してでもいるかのような表情で
彼の顔を真下から見上げる。

肉茎を掴んだ手は離さずに、ゆるゆると彼のそこを刺激する。
雁首の部分を撫で上げられ、思わず息が漏れた。

(*///)「き、気持ち……いい?」
  _
(* -∀-)「う、くッ……」

頷き、空いている手でその頭を撫でた。
頬を染めたままで、しぃは安堵の笑いを浮かべる。
肉茎の根元の部分を握ったまま、露出した亀頭の先端に舌を伸ばした。

(*///)「ん、んッ――」

鈴口を、つ、となぞり、頭を前後させて、その部分を小刻みに突付く。
粘液質の感触が、最も敏感な部分の粘膜を鋭く刺激し、快感を送り込む。
腰が砕けそうなほどの快感を覚え、彼の上体が揺れた。
  _
(* -∀-)「く――!!」

(*///)「もっと、もっと……だよね。
     ふっ、はあ、あ……ッ」

横から、雁首の盛り上がりをなぞるように舌を巻きつける。
硬く緊張させた舌の筋肉を、上下に動かして擦った。
汗でもシャワーの湯でもない生暖かい液体が、先端を濡らし始めた。


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:44:22.01 ID:VIzLHb3v0
みんなソロプレイ中か……


89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:44:46.33 ID:wU0bEbcD0
(*///)「んぁっ、んん、ん……むッ……」

瞳を潤ませて、しぃは口を開く。口中からあふれた唾液が糸を引いてタイルに落ちた。
そして、上目遣いに彼を見ながら、怒張した彼の肉茎を先端から順に、ゆっくりと、
その口に収めた。
  _
(* ∀ )「っ、!!!」

生暖かく、ぬめり、湿った感触が、先端から順に伝わる。同時に、下側の部分が、
口内で動く舌に撫で回される。微かにざらつく粘膜が、彼の肉茎を容赦なく責めた。
姿勢を保てず、彼は腰の前で揺れるしぃの頭を、両手で掴んだ。

少年の小さな口を、己の男性器で犯している。
その状況は、倒錯しているようにも感じられる強い快感を彼にもたらした。

(*///)「は、ふっ、んん、ンむぅ……っ……」

口内を、舌を巧みに動かして、しぃはジョルジュの肉茎全体を口腔で愛撫した。
同時に先端の部分を、喉の筋肉の収縮で絞め、圧迫する。

決して小さくはない彼の男性器を、しぃは根元まで完全に飲み込んでいた。
先端は、喉の奥にまで達している。

(*///)「ん、く、ん……んむぅっ……!」

口をすぼめ、大きく頭を引く。咽頭、口内、舌、唇で肉茎をしごきながら、雁首の部分
まで肉茎を口外に出す。軽く息をつき、そしてまた喉の奥まで飲み込んだ。


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:47:10.64 ID:wU0bEbcD0
少し加える力を強め、抵抗感が残るほどに口内の空間を狭め、擦りながら受け容れる。
苦く、粘る液体の絡んだそれを、口腔をまるで女性器のように収縮させ、出入りさせた。

唾液とジョルジュ自身の先走りにまみれ、肉茎は幾筋も糸を引いて、しぃの唇と繋がった。
  _
(* ∀ )「く、う、っ!」

(*///)「う、むうぅっ、ん……!
     あ、う、はああぁ…っ!!」

ぐちゅ、ぐちゅ、と重い水音が浴室に響く。
そして、それとは別に、しぃの股間でも、粘膜の擦れる音が立った。

(*///)「ああう、うあぁっ、ああ、あ……っ……!!」

ジョルジュの肉茎を飲み込み、口で奉仕しながら、同時に、しぃは自分自身の男性器を
空いた片手で愛撫していた。

床にしゃがみこんだ脚は左右に開き、勃起した幼い肉茎をしごく。
己の口に彼の肉茎を出入りさせるのに合わせて、がくがくと震える手を、大きく上下に
動かし続けている。

完全に露出していない亀頭の先端から、透明な液体が滲み出し、細い指を伝った。
  _
(; ∀ )「……っ――!」

股間で、身体の中心で、何かが大きく膨らむような感覚が、ジョルジュの腰を這い上がる。
射精感がこみ上げ、しぃの頭を掴んだ手に、思わず力が篭った。


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:49:15.39 ID:wU0bEbcD0
(*///)「あ、うぅん、っ!」

しぃは、口内で彼の肉茎がさらに膨らんだのを感じた。
自身を慰める手を止め、喉と口から力を抜く。彼の肉茎を解放して、床に膝をついた。

(*///)「ん、こほ……こほ、っ」

軽く咳き込み、ジョルジュの顔を見る。彼は、目を閉じ、歯を食いしばっている。
肉茎からは、そこに纏わりついた粘液と唾液が滴り落ちた。

(*///)「ジョ、ジョルジュ、さん……っ」

よろけ、床に手をついて身体を起こす。
彼に背中を向け、身体を預けた。
傷跡の残る背中が、彼の胸に合わさった。

彼の肉茎の先端は、しぃの腰……尻の割れ目に当たっている。
手を二人の身体の間に差し入れ、はちきれんばかりに怒張した彼の肉茎に触れる。

身体を前に倒し、それを背中越しに、自身の身体に導く。
そして、柔らかく震える肉の窄まりに、その先端が触れた。

(*///)「お、お願い……ッ。もっと、もっと、して……。
     ボクの、ここも、全部、ジョルジュさんで、いっぱいに、して欲しいの、っ」


92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:49:50.87 ID:niv+stxzO
エロいな
支援


93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:49:53.23 ID:VIzLHb3v0
さるってみんなが下半身全裸待機ないように支援


94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:50:08.15 ID:L1UBY9Fg0
この子ら長いなまだやってんのか


95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:51:29.15 ID:wU0bEbcD0
迷いは、ある。
この少年を、他の誰かがそうしたのと同じように自分が弄んでいいのか。
それは、本当にしぃの為になるのか。

だが、しぃはそれを望んでいる。

彼を見るしぃの眼は、ただ快楽に支配されているのではない。
必死だ。

忌まわしい記憶を塗りつぶすためにも、彼の身体を求めている。
  _
( -∀-)「……いいのか?」

(*///)「う、うんッ。お願い……っ」
  _
( -∀-)「したら、全部忘れられるか? 嫌なこと。
      もう自分を責めたり、自暴自棄になったりしないって、約束、できるか?」

しぃの瞳が揺れた。紅潮した頬を、涙が伝い落ちる。
やがて、小さく、こくり、と頷いた。
頷き返し、しぃの手に己の身体を任せた。

(*///)「んうっ、あ……あ、っ……!!」

腰を少し落とし、ジョルジュの肉茎を背後から受け容れる姿勢になる。
しぃは身体の力を抜き、両足を少し開いて、彼の男性器をそこに押し当てた。



96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:53:16.36 ID:wU0bEbcD0
浴槽の縁に手をつき、下半身の力を抜いて弛緩させた。
濡れそぼった先端が、しぃの身体の入り口に、柔らかい肉の門に潜り込む。

(*///)「はああぁぁ、っ、ああぁ、っ!」

本来の用途に使うものではないそこに、彼の勃起した肉茎が、徐々に埋没していく。
先端から雁首の部分に向かうにつれ、周囲の筋肉は急激に引き伸ばされ、拡がる。

しぃは下腹を押さえ、呼吸を深くして抵抗を減らそうとする。
そうしながら、腰を背後のジョルジュの腰に押し付ける。

雁首のくびれが入り口の輪状の筋肉を裂くように、ごりごりと内壁を擦りながら、しぃ
の身体に埋まっていく。

そして一番太い部分がそこを通り抜けると、そこから根元までが一気に、ずるり、と
直腸に侵入した。適度に圧力を掛ける間もなく、半ば弛緩していた筋肉を、ジョルジュの
肉茎が一気に侵略した。

(*///)「あ、ああぁっ――――!!」

閉じた浴槽の蓋に肘をつき、背中を仰け反らせる。
全身をがたがたと震わせて、少女のような高い声を上げた。

ジョルジュの肉茎を受け容れた肛門の周囲の襞は伸び切り、伸びて拡がった。
激しく突き込まれた異物を排出しようと、反射的に括約筋が収縮する。
  _
(; ∀ )「く、っ!」

全体を握り締められるように彼の肉茎に圧力が加えられる。
彼はそれをしぃの体内に押し留めようと、腰に力を入れた。


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:55:13.05 ID:wU0bEbcD0
(*///)「あ、ぐッ、ううぅぁっっ……! あぁ、ああ……っ。
     ジョルジュさんが、全部、ぜんぶ、っ、ぁあっ!」

腰を揺らし、しぃは途切れ途切れに言葉を発する。
彼の男性器によって拡張された肛門の感覚に肩を震わせ、声を上げた。

(*///)「っあ……あ、あっ、ジョルジュ、さんっ、ジョルジュさん、のッ。
     あああ、はあぁっ……!」

喘ぎ、腰を動かす。直腸の入り口の内壁でジョルジュの肉茎を摩擦し、同時に自分
自身の粘膜を刺激する。

女性器とは違うそこは、元より男女の性交と同じ動きに耐えるものではない。
力を抜いて徐々に引き出し、抜け落ちる前にまた力を込める。外部のものを内側に
巻き取るような動きで筋肉が収縮し、彼の肉茎全体をまた飲み込んだ。

ゆっくりとしたストローク。
重く粘る刺激が肛門の筋肉と、そして間接的にしぃ自身の肉茎を責める。
  _
(; ∀ )「う……ッ…くッ!」

ジョルジュは腰に力を入れ、己の肉茎全体に与えられる刺激に耐える。
先ほどの手と口の愛撫で、既に限界が近かった。

しぃの体内で、先端からとろとろとした粘液が滲み出しているのが分かる。
堪え、しぃの背後からその細い腰を掴み、しぃの動きにあわせてゆっくりと動いた。

(*///)「あうッ、くうぅっ、あ、はああああああぁぁっ!」



98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:57:05.16 ID:wU0bEbcD0
引き抜く。接合部の粘膜が肉茎に絡み、そこから引きずり出される。
その少し奥の筋肉を雁首が押し開く、圧迫感を伴った抵抗が先端を刺激する。
  _
(; ∀ )「ッ、はぁ、っ!」

硬い筋肉は内側から拡げられ、繰り返し押し広げられる。
次第にその部分はほぐれ、彼のストロークをスムーズに受け容れる。
しぃが震えるたび、ぴくり、ぴくりと収縮し、肉茎を切なげに締め付けた。

徐々に射精感が強まるのを感じながら、彼は無心に腰を動かす。
シャワーの音も聞こえず、ただしぃの肉体から与えられる快感を求めて動く。

(*///)「ううッ、んあうううぅぅぅ――――んあぁぁ、っ!!」

しぃがひときわ大きな声を上げ、背中を大きく仰け反らせ身体を起こした。

肛門をジョルジュに貫かれたまま首を後ろに捻り、ジョルジュの唇を求める。
背後から挿入したまま、二人は口付けを交わした。

肩を縮こまらせ、悶える。

(*///)「うっ、あああああぁッ!?
     ……あぁ、はああぁ、ッ。ね……ッ、ジョルジュ、さんッ……!
     ボク、ボクっ……いっしょ、ジョルジュさんと、いっしょがいい……っ」

力の篭らない、震える腕を背中に回し、腰を支えるジョルジュの片手を取る。
彼の手を、そろそろと自分の身体の前面に、引いた。

(*///)「おね、お願い……ジョルジュさん、触って、っ。
     ボクの、こ、ここ……あ、あぁっ、あ、お、おちんちん、触って……っ……!」


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 23:57:37.33 ID:VIzLHb3v0
作者は間違いなく変態、もちろんいい意味で


101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:01:03.79 ID:jvfvtLCw0
身体の前に回された手の指に、熱を持った、硬い肉の感触が触れる。
  _
(; ∀ )「……っ……」

黙って頷き、それに触れる。

身体の陰になって見ることはできないが、幼く、彼のものよりも小さい男性器は、
それでも彼と同じように充血し、勃起し、先走りに濡れ、射精を堪えている。

ぎこちなく、五本の指でそれを掴む。
力が入りすぎないよう緩く握り、そっと動かした。
ちゅく、と水音が鳴り、先端からさらさらとした液体が指に流れる。

自身の肉茎を埋没させたしぃの直腸の筋肉が、今までにないほど強く収縮する。
そっと握りながら、まとわりつくその筋肉をこじ開けるように、腰を動かした。

(*///)「う、っく、う、ぅあああ、ああ、ああぁぁっ!
     い、ひッ、あっっ!!」

高く、詰まった声を上げる。
変声期を迎えていない少年の声は、少女のように透き通っている。

(*///)「あぐッ、うううぅぅあッ、ああああぁぁっ――ぅ……!」

快感に収縮する筋肉を割り開いて、肉茎を突き込まれる。
その動きに従い腰を前に動かすと、自身の肉茎を握ったジョルジュの手が擦る。
腰を引くと、また肛門に彼の肉茎が潜り込み、周囲の筋肉と前立腺が刺激される。


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:03:11.64 ID:jvfvtLCw0
浴槽の縁に手を突き背後から抱えられた姿勢で、肉茎と肛門の両方から交互に、
耐え難い快感を与えられ続ける。

(*///)「あ、ッぐ、うぅっ、んはあぁッ!!
     あ、や、だあぁ、ふうっ、んんッ、ン、は、あ、あはあぁぁッ!!」

ほとんどもがくように、しぃは口を大きく開き、絶え絶えに喘ぐ。
口の端に唾液を伝わせ、舌を振るわせた。

ジョルジュにされるがままに肉茎を擦り上げられる。
同時に、肛門に硬く膨らんだ肉塊を突き込まれる。

(*///)「あッ、もっ、もうっ、ダっ、っだめっ、だよおぉっ!
     ジョルジュさん、ボクっ、気持ちいいのッ、全部、気持ちい、いの、ッ!
     もう……ッ、全部、何も、ッ、空っぽに、なっちゃうよおぉっ!!」
  _
(; ∀ )「っ、ぐッ、ッ!」

しぃが、全身をぶるぶると震わせる。
同時に肛門の筋肉が一気に収縮し、そのままジョルジュの肉茎を、きりきりと音が
するほどに締め付ける。

彼も、締められる肉茎を、腰を押し出して貫き、しぃの肉茎を愛撫するストロークを
大きくする。しぃのそこも、彼の手の中でひくひくと痙攣し始める。

(*///)「あ――あ、ああッ、あ……ッ……!!!  ボっ、ボクっ……!!
     ね、き、来てッ、ジョルジュさんも、いっしょに、来て――ッ!」
  _
(; ∀ )「ッ、あ、ああ……ッ!」



103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:05:59.43 ID:jvfvtLCw0
ジョルジュは、手の動きを早くする。
しぃの身体に合わせて動き、肛門に突き込むストロークを深くする。
腰が消え失せてしまうような強い、乾いた快感に耐え、射精を堪えながら動く。

(*///)「ふ、ぐッ、んんんああぁぁっ、ああああああぁぁぁっ!!」

しぃは、既に浴槽の縁に両肘を突き、自分の身体を支えることしかできない。
両脚を大きく開き、尻を上げ、ジョルジュにぶら下がるような姿勢でただ成すがままに
直腸を掻き回され、肉茎をしごき上げられる。

愛撫し、突き、互いに同時に上り詰める。

ジョルジュが握る手の中で、しぃの肉茎が、しぃ自身の腹に当たるほどに大きく、跳ねた。
何かが、ぷつり、と切れるように、一瞬その全身が弛緩する。

(*///)「ん、んんんッ、ジョルジュ、っ、さぁんッ!!
     イく、ボク、来てッ! ボ、ボクっ、い、っ、あ――――ッ!?」

ジョルジュの掌の中で、しぃの肉茎が大きく暴れた。
激しく痙攣し、半ばまで露出した先端から精液を溢れさせ、飛ばした。

(*///)「あ、あッ、あッ、あ、あぁ、あああああぅぁぁッあ――ッッ!!!!」

しぃの肉茎を掴んだ指に、しぃの射精した精液が零れる。

その全身の筋肉が、完全に弛緩した状態から一気に収縮する。
跳ねる腰の動きとともに、ジョルジュの肉茎を大きく摩擦した。



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:07:36.56 ID:99LBxnLt0
何この支援数的な静けさwwww


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:07:59.93 ID:ofwT/LNg0
もう女とかいらねえや


107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:08:12.70 ID:jvfvtLCw0
  _
(* ∀ )「う、く、ぐッ――あ…ッ!!」

しぃとほぼ同時にジョルジュも射精した。
直腸の奥にうずめ突き込んだ肉茎の先端から、温かく蠢動する腸内に大量の精液を
吐き出した。

射精の余韻に震え収縮する肛門の筋肉が、彼の肉茎に残る精液を全て搾り取ろうと
するように腸内に咥え込み、しぃの呼吸に合わせて締め付けた。

(*///)「……はッ……く、あ、っ……」

しぃの全身から力が抜ける。
バランスを失い、腕を掛けた浴槽の縁から床に手をつき、腰を差し上げたままうつ伏せ
に伏した。シャワーの湯が流れ続ける床のタイルに、ぱしゃり、と音を立てて顔を落とす。

(*///)「ふ、あっ……」

開いた両脚の太股には、しぃ自身の精液が飛び、粘る糸を引き、落ちる。
ジョルジュの肉茎にこじ開けられ蹂躙された肛門の筋肉は弛緩し、呼吸に合わせて
緩やかに開き、閉じた。

摩擦され淡い桃色に充血したそこから、ジョルジュが大量に射精した精液が、こぽり、と
押し出される。白い体液は陰嚢を伝い、まだ硬さを保っているしぃの肉茎を伝い、垂れた。
  _
(* ∀ )「はあっ、はあっ……」

激しい射精の直後で腰に力が入らず、その場にへたり込むように腰を下ろした。
シャワーの湯が排水溝に吸われる音。
それに二人の荒い呼吸が重なり、湯煙の中に残った。


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:13:03.22 ID:jvfvtLCw0
それから、少しの後。
脱衣所で頭からバスタオルをかぶり、しぃは額に手を当てた。

(*゚ー゚)「はあ……あう。
     ボク、のぼせちゃいそう……」

あの後、身体を洗い流してから、二人で浴室を出ていた。
  _
( ゚∀゚)「当たり前だよ。お前、何十分シャワー浴びてたんだ?
     ほんと、帰って早々ぶっ倒れるとか勘弁してくれよな」

腰にタオルを巻いたジョルジュが、しぃに水の入ったグラスを手渡す。
しぃはそれを受け取り、両手で支えて口に運んだ。

(*゚ー゚)「う……、その、ごめん。
     でも、後半はボクのせいだけじゃないし、ね?」

言い、ジョルジュの胸に、頭をもたせかけた。

(* ー )「……ごめんなさい。
     たくさん、わがまま言っちゃった。でも、もう大丈夫だから」
  _
( ゚∀゚)「……」

(*^ー^)「ジョルジュさんが、全部、忘れさせてくれた。もう、イヤな感じ、しないよ。
     ……ジョルジュさんが触ってくれて、からだの中も外も。
     あったかい感触で、いっぱい」
  _
( -∀-)「……そうか。なら、良かった」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:13:24.95 ID:VcEdnFIW0
ふぅ…
支援


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:15:43.91 ID:jvfvtLCw0
そう言い、缶ビールのプルトップを起こした。
細かい飛沫が飛び、爽やかな発泡音が立つ。
途端にしぃが眉を釣り上げた。

(#゚ー゚)「ああっ!
     ジョルジュさん、お酒で水分補給なんてダメだよ、倒れちゃうよ!」
  _
( -∀-)「まあまあ、細かいこと気にすんなって。
      風呂上りはビールに限るんだよ。お前も大人になりゃ分かる」

(*゚-゚)「それで、だんだんお腹が出てくるんだよね。
     ……で、そのうちビール腹」
  _
(; ゚∀゚)「うぐっ!」

互いの身体で、知らない場所などない。
やはり歓迎すべきことばかりでは、なさそうだった。

ビールを一口煽り、息をつく。
  _
( ゚∀゚)「……さて、と。忙しなくて悪いけど、一息ついたら外出の準備だ。
     気分悪かったら待つけど、そうじゃなきゃ着替えてくれ」

しぃはグラスを持ったまま首を傾げる。

(*゚ー゚)「出掛ける、って、どこに?」


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:15:57.38 ID:ofwT/LNg0
そろそろソロプレイを終えたみんなが支援を再開する頃か……


113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:18:33.35 ID:jvfvtLCw0
答えずに、腰のタオルを取って脱衣籠に投げ込んだ。

しぃが頬を赤らめる。
それを横目に見て声のトーンを落とし、続けた。
  _
( ゚∀゚)「この場所は割れてる。
     あいつらがまたお前を奪い返すために、ここに来ないとも限らない。
     借金取りからは死ぬまで逃げ切らないと、逃げたとは言えないんだぜ?」

(;゚ー゚)「……それで……?」

彼は器用に缶の縁をくわえ、そのまま下着を手早く身に着ける。
部屋着のスウェットではなく、外出用のパンツに脚を通した。
  _
( ゚∀゚)「だから、言ったろ? あの屋敷で。帰ったら……ってさ」

(;゚ー゚)「あ、うん。でも……え? あれ? それって……」

得心の行かない顔をするしぃ。
ジョルジュは悪戯っぽく笑い、答えた。
  _
( ゚∀゚)「見たいだろ?
     ――海」


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:22:06.77 ID:jvfvtLCw0
<エピローグ>

(*゚ー゚)「んしょ、よい、しょ……っと」

開いた段ボール箱の中から出た荷物を抱え、しぃは立ち上がった。
その腕にあるのは、古びた電子炊飯器だ。

(*゚ー゚)「ジョルジュさあん。これ、どうする?」
  _
( ゚∀゚)「あー……こりゃまた、懐かしいモンが出てきたな。
     そいつはここに置くもんじゃない。今は、しまって名前書いといてくれ」

窓際に置かれたデスクの上に座ったジョルジュが、黒のマジックを放り投げる。

(*゚ー゚)「わ――ととっ」

慌てて炊飯器を傍らに積まれた段ボール箱の上に置き、すんでの所で受け止めた。

その服装は、以前に一度彼の部屋を出るときに着ていた、サイズの大きな男物の
衣服だ。その上に、汚れ除けにと純白のエプロンドレスを着けている。

(#゚ー゚)「もうっ、ジョルジュさん! ものは投げちゃダメって言ったでしょ?」

しぃが怒りの声を上げた途端、入り口のドアがノックされた。

(;゚ー゚)「あ、あっと。はい、どうぞ」

声を上げ、ドアノブを回す。
二つの段ボール箱を脇に抱えた男が、頼りない足取りで部屋に入った。


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:25:43.14 ID:jvfvtLCw0
(´・ω・`) 「ありがとうね。
      さて、これで荷物は全部かな」

(*゚ー゚)「ショボンさん、朝早くから、こんなことまでありがとうございます。
     申し訳ありません。あの人、怠けてばっかりで。もう……」

ショボンに頭を下げる。
対するショボンの口調は、やや腰が引けているように感じられる。

(;´・ω・) 「あ……ああ。い、いいんだよ。気にしないで。
      彼、もともとああいう感じだから……」

言いながら、横目で窓際のジョルジュを見遣る。
ジョルジュはショボンを静かに見返し、小さく首を振った。

しぃは、自分をギコに売ったのが自分かどうか、知っているのか。
視線はその疑問だ。そして、対するジョルジュの仕草はそれを否定した。

ショボンはただ目を伏せ、小さく頷く。
ジョルジュに歩み寄り、折りたたんだ紙切れを取り出した。

(´・ω・`) 「これが、最後の注文の品だよ。
      次からは、正規の料金じゃないと引き受けないからね。
      それじゃ、僕はこれで」

それを開いて目を走らせ、ジョルジュは頷いた。
ドアに向かうショボンの背に声を掛ける。
  _
( ゚∀゚)「お前に素直に感謝はできねえ。
     でも、助かった。ありがとうな、ショボン」


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:26:52.29 ID:ofwT/LNg0
終わりか……


122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:28:39.09 ID:jvfvtLCw0
しぃがギコ邸に引き戻される直接の原因を作ったのは、他ならぬショボン自身だ。
だが、ショボンが行動せずともしぃが連れ戻されることなく済んだかは分からない。
恐らくは、遅かれ早かれ炙り出されていただろう。

原因を作ったことを許しはしない。
だが、協力には素直に感謝する。そう言っている。

(´・ω・`) 「……君のそういう所、嫌いじゃないな。
      ただ、次からは感謝の代わりに儲け話を持ってきてくれると、嬉しいね」
  _
( ゚∀゚)「ああ。考えとく」

部屋を出る間際、ショボンは振り返り、しぃを見た。
しいは反射的に、深く頭を下げる。

(*゚ー゚)「ショボンさん。ありがとうございました」

( ´-ω-) 「いや、いいんだ。
      ……済まなかったね」

(*゚ー゚)「私、あなたに謝られるようなことをした覚えはないのですが……?」

(´・ω・`) 「気にしないで。僕が謝りたいだけだから。
      それじゃ。ジョルジュのこと、頼んだよ」

(*゚ー゚)「……?」

彼はそれ以上は何も言わず、ただ少し笑う。


123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:30:41.80 ID:jvfvtLCw0
(*゚ー゚)「あ、いえ、はいっ。
     ショボンさんも、お元気で」

窓の外を見るジョルジュに軽く手を挙げ、ショボンは入り口のドアを開いた。
開かれた窓から風が吹き込み、室内を通り抜けた。

しぃは微笑み、髪をなびかせて窓の外を見る。



――そこにあるのは、煤けたビル街でも、下卑た風俗店のネオンサインでもない。
   遮るものなく大きく開けた空が、ガードレールの先には無限に続いている。
   そして吹き込む風は、濃い潮の香りを含んでいた。
 
 
 



126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:33:10.34 ID:jvfvtLCw0
手分けして段ボール箱を開梱し、荷物を取り出して配置する。

(*゚ー゚)「ジョルジュさん。
     結局、この炊飯器、どうするの?」
  _
( ゚∀゚)「あー……家電はまとめて上に置くからな。
     今は隅っこに寄せといてくれ」

建物、一階が事務所、二階が居住スペースになっている。
彼らがいるのは、その一階、国道を挟み海に面した応接間だった。

(*゚ー゚)「……」

しぃは手を止め、首を伸ばして開かれた窓の外に視線を向ける。
小首を傾げるようにして、興味深げに水平線を見ていた。

幾度かそうして外の様子を見ていたが、やがて耐えかねたように立ち上がった。
箱から小物を取り出す手を止め、書類棚を整頓するジョルジュに歩み寄る。

棚に向かい、しぃに背を向けたジョルジュの上着の裾を、そっと摘む。

(*゚ー゚)「……ね。ジョルジュさん」
  _
( ゚∀゚)「ん、どした? 腹でも減ったか?」

(*゚ー゚)「ううん、違うの。
     あのね、あのね……」

裾を摘んだまま、反対側の手で窓の外――海を指差す。


128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:35:17.92 ID:jvfvtLCw0
(*゚ー゚)「ボク……海、見に行きたい。
     ジョルジュさん。ちょっとだけでいいから、お願いっ。ね?」

言われて顔を上げ、彼は事務所を見回す。
荷解きはまだ途中だ。行き場の決まっていない荷物は机やソファの上に並べられて
おり、まだガムテープで封をされたままの箱も幾つか、ドアの脇に積まれている。

次いで、しぃの顔を見る。
年齢相応の幼い、素直な顔は、好奇心で輝いていた。
尻尾があれば千切れんばかりに振り回しているに違いない。

止めても、荷解きは捗りそうにない。
書類をデスクに放り、頭を掻いた。
  _
( ゚∀゚)「……ま、いいか。あんま急ぎやしないしな。
     見に行くだけだぞ?」

しぃは満面の笑みで飛び跳ねた。

(*^ー^)「やったぁ! ジョルジュさん、ありがとう!
     じゃあホラ、行こ。早く早く!」

言うが早いか、サンダルを突っ掛けたまま走り出す。
  _
(; ゚∀゚)「待てお前、そのヒラヒラしたエプロンは取れ! おーいっ!」


130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:36:56.19 ID:jvfvtLCw0
緩やかな弧を描く砂浜に、人の姿はなかった。
輝く日差しの下、ただ静かに、濃い青の海が揺れていた。

砂に下ろした足が、さく、と柔らかい音を立てて砂浜に沈む。
アスファルトでもコンクリートでもない地面の感触は、ジョルジュにも新鮮だった。

(*゚ー゚)「うわあ――」

先に砂浜に下りていたしぃは、声を上げ、大きく水平に首を巡らせた。
両手を広げ、細い肩を大きく上げて肺一杯に息を吸い、そして吐く。

(*゚ー゚)「……」
  _
( ゚∀゚)「どうした?」

(*゚ー゚)「なんだか、お魚の臭いがするよ」

妙な実感の籠もった言葉に、思わず吹き出した。

(;゚ー゚)「な、なんで笑うの? ボク、思ったこと言っただけだよ?」
  _
( ゚∀゚)「へへっ……いや、素直な感想だな、って思ってさ」

(*゚ー゚)「もうっ、いいじゃない。ほんとにそう思ったんだもん。
     ね。もっと海のそば、行ってきていい?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。あんまり服濡らすなよ」

(*^ー^)「うんっ!」


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:39:01.29 ID:jvfvtLCw0
砂を蹴立てて波打ち際に走っていく。
その後姿を見送り、ジョルジュはその場に腰を下ろしてタバコに火を点けた。

海岸線をを見渡す。

しぃの上げる歓声が、時折耳に届く。
見ると、既に波打ち際で足首まで海に浸かり、海水を蹴立てて遊んでいる。
捲り上げたデニムのパンツから除く両のふくらはぎが、青い海に白く映えた。
  _
( -∀-)「ったく。濡らすなって言ったろ」

口の中で呟き、吐く煙で空を汚した。

そして、何の前触れもなく実感する。
  _
( -∀-)「ああ――そうか。
      俺、いま……幸せなんだ」

納得したように呟き、天を仰ぐ。


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:41:20.84 ID:jvfvtLCw0
太陽は、高かった。

これから夏を迎えようとする空は、徐々に藍の深さを増していく。
その青と藍の中間の空、遥か彼方の海上を切れ切れの雲が飾っている。
照り付ける日が、露出した腕の皮膚をちりちりと灼く。

海は、青かった。

凪いだ海面はただ揺れ、地球の僅かな丸みに沿って空に融け込んでいる
ようだった。
なだらかに隆起するそこに反射する陽光が、透き通った銀色に輝いていた。

ただ、青かった。
いつか彼がしぃと共に夢想した海よりも、ずっと青かった。

そして、現実だった。
  _
( -∀-)「幸せ、か」

改めて呟く。
両手にサンダルをぶら下げたしぃが、こちらに戻ってくるのが見えた。

ただ、今この瞬間に息絶えても構わないと思えるような、悟りに似た深い充足感。
透明な器に注がれていく水のように、静かな、そして確かなその感慨を噛み締める。

口元が震えているのに気付き、彼は唇を引き結ぶ。
滲みかけた視界にしぃを収め、目を細めて煙草を揉み消した。



137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:43:18.52 ID:ofwT/LNg0
賢者タイムかジョルジュ


138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:43:28.81 ID:jvfvtLCw0
(*^ー^)「ジョルジュさん、ありがと。
     足、べたべたになっちゃった。あははっ」

よほど興奮したのだろう。
頬を僅かに赤く染めて、しぃは満面の笑みで言った。

濡れた裸足の両足は、くるぶしまで砂が貼り付いている。
まだ冷たいだろう海水に、露出した足も紅潮させていた。
  _
( ゚∀゚)「楽しかったか?」

(*^ー^)「うんっ!」

深く頷き、ジョルジュに並んで砂地に腰を下ろした。
海風に揺らされる前髪を手で押さえ、彼と同じように水平線を見る。

(*゚ー゚)「海って、広いんだね」

自分自身に言うように、独りごちる。
暫くそのまま座って海を見ていたが、やがて呟いた。

(*゚ー゚)「ギコさん、高岡さん……大丈夫かな。
     これから、どうするのかな」
  _
( -∀-)「さあな」

目を閉じ、回想する。

しぃを取り戻すために繁華街の自宅を出たのは、昨日の朝だ。
それが既に遠い昔の出来事に感じられた。


141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:46:03.00 ID:jvfvtLCw0
  _
( -∀-)「何かが変わるかも知れないし、何も変わらないかも知れない。
     どっちにしろ、俺にできることは何もないけどな。心配か?」

(*゚ー゚)「うん……少しだけ。ほら。ギコさん、倒れたままだったし。
     でもね……ふふっ」

言い、しぃは何故か笑った。
  _
( ゚∀゚)「……?」

ジョルジュに疑惑の視線を向けられ、手を振った。

(*゚ー゚)「高岡さん、ガーデニングが好きだったんだ。
     ギコさんに頼んで、いろんな花を育てさせてもらってたの」
  _
( ゚∀゚)「へえ。意外だな」

(*゚ー゚)「それでね。
     高岡さんがギコさんを叩いた鉢、ヘンルーダ、っていう花なの。
     ヘンルーダの花言葉はね……『あなたを軽蔑します』」
  _
( ゚∀゚)「はははっ。そりゃまた、ずいぶんきついお灸だな」

顔を見合わせ、笑った。
ひとしきり笑い、砂浜に視線を落とす。


142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:46:54.38 ID:VcEdnFIW0
三度目の射精を行った俺にとって、もはや睡魔など敵ではない
支援


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:48:07.31 ID:ofwT/LNg0
ナイスヘンルーダ


144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:48:26.30 ID:jvfvtLCw0
できることなら、とは思う。
だが、ジョルジュは正義の味方ではない。

高岡を始め、ギコに虐げられてきた少年達全ての傷を癒すことはできない。
その悪行を止め、改心させる手段も持っていない。

彼にできたのは、彼にとって特別なたった一人を救うことだけだ。
  _
( ゚∀゚)「さて。そろそろ戻るかな。足、乾いたろ?」

言われて、しぃは足に付いた砂を払う。
日光に暖められ乾燥した砂が、白い肌からぱらぱらと落ちた。

(*゚ー゚)「うん。続き、やらなきゃね」

頷き返す。



――ただ、最後にもう一つだけ、済ませておかなければならないことがあった。
 
 
 


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:51:08.13 ID:jvfvtLCw0
  _
( ゚∀゚)「戻る前に、これ。渡しとくぜ」

(*゚ー゚)「なあに?」

ジョルジュは立ち上がり、ポケットを探る。
紙切れを取り出し、それを広げてしぃに渡した。
先程ショボンに受け取った紙片だ。

受け取りそれを覗き込んだしぃは、目を丸くしてジョルジュを見た。

(*゚ー゚)「ジョルジュさん。これって……住所? どこの?」
  _
( ゚∀゚)「お前の、ご両親の家だよ。
     何度か引っ越して、今はそこにいる」

(* ー )「……!」
  _
( ゚∀゚)「悪いとは思ったけど、調べさせて貰った。
     ショボンに頼んで、ギコ社長の養子縁組の記録を遡って」

しぃの表情が瞬時に冷え、凍る。

完全に不意打ちだっただろう。

それでも、言わずに済ますことはできない。
しぃの顔を見ないように努め、視線を逸らして続けた。


148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:51:44.40 ID:VcEdnFIW0
し…え…


149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:52:53.09 ID:r4iwyjLx0
なん……だと……支援


150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:53:39.40 ID:jvfvtLCw0
  _
( ゚∀゚)「もちろん、今すぐ帰れなんて言わない。
     でも、いつかはちゃんと親御さんの所に帰るんだ。
     メイドの真似事だって、もうしなくていい」

(* ー )「……」
  _
( -∀-)「……落ち着くまでは、いつまでだってウチにいてくれて構わないぜ。
      一人で帰るのが嫌なら、付いて行ってやったっていい。でも――」

暗い声が、彼の声を遮った。

(* ー )「――ボク、帰りたく……ない」

その片手に纏めて提げられていたサンダルが、砂に落ちた。

(* ー )「嬉しいけど……帰りたくない。
     ボク、ジョルジュさんと……ずっと、一緒にいたい。
     今さら、帰れないよ……ボク、こんな身体で、ボクっ……」

帰って、何をどう話せばいいのか。
ギコの屋敷で何をさせられていたかなど、言えるはずがない。
何より、ジョルジュと離れたくない。

しぃの気持ちは容易に理解できる。

だが、それをこの先もずっと続けていくことは不可能だ。
いつかは向き合わなければいけない問題だからだ。
そして彼自身、躊躇すれば引き返せなくなる自分に気付いている。



152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:55:28.56 ID:jvfvtLCw0



――だから己の感情にすら逆らい、彼は無情に告げた。


  _
( ゚∀゚)「ダメだ。帰るんだ。
      親元に帰って、普通の男の子として生活するんだ」

(* ー )「っ!!」

彼を見るしぃの両眼に、見る間に涙が溜まる。

(* ー )「ジョルジュさん……ボク、やだよ……!」

目尻に一杯に溜まった涙が、頬骨を伝って流れ落ちた。
それを拭おうともしない。

(*;ー;)「やだ、やだっ! 帰りたくない、ボク、ずっとジョルジュさんと一緒にいたい!
     やっとっ、やっと会えたのに、大好きなのにっ。こんなに、こんなに――」

ジョルジュの胸にしがみつき、シャツの胸元を力任せに掴む。
そこに鼻柱を擦りつけるように顔を埋め、首を振って言い募る。

(*;ー;)「こんなに好きなのに、ひ、っ……こんなに、大好きなのにっ!
     やだよ……やだよおっ……! もう、離ればなれはイヤだよっ!!」
  _
(  ∀ )「……」


153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:57:20.70 ID:a2xOng/W0
お、俺はどうやらとんでもないスレを開いちまったようだ…


154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:57:42.44 ID:ofwT/LNg0
ハードボイルドだのう


155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 00:57:55.39 ID:jvfvtLCw0
(*;ー;)「お願い……そんな冷たいこと、言わないでっ。
     ずっと一緒だよって、もう離れないよ、って、ボク、が、っ、必要だって……っ!
     言って欲しいよお……。お願いだよ、ジョルジュさんっ!」

言いたかった。
嘘などではない。心の底からそう言いたかった。

既に、とうに気付いている。

自分は、この少年に紛れもなく憐憫の域を超えた好意を抱いているのだと。
けれども、それには先がないのだと。
  _
( -∀-)「いつまでも、こうしちゃいられない。お前だって分かってるだろ?
      帰る場所があるなら、帰るんだ。それが一番なんだよ」

(*;o;)「分からない! そんなの、分からないっ!
     ボクは、ここがいい……ジョルジュさんと一緒が、一番だもんっ!!」

小さな、震える頭を抱く。
  _
( -∀-)「……なあ、しぃ。お前は、ずっと悪い夢を見てた。俺もそうだ。
      でも、俺の夢は……お前が覚まさせてくれた。お前のお陰だよ」

(*;o;)「そんなの、っ、知らないっ!」
  _
( -∀-)「でもな、いい夢も……いつかは、必ず終わるんだよ。
      そして、目が覚めたら、また普段の暮らしに戻るんだ。
      俺だってそうだ。お前だって、そうなんだ」


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:00:05.58 ID:jvfvtLCw0
(*;o;)「っ……!」

いやいやをするように、またかぶりを振る。
胸元を掴んだ手は、肌に食い込むほど強く握り締められている。

(*;o;)「でも、ボク、ボクっ……寂しいよ、っ。
     ジョルジュさんがいてくれないと、寂しいよぉ……っ!」
  _
( -∀-)「分かってくれよ。もう、分かってるだろ?
      このまま俺といたって、そんなの何にもならないって」

肩を一度、大きく震わせる。

(*;ー;)「……っ……でも、でもっ……!!」
  _
( -∀-)「だからさ、最後ぐらいは笑って欲しいんだ。
      突き放しといて、ムシがいいかも知れないけどさ。
      そうだろ? お前、いつもいつも泣いてばっかりでさ。俺だって……」

彼は手が震えるのを堪え、一度強く握る。
  _
(  ∀ )「……俺だって……辛いから、さ。だから……頼むよ。
     あんまり、困らせないでくれ。もう、迷わせないでくれよ……」

(*;ー;)「……っ。
     う、うぅ……っ!」



157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:02:30.70 ID:jvfvtLCw0
  _
(  ∀ )「もう、いいんだ。女の子の格好をしたりなんか、しなくていい。
     お前は、もう誰のものでもない……もう、戻っていいんだよ」

しぃは胸元を掴む手を離す。
握り拳を作り、顔の前に押し付けた。

(*;o;)「っ、ううう、うっ、うぁ……っ――!!」

長く、後を引く嗚咽。

俯き、歯を食い縛り、ジョルジュから顔を隠してしぃは泣き続けた。
足下の砂に涙が降り、小さく黒い幾重もの円を描いてそれを黒く染めた。



158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:04:10.16 ID:jvfvtLCw0
 
 
 
――海は、青かった。

   空も、青かった。

   涙が滲む眼に潮風は辛く、がらんどうになった胸の中を吹き抜けるようだった。
   無限に続く海と空の間で、この世でたった二人だけが呼吸しているようだった。

   そして、己の細い泣き声に隠れたもうひとつの小さな嗚咽は、しぃの耳には届か
   なかった。

   静かで、そして密やかな、それは夢の終わりだった。

   彼には、そう思えた。
 
 
 



159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:04:29.53 ID:ofwT/LNg0
おうふ……


160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:06:13.36 ID:jvfvtLCw0
寝室に差し込む陽が、熱い。

目覚まし時計のベルに身体を起こすと、十一時を回っていた。
目覚ましを掛けること自体が無意味としか思えないような時間だ。
  _
( =∀-)「ん……ああ」

昨夜とは違う間取りに軽い見当識喪失を起こす。
目を擦りながら大きく息を吐き、そして自分が今いる場所に気付く。
  _
( ゚∀゚)「しぃ……?」

隣に、しぃの姿はない。
眠りに就いたときは、彼の隣にいた。

ダッシュボードの上の手荷物は、消えてはいない。
彼が眠っている間に帰った、ということはないようだった。
  _
( ゚∀゚)「……」

出窓に置いておいた煙草のパックに手を伸ばす。
思考を脳髄から閉め出し、ただ咥えて点火する。
そのまま、頭を掻いて項垂れた。



162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:08:48.32 ID:jvfvtLCw0



――あの後、二人は事務所に戻った。
   黙々と荷解きを終わらせ、夕食もそこそこに、言葉少なにベッドに潜った。
   そして目覚めたのが今だ。



濡れた砂に似た、形のない、だが重く空しい実感が、腹の底に溜まっていく。
昨日は形のなかったそれが、一夜明けて具体的な形を取り始めているのに
気付く。
  _
( -∀-)「……ああ」

大きく息を吐く。
もう一度大きく吸い込み、そして吐いた。

長らく覚えたことのない感情。
その正体を思い出すのに、暫しの時間を必要とした。
  _
( -∀-)(そうだったな。
      これが……失恋ってやつだっけ)

軽く、自嘲する。



163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:10:16.66 ID:dq1WyV0R0
嗚呼無情


164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:10:26.98 ID:jvfvtLCw0
  _
( ゚∀゚)「さて。事務所の掃除、しなきゃな」

しぃに頼む気はなかった。
メイドの真似事はしなくていいと、既に昨日告げている。

しぃも結局言葉にこそ出さなかったが、それを理解はしているだろう。
後の行動は、しぃ自身に任せるだけだ。

咥え煙草のまま、目を擦りながら部屋を出、廊下を進んだ。
キッチンにも、リビングにも、浴室にもしぃの姿はない。
また、外を散歩でもしているのだろうと推測する。

階下に降り、階段の脇、事務所の入り口の戸を押し開ける。
  _
( ゚∀゚)「さてと。まずは……」

眩い日光の差し込む南向きの事務所が、その光景が彼の目に映し出される。


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:12:56.19 ID:jvfvtLCw0



事務所の様子は――昨夜とは様変わりしていた。


  _
(; ゚∀゚)「……」

荷解きまでを終え、あちこちに散乱していた荷物。
それらが、すべてあるべき場所に収まっている。
開梱を終えた段ボール箱は畳まれ、入り口の脇に束ねて立てかけられていた。

そればかりではない。

埃の積もっていた床も、据え置かれていた事務机も、棚も磨き上げられている。
床も綺麗に掃除され、サンダルが擦れて、きゅっ、と小気味良い音を立てた。
  _
(; ゚∀゚)「なんだ、こりゃ……どうなってやがる」

呆然と、窓を見る。

開かれ、やはり丁寧に隅まで磨き抜かれた窓。
屋内に差し込む光、その逆光の中に、小さな人影が浮かんでいた。

即ち――



167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:13:25.02 ID:ofwT/LNg0
ひゃっほう


168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:16:52.98 ID:jvfvtLCw0
(*^ー^)「ふんふんふん、ふーん♪」

窓枠にまたがり、鼻歌を歌いながら絞った雑巾で磨く少年。

衣服は……袖の絞られた、長い丈の濃紺のメイド服。その上に、純白のエプロンドレス。
整えられた肩までの髪に、やはり白いレースのカチューシャ。そして裾から覗く、白い足。

何者かは、言うまでもない。
しぃだ。
  _
(; ゚∀゚)「な、な……」

(*^ー^)「私はメイド♪ あなたのメイド♪ 掃除、洗濯、お料理、セ――」


  _
(# ∀ )「ちょっと待てコラアアあああああぁぁっ!!」

怒号が、事務所内に木霊した。
 
 
 



170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:19:35.60 ID:ofwT/LNg0
セの続きは……ゴクリ


169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:18:54.71 ID:jvfvtLCw0
(;゚ー゚)「あ、ジョルっ、っわ、ちょっと――ひゃあっ!」

不安定な姿勢から、しぃはそのまま垂直に飛び上がる。
バランスを崩し、びたん、と床に尻餅をついた。

(;゚ー゚)「うう、お、お尻……痛いっ。
     ジョルジュさん、いきなり大声出したら怖いよ!」

腰をさすりながら身体を起こす。
そのしぃの目の前で、ジョルジュは全身をぶるぶると震わせていた。
  _
(# ∀ )「お前……お前は……っ!!」

(*゚ー゚)「あれ? どうしたの、怖いカオして。
     お掃除のしかた、何か間違えちゃった?」
  _
(# ∀ )「違うっ! お前、昨日言っただろうが!
      なのに、なんだってそんな格好で、しかもっ、この……!!」

怒りと、そしてそれ以外の感情で喉がつかえる。
しぃは屈託なく笑い、衣服の尻をはたいて立ち上がった。

(*゚ー゚)「ボクね。ゆうべ、ずっと考えてたんだよ。
     これからどうしたらいいか、ボクはどうしたいのか、って」
  _
(# ∀ )「……」



171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:20:41.40 ID:jvfvtLCw0
(*゚ー゚)「でね、決めたんだ。
     ジョルジュさんが自分の身の回りのこと、ちゃんとできるようになるまで、
     一緒にいてあげなきゃ、って」

口元に指を当て、思い出す素振りをしながら言う。

(*゚ー゚)「それで、ボクはジョルジュさんのお手伝いをして、お掃除やお洗濯を
     教えてあげて、夏になったら海水浴に行って……ボクがしたいこと、
     全部終わったら、そしたらちゃんとうちに帰ろうって」

ジョルジュは、言い返せない。
ただ棒立ちのまま声を上げかけ、口を半開きにしている。

(*^ー^)「だって、気が済むまで一緒にいていいんでしょ?
     だから、やりたいこと全部、終わってからにするの。
     文句、ないよね?」
  _
(; ∀ )「う、ぐ……っ……!」

何も、言い返せない。

(*^ー^)「だから、短い間だけど、それまでは、このまま。
     ……ね? いいでしょ?」

歩み寄る。
ぴょん、と飛び跳ね、彼の腕を抱く。



172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:23:32.16 ID:jvfvtLCw0
  _
(; ∀ )「ああ……ああ。そうかよ。くそ……」

肩透かしに憤慨する自分がいる。
惨めさに歯噛みする自分がいる。
  _
(; ∀ )「……分かったよ。
     畜生、そこまで言うならもう何も言わねえ……」

己の決心の儚さに、落胆する自分がいる。

そして、何より。
今しばらくの変わらぬ暮らしに安堵する、自分がいる。



――夏は、もう、目の前だった。 

   そして、夢は、まだ。


  _
(*;∀;)「俺は知らねえぞ、もう……。
      もう……勝手にしやがれってんだ!」

(*^ー^)「うんっ。ジョルジュさんなら、そう言ってくれると思ってたよ」

眩しく笑い、大きく頷き、しぃは姿勢を正す。
悪戯っぽく、丁寧に、そして優雅に、一礼した。


173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:25:02.47 ID:jvfvtLCw0



(*^ー^)「それじゃあ、改めて。
     よろしくお願いします。
     ボクの――新しい、ご主人様♪」
 
 
 



176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:26:24.91 ID:jvfvtLCw0
 
 
 
――その年の夏の盛り。
   都心から南に下った海沿いの街で、小さな探偵事務所が開業した。

   「どんな依頼でも、最大限相談に」をモットーとするその事務所では、
   「探偵事務所」の看板を掲げながらも人捜し、失せ物探しから法律、
   金融相談まで、あらゆる依頼に対応するという。

   主人の確かな手腕に支えられて事務所の評判は口伝いに広がり、
   今では街の外からの訪問者も多いという。

   そして、その事務所を訪れる者を、およそそこには似つかわしくない
   「助手」が、主人と共に手厚く出迎えるという。



――ある者は、失くした所有物を取り戻すために。

   またある者は、失った財産を、信頼を、取り戻すために。

   今日もまた、その事務所を新たな依頼人が訪れる。
 
 
 



177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:26:36.90 ID:ofwT/LNg0
あれ、なんかディスプレイが滲んで……


178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:29:03.65 ID:jvfvtLCw0
 
 
 
(*゚ー゚)「いらっしゃいませ。
     お待ちしておりました、お客様――」



(*^ー^)「――本日は、どのようなご用件でしょうか?」








                    _
.                 <( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです 完>
 
 
 


179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:30:15.99 ID:ofwT/LNg0
乙!
最後にリアル遭遇出来てよかったわ


180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:31:07.28 ID:FOwFWz+uO
乙!
久しぶりに面白い現行だった


181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:31:11.73 ID:99LBxnLt0
 フッ… l!
  il|l| i|li ,      __ _ ニ∧_∧ キッ
 l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄     (・ω・`)≡
  !i   ;li    ̄ ̄ ̄    キ つ  三
  i!| |i      ̄ ̄  ̄  =`'ー-三‐ ―
                 /  ;  / ; ;
             ;   ∧,,∧/,// 
               /(´・ω・`)/ ヒュンッ
               | / (^i//
              /,,/ー--/´
            : /    //,,/
             /  /;
           ∧_∧
          (´・ω・) 作者もつ
    :.   ハ,,、  ( つ旦O ビシッ!! ; .: 
  .:: :  、从"、;ヽ と_)__) ,,人/!  ,  ;


182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:31:41.37 ID:i4pyBZCb0
おつ


183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:32:00.35 ID:WuOfh4n+0
乙!
色々な意味でよかったよ


184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:32:44.18 ID:kzEGPXlt0
おつ
よかったよ


185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:36:28.90 ID:5A9VB593O










186 : ◆BXpnga8YvJwe :2010/07/04(日) 01:47:18.61 ID:jvfvtLCw0
ああ、終わった
いろいろ難産だったけど、最後までありがとう
また終わらせるのに1年とかかかってるし……他の作品に浮気しすぎた

メイド服姿の男の娘が騎乗位であんあん言う小説が書きたいなあ、というところから
スタートした作品でした

とりあえず、男同士のエロは女同士より難しいということを途中から痛いほど実感した
ショタホモのいい映像資料が見つからなくて泣く泣く汚いゲイビデオ漁ったのとか
ボディピアスとかエログッズの販売HP調べたのとか、今となってはいい思い出

ちょっとだけ作品について

ストーリーは、和製ハードボイルドの王道もの風
大沢在昌の初期のハードボイルド風青春小説をわりと意識してる

落ちぶれた元エリートでニコチン中毒の主人公が、ひょんなことから事件に巻き込まれ、
ヤクザに半殺しにされて寝込みヒロインには逃げられ、うんちくを語りながら独り酒を
飲んだりする……というのがテンプレートになってる感があるので
ただ最後をぶった切ったり暗く締めるのだけはイヤだったので、全てひっくり返す感じに

高岡さんとしぃは、大石圭の「掃き忘れたもう片方の靴」の主人公のシーメール、
それと昔読んだ漫画から。あとNightwishの「Escapist」っていう曲、アンデルセン童話
の「ナイチンゲール」をイメージした曲だと思う。ボーカルがエロい

それじゃ、またどっかで

おやすみ


187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 01:51:09.59 ID:19xTs/HvO
よかった…
一話からずっとリアルタイムでみてたよー

支援できなかったけど完結乙!


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 02:02:07.09 ID:xLG3u19YO
乙でした!


189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 02:02:24.71 ID:n3BVBFrx0
完結乙です!

最後良い形で納まってよかった




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