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◆( ゚∀゚)ジョルジュは取り戻すようです <第二話>

前の話/インデックスページ/次の話

1 :◆XcyV9XdVHQ:2009/06/21(日) 20:34:56.20 ID:pvF72uO/P
※閲覧注意

あと、今回は最初に謝っておきます  ごめんなさい



2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:36:15.80 ID:pvF72uO/P
まとめサイト

 くるくる川 ゚ -゚)(くるくるくーる:くるくる羅針盤から分割された長編まとめ)
 ttp://kurukurucool.blog85.fc2.com/

 自作品置き場
 ttp://xcyv9xdvhq.sakura.ne.jp/


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:37:54.37 ID:pvF72uO/P

<第二話>

                      - 1 -
  _, _
川 ゚ -゚)「……」

事務所を訪れたクーが取った最初の行動は、全力で眉をひそめる事だった。
  _
( ゚∀゚)「お、来たね。いらっしゃい」

薄暗く薄汚れた事務所の中央で、無精髭の男が手を振る。
それは確かに、彼女がペット探しを依頼したその相手だ。

そこまでは分かる。

分かるのだが。

だが、しかし。

(*゚ー゚)「いらっしゃいませ。お待ちしておりました」

ドアを開いて微笑むのは、メイド服を着た少女。
しかも、何故か腕には電気炊飯器を抱えている。
電源コードは繋がっていない。

(*^ー^)「どうぞ、こちらにお掛けになって下さい。
     今、お茶をお淹れいたします」





8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:39:54.95 ID:pvF72uO/P
状況も掴みきれぬまま、クーは黙ってジョルジュの正面に腰を下ろす。
  _, _
川 ゚ -゚)「……」

疑問と不審を一杯に湛えた、彼女の瞳。
それに気付かぬげに一礼を返し、少女は炊飯器を持ったまま、給茶室代わりのキッチンに
消えた。
  _, _
川 ゚ -゚)「……」
  _
(; ゚∀゚)「……あー。なんか、言いたいことがたくさんありそうな顔だね」

川 ゚ -゚)「いや。言いたいのは、ひとつだけだ」

クーは首を振り、息を吐いた。

川 ゚ -゚)「……何が、どうなっている?
     説明しろ」

この状況下で、何も説明せずに済ますわけにも行かない。
しぃを下がらせなかったことを悔やみながら、ジョルジュは重い口を開いた。
  _
(; ゚∀゚)「えーと、ほら。
     話せば、ちょっと長くなるんだけど……」



10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:42:13.46 ID:pvF72uO/P



――クーの依頼は、違法ペットのコモドオオトカゲ、「ザラキーマちゃん」の捜索だった。
それを受け、ジョルジュはクーの自宅周辺を中心に調査を行っていた。

調査、と言っても、聞き込みなどは行っていない。
緑を好むそのトカゲが逃げ込みそうな場所を歩き回り、クーの自宅周囲の住宅地に張り紙を
して回っただけだ。

そこでジョルジュは、偶然にもその「ザラキーマちゃん」を連れたしぃに出会った。
しぃは飼い主に非礼を詫びたい、と申し出、事務所に戻る彼に同行したのだった――


  _
( ゚∀゚)「……と、まあ。そんな感じで」
  _
( ゚∀゚)(俺にとっての問題は、そこから先なんだけど、ね……)

クーには話さないが、この話には続きがある。
しぃの目的は、飼い主に挨拶をすることなどではなかった。
それにかこつけて、彼女が暮らしていた屋敷から逃亡することだったのだ。
日本有数の大会社、タカラ・ホールディングスのギコ社長宅から。

行くあてがないと言う彼女に、ジョルジュは一晩の宿を貸すことを約束してしまっていた。
  _
( ゚∀゚)(……ほんと、頭が痛いぜ)

その彼の悩みには、クーは気付く様子はない。



11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:44:10.99 ID:pvF72uO/P
疑惑の視線は変わらないが、他に納得の行く答えには辿り着かなかったのだろう。
不承不承頷いた。

川 ゚ -゚)「まあ、私はザラキーマちゃんが戻ってくれれば構わん。
     で、どこにいる?」
  _
( ゚∀゚)「あ、えーっと。そこに……ありゃ?
     おーい、メイドさん。ザラキーマちゃんはどこにやったんだ?」

腰を浮かして、キッチンに呼びかける。
程なくして、再び炊飯器を抱えたしぃが顔を出した。
頭を下げながら炊飯器を手渡す。

(*゚ー゚)「申し訳ございません。
    ザラキーマちゃんは、こちらです。どうぞ」

川 ゚ -゚)「……これが?」

(*゚ー゚)「はい」

川 ゚ -゚)「ここに、ザラキーマちゃんが入っているのか?」

(*゚ー゚)「はい。仰る通りです」

炊飯器に、三人の視線が集中する。
クーの視線が険しさを増す。

川 ゚ -゚)「……まさか、炊いていないだろうな」

(*^ー^)「もちろん、炊いていませんよ。ご安心下さい」



13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:47:39.30 ID:pvF72uO/P
机に炊飯器を置き、その蓋をそっと開けた。
そこから、特徴的な青い鱗の頭が、のそり、と突き出された。

川*゚ -゚)「ああ、ザラキーマちゃん!」

途端に、ソファを蹴倒さんばかりの勢いでクーが立ち上がる。
目にも留まらぬ速度で、そのコモドオオトカゲを抱き上げた。
跳ね飛ばされた炊飯器が床に落ち、音を立てた。

川 ゚ -゚)「ああ……心配したんだぞ……。
     お前のことを考えると、夜も眠れなかった。
     私はもう、心配で心配で……ああっ」
  _
( ゚∀゚)「羨ましいね。
     俺も、一度でいいからナイスバディの美女に抱かれて同じ台詞を言われたいもんだ」

クーはジョルジュの言葉など聞いていない。
トカゲの脇を抱え上げ、背中や腹の柔らかい部分をしきりに確認している。

川 ゚ -゚)「ザラキーマちゃん、無事か? ケガはないか?
     妙な男に引っかかってひどい目に遭わされたりしていないか?」
  _
( ゚∀゚)「って、なんでそこで俺を見るんだよ! うおーい!」

娘を傷物にされたのでは、と言わんばかりのクーの眼差しを避け、横を見る。
幼い給仕は、無言でにこにこと笑っていた。



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:53:05.30 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「……なぁ。俺ってさ……そんなヤバい男に見える?」

(*゚ー゚)「いえ、ご安心下さい。とてもそのようには見えませんわ。
    ただ、人は見かけによらない、と申しますし。それに――」

言葉を切り、唇をジョルジュの耳元に寄せる。

(*^ー^)「――こんなカワイイ子を誘拐して来ちゃうようなワルモノだもんね。
     そう見られても、しかたないんじゃない?」
  _
(; ゚∀゚)「なっ、そ……それは、お前がっ!」

がたんっ、と床を踏み鳴らして立ち上がる。
からかいの言葉とは分かっているが、思わずボリュームが上がる。
しぃはすぐさま接客用の表情と声音に戻り、真剣な顔で頭を下げた。

(*゚ー゚)「……大変失礼いたしました。
    お二人分のお茶をお淹れいたします。そのままお待ち下さい」

再び台所に向かう。
振り返り様、ジョルジュにしか見えない角度で、ぺろり、と舌を出すのも忘れていない。
  _
(; ゚∀゚)「くっ……この……」

川 ゚ -゚)「ふむ。態度は悪い、身なりは悪い。
     そのうえ、使用人にまで当たり散らすのか。君は最低だな」
  _
(; ゚∀゚)「……もう……どうとでも言ってくれ……」





15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:57:39.39 ID:pvF72uO/P
ジョルジュがしぃとクーの世間話に適当に相槌を打っている間に、十分ほどが経過した。

川 ゚ -゚)「約束通りの報酬だ。数えてくれ、最低男」
  _
( ゚∀゚)「本当に最低男になっちゃったよ……俺カワイソス」

差し出された茶封筒の封を切り、中身の紙幣を確認する。
約束通りの金額だった。
  _
( ゚∀゚)「まあ、金バエよりはマシか……はいよ、確かに。
     領収書は要るかい?」

川 ゚ -゚)「要らん。小銭だ」

一般人の感覚からは懸け離れた「小銭」を再び封筒に収め、机上の灰皿の脇に置く。
鈍色の灰皿に歪んだ封筒の形が映り込む。

川 ゚ -゚)「世話になったな。
     分かると思うが、このことは他言無用に頼む」
  _
( ゚∀゚)「勿論さ。また何かあったら連絡、頼むよ。ペットの捜索以外だと嬉しいんだけど」

川 ゚ -゚)「悪いが、二度と来るつもりはない。
     ここは空気が悪すぎて、肺を痛めそうだ。公害認定が下りるなら話は別だがな。
     室内で煙草を吸うなら、その金で空気清浄機ぐらい買っておけ。では、な」

別れの挨拶はあったが、余計な一言が付いてくる。
始めに事務所を訪れたときと同じに、女は振り返らず事務所を出た。
ジョルジュも今度は挨拶は返さず、扉の方向にひらひらと手を振った。



16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 20:59:37.61 ID:pvF72uO/P
机に出した封筒もそのままにソファに深く座り直し、煙草を取り出す。

(*゚ー゚)「お金、そのままにしといていいの?」
  _
( ゚∀゚)「あー、いいさ。あの女も言ってただろ。小銭だよ」

しぃは、煙草に火を点ける彼の顔をまじまじと見る。

(*゚ー゚)「ふうん、ヘンなの。
    こんなちっちゃな事務所で仕事してるのに、お金、大事じゃないの?
    ボク、持ち逃げしちゃうかも知れないよ?」
  _
( ゚∀゚)「構わないさ。欲しきゃ持ってけよ」

(*゚ー゚)「んー……」

言い捨てて煙を吐くジョルジュを、釈然としない顔で首を傾げるしぃ。
だが彼女が口を開き、何事かを喋ろうとした瞬間、入り口の戸が再び叩かれた。
口を閉じ、客を出迎えるための表情を作る。
  _
( ゚∀゚)「開いてるよ。どうぞ」

扉が、ゆっくりと開く。

そこに立っていたのは、柔和な表情の男だった。

(´・ω・`) 「やぁ、お久しぶり。お邪魔するよ」



17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:05:14.21 ID:pvF72uO/P
(*゚ー゚)「いらっしゃいませ――」
  _
( ゚∀゚)「……ンだよ、お前か」

しぃの挨拶を遮り、煙草をくわえたまま。
ジョルジュは不機嫌そのものの表情で腕組みをした。

(*゚ー゚)「あの、こちらは?」

客ではないらしい。
ジョルジュの言葉から察知し、しぃはジョルジュに訊いた。

(´・ω・`) 「おや、かわいいメイドさんだね。
      しばらく見ない間に、こんな娘を雇ったのかい? ジョルジュ。
      それとも、あれかな。まずい時にお邪魔しちゃった?」
  _
( ゚∀゚)「そうだって言やそのまま帰んのか?
     じゃあそうだよ。俺ぁ今からこのコとメイドプレイでニャンニャンするの。
     分かったら帰れよ」

(´・ω・`) 「そうか。それじゃあ、終わるまで待たせて貰うかな。
      僕に、そんなに気を遣わなくてもいいからさ。ははっ」
  _
( ゚∀゚)「……けっ」

男に対するジョルジュの口調は、厳しい。
この男は客でもないようだが、知己に対するものとはまた違う棘を多分に含んでいる。





18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:07:58.58 ID:pvF72uO/P
(;゚ー゚)「……あの……?」

計りかね、困惑の声を上げるしぃ。
それを察し、ジョルジュは表情を幾分緩めた。
  _
( ゚∀゚)「ああ、悪いな。
     こいつはショボン。新聞屋だよ」

煙草を持った手で男を指しながら、言う。

(*゚ー゚)「新聞屋さん……ですか?」

彼に指し示された男は、また少し笑った。

(´・ω・`) 「ああ、『新聞屋』さ。
      もっとも、商売道具はペンじゃないけどね。つまり――」

答えながら事務所に入り、ジョルジュの正面に腰を下ろす。
ジョルジュは不快感を隠そうともしない。

(´・ω・`) 「新聞記者が、明日の朝刊に載せる記事のネタに困ったとしよう。
      もしくは、ネタの真偽に疑問を持った、っていう時もあるかな。
      そんな時、僕はあの手この手でその人が知りたい情報を仕入れてきて
      情報を提供する……って訳さ。だから、『新聞屋』」

(*゚ー゚)「?」

笑顔は崩さないが、その言い回しに首を傾げる。



20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:12:26.69 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「早い話が、情報屋だよ。
     有名人の趣味やら年収やら、交友関係やら犯罪歴やら、その他もろもろ。
     人に言えないような情報を集めて売りさばくのさ。アコギな連中の一人だよ」

ジョルジュに補足され、改めて頷く。
そのショボンの表情を見ながら、しぃは幾分ためらいがちに頭を下げた。

(*゚ー゚)「はい……よろしく、お願いいたします」

(´・ω・`) 「なぜだろうね。君にアコギと言われると悪い気がしないよ。
      ショボンだよ、ご紹介に預かった通り。よろしく、可愛いメイドさん」






22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:17:09.04 ID:pvF72uO/P

                      - 2 -
  _
( ゚∀゚)「用は何だ? いつも通りなら、返事は同じだぜ。
     帰れよ――ああ、しぃ。こいつに茶は要らないからな」

(;゚ー゚)「あ、あの。お客様ですし、そういう訳には……」

ジョルジュは、隣を離れようとしたしぃを呼び止める。
ショボンはそれを涼しい顔で受け流した。

(´・ω・`) 「ああ、お構いなく。用件はいつも通りさ。
      近くに寄ったからね、馴染みの客に顔を出すついでだよ」

馴染みの客、という言葉を強調する。
  _
( ゚∀゚)「昔の話だ。今さら、馴染みだなんて持ち上げるなよ。気分悪いぜ」

ショボンは笑みを浮かべながら、吐き捨てるジョルジュを見つめている。
その眼は、笑っていない。

ややあって、肩を竦め鼻を鳴らす。

(´・ω・`)「君も、いい加減、元の仕事に戻ることも考えてみたらどうかな。
      こんなスラムみたいな場所で探偵の真似事なんて、器じゃないだろう?」




23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:20:35.29 ID:pvF72uO/P
  _
( -∀-)「……」

続くショボンの言葉に反応を返さず、ジョルジュは眼を閉じる。
目の前の男の存在を視界からも追い出し、背もたれに深く身体を預けた。

(*゚ー゚)「……」

しぃは二人の因縁を知らない。黙って会話に耳を澄ませている。

(´・ω・`)「君なら、多少のブランクがあっても大丈夫。もちろん僕だって協力は惜しまない。
      毎度のことだけれど、戻る気はないのかい?」
  _
( -∀-)「ないね」

その誘いを即座に一蹴する。

(´・ω・`)「貯えはあっても、暮らしだって楽じゃないだろう?
      なんでそんなに依怙地になるんだい?」
  _
( -∀-)「俺は今のままで十分だ。ほっといてくれ」

事務所に重い沈黙の帳が下りる。ジョルジュが深く吸い込んだ煙草の葉が微かに立てる
燃焼音と、その煙を吐く吐息が立ち上る。

(´・ω・`)「……やれやれ。
       だんまりかい?
       兜町の『帝王』ジョルジュも、ずいぶん口下手になったものだね」

ショボンがその名を口に出したその瞬間、室内の空気が、重く冷えた。



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:24:55.52 ID:pvF72uO/P
  _
(  ∀ )「その名前を口に出すな」

それは静かな声だったが、明確な敵意と、そして怒りが篭められていた。
ショボンは肩を揺らした。
くつくつ、と、声を立てずに笑っている。

(´・ω・`)「気に障ったのなら、謝るよ。
      まあ、君の仕事の話はいいさ。正直、興味はないしね。
      僕が欲しいのは、君の『ファイル』だ。それだけだよ」

ジョルジュが眼を開く。眼光は、鋭い。
  _
( ゚∀゚)「お前もたいがいしつこい奴だな。
     何度言えば分かる? とっくに捨てたよ、あんなモン」

(´・ω・`)「嘘だね」

即座に答えるショボンの両目も、既に笑ってはいない。
  _
( ゚∀゚)「なぜ、そう思う?」

(´・ω・`)「君はそんなにできた人間じゃないからさ。
       君はまだあの『ファイル』を……『長岡ファイル』を捨てていない。絶対に。
       僕は、それが欲しい」

ジョルジュの刃のような視線。
ショボンの、柔らかいが隙のない視線。二つの視線が、交錯した。



26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:28:36.60 ID:pvF72uO/P
どれほど、そうしていただろうか。
先に動いたのは、ジョルジュだった。肩を沈め、大きく煙を吐く。
  _
( ゚∀゚)「ファイルは捨てた。
     お前に話すことは、何もないぜ。とっくの昔から、ずっと、な」

ショボンの眼が緩む。
小さく溜め息を吐いて、立ち上がった。

(´・ω・`)「今日も、平行線、か。
       仕方ないね。また近い内に顔を出させて貰うよ」
  _
( ゚∀゚)「笑わせるぜ、ショボン。
     知ってるか? 平行線は永遠に交わらないから平行線って言うんだぜ?」

(´・ω・`)「へえ、よく知ってるね。
      それだけ優等生なら分かるだろう? 僕が求めてるのは言葉遊びじゃない。
      君の『長岡ファイル』、それだけだよ。……また来るよ」

ちらりとしぃの顔に目を遣り、笑う。
ショボンは、そのまま静かに事務所を去った。

しぃが使用済みのカップを洗って戻ると、その目の前で彼は吸い終えた煙草を力任せに
灰皿にねじ込んで消した。
  _
(# ゚∀゚)「あ~~~、クソっ!」

まだ燃焼していない葉が、灰と共に机に飛ぶ。
もしも目前にショボンの頭が差し出されていたら、同じようにねじ込んでいたと
言わんばかりの勢いだ。



27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:32:35.91 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「ったく、せっかく仕事終わって気持ちよく寝ようと思ったのによ。
     あのしょぼくれ顔のおかげで逆にストレス溜まっちまったじゃねーか!」

しぃも、下がり眉に油断のならない表情を湛えたショボンの顔を思い浮かべる。

(*゚ー゚)「なんなの、あの人?」

ジョルジュの隣に腰掛け、尋ねた。
  _
( ゚∀゚)「腐れ縁だよ。気にすんな。
     ……話の内容は、聞かれても話す気はないからな?」

(*゚ー゚)「……うん」

釈然としないが、頷くしかない。
「帝王」と「ファイル」という耳慣れない単語が意味するものは、しぃには想像も付かない。
  _
( ゚∀゚)「ゴメンな。嫌なもん見せちまった。
     さ、今日はこれでおしまい。部屋に戻るか」

(*゚ー゚)「ん~~……」

ジョルジュは席を立ち、机の上に放置されていた封筒を懐にねじ込む。
入り口の扉を開いて振り返ると、しぃはまだ頭に指を当てて考えていた。





28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:36:36.63 ID:pvF72uO/P
事務所を出、二人で階段を上る。
傾きかけた陽がビル群の向こうに沈みかけ、濃い夕日の輝きがその縁に懸かる。
眼に飛び込む西日に、しぃは眼を細めた。

長岡探偵事務所は、駅からほど近い雑居ビルの二階にある。
入り口のドアと階段の手摺りに「長岡探偵事務所」と書いたプラカードが貼っていなければ、
小規模な商社などにしか見えないだろう。

6階建てのビルは二階までがテナントのオフィスフロア、三階以上が住居になっている。
彼の住居は事務所のすぐ上階、三階にあった。
  _
( ゚∀゚)「ほら。ここだよ」

「長岡」の表札が掛かったドアを開く。
その室内に、彼はしぃを招き入れた。
  _
( ゚∀゚)「ここが、俺の城だよ。
     まあ……ちょっとばかし散らかってるけど、あんま気にしないでくれよな」

先にしぃを入らせ、後ろ手に電気を点ける。
赤みを帯びた光が室内を照らした。

(*゚ー゚)「うん。おじゃましま――」

一歩踏み込み、ポーチから室内を見回したしぃは。

(*゚o゚)「――――」

口を丸く開いたまま、硬直した。




29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:40:57.67 ID:pvF72uO/P
間取りは、シンプルな1LDKだ。
各部屋は広く、一人で暮らすには十分すぎる広さと言える。

廊下はなく、余裕を持った広さのリビングダイニングは玄関から直接繋がっている。
玄関のすぐ脇にはガスコンロ付きのキッチン。
その正面には、洗濯機置き場付きの浴室が半開きのドアの向こうから覗いている。

(;゚ー゚)「……」

しかし。
問題は、間取りではない。
しぃは、動かない。微動だにしない。
  _
( ゚∀゚)「なんだよ、ここまで来て遠慮するなよ。
     疲れたって言ってたろ? 気にしないで、入ってくれよ。ほら」

彼女がこの期に及んで遠慮したのだと解釈したジョルジュは、奥を指して再度
しぃを促す。

(;゚ー゚)「……あう……」

あんぐりと口を開けたまま、しぃは照らし出されたその室内に呆然と首を巡らせる。
入ってまず目に付くのは、キッチンシンクだ。

シンクそのものではない。その中にひしめき合う、積み上げられたビールの空き缶と
灰皿、コンビニ弁当とインスタント食品の容器。吸い殻を満杯に押し込まれた、
プラスティック製の灰皿からこぼれ落ちた灰。




30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:44:31.53 ID:pvF72uO/P
(;゚ー゚)「う……」

浴室の戸は開いたままで、溜め込んだ洗濯物の山が地滑りを起こしキッチンの床にまで
崩落している。しかも、どのような過程を経たものか想像も付かないが、脱ぎ捨てられた
下着や肌着が点々と、キッチンの先のリビングダイニングまで続いている。

(; ー )「う……ううっ」

奥に広がるリビングキッチンの様子は完全には分からないが、少なくともテーブルの上には
酒瓶と、やはり満杯の灰皿がそれぞれ幾つも並び、開いたままのカーテンから差し込む
夕日を受けて光っているのが見える。

寝室とおぼしき部屋のドアは閉じられていたが、隙間にだらしなく伸びたタオルケットが挟まり
垂れ下がっていた。

この部屋のエントロピーは、既に限界に達していた。
もっとも、ガスコンロはビールの空き缶で塞がっており、長らく熱を発したことはないようだが。

(; ー )「あうう、うう」

壁に手を突いて靴を脱ぎ、冷蔵庫の前に立つ。
開いた冷蔵庫の中には――

(; ー )「……ビールとマヨネーズしか……入ってない……」

ぱたん、と冷蔵庫のドアを閉じる。
そのまましぃは俯き、肩を震わせた。



31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:48:19.48 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「食い物は切らしてんだ。欲しい物があるなら買ってくるけど?」

背後から、暢気なジョルジュの声が届く。

(; ー )「……う……」
  _
(; ゚∀゚)「な、なんだよ。なんか気になることでもあった?」

両肩が、握りしめた両拳が、ぶるぶると震える。
それが、遂に限界を迎えた。

(* ー )「ううっ……ううううううう~~~っ!」

しぃの中で、ぷつり、と音を立てて何かが切れた。

きっと顔を上げ、意を決して部屋に踏み込む。
洗濯物を避けながらリビングキッチンに向かい、電話台を探し当てると、引き出しを開いて
乱暴に中を漁った。程なくメモ帳を見付けると、一緒に入っていたボールペンで何事かを
書き殴る。
  _
( ゚∀゚)「……おーい」

その様子を、ジョルジュは玄関に立ったまま、何事かといった様子で見る。
その彼の所に足音を鳴らして戻り、叩き付けるように破ったメモ帳を押し付けた。

(* ー )「買い物……行ってきて。
     要るモノ、全部書いといたから」



34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:55:48.61 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「いいけどさ。そんな顔真っ赤にして、お前何を……」

(#゚ー゚)「いいから行ってくる!
    いい? 買い物したら、一時間ぐらい時間潰してきて。
    途中で戻っちゃダメだよ。分かった?」

しぃは、怒っていた。
  _
(; ゚∀゚)「分かった、分かったって。でも――」

(#゚ー゚)「いいから早く出てって! いい? 一時間だよ!
    絶対それより早く戻って来ちゃダメだからね!」

言って首を振り、肩を怒らせる。

(#゚ー゚)「ほんとにもうっ、なんでこんな部屋で平気で生活できるの?
    ボク、信じられないよ! ……あああああ、もう我慢できない!
    ほらほら、片付けの邪魔だからさっさと出てく! 早くっ!」

ジョルジュの肩を押して、玄関の外に押し出す。
そのまま、ばたんとドアを閉じた。
  _
( ゚∀゚)「……俺の、部屋なんだけどな」

受け取ったメモを開く。
怒りながら書いたにしては丁寧な字で、何種類かの食材が書かれていた。
  _
( ゚∀゚)「部屋から叩き出されて、メシのお遣い、か。
     ……はあ。鶴の恩返しにしちゃ、当たりが厳しすぎじゃないか?」



35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 21:59:06.32 ID:pvF72uO/P
メモを片手に、煙草をくわえながら階段を下る。
一階まで下りると、出入り口の前に佇む老年の人影を見付けた。
  _
( ゚∀゚)「お、管理人さん。こんちは」

ビルの管理を行っている、荒巻だった。

/ ,' 3「ああ、長岡さん。ご苦労様」

人の好さそうな顔で頭を下げた。
ジョルジュの職業が探偵だと知ってから、この老人は必ず「ご苦労様」と挨拶をする。
  _
( ゚∀゚)「あ、いや。別に苦労なんてしてないよ」

/ ,' 3「いやいや、大変なものじゃろう。
    ところで、さっき上でどたどたと音が聞こえていたようだったけれども。
    何かあったのかね?」

恐らくは、しぃが立てた足音だった。
メイドに一晩の宿を貸した、とは言えない。
  _
( ゚∀゚)「ん。ちょっとゴキブリが出てね。大捕物だよ」
  _
( ゚∀゚)(……ゴキブリ扱いされたのは、俺自身だけどな)

/ ,' 3「そうかい、そうかい。大変だのう。
    そう言えば、五階の斉藤さんの所でも最近増えているとか。
    また、清掃も考えないといかんかな」




36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:01:03.42 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「そうかもね。頼むよ、管理人さん」

/ ,' 3「はいよ。長岡さんも、交通事故には気を付けてな」

挨拶を交わし、別れる。
普段は長話も多いが、今日は話す気分ではなかった。
  _
( ゚∀゚)「さあて、と。買い物終わったら、どこで時間潰すかな……」

日の暮れかける交差点を見て、ジョルジュは独りごちた。






37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:04:53.38 ID:pvF72uO/P

                      - 3 -

食卓を見回して、ジョルジュは改めて目を丸くした。
  _
( ゚∀゚)「しぃ。お前、ほんと凄い奴だな」

口から出るのは、素直な賞賛の言葉だ。

(*゚ー゚)「ボクは絶望したけどね。ジョルジュさんの部屋のひどさに」
  _
( ゚∀゚)「まあ、そう言うなよ。独身男性の部屋なんて、みんな同じようなモンだって。
     ……多分」

首を伸ばし、部屋を見る。
一時間以上前の惨状は、完全に鳴りを潜めていた。

あの後部屋に戻ってきた彼は、中を見て愕然とした。
そこにあったのは、掃除され、整頓され尽くした自分の部屋だった。

ゴミは片付けられ、溜まった洗濯物は洗われてベランダに下がっている。
あれほどあった不燃物の山も、折りたたまれ、圧縮されて袋詰めされ、
三つほどのゴミ袋になってベランダに出されている。

(*^ー^)「あー、すっきりした。ギコさんの所で、ずいぶんお掃除の訓練したけどさ。
     今日ほど、やっててよかった、って思った日はないよ」

帰る部屋を間違えたのでは、という可能性を検討するジョルジュに、しぃは
そう言ったものだった。



38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:08:33.11 ID:pvF72uO/P
(*゚ー゚)「簡単なものばっかりで、ごめんね。
    もっといろいろ作りたかったんだけど、キッチンの使い勝手が分からなくて」

申し訳なさそうに言うしぃ。
  _
( ゚∀゚)「いやいや、ご馳走だよ。
     家で食べた記憶があるのはインスタントばっかりだしな」

ジョルジュは手元の白飯の椀を見ながらしみじみと答える。

記憶にある限り、家で料理をしたことはなかった。
最後に炊飯器を、トカゲを入れる以外の用途に使ったのはいつだったか、それすら
思い出せない。

改めてテーブルの上を見る。

メインの料理は、豚肉のピカタだ。
薄い衣の付いた厚切りの豚肉にまぶされた、狐色に焦げ目の付いたパルメザンチーズが
食欲を刺激する。

付け合わせはオリーブオイルでソテーした夏野菜と、カットしたトマト。
スープボウル代わりのマグカップには、オニオンスープがなみなみと入っている。
十分にローストした玉葱の、独特の甘い匂いがリビングキッチンに広がっていた。

(*゚ー゚)「ほら、料理。冷める前に食べちゃってよ。ボクもいただくから」

促され、肉料理を口に運ぶ。



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:12:28.67 ID:pvF72uO/P
かりかりとした衣に包まれた豚肉は柔らかく、火の通り具合も適度だった。
塩胡椒の味付けに、チーズの微かな酸味とオリーブオイルの香りが舌上と鼻に広がる。

ジョルジュは、食にはさほど執着はない。
高級料理店に足を運んだこともあったが、印象に残るような味はほとんどなかった。
それでも、この素朴なイタリア料理の味は素直に美味いと思った。

(*゚ー゚)「コンロの火力が弱くってさ。
    火加減が気になってたんだけど、大丈夫? 生っぽかったり、硬かったりしてない?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。すげぇ旨いよ」

彼は口に含んだまま頷いた。
頷きながら、次々とフォークを伸ばし食べ続ける。

(*゚ー゚)「良かったぁ。
     お褒めに預かり、光栄でございます。ご主人様。うふふっ」

出し抜けに「ご主人様」と呼ばれ、肉を口に詰め込んでいた彼はむせた。
  _
(; ∀ )「う、ふぐっ!」

(;゚ー゚)「わわっ。ちょっと、大丈夫?
     たくさん食べてくれるのは嬉しいけど、ちょっと落ち着いてよ!」




40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:17:30.06 ID:pvF72uO/P
二人で食事をしながら、取り留めもない会話を続ける。

(*゚ー゚)「あははっ。でもさ、あの貼り紙で、よくザラキーマちゃん、見付けようとしてたよね。
     やっぱり、写真がないとダメだったんじゃない?」
  _
( ゚∀゚)「仕方ないだろ。コモドオオトカゲってな輸入禁止の動物なんだよ。
     写真なんて付けたら、一発で保健所に連絡が行くって」

(*゚ー゚)「ほんと、ついてたね。
     ボクが拾わなかったら、ジョルジュさんの部屋、ひどいままだったよ?」
  _
( ゚∀゚)「いいんだよ。俺、別に気にしてないし。
     そりゃあ、綺麗になったら嬉しいけどさ」

室内を見回しながら、やや憮然とした表情でジョルジュは言い返す。
既に陽は落ち、カーテンは閉じられている。

(*゚ー゚)「……はぁ。なんか、ずいぶんたくさん話したな。
    こんなにおしゃべりしたの、久しぶりだよ」

しぃの皿が空になるのを見届け、ジョルジュが冷蔵庫からビールを取り出してくる。
それを軽く咎めるような目で見てから、しぃは呟いた。

(*゚ー゚)「食事だって、家の人とは別の時間帯だし。
     同じメイドさんだっていたけど、親しい人、あまりいなかったし。
     だから、こうやって食べながらお話するの、すごい久しぶりなんだ」

給仕服のまま机に頬杖を突いて、そう言う。
ジョルジュは缶を握ったまま、その表情を見ていた。



41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:21:34.05 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「……」

(*゚ー゚)「どうしたの、ジョルジュさん? 急に黙っちゃって」

しぃが小首を傾げる。

訊くべきかどうか、迷っている。
訊いても、解決できる訳ではない。
手助けできることなど、何一つないだろう。

それでも、訊かずにはいられなかった。
  _
( ゚∀゚)「……なあ、しぃ」

(*゚ー゚)「なあに?」

うやむやにしてしまうのが、一番楽な道だった。
だが、好奇心もある。
酒の力を借りたかったのかも知れない。ビールの缶を見て、苦笑した。
  _
( ゚∀゚)「お前……なんで、家出してきたんだ?」

しぃは僅かに眼を見開き、そしてまた細めた。




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:25:38.44 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「お前が何してたのかは、知らないけどさ。
     少なくとも、環境に不自由はないはずだろ? それなのに、なんでだ?」

(*゚ー゚)「だって、仕方ないじゃん。
    メイドだって、イヤなこと、いろいろあるんだよ? ストレスだって溜まるもん」

言葉は明るいが、質問の答えにはなっていない。
その笑顔は、それ以上のことを話すつもりがあるようには見えない。
  _
( ゚∀゚)「そっか。まあ、いいさ。
     掃除洗濯に飯まで作ってもらってるんだ。これ以上の対価を要求するのは
     酷ってもんだ。だよな?」

しぃの表情がどことなく安心したものに変わった気がするのは、邪推だろうか。

(*゚ー゚)「あはっ、そういうコト。ボクのことなら気にしないで。
    そうだね……また何かあったら、事務所に相談しに行くからさ。ね?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。『どんな客でも、依頼があれば最大限相談に乗る』。
     当事務所のモットーだからな。その代わり……」

声を潜める。
  _
( ゚∀゚)「代金は、部屋の掃除とうまい晩飯。その条件で良ければ、だけどな」

(*^ー^)「うんっ!」

会話は、そこで終わった。



44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:27:15.21 ID:pvF72uO/P
しぃは席を立ち、空いた皿を片付け始める。

(*゚ー゚)「あ、お風呂の掃除も終わってるからね。
    今入れ始めるから、準備できたら入っちゃってね」
  _
( ゚∀゚)「おっ、ありがとよ!」

重ねた皿を支えながらキッチンに向かうしぃ。
室内に、食器の触れ合う音が響き始める。

てきぱきと動くしぃの背中を見る。
見ながら、彼は、昼間彼の腕を握ったしぃの腕の強ばりを再び思い返していた。






45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:34:59.99 ID:pvF72uO/P

                      - 4 -

遠くで、電車の警笛が聞こえる。
電気を落としたリビングの隅のソファで、、ジョルジュは腕を枕に天井を見つめていた。
洋間のベッドはしぃに明け渡している。
  _
( -∀-)「……」

軽くアルコールに浸された頭で、今日一日の出来事を回想する。

女の依頼。青い鱗のトカゲ。
そして、メイド服姿の少女。真意を測りかねる言動、そして動機。
  _
( -∀-)(家出、か)

何があったのかは、分からない。だが、聞く必要も、義務もない。
明日になれば駅前にでも放り出して、それで終わりだ。
  _
( -∀-)(……何なのかね)

ジョルジュは、ギコに会ったことはない。
しぃと同じメイド服姿の給仕の口を犯し、しぃを「ペット」と称したギコの性情を知らない。
  _
( -∀-)(……)

ふと、キッチンに立つしぃの背中を思い出した。
意識しているわけではない。
そうではないはずだが、何とはなしに落ち着かなかった。



46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:39:51.61 ID:pvF72uO/P
そもそも、他人と一つ屋根の下で眠った経験自体、数年来のことだ。
探偵事務所を始めてから初めてのことだった。
  _
( -∀-)(……寝よう)

手狭なソファの上でどうにか寝返りを打ち、壁のある背もたれを向く。
後は何も考えず、眠ることにした。



――かちり



そのジョルジュの耳に、ドアノブが下りる小さな金属音が響いた。
裸足がフローリングの床を叩く音が、ひたり、ひたり、と続く。
無言で横たわるジョルジュの背中で、その音は止んだ。

(   )「……」

小さな呼吸音が、ジョルジュにはやけに大きく感じられた。
暫く、目を閉じたまま背中に意識を向ける。
見返すまでもなく、視線がこちらに向いているのが分かる。
  _
( -∀-)「寝ぼけてんのか? トイレはそこじゃないぜ」

目を閉じ、背を向けたまま言う。
人影は――しぃは、やはり無言で立っている。



47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:45:20.04 ID:pvF72uO/P
  _
( -∀-)「明日、帰るんだろ?
      さっさと寝ろよ。せっかく広いベッド貸してやってるんだからさ」

(*゚ー゚)「……。
    ……ジョルジュさん」

躊躇いがちな声が、答えた。
答えて、しかしそのまま、また沈黙する。
  _
( -∀-)「……」

(*゚ー゚)「……ジョルジュさん……」

繰り返す。

また沈黙。
  _
( -∀-)「……」

(*゚ー゚)「……」
  _
( -∀-)(ダメだ。相手するな ……寝るぞ。俺は寝る。もう寝る)

(*゚ー゚)「……」
  _
(; -∀-)「…………っ」

根負けしたのは、ジョルジュの方だった。



49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:52:30.89 ID:pvF72uO/P
  _
(# ゚∀゚)「――だああっ! 何だよ!
     俺はね、もう寝たいの! 言いたいコトあるなら――」

タオルケットをはね除けて身体を起こし、振り返りざまに抗議する。
しかし、言葉の後は続かなかった。
  _
(; ゚∀゚)「――って、うわっ!」

(;゚ー゚)「わわわぁっ?」

視界一杯に迫ったしぃの顔がのけ反り、そのまま視界から消える。

見下ろすと、床に尻餅を着いていた。
しぃの顔があったのは、身体を起こしたジョルジュのすぐ目の前だった。
沈黙で牽制し合っている間にしぃはジョルジュのすぐ背後にまで歩み寄り、その背中を
見下ろしていたのだった。

(;゚ー゚)「び、びっくりしたぁ……。
    ジョルジュさん、起きるときはもうちょっとゆっくりにしてよ!」
  _
( ゚∀゚)「んなこと言われても、お前こそ何だよ。コドモは寝る時間だぞ?」

ジョルジュの前で、しぃは後ろ手を付き姿勢を直す。
彼の顔の高さに視線を揃えて、笑った。

(*^ー^)「ジョルジュさん。
     今日、ありがとね。ボク、大助かりだったよ」



50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 22:57:56.25 ID:pvF72uO/P
  _
( ゚∀゚)「あー、そーかい。
     俺も助かったぜ。部屋が片付かなきゃ、ソファで寝られなかったしな」

そもそも、しぃが来なければベッドを譲る必要もなかったのだが。

(*^ー^)「うん。だから――」

しぃは笑顔のまま、つい、と顔を寄せる。



――そのまま、笑んだ唇が、ジョルジュの唇に触れた。


  _
(; ゚∀゚)「……ッ!」

不意打ちだった。
思わず、身体を思い切り引く。
背中をソファの角に強かに打ち付け、咳き込んだ。

(*^ー^)「あははっ。
    ジョルジュさん、驚きすぎだよ」

笑う。笑って、更に身体を乗り出す。

(*゚ー゚)「ジョルジュさんのお陰で、家出、大成功だったし。
    一文無しの、赤の他人のボクに、ここまでしてもらったし。
    だから、たくさんお世話になったから……お礼。ダメ?」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:03:27.97 ID:pvF72uO/P
  _
(; ゚∀゚)「だ、ダメだダメだ! お前、もうちょっと自分を大事にだな……いや!
     待て待て、とにかく俺はそんなつもりでお前を助けてやった訳じゃないからな!
     それに、宿代はもう受け取ってるって!」

混乱するままに、浮かんできた言葉を連ねる。
だが、しぃは聞かない。

(*゚ー゚)「うん。部屋を借りた分は、掃除洗濯とお料理。
    でも、一番大事なコト……ボクのこと、タクシーに乗せてくれて、助けてくれたコト。
    その分、払ってないでしょ?だから、ね――」

ソファの縁に手を付き、首を伸ばす。
仰け反った姿勢の彼の唇に、またしぃの唇が重ねられた。
  _
(; ∀ )「ッ――」

避けようとする身体の動きが鈍った。
酒が残っているせいだと、咄嗟に自分に弁解する。

(* ー )「ん……っ」

軽く目を閉じて、頭を傾ける。
今度は、唇はすぐには離れない。そのまま、二度、三度と触れ合わせる。
  _
(; ゚∀゚)「ちょっ、おまっ、待っ」

首筋にしぃの腕が回される。




54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:04:46.49 ID:9adz7lnJO
わっふる?


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:07:22.49 ID:pvF72uO/P
ソファに身体を起こす彼に、しぃは身体を預ける姿勢になった。
頬に、唇がまた触れる。肩に回された指に、そっと力が籠もるのが感じられた。

(*゚ー゚)「あははっ。
    だから、その分のお礼。ね、ジョルジュさん?」

寄りかかられたまま体重を預けられる。
  _
( ゚∀゚)「う……わっ!」

腕の力は、思ったよりも強い。
バランスを崩したジョルジュは、ソファに仰向けに倒れ込んだ。

暗い室内にようやく慣れ始めた彼の眼には、しぃの顔だけが映っている。
肩まで伸びた洗い髪から、彼が使っている男物のシャンプーの匂いが漂う。
太股には、ソファに両膝を突いて身体を起こすしぃの細い足の感触があった。

(*゚ー゚)「……ジョルジュさん。
    ボクじゃ、ダメ? イヤ?」
  _
(; ∀ )「え、あ……」

尋ねられても、思考は空転するばかりだった。
ただ心臓が早鐘のように鳴っていた。

答えを待たずに、しぃはその顔でジョルジュの視界を塞ぐ。



58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:08:10.39 ID:MOBovPY90
わっほう


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:11:31.22 ID:pvF72uO/P
(* ー )「ん……ふっ……」

彼の耳には、しぃの息遣いだけが聞こえる。

首に絡められた指先が鎖骨を撫で、胸元に下りる。
薄手のシャツ越しに細い指先が彼の身体を探り、更に下りていく。

部屋が暗いことに感謝しなければいけなかった。
もしも灯りがついていたら、初心な少年のように赤面しているのを見られただろう。

(*゚ー゚)「ふ……ぅっ」

乾いた粘膜が触れ合い、敏感な触覚が身体の奥を刺激する。

この事務所を構えて以来、他人と一つ屋根の下で寝たことはない。
この自室に限らず、そして男女も関係為しに、だ。
そして残念なことに、ジョルジュは聖人君子ではない。

軽いアルコールが入った頭と身体は、彼の思い通りにはならなかった。
少量のアルコールが、理性の回路を僅かにバイパスする。
それに助けられ、燻っていた感覚が彼の下腹の奥で目覚めるのを感じていた。

理性を保つのは、限界だった。

しぃの指が腰を伝いジョルジュの腰に下りる頃には、彼の身体は既に反応していた。



62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:12:42.34 ID:la9XvnsPO
わくてかわくてか!


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:14:11.81 ID:pvF72uO/P
スウェットを押し上げる先端に指が掛かった瞬間、息が漏れた。
  _
(* ∀ )「く、っ……」

しぃは指先を開く。
盛り上がったスウェットを伝わせ、そこに掌を包むように添えた。
ゆっくりと動かし、熱をもった彼の部分を生地越しに刺激する。

甘い痺れが、彼の腰を中心に広がった。

(*゚ー゚)「ん、ふ……ふっ」

唇で彼の唇を、掌で勃起した肉茎を愛撫しながら、しぃは笑みの吐息を漏らす。
そのまま、スウェットの下に掌を潜り込ませた。
細い指で、握られる。
  _
(* ∀ )「っ、!」

僅かに冷えたその指の感触に、意識せず肉茎が震えた。

明らかに、異常な状況だった。
相手は初対面で素性知れずの年端もいかない少女で、その上大企業の社長を脱走した
メイドだ。その彼女が、自分の肉茎を愛撫している。

しぃの手が、少しずつ動く。
小さな手で肉茎を擦り上げられる感覚は、すでに快感以外の何者でもなかった。
  _
(* ∀ )「……く、っ!」

先端が、少しずつぬめり始めるのを感じる。



65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:17:53.00 ID:pvF72uO/P
(*゚ー゚)「……ね。ジョルジュさん、気持ちいい?」

しぃが耳元で、細い声で囁き、その息が耳たぶをくすぐる。
また身体が熱くなるのを感じた。

しぃの手の動きは少しずつ角度とリズムを変え、そして少しずつ大きくなる。
肉茎を擦る手のストロークが長くなる。

(* ー )「ほら、ね……?」

甘く、そして乾いた感覚が、ジョルジュの背骨を這い上がる。
股間は熱く、そして耳に掛かるしぃの息に、首筋は毛が逆立つように痺れた。

弄ばれる肉茎から零れた透明の液体が、しぃの指に絡む。
勃起したそれがさらに膨らみ、震えた。
その根本の奥底から、どろどろとした感覚がこみ上げてくる。
腰に力を入れ押さえ込もうとするが、それは逆に一層の快感に変わる。

不意に、肉茎に掛かる圧力が消えた。
  _
(* ∀ )「っ、……?」

彼の股間から手を離し、しぃは身体を起こしていた。

(* ー )「ん。そのままにしてて、いいよ」

身体を下に、ジョルジュの腰に向かってずらす。
そしてスウェットに手を掛け、下ろす。
布地の拘束から解放された彼の肉茎が、外気に晒された。



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:21:05.62 ID:pvF72uO/P
気恥ずかしさで、彼は身体を起こす。
彼の腰の上に、しぃの紅潮した顔があった。
その目の前で、しぃは、そそり立った彼の肉茎に顔を寄せる。
  _
(* ∀ )「――ッ!」

(*///)「ん、ちゅ、っ」

片手で下から支え、起こした肉茎に横から口づける。
もう片方の手は付け根の部分を裏からなぞり、陰嚢との境目を優しく撫でた。
薄い皮膚を撫でられ、腰の周囲にこそばゆいとも快感とも区別しがたい感覚が走る。
  _
(* ∀ )「っ、く……!」

音を立てて何度も肉茎にキスし、撫でさする。
時折舌を出して、露出した亀頭に這わせる。

(*///)「ちゅ、ちゅ……っ、ん、ふは、っ」

そうしながら、根を撫でていた手を広げ、掌で陰嚢を包む。
じっとりとした熱がしぃの掌から移り、そこを中心に全身が熱くなる。

しぃは、両手で肉茎の付け根を支える。
彼自身の分泌した液体で濡れた先端を、そっと口に含んだ。

(*///)「ん、んん……っ」

口腔の粘膜が、雁首から先を緩く締め付ける。
唇で固定された先端の周囲を、温かく湿った舌が、くるり、となぞった。
鋭い感覚が走る。



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:24:25.88 ID:pvF72uO/P
(*///)「んむっ、んっ、む……っ」

表情を僅かに歪め眼を細めて、硬直した肉茎をくわえたまま、ジョルジュの
顔を上目遣いに見上げる。見上げたまま、また唾液を絡ませた舌で雁首をねぶる。
  _
(* ∀ )「くぅ、っ!」

自らは指一本動かさず、肉茎を晒け出して奉仕させることに、強い征服感を。
そして自分の全てをしぃの手と口唇に支配されていることに、被支配感を、同時に覚える。

同時に、射精感が高まっていく。
熱く粘る感覚が、奥から肉茎へ、根本から先端へと集まっていく。

(*///)「ん――ふはぁっ」

しぃが口を大きく開き、首を引いた。
唾液をまとわりつかせた肉茎がその口から零れ出、仰向けのジョルジュの腹に落ちた。
  _
(* ∀ )「はぁっ、く……はぁっ」

荒く息を吐く。
あのまま続けていれば、しぃの口内に射精していただろう。
その彼の顔を見て、しいが笑う。

(*^ー^)「いいよ。
     出しても、いいよ?」

見透かされている。
言って、しぃは――ひくつく彼の肉茎を、根本まで深く咥え込んだ。



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:28:53.98 ID:pvF72uO/P
  _
(* ∀ )「う、あッ!」

彼自身でも情けなく思える程の声が漏れた。
手指と舌で加えられ続けた快感は既に氾濫を起こしそうなほどだ。
歯を食いしばらなければ、今すぐにでも射精してしまいそうだった。

それを、堪える。
そして、堪えれば堪えるほど、快感はより増していく。

なお硬さを増す肉茎は敏感になり、亀頭の粘膜を擦られる快感は断続的な電気刺激のように
腰を走る。

(*///)「はふッ、んぅっ、ん……。
     ん、んん――ッ」

ちゅく、ちゅく、と、しぃの小さな口が音を立ててジョルジュの肉茎を責める。
窄めた口内の内壁に全体がしごき上げられ、摩擦され、吸い上げられる。
肉茎に添わされた舌が蠢き、裏筋がざらざらとした感触で擦られる。

(*///)「んく、くッ。ちゅうッ、はふ、ふぅ……っ!」

首を上下に動かす。

唾液と粘膜が肉茎を激しく摩擦し、潤った女性器に突き込んだかのような淫猥な音を立てる。
しぃの口の端から唾液が零れ、肉茎の付け根の陰毛に落ちる。

これ以上、耐えることはできなかった。



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:31:49.09 ID:pvF72uO/P
肉茎が、破裂しそうなほどに膨れ上がっているのが分かった。
堪えていた射精感が赤く脈打って押し寄せ、出口を求めて暴れる。
  _
(* ∀ )「うっ、く……ッ!
     はぁ――っ!」

ジョルジュは、自分でも気付かないまま息を荒げていた。
掠れた呻き声を上げながら、しぃの口の動きに併せて腰を動かしていた。

(*///)「ん、ンむぅ……っ……?」

一度、大きく脈打つ。
  _
(* ∀ )「うっ、く……ッ。
      も、もう……ダメだッ!」

(*///)「ン……ふふっ」

しぃは、彼の顔をまた見る。
歪んだ表情を確かめて、首を大きく一度引いた。
小刻みに震える濡れそぼった肉茎が、その口の中から現れる。

限界だ。




77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:34:38.53 ID:pvF72uO/P
しぃが緊張させた舌を先端に絡めながら、最後に一度肉茎を飲み込むのに合わせ、
ジョルジュも腰を突き出し、彼自身を口腔深くまで付き込んだ。
  _
(* ∀ )「くッ、うあ――――ッ!」

声が漏れる。
そのまま、ジョルジュはしぃの口内に激しく射精した。

(*///)「ン、く、っ……ふうぅっ?」

精液を吐き出すのと同時に、肉茎は不随意筋の動きで激しく暴れる。
余りの勢いの強さに、それはしぃの口から零れ落ちた。

(*///)「んんぁっ……きゃっ!」

白く粘る精液が飛び、しぃの右頬を汚す。
糸を引き滴り落ちた何滴かが、ジョルジュの腹に落ちた。
  _
(* ∀ )「……はぁっ、はぁっ、はぁっ……」

ジョルジュには、久しぶりの感覚だった。
疲労感に身を任せながら、彼はただ、肩で荒い息を続ける。

汗と共にアルコールも流れ出たようで、頭が僅かに重い。



79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:39:29.87 ID:pvF72uO/P
(*゚ー゚)「ふふっ。
     ……んッ、ちゅっ……」

脱力した彼の腹に、しぃが顔を屈め、舌を這わせた。
彼の臍の周りに、生暖かい感触が広がる。

(*゚ー゚)「……んくッ、は……ぁ……。
    んぅっ、こくん、っ」

彼自身の腹に零れ落ちた精液を、舌ですくい取る。
口に含んだままジョルジュを見上げ、目の前で音を立てて飲み込んだ。

(*゚ー゚)「んッ……ふッ、あははっ。
     ジョルジュさん、すごい元気」

腹に落ちたそれを全て繰り返し舐め取り、終わってから顔を上げる。
濡れた唇を指で拭いながら、無邪気に笑った。






80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:43:17.98 ID:5tGOI2YtO
チンコたっちゃった


81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:44:54.83 ID:pvF72uO/P

                      - 5 -

射精の瞬間の腰が弾けるような感覚が急速に萎んでいく。
しぃの幼い顔に不釣り合いな、淫らな口の動きに感じた劣情ももうない。
  _
(  ∀ )「……っ」

代わりに胸を満たしていくのは、青黒い後悔と罪悪感だった。
それは突然こんな行動を取ったしぃと、何より、彼女に抗えなかった自分自身に
対するものだ。

呼吸は収まったが、歯を食い縛っていた。
ただ、自分が情けなかった。

(*゚ー゚)「あれ、ジョルジュさん?
     もしかして、寝ちゃった?」

しぃは、自分の行動に全く疑問を持っていないようだった。
ただ世間話をしている間に彼が寝込んでしまったとでも言うような調子で、彼を呼んだ。

腹立たしかった。
  _
(  ∀ )「……何でだよ」

低い呟き声が漏れた。




83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:48:50.40 ID:pvF72uO/P
(*゚ー゚)「あ、起きてた。なあに? 何で、って」

本当に何故だか分からない、という声。
その調子の声を聞いた瞬間、怒りに近い感情が湧き起こった。

ソファの上に身体を跳ね起こす。

自分は確かにしぃを助けた。
それはこんな過ぎた礼が欲しくてしたことではない。

だが、断れなかった。
憂鬱に沈む代わりに声を荒げ、自分に対する怒りをしぃにぶつけた。
  _
(# ゚∀゚)「なあに、じゃねえよ!
     なんでそんな……そんな簡単に、こんなコトするんだよ!」

(*゚ー゚)「なんでって言われても、お礼。
    最初に言ったもん。助けてくれたお礼だって」
  _
(# ゚∀゚)「礼? そんなモン、こんな形じゃなくてもいいだろッ。
     なんでだよ、なんでそんな軽々と、こんなコト!」

だが、しぃはきょとんとした顔で小首を傾げる。
そして――笑顔で、答えた。



(*^ー^)「何で? だって、嬉しかったでしょ?
     ボク、知ってるよ。だって、みんな喜んでくれるもん。
     だから、お礼したの。ボク、何かヘンなこと言ってる?」



85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:52:29.99 ID:pvF72uO/P
返答に、ジョルジュは耳を疑った。
しぃが何を言っているのか、理解できなかった。
  _
(  ∀ )「……みん、な?」

(*゚ー゚)「うん、みんなだよ。ボクがしてあげた人たち、みんな」

しぃは、得意げに笑っている。
  _
(  ∀ )「……ッ!」



しぃは……自分がどれほど異常な話をしているか、全く理解していない。



彼女が、ギコの屋敷で何をして過ごしていたのか。
その一端を、ジョルジュはおぼろげながら察し始めていた。

(*゚ー゚)「ね。ジョルジュさんも、嬉しかったでしょ? 気持ちよかったでしょ?」
  _
(  ∀ )「……」

無邪気に尋ねるしぃ。

思わず、想像する。
昼に訪れた広い屋敷の中で、見も知らぬ男の男性器を咥えて笑うしぃを、思い浮かべる。
目が眩むほどの怒りを、感じた。



87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/21(日) 23:56:19.90 ID:pvF72uO/P
  _
(# ∀ )「……くそぉッ!!」

腕を振り上げる。
怒りをどこにぶつければよいのか分からず、取った行動だった。
しぃではなく、傍らのソファのクッションに思い切り振り下ろすつもりだった。

(*゚ー゚)「あ……」

しぃの瞳に、振り上げたジョルジュの拳が映る。
ぴくり、とその肩が震えた。
  _
( ゚∀゚)「ああ、悪い。お前を殴るつもりじゃなかったんだよ。ただ――」

怯えさせたことを詫び、弁解しながら腕を降ろす。
しかし、しぃは彼の言葉を聞いていなかった。
両肩が、また小刻みに震えた。
  _
( ゚∀゚)「おい、しぃ。聞いてるか?」

ジョルジュの声には答えない。
しぃは、茫洋とした眼でジョルジュの拳があった空間を見ている。

(* ー )「あ……あ」

震えは止まらない。それどころか、逆に全身に伝播していく。

ついには両腕で身体を抱え、しぃは床にうずくまった。



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:00:27.14 ID:Elg0LQ/FP
  _
(; ゚∀゚)「お、おいっ?」

彼の声に、恐る恐る顔を上げる。
全身を震わせて、虚ろな目がジョルジュを見返した。
  _
(; ゚∀゚)「お前……?」

違う。

先程までの笑顔とも、昼に駅前で見せた寂しげな表情とも違う。
その顔は、怯えと恐怖に完全に支配されていた。
その両眼は、ジョルジュを見ていない。焦点を結んですらいない。

(* ー )「……め……て」

青ざめて震える唇の隙間から、声が漏れた。
掠れたその言葉はジョルジュには聞き取れない。
  _
(; ゚∀゚)「おいっ、しぃっ!」

常軌を逸したしぃの怯え様に、彼はようやく異常を認める。
ソファから下り、しぃの目の前に立つ。その脚に、しぃが突如両腕で縋り付いた。

(* ー )「……て。
    やめて……叩くの、やめて」

焦点の合わない眼でジョルジュを見上げ、繰り返す。
  _
(; ゚∀゚)「……!!」



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:04:05.25 ID:Elg0LQ/FP
その両眼に涙が溢れ、瞬く間に頬を流れ落ちる。
暗闇の部屋の中で、外からの微かな光を受けて涙が光った。

(*;o;)「ねえっ、お願いだよ。やめて、お願い……し、ます。
     お願いだから、叩くの、やめて」

首を振り、哀願する。
その眼はジョルジュを見ていない。何もない空間を見上げている。
  _
(; ゚∀゚)「しぃ! おい、しぃ、しっかりしろ!
     大丈夫だよ、叩いたりなんかしないから! なあっ!」

(*;o;)「やだよ、痛いのはやだよぉっ。
     おね……お願い、お願いしますっ、だからっ」

彼の言葉を全く聞いていない。
ただ、洗い髪を振り、繰り返す。

(*;o;)「お願い、お願い、します。
     お願いだからやめて……もう叩かないでっ。
     ボク、やだよ。痛いの、やだ……っ、う、うえ……っ」
  _
(; ゚∀゚)「しぃ……っ……!」

(*;o;)「痛いの……叩かれるの、痛いのっ。
     お願いします、……ギコさん……っ!」



94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:07:25.35 ID:Elg0LQ/FP
  _
(; ゚∀゚)「ギコ……さん?」

気付く。

彼女が、いま誰を見ているのか。
どんな仕打ちを受けていたのか。そして、恐らくは逃げ出してきた理由に。
  _
(  ∀ )「しぃ……お前、っ」

(*;o;)「やめて、やめて、やめて。痛いコト、しないでえっ。
     お願いします、お願いします……、うえっ、え、えええ……っ!」

息が詰まった。
何も言えなかった。

(*;o;)「何でもするから……っ、お願いします、えっ、何でもするから、ボク、っ!」

彼女が何をして、何をされてきたのか、容易に想像が付いた。
それを考えるだけで目眩がした。
  _
(  ∀ )「しぃ……っ!」

(*;o;)「お願いします、お願いします、お願いします。
     お願いします、お願いします、お願い、おねがい……しま、す、っ……!」

涙を流しながら、繰り返し続けるしぃ。
身体を丸め、怯え、震える少女は、余りにも無力だった。




97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:12:14.26 ID:Elg0LQ/FP
自分の頬を涙が伝っていることに彼は気付いた。
彼自身も、泣いていた。
  _
( ;∀;)「くそ、ああ――クソッ!」

屈み、脚に縋る腕を解き、力を篭めて肩を抱いた。
しぃはそれに逆らい機械のように無機的に腕を振り回すが、それにも構わず、そのまま
教え諭すように呼び掛ける。
  _
( ;∀;)「ああ……大丈夫だ、しぃ、もう大丈夫だよ。
      ここにはお前を殴る奴なんていない、無理矢理ひどいことをする奴なんていない。
      だから、落ち着けよ。な、安心してくれ。怖いコトなんてしないから、な?」

(*;o;)「お願いします、お願い……しま、す、お願い……」
  _
( ;∀;)「大丈夫。ほら、よく見ろよ。
      ここはギコの家じゃない、俺の家だよ。長岡ジョルジュの家だ。
      もう怯えなくていいんだ。誰もいじめたりしないから、安心していいんだよ……」

同じ内容の呼び掛けを、何度も続ける。
肩を抱き、しぃの涙が伝う頬を胸に抱いて、繰り返した。

しぃの全身から、次第に力が抜ける。
生気を失っていた瞳に、徐々に意識の光が戻る。

(*;o;)「お……おねが、っ……。
     ……っあ、あああ、あ……ッ」



99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:17:05.52 ID:Elg0LQ/FP
哀願が、空気の抜ける音に似た吐息に変わる。
全身の震えは、嗚咽に変わる。
  _
( ;∀;)「いい子だ。いい子だ、しぃ。
      誰もお前を怒ったりしない。叩いたりしない。
      だから、もういいんだ。落ち着いてくれよ。な? 頼むよ」

(*;ー;)「う――うっ」

潤んだ瞳でジョルジュを見る。
自分の意志で、彼女自身を抱く彼の背中に腕を回す。
そして。

(*;o;)「……うっ、ううぁ、っ。
     あ……うああああああぁぁぁ――――っ!!」

ジョルジュに抱かれ、幼子のように声を上げてしぃは泣いた。

(*;o;)「うううぅっ、うえッ、ジョルジュさん、っ。
     ジョルジュさあああああんッ!!」
  _
( ;∀;)「ああ、そうだ。ジョルジュだよ。
      大丈夫だ、俺はここにいるから、大丈夫だよ……」






101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:20:07.02 ID:CshYJMdQO
なんという
なんというエロゲ
いろんな意味で


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:21:49.08 ID:Elg0LQ/FP
暗い室内で二人はソファの下に並んで肩を寄せ、座っていた。
眠りを知らない繁華街の照明が閉じたカーテンの向こうから微かに差し込んでいた。

(*;ー;)「ううっ。ジョルジュさん、ジョルジュ、さ、ぁんっ」
  _
( ゚∀゚)「大丈夫、大丈夫だよ。いい子だ、しぃ。
     もう、大丈夫だからな」

(*;ー;)「う……うっ。うっ、ぐすっ」

しぃは、何度もジョルジュの名前を呼んだ。
ジョルジュはその度に返事を返し、彼女の髪を撫でた。

時間が、流れた。

ジョルジュに肩を抱かれたしぃの涙は、今は頬に跡を残して乾いている。
肩を揺らし、鼻を啜ってから乾いた声で呟いた。

(*゚ー゚)「……ごめんね、ジョルジュさん。ヤなもの、見せちゃった」
  _
( ゚∀゚)「いや、いいんだ。お前が大丈夫なら、いいんだ」

先程しぃが彼に見せた痴態とその後の恐怖の表情は、ジョルジュの心に複雑な色の
深い影を落としている。
ただ、哀れだ、と、そう思った。

だが、言っておかなければいけないことがある。
腕を引き、しぃの顔を見た。



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:25:13.88 ID:Elg0LQ/FP
  _
( ゚∀゚)「でもな。さっき俺にしたみたいなコトは、もうしなくていいんだ。
     もう、誰にもしなくていいんだよ」

子供に言い聞かせるように、ゆっくりと言った。

(*゚ー゚)「なんで?」

しぃは、あくまでも無邪気に聞き返す。

彼女は知らない。恐らくは、教わっていないのだ。
初対面の男の性器を愛撫することは正常な関係ではないと教えてくれる人間が、彼女の
周囲にはいなかったのだ。
そしてそれを利用し、その正常ではない関係を強要した。
  _
( ゚∀゚)「なんででも、だ。
     今までは……」

今までは、どうだったかは知らないが。そう言おうとして、止める。
これまで彼女がしてきたことを想起させるような言葉を掛けるべきではなかった。
  _
( ゚∀゚)「……いや、いい。
     今までのことは、忘れるんだ。しぃは、もうギコ社長の家に勤めてる訳じゃないだろ?
     そういうコトはな、これからは本当に好きな相手とだけするんだぜ?」

どう言えば、彼女に伝わるのだろうか。
頭を悩ませながら、しぃよりもずっと幼い子に教えるような口調で言う。



107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:28:03.52 ID:Elg0LQ/FP
しぃは、腫れた眼をしばたたかせながら聞き返した。

(*゚ー゚)「なんで? なんで好きな人としかしちゃいけないの?」
  _
( ゚∀゚)「なんでって、お前。そりゃあ、それが自分を大事にするってことだからだよ。
     自分と、相手を大事にすることだからだ」

悩んだ挙げ句、曖昧な表現で言う。
しぃは考えていた様子だったが、やがて伏し目がちに彼を見返した。

(*゚ー゚)「んー……やっぱり、よく分かんないや。
    でも、ジョルジュさんがそう言うなら、そうする。なるべくしないように、頑張るよ」
  _
( ゚∀゚)「なるべく、じゃない。絶対だ。
     約束だぞ。約束、できるか?」

小さく、だが厳しい声と真剣な眼で、しぃの眼を覗き込む。

(*゚ー゚)「うん……約束、する」

微笑んで、頷いた。
ジョルジュも笑う。
  _
( ゚∀゚)「よし。分かればよろしい」

教師然とした口調で言う。乱れたしぃの髪を手櫛で梳き、頭を引き寄せた。
自分の肩の上に、彼女の頭が乗る。

暫く、そうしていた。



109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:32:20.80 ID:Elg0LQ/FP
(*゚ー゚)「……ジョルジュさん、聞かないの?」

ぽつり、と漏らす。
  _
( ゚∀゚)「……何をだよ」

聞き返すまでもないことだったが、はぐらかした。
それを彼女も分かっていたのだろう。答えずに続ける。

(*゚ー゚)「ボクがギコさんのお屋敷で、されてたこと。もう、分かっちゃったよね」
  _
( ゚∀゚)「……」

嘘は吐けない。代わりに、沈黙する。

しぃはジョルジュの腕をそっと解き、立ち上がった。
一歩進み出、ジョルジュに背を向ける。
繁華街からの淡い光に細い身体の輪郭が浮き上がる。

(* ー )「でも、ボク……そんなの、全部、もうイヤになっちゃったから。
    だから、逃げてきたの。もう分かるよね?」
  _
( -∀-)「……ああ」

(* ー )「でも、ボクができるの、あれくらいしかないから。
    だから、ジョルジュさんに喜んで欲しくて、したんだよ? これは、ほんとの気持ち」

そう言うその表情は、ジョルジュには見えない。



111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:36:48.78 ID:Elg0LQ/FP
(* ー )「いろいろ、内緒にしときたかったけど、もうムリだもんね。
    だから、その代わりに、全部……知ってて欲しいんだ。ボクのこと」

背を向けたまま、シャツのボタンに手を掛ける。
大きなサイズの、薄手の開襟シャツは、ジョルジュが寝間着の代わりにと貸した衣服だ。
  _
(; ゚∀゚)「おい、しぃ。いいんだよ、俺は、そんな」

(* ー )「違うの。ボクが、ジョルジュさんに知ってて欲しいの。
    ボクのこと、分かってて欲しいの」

ジョルジュの制止を聞かずに手を動かす。

全てのボタンを外すと、肩を動かしてシャツを床に落とした。
裸の背中が剥き出しになる。続けて身を屈め、女物の下着から脚を抜いた。
  _
(* ゚∀゚)「おい――――ッ?」

(* ー )「……」

灯りの中に立つ全裸のしぃの背中。
そこには、幾筋もの傷痕が、縦に一直線に走っていた。




113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:41:12.34 ID:Elg0LQ/FP
ミミズ腫れに似た傷痕だった。長いものは、首の付け根から腰まで達するものもある。
裂痕が手当も受けられないまま塞がり、盛り上がった皮膚が消えることのない痕跡を
その背中に刻み込んでいた。

一部の傷痕は、まだ赤く腫れ上がっている。最近付けられた傷なのだろう。

(* ー )「……叩かれた日はね、痛くて仰向けに寝られないの。
    それで、同じ部屋の子がうつぶせに寝てると、ああ、この子は今日、『おしおき』
    されたんだな、って分かっちゃうんだよ」
  _
( ゚∀゚)「……ひでえな。
     こんな小さな女の子に……」

硬い唾を飲み、それだけを口に出す。
会ったこともないギコという男に、殺意が湧いた。
ジョルジュの言葉を聞いたしぃは、何故か少し笑う。

(* ー )「……ふふっ。でも、これじゃないんだよ。
     ボクが、ジョルジュさんに知って欲しいのは、ね」

そう言って――そのまま、ゆっくりと振り向いた。
身体の正面を、彼の眼前に晒した。
  _
(; ∀ )「――――!!」

しぃは俯き、頬を染める。



117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:45:31.87 ID:Elg0LQ/FP
その身体を隠す衣服はない。

細い身体だ。脂肪はなく、引き締まっている印象すら受ける。
胸も、薄かった。
臍の窪みには、光るものが揺れている。
それは、小さなティアストーンのボディピアスだった。

その下で。
薄く、細い腰の、無毛の股間に。
そこに、下がっている。

  _
(; ゚∀゚)「……」

そう、下がっている。
それは紛れもなく、男性であるジョルジュが持っているものと同じものだ。



即ち、男性器だ。



ジョルジュは、しぃの身体を見ている。
呆けたように瞬きすら忘れて、彼女の……否、「彼」の身体を凝視している。

(*゚ー゚)「ずっと言ってなかったから、隠したみたいになっちゃったね。ごめんね。
    でも、ジョルジュさんには、本当のボクのこと、知ってて欲しかったんだ」
  _
(; ゚∀゚)「……」



118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:46:22.37 ID:Od35oza/0
なん……


119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:46:56.43 ID:CshYJMdQO
自分で軽く妄想しては振り払っていたことが現実でした

一周回って萎えた


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:47:11.10 ID:zC/aW+p50
なん・・・


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:50:26.67 ID:Elg0LQ/FP
(*゚ー゚)「ギコさんね、ダメなんだって。
    女の子のカッコした男の子じゃないと、ダメなんだって。
    だから……みんな、男の子なんだよ。ボクたち、全員」
  _
(; ゚∀゚)「……あ。あ……ああ」

ジョルジュは、ようやく頷いた。
視線は、しぃの全身を見たままだ。

先程、自分は。
それはつまり、この、少女ではなく少年に――

激しい目眩を覚え、ジョルジュは眉間を強く押さえた。

しぃが目前に屈み顔を覗き込んでくる。

(*゚-゚)「ね。ジョルジュさん、怒った? びっくりした?
    ボクのこと、気持ち悪い子だって、ヘンタイだって軽蔑する?」

眼は、必死だ。

しぃに罪はない。
他に選択肢がなかったのだ。そうすることによってしか、自分に価値を見出せなかったのだ。
先程の行為も、そう思えばこそなのだ。

それを責められるだろうか。
  _
( ゚∀゚)「……怒ったりなんか、してないさ」



122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:51:11.26 ID:Y4a5Da0JO
…ッ!


……ふう。


123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:52:47.99 ID:CshYJMdQO
ハインも…だと…!

道理でフェラばっかなわけだ


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 00:54:11.41 ID:Elg0LQ/FP
(*゚-゚)「……ほんとに?」
  _
( ゚∀゚)「本当だよ。怒ってない。軽蔑だって、してない。
     お前は、正しいんだ。誰もお前を責める資格なんてないよ」

しぃは、眼を細めてジョルジュの顔を見ている。
そこに、微かな怯えの色がある。
  _
( ゚∀゚)「……怒るべきなのは、本当に軽蔑すべきなのは、お前みたいな奴じゃない。
     金や目先の娯楽のために他人を弄んで、人を傷つけたり人生をめちゃくちゃにする奴。
     悪人は、そういう奴だけだよ……お前に怒ったりなんか、するもんか」

胸中には、ギコに対する怒りが渦巻いている。
それを抑え、静かに言った。

(*^ー^)「あははっ、良かったあ。
     ジョルジュさん、ありがとうっ!」

昼間のように表情を輝かせる。
裸のまま、しぃはジョルジュに抱きついた。

(*^ー^)「ボク、嬉しいっ。
     ジョルジュさん、だーい好きっ!」
  _
(; ゚∀゚)「……嬉しいけど、微妙な気分だぜ……っていうか、服着ろ、服!
     風邪引くぞ? おいっ、しぃ!」

彼に飛び付き胸元に顔を埋めるしぃに、ジョルジュは焦りの声を上げた。



126 :◆XcyV9XdVHQ:2009/06/22(月) 00:57:27.01 ID:Elg0LQ/FP
隣でしぃが眠りに就いてから、時計の長針が一周以上回っている。
ジョルジュは目を瞑り、だが眠れずにいた。
先程との違いは、隣でしぃが寝息を立てていることだ。
  _
( -∀-)「……」


  _
( ゚∀゚)『……怒るべきなのは、本当に軽蔑すべきなのは、お前みたいな奴じゃない。
     金や目先の娯楽のために他人を弄んで、人を傷つけたり人生をめちゃくちゃにする奴。
     悪人は、そういう奴だけだよ』



先程しぃに聞かせた言葉を、何度も反芻している。
  _
( -∀-)(笑えるな。こりゃあ、まるっきり俺自身のことじゃねえか。
      へっ。何様のつもりなんだろうな、俺)

自嘲する。
あの言葉は、ギコに向けてのものだった。
だが、同時に自分自身に向けてのものでもあったからだった。

しぃのものには及ばないだろう。
だが同じように忘れ去ってしまいたい、過去の罪の証だ。
  _
( -∀-)(『帝王』……か。
      ショボンの野郎、不愉快なこと思い出させやがる。
      だから、あいつと話すのは嫌なんだ)



128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:01:02.47 ID:Elg0LQ/FP
しぃを起こさないように慎重に首を起こし、その寝顔を見る。
薄く微笑んだまま、眠っている。時折、何かを呟くように口を動かしていた。
  _
( ゚∀゚)「お前、大変な目に遭ってたんだな」

倒錯した行為を強制し、小さな身体にも心にも消せない傷を刻んだ人間がいる。
重苦しい怒りの感情が、再び湧き上がってくるのが感じられた。
  _
( ゚∀゚)「……ちっ」

その最も簡単な解消方法は、例えばトンプソン短機関銃を持ってギコ宅に向かい、
手当たり次第ぶっ放して成金のホモ野郎を食肉工場送り.にすることだ。

だがここは禁酒法時代のアメリカではなく、二十一世紀の日本だ。
ディック・トレイシーを気取ろうにもトレンチコートは似合わないし、何よりカラーセンスが
合いそうにない。
  _
( ゚∀゚)「タカラ・ホールディングス……ギコ社長、か。
     見送りがてら、調べてみるかな」

唇だけを動かし、無音で呟く。

金になる仕事ではない。
だが、気にすることはない。金は幾らでもある。時間も、幾らでもある。
このまま枯れ果てていくだけの時間を緩慢に過ごすよりは、ましな暇潰しにはなるだろう。

唐突に、贖罪、という単語が、眠りに落ちる寸前の脳裏に浮かんだ。
それは決して不快な響きではなく、だからこそ彼はそれを自然に受け容れた。

                                   <第二話 終>






129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:01:09.90 ID:iI7f9CLR0
支援

冷静さを取り戻した我が分身は正しかったと見える


130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:01:37.20 ID:QxpOa8y20
男の子!支援


131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:02:17.73 ID:QxpOa8y20
あ、終わってた。
乙!!


132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:04:32.19 ID:CshYJMdQO


しかし前から変態だとは思っていたが、今度は男の娘か
変態だな、大好きだ


133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:04:50.59 ID:Od35oza/0
男の娘は至高にして究極
乙です!!


134 :◆XcyV9XdVHQ:2009/06/22(月) 01:05:45.96 ID:Elg0LQ/FP
とうかはんい ここまで

なんかもう
なんて言うか、別のを期待してた人はごめんなさい

>>119
ごめんねごめんね

>>123
うん

次スレ以降も濃厚なショタホモスレになります
ご期待くださいっていうかこの針の穴のようなストライクゾーンはどうなんだ

それじゃまたね



135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/06/22(月) 01:10:07.69 ID:CshYJMdQO
針の穴だからこそコアなのが寄り付いてくる

ちなみに俺はふたなりっ娘もいけるから安心するといい



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■この記事へのコメント

  1. ■ [くるくる名無しさん]

    賢者タイムになってもブチ切れない長岡さんは大人だなぁ
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