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◆(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!」~助け屋GU~のようです 十五日目 午前

前の話/インデックスページ/次の話

1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:28:00.91 ID:LzNfagRH0


どこかの世界の、いつかの時間。
弱虫ですぐ泣いて、ほんの少しだけ変わっていて、……何よりとても優しい男の子がいました。
彼の周りには人も人じゃないモノも沢山いて、みんな彼と同じく“ほんの少しだけ”普通ではありませんでした。

……でも。きっとそういうものなのでしょう。
人には言えない事情や取り返せない過去なんて、誰でも一つぐらいは持っているものです。
変わることも、進むことも、強くなることも、中々できないもので。


――それでも今日も、きっと明日も明後日も、彼等は助け合って生きていきます。
「秘密を共有できるのが友達だけど、だからこそ隠したいのも友達だよね?」
これは、そんな物語。


(,,゚Д゚)「もしもし○○?今すぐ来て!!」~助け屋グロウアップ~のようです



十五日目 午前
『彼女と私の事情? デート前日は早めに寝ましょう!』






4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:31:16.65 ID:LzNfagRH0
どこかの世界のいつかの時間。
具体的に言うと、VIP州西部の色々な――本当に“色々な”モノが集まるバーにて。
春の夜長。年中無休と見せかけて不定期休業なバーボンハウスは、今日も金を払わない奴等で賑わっている。


(,,^Д^)「――と、言うことがあったわけなんですよ~」

('ー`*川「へぇ。なんだが、御伽噺みたいな話ねぇ」

一部には――特に人外と特務機関――有名な「助け屋」社長、ギコール・ハニャーンは先日の蛟の一件について話終わったところだった。
基本的に低スペックなギコだが、どうやら話して聞かせる技術はそこそこのようで、ペニサスも手を打ちつつ上機嫌。

そして、後方。

ミ,,-Д-彡「……まー、大抵人外と人間との恋愛談って悲劇終わりだけど。……崖から突き落としたり騙そうとして溶けて消えたり」

o川*^ー^)o「私のこと?」

そんなやり取りで、狼男がグラス一杯のスピリッツを浴びせられたのは、ほぼ同時だった。
銀狐で土地神で雪女なうわばみなキューも、一応前例というか、お決まりの“パターン”みたいなのを気にしていると見える。

人間が、“人間らしく”振舞うのを美徳あるいは当然の義務としているのと同様。
人ならざるモノだって、同じく“それらしく”振舞うのが美徳であり義務だ。キャラ付けと言ってもいい。
……いや。キャラ付けで恋心をナシにして雪になって消えるのは、彼女にとってもありえない話だし――ギコの方も許さないはずである。



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:34:08.41 ID:LzNfagRH0
( ノAヽ)「キャラ付けと言えば……」

と、話を振るのは、異類結婚譚の主役、ノーネ。もうすぐ「できちゃった婚」で独身ではなくなる蛟だ。
ちなみに彼は病弱な妻とお腹の子供の為下水道整備の仕事に就職した。
自分の家の水道が水神によって管理されていると知れば、年配の方々は喜ぶだろうが……それは、とりあえず置いておいて。

( ノAヽ)「猫又は、結構……キャラがしっかりしてるのに、お前は違うな……」

(#゚;;-゚)「はぁ」

大きな傷が残る清楚な顔をもたげ、気の抜けた返事をするでぃ。
日本刀――精巧に作られた模擬刀を手入れしつつ、唯一の“猫又らしさ”である尻尾と猫耳を揺らす。

(#゚;;-゚)「三味線が弾けるだけじゃなく、魚が好きというのもあった方が良かったでしょうか?」

( ノAヽ)「いや、知らんが……」

(#゚;;-゚)「魚は、綺麗に食べないと当主様に怒られたので……正直良い思い出がありません。皆無なのです」

( ノAヽ)「子供かよ……」

妾の子と言えど直系。由緒正しい朝比奈の直系である。
作法には厳しかったのだろう。現在でも毎日着物着用ということからも分かる通り。



6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:37:08.76 ID:LzNfagRH0
o川*゚ー゚)o「――でも、猫又のキャラ付けって言ったらさ、」

二杯目を注文しながらキューが口を挟んでくる。
先ほどより度数が高くなっているのはどういうことか。でぃとは真逆で、慎み深さがゼロだ。

o川*-ー-)o「こないだ……でぃちゃん、淫魔らしく一人の時にこっそりオナ――」

(#// -/)「――――うにゃぁぁぁああああああ!!!」

――かつてないほどの大声をあげ、大切なはずの木刀を投げつける。
それはサクッ、と無駄に軽い音と共にカウンターの一部に刺さることになり、必然的に「助け屋」の借金が増えることになった。
もっとも、本人にとっては二の次だ。

(#// -/)「うあ、うあぁ、見られた……。お嫁に行けません……。もう、行けないのです……」

(;゚Д゚)「え、なんで泣いてるの? なに、なにこれ?」

イ从゚ ー゚ノi、「気にするな。年頃の女の子にありがちなことだ。中高生の女子は。机の角が大好きなのだ」

( ^Д^)「さも常識かのように嘘教えないで下さい。なんですか、その偏見」

人であって人ではなく、妖であって妖ではない。
発情期の所為かも知れないが、もしかすると彼女も……そこまで清楚で慎み深いわけではないのかもしれなかった。



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:40:11.37 ID:LzNfagRH0


――と、その時だった。
カランカラン、という音と共にドアが開かれた。

「――そう。そこの痴女っ娘さんのことは知らないが、『キャラ』というのは人間関係において重要だ」

(#// -/)「ち、痴女っ!? ちょっと待って下さいなのです!これは――」

「自分の立ち位置、居場所を把握すべきで……慣れないことはするもんじゃない」

でぃの反論をあっさり無視した制服姿の少年。
低い身長と散切り頭。醤油顔は家で共通なのだろうか、どことなく「助け屋」にも馴染み深い兄二人に似ている。

(,,゚Д゚)「君は……」

そして。
私服姿の異端医に連れられた彼は、やや疲れた表情で言った。


( ´_>)「――うっかり友達とデートすることになっちゃったんだけど、質問ある?」

学生服のポケットに両手を突っ込んだ少年――末者は、首を鳴らしつつ中へ入ってくる。
……どうやら今回の依頼人は彼らしい。



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:43:08.94 ID:LzNfagRH0
……………


(ノリ*^ -^ノリゝ『第一回、王様ゲーム大会~!!』

/*゚、。 /『いえ~い』

イ从;゚ -゚)『王様ゲーム、だと……っ!? いや、いえーい、じゃなくて……なんだこれ!得手勝手の我田引水でも酷過ぎる!!』

( ´_>)『諦めろ……。そもそもお前、捕まえられて縛られて巻き込まれるのはいつものことじゃあないか』

イ从;゚ -゚)『そうは言っても脈略がなさ過ぎてツッコミの言葉すら思いつかな――』

(*^ー^)『――王様だーれだっ!……って私か』

イ从;゚ -゚)『既に開始されてる!!? フリーダム過ぎだっ!!』

(*゚ー゚)『じゃあねー、一番と五番の人が……結婚するっ!』

イ从;゚ -゚)『重たいっ!!普通王様ゲームというは、宴会芸なのだからもうちょっと軽い感じだろう!?』

(*^ー^)『じゃあデートでいいや』



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:46:09.71 ID:LzNfagRH0
(ノリ*゚ -゚ノリゝ『……あ、僕ちんだ』

( ´_>)『俺はどうやらセーフらし――』

イ从; -)『(…………ヤバイ)』

スッ

(;´_>)『――って、アレ? さっきまで二番だったのに、いつの間にか一番に変わってる?』

/*゚、。 /『では哀朱さんと末者君ですね』

(;´_>)『待って。待って。おかしいから、今、コイツおかしかったから』

イ从゚ -゚)『なんのことだか分からないな。言いがかりはやめてくれ』

(;´_>)『おいおい……。これは、お前をハメる為に企画したんだぜ? お前が当たってないのはおかしいんだ』

イ从 -)『末者……。イカサマはバレなければ良いものなんだ。私が摩り替えたという証拠は何処にもない』

(;゚_>)『――その発言が証拠だァァァァアアア!!!』



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:49:15.12 ID:LzNfagRH0




( ´_>)「――以上、回想説明終わり。そういうわけです」

( ^Д^)「……少年よ。良いことを教えてやろう」

――黙って説明を聞いていた「助け屋」の面々の一人。
八咫烏のプギャーが、煙草を咥えながら、けれど禁煙なので火を点けずに。

( ^Д^)「そういうのを仏教用語では『因果応報』という」

( -_>)「本来は好意からだったんです。アイツは、周囲に溶け込めない所があるから、デートを通じて社会べんきょ――」

o川*゚ー゚)o「と、見せかけて、実際は嫌がらせでしょ?」

( ´_>)「うん。困るかなー、と」

(#゚;;-゚)「嫌な高校生ですね。ピュアさがないのです」

あっさりと認める末者。
悪気は全然全くこれっぽっちもないようだ。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:52:08.82 ID:LzNfagRH0
しかし。そもそも、子供にはありがちな悪乗りの産物だ。別にデート程度で困ることはない。
問題は別にあるのだ。

( ´_>)「……別にデートぐらいいいんですよ。大したことでもないし、」

(  ω)「『デート』が大したことないだと……? 分かった、ちょい表出ろ」

('、`*川「男の嫉妬は見苦しいわよ」

酒が回り始めた西川を嗜めるペニサス。
デート程度をしたことがない男は悲しいが、デートをする精霊も同じくらい滑稽なのに気づいているのだろうか。

( ^Д^)「じゃあ一体、何が“大したこと”なんだ?」

( ´_>)「ええ、」

「問題はですね」と前置きし、カウンターに腰掛る。
どう言うべきか悩む末者の代わりに――彼をここまで案内したつーが口を開いた。

(*-∀-)「男の嫉妬が見苦しいって話なだけなんだけど……」

(,,゚Д゚)「え?」

(;*゚∀゚)「平たく言えば、それだけなんだけど……」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:55:12.40 ID:LzNfagRH0




( ´_>)『小さい方の兄貴。いつだったか言ってた観覧車って、何処にあるんだっけ』

(´<_` )『高岡診療所の先……商店街の大通りの、更に先の広場だが? と言うか近くに行けば見えるだろうよ。結構目立つ』

( ´_>)『そうか。そう言えば見た気もする。……いくらだ?』

(´<_`;)『いくら、いくらなぁ……。俺はもう、観覧車に乗ってはしゃぐ年齢じゃないしなぁ』

( ´_>)『俺だってはしゃがねーよ』

(´<_` )『少なくとも、子供の小遣いで乗れる程度ではあると思うが』

( ´_ゝ`)ノ『よー。何の話?』

( ´_>)『別に。商店街の観覧車の話だよ』

( ´_ゝ`)『ああ、アレね。無意味にデカイやつな』

( ´_>)『不可解なほどにな』



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 19:58:09.41 ID:LzNfagRH0
( ´_ゝ`)『……確か、誰だったかが外国のお嬢様を沈没する船で助けて、そのお礼にできたらしい』

(´<_` )『今、どっかの国で唯一の女性大臣の人な。顔に傷のある美人の』

( ´_>)『豪気な話だな。観覧車ごとくれるなんて』

(´<_` )『助けた人が奥さんと一緒に海の藻屑と化した所為だ。ちなみにその死んだ奴の息子は俺達の高校時代の後輩だ』

( ´_>)『そんな無駄な裏設定はいらねぇ。……でも、まぁ、話のネタぐらいにはなるか』

( ´_ゝ`)『しかし、なんでいきなり観覧車? まるでデートに行くみたいじゃないか』

( ´_>)『そうだけど』

( ´_ゝ`)『…………』(´<_` )




(  _ゝ)『天におわします我等が神よ、この愚弟に鉄槌を与えて下さい……』

(<_  )『死ね。死ね。とりあえず死ね我が弟』

(;´_>)『いや待て待て待て待て――――』



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:01:09.14 ID:LzNfagRH0




( ´_>)「――そんなやり取りの後、『全力で邪魔してやるぜヒャッハー!!』とどっかに消えたわけさ。やれやれ、これだから非リアは……」

( ^Д^)「お前に良いことを教えてやろう。そういうのを仏教用語では『自業自得』と言う」

大袈裟に肩を竦める高校生に、ややイラつきながら返す。
末者の顔面に自慢の色が混じっていたからだ。誰の眼にも明らかなほど。

(;*゚∀゚)「い、いやっ、でもっ。哀朱ちゃんに罪はないわけだしっ!」

o川*゚ー゚)o「まぁ……それはそうだよね」

(  ω)「ルカによる福音書にこんな言葉がある。『リア充が存在するよりもラクダが針の穴を通るほうがまだ易しい』と……」

イ从゚ ー゚ノi、「存在すら認めないのか」

(;^Д^)「恐ろしいレベルで聖句を改変しやがるな、お前……。ちなみにそれの元ネタは、ルカじゃなくてマタイの福音書だ」

ちなみに本来は、
「金持ちが神の国に入るよりもラクダが針の穴を通るほうがまだ易しい」である。念の為。



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:04:10.20 ID:LzNfagRH0
(,,-Д゚)「つまり……妨害の妨害ってこと?」

( ´_>)「ああ、哀朱の方も人生初デートらしい。……だから、罰ゲームだけど、ちゃんとしてやりたいんだ」

(,,゚Д゚)「……ふーん」

“も”というからには、おそらく、この小生意気な少年の方も初めてなのだろう。
彼個人としては『初デート』に執着はないらしいが……どうやら、それに“友達の”が付くと意味合いが違うようだ。

(*-∀-)「(いつの時代でもいるんだなぁ……。こういう、自分には無頓着な癖に他人には世話焼きの人間って)」

('、`*川「……多分貴女もそうだけどね」

――と、しみじみとするつーに対し、心を読んだかのように突っ込みが入る。
異端医・高岡翼もそういう類の人間だ。
平たく言うところの「馬鹿」になってしまう、馬鹿正直で馬鹿みたいに良い人間だった。

( ´_>)「できればデートで何をすればいいのかも教えて欲しい」

(,,-Д-)「そう言われても……。そんなのアサピーとミセリちゃんの時ぐらいしか知らないし……」

三人目の馬鹿正直で馬鹿みたいに良い人間。そして、彼の場合は知能的にも馬鹿なので前例二人に輪をかけて馬鹿だ。
高校時代、そんな馬鹿な彼が手伝ったデートは勿論のこと上手くいかなかった。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:07:11.76 ID:LzNfagRH0
( ´_>)「話が聞けるんだったら二人にも話が聞きたいな。朝比奈さんとは知り合いっちゃあ、知り合いだし」

(,,^Д^)「――ん? ああ、それは無理だと思うよ」

珍しい明確な否定に、末者やいづなは小首を傾げた。
その身振り手振りに口振りが、明らかに――普段のギコール・ハニャーンとは違うことも関係しているだろう。
それを不思議に思ったのだ。

然ありなん。
――彼等は“事情”を知らないのだ。

(,,^Д^)「ギコハハハ……ハハ…………。楽しかったなぁ、あの頃は」

今も楽しいんだけどさ――と。
次いで、いつもと同じように、誰に向けるでもなく弁解をした。

 本当に言いたいことは、きっと。
 そんな分かり切った言葉では――なかったのだろうけど。


( ´_>)「……そうか。じゃあ、仕方ないな」

特に詮索をすることはしない。
末者は、兄二人とは違って、空気が読める普通の子だ。



21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:08:22.80 ID:0+sQEw8JP
末者いい子支援


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:10:11.28 ID:LzNfagRH0
……………


(ノリ*゚ -゚ノリゝ「――と、言うわけで明日デートをすることになりました」

lw´‐ _‐ノv「良かった、ね」

(ノリ*^ -^ノリゝ「きゃはははっ」

頭を泡立てながらの報告に、途切れ途切れに答える。
縮こまって湯船に浸かっている彼女は激しい人見知り。辛うじてだとしてもすんなりと会話を成立させている哀朱は、結構親密な仲だ。
女子二人でお風呂とは――仲が良いことだった。

クラスでも人気が高い哀朱は、末者が知るように意外にも初デート。
頭や身体を洗う挙動がやや入念に見えるのは、シュールの気のせいではないだろう。


l从 -ー-ノリ「……そっかぁ。私の初デートは、末者かぁ……」

温度を調節。熱いシャワーで泡を落とす。所々ハネた特徴的な髪型もすっかりストレート。それは思った以上に長く――そして綺麗な髪。
その様は、丁寧に紡ぎだされた小さな言葉も相俟って、まるで何処かの御令嬢のようだ。
毎日御令嬢ことレモナを見ているシュールが思うのだから間違いはない。……アレをスタンダードとすると全国のお嬢様方に失礼極まりないが。


23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:13:09.56 ID:LzNfagRH0
lw´‐ _‐ノv「(――でも、)」

――やっぱり綺麗だ、と思ってしまう。女から見ても。
子供っぽい笑みは誰に似たのだろう。少なくとも、大きく澄んだ瞳や鼻梁の通った顔立ちは兄譲りらしいけど。
妙に気取らず単に粋なだけ。身体のライン一つ取り出しても、とてもすっきりとしている。

l从 ゚ー゚ノリ「……なに? 僕ちんのおっぱい凝視して」

lw´‐ _‐ノv「…………末者くん、は、幸せ者で、馬鹿。二人共、朴念仁……」

l从 ゚ー゚ノリ「ん?」

お湯に身を沈めたままの呟きは、あんまりにも小さ過ぎて届かなかったようである。
まぁ、別に良いのだ。そんなことは哀朱自身や、あるいは末者自身が、当事者達が自分で気づくべきことで。


l从*^ー^ノリ「あっ、そうだ~。洗い合いっこしようよっ。秋ちゃんのおっきぃおっぱい触りたいし」

lw´‐ _‐ノv「同姓間で、も……最後、の一言、は、流石に引く……」

結局押し切られ、いちゃいちゃ長風呂をすることになる二人。
……こんなことをやっていられるのも今のうち。結局は、今のうちでしかない。
それでも、いつか別れが来る間柄だとしても――今は関係のないことだ。



24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:15:52.64 ID:0+sQEw8JP
羨ましいなおい


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:16:08.46 ID:LzNfagRH0


――その、微笑ましいんだか悩ましいんだか判然としない光景が展開される風呂場の外。
とても残念な光景が展開されていた。

('(∀ ∩「ふっふっふ……。誘って責めて、百合揺られなんだよ……」

|゚ノ;^∀^)「(……うわー。なんか駄目な人いるー)」

脱衣場とリビングを隔てる場所にて飯縄使いが不埒な行為――有体に言う「覗き」を行おうとしていた。
もう、本当にどーしよーもなかった。
レモナの着替えを覗こうとしたり、どうしようもない。

……自分はまだしも、学友達(現役美少女女子高生)の裸を見られるわけにはいかないので、とりあえず後ろから羽交い締めにしておく。
当然のように、誤用の方で“確信犯”のなをるは普通に暴れる。

('(゚∀゚;∩「くそっ!楽園はもうすぐなのにっ!!」

|゚ノ;^∀^)「(なんでこんなの仲間にしちゃったんだろうなぁ……僕)」

('(-∀-*∩「(――あっ、でも、この状態だとレモナちゃんのたゆんたゆんな胸とかすべすべな肌とか良い匂いとかが……ッ!!)」

目的変更。抵抗と見せかけて色々と楽しむことにした。
心底駄目な奴だった。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:19:11.44 ID:LzNfagRH0
馬鹿らしい彼等の後方。
涼やかな顔立ちの幽雅な青年が、のんびりと梅を漬けながら呟く。

( -∀・)「……いや、別にいいと思うよ? 二人でお風呂とか、それぐらいは。見てる方も楽しいしさぁ」

N| "゚'` {"゚`lリ カキカキ

( -∀・)「問題は……なんで、いきなりうちにやって来て冷やしてたプリンを勝手に食べた挙句我が物顔で風呂に入ってるかってことだよね」

そう思わない?と言いつつも、返答は期待していなかった。
フローリングの上に正座し筆を染めているガタイの良い男――アベさんは仕事中だったからだ。
三流雑誌の占いコーナーが歴史上最も有名な陰陽師に依っているとは誰も、というか編集者だって夢にも思うまい。

……それが何故に十三星座占いなのかは不思議極まりないが。
微妙にマイナー趣味の雑誌である。


(ノリ*^ -^ノリゝ「ご馳走さ――アレ、お風呂ってご馳走様で良かったっけ? きゃはははっ」

( -∀・)「まぁ……いいんだけど。美少女だし」

差別的過ぎる発言をし、風呂から上がってきた二人に飲料水を投げ渡す。
しかし、こっそりと浴槽に塩を混ぜていることからも……口で言うほど迷惑とは思ってないのかもしれない。
朝比奈家はデフォルトでツンデレなのだ。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:22:08.86 ID:LzNfagRH0
――何故、デート前日にも関わらず哀朱が友達の家に泊まろうとしているかと言えば。
住んでいる一室の給湯器が壊れたからで、そのまま結構軽いノリでレモナのマンションに来てしまったわけである。
無茶苦茶大雑把な性格の少女だ。

|゚ノ*^∀^)「……デートかぁ、いいなぁ……」

(ノリ ^ -゚ノリゝ「レモナちゃん可愛いから、相手を選ばなけりゃすぐできるよ。本番まで」

( -∀・)「女の子が『本番』とか言うなっての」

大雑把な上に、屈託というか女性らしさもない少女だ。
先ほどまで良家の令嬢のようだった髪型もすっかり元に戻ってしまっている。

( -∀・)「部屋余ってるから泊まるのはいいけど、明日の服はどうするつもり?」

(ノリ ゚ -゚ノリゝ「え? フツーに制服で……」

N| "゚'` {"゚`lリ「……ほう。最近の学生はデートだからって粧し込んだりしないのか」

(ノリ*^ -^ノリゝ「きゃはっ。心配ごむよーなのですっ!末者君、制服萌えの人だから! ちなみに僕ちんもっ!!」

( -∀・)「お前もかよ」



29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:25:10.27 ID:LzNfagRH0
(ノリ -ー-ノリゝ「問題は……パットなんだよぅ。巨乳好きだから……」

('(゚∀゚*∩「大丈夫!君も、十分おっきいんだよ!!」

lw´‐ _‐ノv「そろそ、ろ。警察……。という、か……覗いた、の……?」

ギリギリアウトな発言をする男を軽く嗜めておく。
哀朱は気にする方ではないのでアレだが、普通の子ならセクハラだ。


(ノリ*^ -^ノリゝ「あー、もうっ!そう考えると服も変えたくなってきたっ。面倒だな――もうっ!!」

ソファーに飛び乗り、もとい座って、手や足をバタバタと上下させる。
「面倒だ」と言いながらもその顔は――どうしようもなく“オンナノコ”な満面の笑み。


( -∀・)「(罰ゲーム、とか言ってたけど……満更じゃないんだね)」

|゚ノ*^∀^)「(うんっ。本人は気づいてないけど、明らかだよ♪)」

( -∀・)「(青春だなぁ……)」

ハーブティーを淹れながら、こっそりと話すこの部屋の主以下。
誰か笑顔は他の誰かを幸せにする。哀朱のそれは、そんな馬鹿みたいな話を信じてみる気にさせる笑顔だった。



30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:28:16.68 ID:LzNfagRH0



陽炎稲妻水の華。
妙にキャラ立ちした口調と、所々ハネた特徴的な髪型。
裏表がなく、屈託がない少女――幽屋哀朱。

(ノリ*^ -^ノリゝ「楽しみだなぁ……」

――彼女が今現在見せている姿は“真実”ではない。
勘の良い人間ならば何となく気取っているかもしれないが、確信を持っている人間はどれほどいるのか。

その一人が、レモナだ。
特定方面に関しては異常なほどに鋭い『最強』は分かっている。
哀朱が真っ当ではないことを。異常であることを。いつかは――普通の生活に別れを告げなければならないことを。


そして――だからこそ、レモナは一人の友人として言うのだった。
今の笑顔。きっと、作り物ではないその笑顔に向けて。

|゚ノ*^∀^)「明日は頑張ってね」

元気の良い頷きを返答とした哀朱。
デートは明日。今日はそろそろ寝るべきだろう。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/03(土) 20:31:09.79 ID:LzNfagRH0



十五日目 午前 終



――待ち合わせは午後一時。
軽くお昼を食べて、後の予定は未定である。
短い時間。それも好きな人と一緒なら更に短くなるはずだ。

さて。
二人の初デートはどうなるのか……?



…それはまた、次のお話であるのだが。






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